新しい炊飯器の内釜、やはりPFAS使用

数年前、10年ほど使っていた炊飯器が壊れたため、新しい炊飯器を買わずに、圧力鍋で玄米を炊いていた。

以前使っていた炊飯器は、発芽玄米機能と炊飯をセットでタイマー予約できたので、便利でしかも、発芽玄米はフツーの玄米よりも美味しかった。

しかし、内釜のフッ素樹脂加工が気になり、壊れた際に買い換えずに圧力鍋を使っていたが、発芽玄米の味が忘れられず、新しい炊飯器を買うことにした。

他の炊飯器には「内釜:フッ素加工」などと書かれていたため避け、「内釜:ステンレス」と書かれているものを購入。しかし、届いた炊飯器(NC-F190)の内釜はしっかり「フッ素加工」だった。

残念!

しかも、玄米炊飯も発芽も別々で長時間かかる。玄米炊飯は70分、発芽には12時間!

安かったので仕方ないか・・。

朝、炊きたての玄米を食べたければ、夕方から発芽させ、朝起きてすぐに炊飯スイッチを押さなければならないようだ。

しかも、発芽の際に匂いが出るので、炊飯の際には優しく洗米するようにと書かれている※。

時間がかかるので、とりあえず玄米を発芽させずに炊いてみたところ、圧力釜の味とあまり変わらず、発芽玄米らしくない。

これならば、発芽だけ炊飯器で行い、炊飯は圧力釜でする方が時短で省エネだ。

まだ発芽玄米や白米を炊いていないので何とも言えないけれど、内側がフッ素樹脂加工されていない炊飯器がほしかった。

※以前使っていた炊飯器は発芽から自動的に炊飯までできたので、不思議に思って調べたところ、夏場は発芽後に水を取り替えるのが一般的なようだ。発芽後に臭いがなければそのまま炊飯しても問題ないらしい。

ソニー、プラ包装全廃を目指す。まずはスマホから

ソニーは商品の包装材でプラスチックを全廃するそうだ。

まず、2023年度にスマートフォンなどの小型商品で始め、外部調達する紙箱に加え、竹やさとうきびの繊維などを使って自社開発した新素材に順次切り替えるとのこと。

将来的にはテレビなど大型商品もプラ包装をやめる。

「テレビなどの大型商品は当面発泡スチロールなどプラ使用が残るが、粉末にした古紙を発泡させる新技術などで代替を目指す」(日経.2022.11.8)

包装材の脱プラは素晴らしい最初の一歩。さすがソニーとは思うけれど、製品も早く脱プラを目指してほしい。

<参考>

日本経済新聞(2022.11.8)「ソニーがプラ包装全廃、紙・竹素材に まずスマホなど」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC270PT0X21C22A0000000/

木質バイオマス発電、高効率の闇。三隅火力発電所2号機も混焼

世界的に木質バイオマス発電が大きな問題になっている。先日のNGOのセミナーによると、EUでも問題になっているとのこと。

バイオマス発電は、カーボンニュートラルというトリックで、日本ではまだ持ち上げられているが、いずれバームオイル発電と同じ道をたどりそうだ。

11月1日に営業運転を開始した三隅火力発電所2号機も石炭に木質バイオマスを10%混焼する(日経.2022.11.1)。

カーボンニュートラルの計算式のおかげで、石炭よりカロリーが低いはずの木質チップを混ぜるほど額面上は「高効率」発電が実現できる。

木質バイオマス発電が増えれば増えるほど、森林破壊も温暖化も生物多様性減少も進んでしまう。

<三隅火力発電所の参考>

日本経済新聞(2022.11.1)「中国電力、三隅火力発電所2号機の営業運転を開始」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC013E50R01C22A1000000/

環境ホルモンの4つの特徴(ティナ・コル・イエンセン博士講演会)

ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議が8月に開催した講演会の詳細が、JEPAニュースに掲載された。

それによると、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモ)には4つの特徴があるそうだ。

1.高用量での影響から低用量の影響を予測できないこと

 動物実験では通常、高用量を試しそこから低用量での影響を予測するが、マウスに環境ホルモンを曝露させた場合、高用量では体重が減少する。しかし、低用量では逆に体重が増える。

2.非特異的影響

  この環境ホルモンに曝露したからといってこの病気になるということはなく、1:1の関係ではない。様々な種類の病気になる可能性が増える。

3.長い潜伏期間

 胎児期に曝露したとしても、その影響が判明するのは成人の生殖期での不妊であったり、中年期の肥満であったりする。

4.世代を越えて影響が継続

 このことは、環境ホルモンには長い潜伏期間があり、さらに様々な臓器や組織に影響を与えることを示している。

5.カクテル効果(複合影響)

 私たちは一種類の化学物質に曝露しているわけではなく、同時に数百数千の化学物質に曝露している。これらは相乗的に作用したり、相互に作用を増強したり、阻害したりするなどの複合作用を起こす可能性がある。

この講演の後半は、良いニュースと悪いニュースが紹介された。

良いニュースは、消費者がプラスチック製品を買わなければ、プラスチックは製造されなくなること。また、食品会社による自主規制が始まっているものもあることだ。

悪いニュースは、代替物質の増加だ。規制された物質が減ったとしても、すぐに化学構造が類似した別の化学物質に代わる。イタチごっこなのだ。

例えばPFASでいえば、PFOS とPFOAは規制後減ってきがが、代わりにPFHxS やPFDAが増えた。

(以上、JEPA news 137号の一部を要約した)

 

GPがプラスチックのリサイクルについて新レポートを発表。リサイクルが失敗する5つの理由(追記)

グリーンピースがプラスチックリサイクルについての新しいレポートを発表した。

https://thred.com/ja/change/greenpeace-report-shows-failure-of-single-use-plastic-recycling/

以下からレポートと付録をダウンロードできる↓

Circular Claims Fall Flat Again

これによると、プラスチックリサイクル(ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルの両方)が失敗するのは5つの理由があるという。

1.収集がきわめて困難である

2.リサイクルのための分別が事実上不可能(何千種類ものプラスチックがあり、それぞれが独自の組成と特性を持っている。プラスチックの種類によって、融点、染料、着色料が異なる)

3.プラスチックの再処理は環境に有害である(汚染や火災の危険性)

4.プラスチックは有害物質でできている(プラスチック製品自体に有毒な添加物が含まれていたり、化学物質を吸着していたりする可能性。カナダ政府が2021年末に発表した報告書によると、再生プラスチックの毒性リスクにより、「生産されるプラスチック製品や包装の大部分」が食品用包装に再生されることを禁止している)

5.リサイクルに経済性がない(プラごみを収集、分別、運搬し、安全に再処理するには、常に法外なコストがかかる。バージン原料の方がはるかに安く、品質も良い)

紙やガラス、金属にはこれらの問題はないため、はるかに高い割合でリサイクルされているそうだ。

レポートにはより詳しい説明が記載されている。

<追記>

このレポートについての批判記事があった。

Waste 360だ。グリーンピースのレポートの著者は、プラスチックを嫌っているため、リサイクルを否定しようとしているというものだ。

しかし、プラスチックのリサイクルは業界や国が宣伝するほどうまくいっているわけではないので、レポートの方が信憑性が高いように思う。

https://www.waste360.com/recycling/greenpeace-vs-recycling-what-wasnt-said?eType=EmailBlastContent&eId=6e63321a-16e3-43df-8ee3-b9dc6a207001


PFAS汚染、神奈川も。川に流しても「日本政府は文句を言わない」

昨日の東京新聞によると、神奈川県の米軍基地でPFAS流出が相次いでいるそうだ。

「大和市と綾瀬市にまたがる米海軍厚木基地から9月下旬、PFASの一種の「PFOS」などが含まれる泡消火剤が誤って放出され、基地内を流れる蓼たて川に流れ込んだことが発覚した。その後も、米軍は基地内の調整池にためていた汚染水を蓼川に放流し続けていた」(東京新聞2022.10.30)

環境省も実際、2020年6月に蓼(たて)川が合流する引地川から、暫定目標値の4倍以上にあたるPFOSを検出したと発表しているとのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/210925/1

ミッチェル氏は、「日本政府は環境や人々の健康よりも日米地位協定を尊重している。ドイツや韓国など他国はもっと米軍の責任を強い姿勢で追及している。日本政府は、ほとんど文句を言わない」と話しているそう。

そういえば、ダイキンによる大阪・摂津市のPFAS汚染は、同社が日本では賠償も責任も拒否しているが、アメリカではPFAS汚染の和解金を4億円支払っている。なぜ日本では責任を認めようとしないのかと考えると、政府もメディアもPFASの危険性を国民に広く周知しないため、無関心な住民が多いためだと思われる。

このような環境ホルモン作用のある化学物質に甘い日本の未来と子ども達の将来がどうなるのか、とても心配だ。

また、同東京新聞によると、米軍は厚木基地や三沢基地で米軍は放射性物質を含む汚染水も、下水道に流しているそうだ。

<関連記事>

ジュビロ磐田、紙コップをわざわざプラ使用の使い捨てカップに変更?

ジュビロ磐田が、スタジアム内で使用する紙コップをLIMEX製に変更するそうだ。

https://www.jubilo-iwata.co.jp/newslist/detail/?nw_seq=8561

リユースカップに変更するならばわかるが、なぜプラスチックに石灰石を混ぜ込んだライメックスに変更する必要があるのか?さっぱりわからない。リユースでもなければ、生分解性でもないし、バイオマスでもない。つまり、最近よく聞く「3R+Renewable」の最後のRenewable(再生可能)でさえないのだ。

紙は木から作られるバイオマス製品だから、当然木を使う。ライメックスはプラスチックと石灰石の複合品だから、木を使わない。そんな当然のことを、さも変更したことがエコであるかのように宣伝する理由が理解できない。

日本にも、リユースカップを利用しているサッカースタジアムはある↓

https://www.reuse-network.jp/case/soccer/

変更するならばリユースカップに変更してほしかった。残念。

ピート・マイヤーズ博士「化学物質のテスト対象は赤ちゃん」。リサイクルを促進するプラ新法はまるでプラ使用促進法

化学物質に詳しいピート・マイヤーズ博士の講演動画が見られる。

1つ1つは短いが、1から4まで自動再生され、4本見られる設定だ。

プラスチックなどに使われる化学物質は事前にテストされることなく、世の中に出回っているとのこと。

そのため、合法的に人体実験されているようなもので、環境ホルモンなどは赤ちゃんを対象にテストしているようなもの。

プラスチックはリサイクルする度に汚染物質が溜まるので、サーキュラーエコノミーには馴染まない物質だという指摘も納得できる。

翻って、最近の日本のニュースによると、プラスチックリサイクルのesaがグリーンケミストリー分野の先進研究機関である京都大学大学院総合生存学館(思修館)と共同研究を開始するそうだ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000102225.html

この中でいわれている

「一般に使用されているプラスチックの多くは、多層プラスチックフィルムに代表されるように、機能・性能を持たせるために性質が異なる複数種類のプラスチックを複合して使用されています。しかし、複数種類が複合されたプラスチックのマテリアルリサイクル (廃プラスチックをそのまま原料にして、破砕・溶融などの処理を行った後に再生利用するリサイクル方法) 手法は確立されておらず、既存技術では再生原料として使用されることはほぼありません」

ということは、一般の人にはなかなか知られていない。

先日の環境省の人のセミナーでも、講師は

「昔と違って今は光を使ったセンサーなどで選別できている」

などとまるで自宅から回収したプラスチックの多くがリサイクルされているかのような説明をしていたが、そういう説明が一般の人の誤解を招いている。

確かに大昔に比べたら、リサイクル量は少しだけ増えた。最近のリサイクル工場は、センサーなど当たり前に装備している。だが、それでも複層の素材がリサイクルされることはなく、通常「残渣」として処理(熱回収)されている。

リサイクルをあまりに過大評価することは、プラスチックの使用を促進することに繋がる。

プラスチック資源循環促進法はまるでプラスチック使用促進法のように見える。

日本をダメにするプラ新法。市場は各国企業の草刈場に

プラスチック資源循環促進法には大きな欠陥がある。拡大生産者責任(EPR)の視点がないことだ。

そういうと必ず、国も同法に関わった研究者も「EPRは盛り込まれている」という。企業に自主回収を促しているからだ。

しかし、企業の自主回収などが本当に始まったら消費者は大変だ。これはあっちで回収、あれはこっちだ、とごみを持って右往左往しなければならない。

企業の自主回収などは、まったく現実的でない。

まともなEPRは、自治体が支払っている回収費用なども企業が支払うこと。つまり、回収からリサイクルまでの経済的負担を生産者が負うことだ。

物理的には自治体が回収などを行ったとしても、あくまでも責任は生産者にあるから、費用負担は生産者がすべき。そうでなければ、使い捨てなどは減るはずがない。

しかし、容器包装リサイクル法もプラ新法もそうなってはいない。

理由は、経済界が反対するからだ。EPRといっただけで、猛反発する事業者をこれまでいくつも見てきた。

その結果、製品プラスチックなどは、リサイクル費用もすべて自治体の責任だ。環境省などの説明は、製品プラは容器包装プラよりも生産者が多く、輸入品も多いから、捕捉しきれないので仕方ないという。

しかし、それは「やらない言い訳」に過ぎない。輸入品などは輸入業者に支払いを命じれば済むことだ。大手の輸入業者などそうは多くない。

最近、海外企業の日本進出が増えたように感じている。特に自国の規制が厳しい国からの進出が目立つ。

規制の緩い日本市場に進出し、使い捨て製品など自国では売れない安かろう悪かろうの粗悪品を日本で売りさばこうと思っているのではないか。どうせ処理は日本の自治体が税金を使ってやってくれると思われているのではないか、と心配している。

リタジャパン、プラ粒子が流出しない人工芝を開発。弾性材不使用

競技場などに敷く人工芝には通常、充填剤として廃タイヤや人工芝用プラ粒などのいわゆるゴムチップが使われる。

そのため、人工芝はマイクロプラスチック流出の温床で、EUではまもなくこれら意図的に添加されるマイクロプラスチックは規制される予定だ。

リタジャパンがこの度開発した人工芝には充填剤として、ゴムチップの代わりに目砂が使われるそうだ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000052769.html

路盤はアスファルトではなく、砥石路盤にするとのこと。

人工芝を使う限り、完全な脱プラは無理だが、これまで川や海に流出し放題だったマイクロプラスチックなどの充填剤を使わないのはうれしい。

https://ritajapan.jp/service/rita-ecology-turf/

ケガもしにくくなるそうだ。

もちろん、天然の芝に超したことはないけれど、それが難しいならば、このような技術もよいかもしれない。

<追記2023.4.13>

「家」さんのコメントの通り、人工芝そのもののマイクロプラスチック流出を考えると、やはり人工芝は使いたくないです。しかも、人工芝にPFASが入っていることがわかった今は、室内使用にも反対したい。