堆肥化可能な食品容器からPFASが揮発

PFAS(有機フッ素化合物)は、まだわからないことが多い。

半減期の長い危険な化学物質で、内分泌をかく乱する環境ホルモンであることは確かなようだ。

しかし、いろいろなものに入りすぎていて、PFASを使わないように1日をやり過ごすのは結構大変だ。

テレビなどで目にするPFASの写真は粉状、つまり固体だ。しかし、温度次第で水に溶けたり、揮発したりする種類のPFASもあるようだ。

最近発表されたカナダの研究によると、ファストフードで使用される堆肥化可能なパッケージを調べたところ、PFASが検出された。

しかも、2年間その容器を保存した後、また調べたら、総PFAS濃度が85%も低下したという。どうも揮発したらしい。

半減期の長いPFASは、気体となっても空中でその影響力(内分泌かく乱など)を駆使するのだろう。

となると、人工芝に含まれるPFASも、光にさらされ揮発して、大気中を漂っているのだろうか。子どもたちが人工芝の上で遊んでいる光景は、ほのぼのして見えるが、実は危険だということだ。

すべてのPFAS類を、早く禁止してほしい。

<出典>

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.estlett.2c00926

みんなでやろう「くるりポイ」、不要なトレイは店にお返し

クルリポイとは、不要なトレイなどのパッケージを店のごみ箱に捨て、家には持ち帰らない行為だ。

以前、テレビなどで「くるりポイ」が批判された。店の言い分ばかりが一方的に紹介され、くるりポイをする人は「非常識な人」と言わんばかりだった。

店側の言い分としては「家できれいに洗ってから回収ボックスに入れてもらえればリサイクルできるけれど、店のごみ箱に捨てられるとリサイクルできず、ごみになる」「汚れたままごみ箱に入れられてしまうと不衛生だ」などだ。

私自身トレイはやったことはないが、キーウィフルーツなどがパックされていると、パッケージはそのままサッカー台に置いてくる。本当は肉などのトレイでもやりたいけれど、人目が気になりできないでいる。

くるりポイは、不要な容器包装を家に持ち帰らないことで、店に「不要だ」と伝える無言の抵抗、店へのメッセージだ。店のごみ箱に捨てられたくなければ、容器包装のない販売方法を考えてほしい。

このくるりポイは、ドイツでは認められている行為だそうだ。

最近読んだ本『ごみ 世界で一番やっかいなもの リサイクルから環境問題まで』には、こんなことが書かれている。

「ドイツでは、お店で商品を買ったとき、その場で箱や中身の保護用に詰められた発泡スチロールなどは置いてくることができます。お店がそのごみを捨てるには処分費用を負担しないといけないので、販売する側も過剰な包装をしないように注意を払うようになります」

日本ではなぜこれほどくるりポイが批判されなければならないのだろう?とずっと不思議に思っていた。

しかし、昨日開催されたグリーンピースなどが主催するセミナー「第14回市民環境フォーラム」で、井田哲治氏も「不要な容器包装を店に置いてこよう」と呼びかけていた。

クルリポイ、また流行ってほしい。

英マクドナルド、デポジット付きリユースカップを導入

イギリスのマクドナルドは、ハッピーセットのプラスチック製おもちゃを廃止するなど、これまでも脱プラに熱心だった。

今度はくり返し使えるカップを2021年から導入する。消費者はコーヒーなどをテイクアウトする際、デポジットを支払う。カップを返却するとデポジットが返金される。

カップはLOOPが開発したもので、回収・洗浄もLOOPのシステムを使う。

LOOPはロンドンで今年の7月から開始されているシステム。既にニューヨークやパリでも始まっている。

日本のLOOPは東京都内で今秋から開始されるはずだったが、遅れている。日本はLOOPの通販でさえいつ開始されるかわからないし、イオンも導入するといってはいるがいつになるかはわからない。

まして、日本のマクドナルドがLOOPを採用することはなさそうだが、イギリスでは着々と進んでいる。

<関連記事>

LOOP、英国で開始 日本は来年に延期か

<マクドナルドについての出典>

Mcdonalds(2020.9.9)

https://news.mcdonalds.com/mcdonalds-loop-reusable-cup

 

オーストリアがデポジット制度を導入、リユースできる容器を義務化

画期的なニュースが飛び込んできた。

オーストリア政府が2023年から飲料の4分の1を詰め替えボトルで販売することを義務化する計画を立てているそうだ。

2年後にはこの割当は40%にまで引き上げられ、2030年には55%に引き上げられる。つまり飲料容器の半分以上はリユース容器になるということだ。

おもにはガラスビンを念頭に考えられているとのこと。

現在、オーストリアは詰め替え可能なペットボトルだけがデポジット制度の対象だ。だが、計画では、使い捨て飲料容器もデポジット制度の対象にする。

政府のこれらの計画に対し、グリーンピースやグローバル2000、WWFなどの環境団体は歓迎しているが、オーストリア連邦経済会議所は、お金がかかることなどを理由に反対している。

経済界が反対するため、日本でもこの手のことはこれまでできなかったが、今後は日本もやらざるを得なくなるはずだ。

<オーストリアに関する出典>

EUWID(2020.9.7)

https://www.euwid-recycling.com/news/policy/single/Artikel/austria-plans-deposit-for-single-use-beverage-containers-brquota-for-refillable-bottles.html

言行不一致を指摘され、仏エビアンはミニPETボトル生産中止 日本では継続?

たまたま検索をかけていて、日本では220mLのミニペットボトル入りエビアンを伊藤園が売っていることに気が付いた。脱プラといいながら、日本ではペットボトルの小型化が進み、人気は衰えていないようだ。

フランスでは2019年6月、署名サイトchange.orgで、ある消費者がエビアンのブランドを展開するダノンの言行不一致を指摘し、小型の水ボトルの生産停止を訴える署名を開始した。

ダノンは「地球は1つ(ワンプラネット)」と環境重視の姿勢をアピールしながら、エビアンの200mLのミニボトルを売っていることの矛盾を糾弾されたのだ。

署名は15万5595筆も集まった。消費者の声に押されたエビアンは、2019年末までに小型ペットボトルの生産停止を発表した。

以前このニュースを知った時、日本でも小型のエビアンは販売中止されたのだろうと思っていた。しかし、日本とフランスは販売する会社が違う様で、今みたら220mLのペットボトル入りエビアンが伊藤園から今でも売られている。330mLや500mL入りも売られている。

わずか200や300mLの水を飲むために、ペットボトルを使い捨て、CO2を垂れ流すなど、信じられない気がするが、伊藤園は地球環境や評判など気にせず、売れればどんなサイズでも作るのだろうか。

<参考>

Evian renonce à sa bouteille en plastique « goutte d’eau »

Pour le retrait des minis bouteilles d’evian;

https://www.change.org/p/pour-le-retrait-des-minis-bouteilles-d-evian

 

アサヒ飲料G、豪にペットボトルリサイクル工場建設

アサヒ飲料グループは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州に、現地の会社と合同でペットボトルのリサイクル工場を建設する。2021年12月までには稼働する予定。

完成すれば、年間約10億本相当のペットボトルをリサイクルできる。費用は4,500万豪ドル(3,200万米ドル)とのこと。

アサヒ飲料グループは、昨年AB InBevのCarlton&United Breweries(CUB)子会社を160億豪ドル(113億米ドル)で買収。

オーストラリアは、既にほとんどの州で飲料容器のデポジット制度を開始した。中国へ輸出できなくなった昨今、回収されたペットボトルは国内でリサイクルする必要がある。

この工場では、300人を超える現地の人を雇用することから、雇用の創出にも貢献するそうだ。

<参考>

Australian joint venture to build $32m PET recycling plant

Australian joint venture to build $32m PET recycling plant

 

 

 

サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環ファイナンス研究会

サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環ファイナンス研究会の3回目が7月末に開催された。

まだ議事概要が公開されていないが、第1回めの議事概要を見ると、

「3Rについては、日本は法制度の中で各種リサイクルが進めていった。他方、サーキュラー・ エコノミーについては、必ずしも法律で縛るのではなくファイナンス等の様々なソフトロー的 な動きの中でメーカー・企業が積極的に取り組むことが重要である。」

という意見がある。

法律で縛らずに、全国でサーキュラーエコノミー(循環経済)が実現するなどと、企業が本気で思っているはずはない。

どの程度、国が本気で取り組む気があるか、企業は様子見をしている段階だろうと思う。ハシゴをはずされてはたまらないから。

日本が世界にこれ以上遅れないように、法律で循環経済の枠組みをしっかり作るべきだ。

企業が、サーキュラーエコノミーを経営戦略に取り込むには、やはり課税制度や廃掃法などもそれを後押しするように改正しないとムリだ。

今のように焼却炉や埋立地が口を開けて待っていて、そこへ使用後の製品を放り込む方が安くつくならば、企業は製品が長持ちするような設計やリサイクルしやすい設計にするはずがない。

このままでは、日本のサーキュラーエコノミーは進まない。

<参考>

経済産業省ウェブサイト↓

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/ce_finance/index.html

マルタで飲料容器デポジット制度がスタート

下記のニュースによると、マルタで7月31日から飲料容器のデポジット制度が開始されたようだ。

循環型経済(サーキュラーエコノミー)実現の一環だ。

デポジット額もリファンド額も0.10ユーロで、容器を指定された場所に返却すると、バウチャーが発行される。

やはりサーキュラーエコノミーを実現するには、デポジット制度が必要なのだ。もしくは、使い捨て飲料容器をすべて禁止するか、のどちらかだろう。さすがに後者を選択する国は今のところなさそうだ。

<関連記事>

マルタ 2019年12月からデポジット制度開始か

<出所>

MONDAQ(2020.8.5)Malta: Circular Economy: Beverage Containers Recycling Regulations In Force;

http://www.mondaq.com/economic-analysis/972896/circular-economy-beverage-containers-recycling-regulations-in-force

 

キリン、瓶入り飲料3種販売終了!時代に逆行? 

キリンがビン入りの「キリンレモン」を、2020年12月末で販売終了するそうだ。併せて「キリン オレンジ きりり」「キリン 烏龍茶」も同時期に終売予定とのこと。

ペットボトルと缶での販売は継続。

しかし確か、キリンはガラスや金属を使ったリユース容器による通信販売の「LOOP」に参加予定のはず。これまでビン入りを買いたくとも、近くで売っていないため買えなかった人たちが、ようやく買えるようになるのに・・・。

脱ペットボトル化が進みつつあるこの時期に、大事なビン入り飲料の販売をなぜ終了するのだろうか?

もう少し続ければ、売れるようになったのではないかと残念だ。

<参考>

「瓶の「キリンレモン」が生産終了へ キリン「販売数減少のためやむを得ず」 瓶の「烏龍茶」「オレンジきりり」も終売に」↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/d7fa864bfaa305ebedac9a444fb4e998e64e2f56

東京新聞(2020.8.5)「キリンレモンの瓶入り、生産終了 12月末、販売数減少で」↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/47220?rct=economics

コンビニ、レジ袋辞退率7割超

レジ袋有料化が始まってはや1ヶ月。

各社、レジ袋辞退率が3割から7割以上に上がったそうだ。

「セブンでは75%、ファミマとローソンでも76%に達した。各社の集計時期にはばらつきがあるが、7月のはじめから下旬までのデータだ。義務化に先立って有料にしたミニストップでも75%を超えいている」とのこと。

そのうち有料に慣れれば辞退率は下がるだろうが、とりあえずはよかった。路上でも、フワフワ落ちているレジ袋をあまり見かけなくなった気がする。

<参考>

朝日新聞デジタル(2020.7.31)「コンビニレジ袋、辞退率7割超に 有料化前の倍以上」↓

https://www.asahi.com/articles/ASN7061XWN70ULFA01M.html