ウォルマートなどがレジ袋のグリーンウォッシュで訴えられる

米ミネソタ州で、ウォルマートとレイノルズ・コンシューマー・プロジェクトがプラスチック袋(レジ袋)で訴えられた。

リサイクルできないにもかかわらず、リサイクルできるかのように錯覚させ、販売した。

両社は、合計216,670ドルを支払うことに合意したとのこと。これには、バッグの販売で得た利益の100%、州の弁護士費用、その他の金銭的救済が含まれている。さらに、州内で2年半販売が禁止される。

禁止期間終了後に販売する場合は、「リサイクル不可」とラベル付けする必要がある。

ニューヨーク大学ロースクールのプラスチック訴訟トラッカーによると、このミネソタ州の訴訟は、2015年以来、主にプラスチック業界を標的にした市民または環境団体によって提起された約4ダースもある訴訟の1つだそうだ。

日本でも、市民がリサイクルできると信じて自治体回収に出す資源物のなかに、リサイクルできていないものが相当数あるはず。日本の市民や環境団体もここまでやれば、日本でももう少し使い捨てプラスチックが減るかもしれない。

環境省、PFAS血液検査をしないように指示 自治体向け手引きに

東京新聞によると、環境省は自治体向けに示している対応手引の修正案に、住民の血液検査について「かえって不安が増す可能性がある」と、否定的な考えを新たに盛り込んだ。

https://news.line.me/detail/oa-tokyoshimbun/x3kzz6trxif4?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none

これではまるで、血液検査を国が反対しているようなものだ。

汚染を心配する自治体が、住民の血液検査に踏み切ったとしても、国は一切助成せず、傍観するつもりだろう。

そう思っていたところ、やはり伊藤信太郎環境相は2日の閣議後会見で、国としての支援策を問われ「費用の助成などをする考えはない」と述べた、とのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/344878

伊藤大臣の環境大臣としての資質を疑う。国がこの調子では疫学調査も進まない。

疫学調査をわざと進めず、PFAS曝露による健康影響も認めずに、先進国ではあり得ない高い水道基準値などを示し続けるつもりなのだろう。

それで一体誰が得をするのか。PFASを使い続け、儲けたい産業界が一時期だけ得をするだろうが、それで作った製品をEUや米国などが買うことはない。

基準の緩い国内向け製品だけを作るつもりだろうか。国民の健康は国力の衰えにも直結する。

国民の健康をないがしろにする政治家は要らない。

フランス、ガラス容器のデポジット制度を一部地域で試験導入

フランスの脱プラ政策は世界トップだ。オリンピックでのペットボトル販売を禁止した。代わりに無料給水ポイントを14箇所に設置した。

コカコーラなどのスポンサーも協力したそうだ。「大会期間中は再利用可能なボトルと200以上のソーダファウンテン(清涼飲料水を供給する機械)を提供」とのこと。https://www.parasapo.tokyo/topics/107947

さすがだ。東京オリンピックでは、ペットボトルはコカコーラなどの大手スポンサーへの忖度から、禁止できなかった。

パリ市長と小池都知事の環境意識の差が現れている。

そのフランスで、ガラス容器のデポジット・リユース制度の試験導入が、2025年5月から開始される。

汚染者負担の原則に基づき、メーカーが資金提供した団体が、「食品小売の様々な規模の1200店舗を通じて、デポジット料と引き換えにガラス容器を回収し、洗浄の上でメーカーに供給する」とのこと。期間は18ヵ月だが、お金をかきて大規模に行うので、おそらく延長されるだろう。

デポジット額は20-30ユーロセントになる予定。

ガラスびんだけではないようだが、どんな容器になるか楽しみだ。

トリニダード・トバゴ国でデポジット制度の計画を立ち上げ

トリニダード・トバゴ政府は7月26日、飲料容器のデポジット制度を開始するため、国家飲料容器預金返還システム(BCDRS)の実施に関するフレームワークを発表した。

対象は、密閉された5リットル以下の飲料容器(ペットボトルや缶、びん、カートンなど)で、紙コップや既にリユースされている飲料容器は含まない。

容器の返却先になる事業者には手数料を支払う。

https://tt.loopnews.com/content/govt-launches-plan-beverage-containers-deposit-return-system?eType=EmailBlastContent&eId=6bd6bb32-619b-47a6-9b76-a6a0edfc5f97

目的は、埋立地で終わる資源物をリサイクルに転換することだ。

8月1日は世界のアースオーバーシュートデー

アースオーバーシュートデーとは、「1年間に地球が供給する生物資源と人間が消費する使用量を比べて期日に換算したもの、言わば「年間資源使い切りデー」」(エコロジカル・フットプリント・ジャパン)のこと。

2024年の日本のアースオーバーシュートデーは5月16日だった。そして、2024年の世界のアースオーバーシュートデーは8月1日。

ちなみに、昨年のそれは8月2日だったから1日早まった。ということは、昨年よりも資源の浪費が激しかったということか。

ロシアによるウクライナ侵攻は2022年からだから、早まった原因の1つはイスラエルのガザ侵攻だろうか?

戦争は最大の環境破壊であるのは当然だが、先進国が過剰な資源浪費を今すぐやめなければ、人間は地球に住めなくなるのは確かなことだ。

オリンピックも万博も見直すべきだ。とりわけ大阪万博は、やる意味がまったくわからない。神宮外苑再開発もあまりに過剰で、暴挙としかいいようがない。

こんなムダなことをしているから、日本は半年も経たずに(世界平均より2ヶ月半も早く)地球の資源を使い切ってしまうのだろう。

米コロラド州でも人工芝禁止が決定 州内すべての土地でNG

アメリカではPFASを理由に人工芝を禁止する州が増えている。

コロラド州でも今年5月、禁止が決まった。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/07/e3312aa51fcac115.html

「2026年1月1日以降、州内のいかなる土地にも、PFASを使用した人工芝を設置することを禁止する」とのこと。

業界は2026年までにはPFASを使わない人工芝を開発しようと躍起になっているようだが、すべての過程で使わないのは難しそうだ。

しかし、いずれPFASフリーの人工芝を作ることができるかもしれない。PFASを禁止の理由にせず、マイクロプラスチック発生を理由にしてくれたら、人工芝を永久に追放できるのに・・と思うと、少し残念だ。

それにしても、PFASに甘い日本では、これからもPFAS入り人工芝を使い続けるつもりだろうか。

オランダ、健康と環境に配慮し人工芝を段階的に廃止

オランダでは、スポーツフィールドの人工芝に別れを告げ、代わりに天然芝にする準備ができているそうだ。

https://ministryofsport.com/the-netherlands-to-phase-out-artificial-turf-over-health-and-environmental-concerns/

これは、人工芝に充填されるゴムチップの有害性の研究に起因するとのこと。

オランダのサッカークラブで実施された研究によると、研究に関与した60のクラブのうち、58のクラブで使われていたゴムチップに、発がん性物質が含まれていた。

発がん性物質の濃度は、消費者製品で許容されるものよりも1.5から3.7倍のレベルだったという。ゴムチップには砒素、ベンゼン、カーボンブラック、重金属、鉛、水銀などの有害な元素が含まれ、他にも発がん物質が含まれていた。

また、オランダの男子プロサッカーリーグのトップディビジョンであるエールディは、2025-26シーズンの開始までに人工芝フィールドを禁止することを決めたとのこと。

人工芝では、下半身のケガが増加するため、天然芝への切り替えは有益だそうだ。

https://www.yahoo.com/news/prominent-soccer-league-bans-problematic-063000318.html

オランダは、健康と安全上の理由から天然芝やハイブリッドピッチを支持している。

ロサンゼルスでも、人工芝の禁止可能性を調査

カリフォルニア州では2023年、地方自治体が人工芝を禁止することができるように、州法を改正した。

その後、同州のミルブレーとサンマリノは人工芝禁止に踏み切った。

先月、同州ロサンゼルス市議会のエネルギー環境委員会は、人工芝禁止を視野に、人工芝の健康や環境への影響を調査するための研究を承認した。これにより、人工芝使用による悪影響が人工芝のメリットを上回るか、検討されることになる。

要するに、人工芝に含まれるPFASやその他の化学物質の悪影響が、水使用量の減少という人工芝のメリットを上回るかどうかを調べることになるようだ。

ペットボトル水のPFAS汚染、神戸市も厚労省も隠蔽

PFASで汚染されたペットボトルのミネラルウォーターが販売し続けられていたそうだ。明石市の議員がたまたま神戸市に情報公開してわかったとのこと。

https://news.yahoo.co.jp/articles/210c9180eb83753049a260925a54bd58e6184e42

水道法では、PFASはまだ遵守を義務づける「水質基準項目」ではない。そのため、「市はあくまで濃度を下げるように要請することしかできない」との言い訳のもと、1年以上隠蔽していた。購入者は一体どう思っているだろうか。

体内に入ったら「取り込まれたうちの95%を排出するのに、およそ40年もの時間がかかる」という試算もあるそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f00b15fba83a97ee9a8feb8f761479f1b26ad3b8

神戸市は地元企業をかばったのかもしれないが、市民のことは考えなかったようだ。厚労省も神戸市の隠蔽に気付いたはずなのに、なぜ市を指導しなかったのか疑問だ。

市から指摘されながら、企業は1年以上放置したあと、ようやくフィルターを付けたようだが、それでどの程度除去できたのだろうか。

水道水などのPFAS目標値などに関する専門家会議の傍聴のお知らせ

環境省が、「令和6年度第1回水質基準逐次改正検討会」及び「第4回PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」合同会議を開催します。

日程は以下の通りです。

7月17日(水) 14:00 ~ 16:00

申し込めば、オンラインで傍聴できます。

傍聴の申込み締め切りは、令和6年7月16日(火) 12:00です。

詳細は環境省のサイトに掲載されています↓

https://www.env.go.jp/press/press_03422.html