「コロナと図書館」というと、利用時に名前を書かされる個人情報などのことが問題になっているようだ。
もちろんそれも問題だとは思うが、そもそも利用させない体制の図書館を、どう考えるべきだろうか?
今月11日からようやく国立国会図書館が利用可能になった。
カレンダーを確認し、いざ出かけようと思い、たまたまいつも見ない表紙の頁を見たところ、事前予約制との記述があった。なんと今週分の予約はもうとっくに打ち切られていた!
しかも抽選とのことで、たった200名だけ、抽選で来館者を選ぶのだそうだ。
国会図書館など、ピンポイントで調べたいことがあって行くところだ。一日中いることなど、まずない。
しかもあれだけの広さで新館と旧館合わせて一日200名だと、一日中ガラガラだろう。
普段だって、それほど混んでいる時などない。せいぜい、12時頃の食堂の食券自販機前と、閉館間際の複写申込みの受付前に数人の列ができる程度だ。
人数制限をしたければ、入口でカウントし、所定の人数に達したら中に入れず、誰かが帰ったらその分また入れたらよい。なぜ事前予約制なのか、しかもなぜ抽選なのか。
感染症対策で完全に閉館しているならばまだあきらめもつくが、開館しているのに入れないのは納得しにくい。
仕事や卒論などで調べ物をしたい人を、有無を言わせず閉め出す・・なんだかとてもヘンだ。
コロナ対策という名目で、いつまでこんなばかげたことを続けるつもりかわからないが、このばかげたルールを決めた人は、おそらく自分は一利用者として来館したことがない人だろうと思う。
こんな広大な図書館で一日200名では、時間帯によってはスタッフ以外誰もいないフロアもありそう。
混雑が心配ならば、事前に抽選するよりも、館内の食堂やカフェを閉めたら済む話だ。
会話する人など誰もいないし、混雑もしない図書館のこの厳しい入館制限・・一体誰が何のために決めたのだろう。
抽選に漏れるようなクジ運の悪い人は、図書館サービスを受ける資格がないということか。
<参考>
東京新聞(2020.6.11)「コロナと図書館 利用者の権利の尊重を」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/34831?rct=editorial