「古着でワクチン」は罪悪感なしでごみを捨てられるシステムか

「古着でワクチン」は、ワクチンを免罪符に、罪悪感なしでごみを捨てられるシステムではないか、と疑っている。

3300円払うと、Tシャツが100枚も入るキットが送られてくるとのこと。それに古着を入れて送ると、海外へ送られ、現地の雇用にも役立つそうだ。

さらに、同団体のウェブサイトによると

「「古着deワクチン」を注文するだけで、認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会を通じて開発途上国の子どもたちにポリオワクチンが届けられ、一口につき5人の命を救うことができます」

とのこと。

しかし、ポリオワクチンの値段は1人分20円ほどだろう。5人分で100円だ。差額の3200円は送料と人件費ということか?

それならば、3300円をそのまま途上国へ送り、支援する方がよいのでは?と思う。

利用者は、断捨離してさらに寄付もできた、とよい気持ちになれる。

しかし、以前と違い、今は途上国には古着が余っているだろう。アフリカやフィリピンに古着を寄付すると、喜ばれた時代が確かにあった。

近年はファストファッションが激増し、そこそこの品質の新品の衣類が世界中に出回っている。よい古着を本当に困っている貧困層に直接寄付するならばよいだろうが、たいていの古着市場は既に飽和状態だ。

余りすぎて、古着が野外でプラごみの山を築いている地域もある。古着の多くは合成繊維製で、プラスチックだ。

同団体は「ジャパンSDGsアワード特別賞」も受賞しているようだ。しかし、本当にSDGsに貢献したい人は、古着を送って断捨離するよりも、まず服を頻繁に買うのをやめる必要があると思う。

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