環境ホルモンの4つの特徴(ティナ・コル・イエンセン博士講演会)

ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議が8月に開催した講演会の詳細が、JEPAニュースに掲載された。

それによると、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモ)には4つの特徴があるそうだ。

1.高用量での影響から低用量の影響を予測できないこと

 動物実験では通常、高用量を試しそこから低用量での影響を予測するが、マウスに環境ホルモンを曝露させた場合、高用量では体重が減少する。しかし、低用量では逆に体重が増える。

2.非特異的影響

  この環境ホルモンに曝露したからといってこの病気になるということはなく、1:1の関係ではない。様々な種類の病気になる可能性が増える。

3.長い潜伏期間

 胎児期に曝露したとしても、その影響が判明するのは成人の生殖期での不妊であったり、中年期の肥満であったりする。

4.世代を越えて影響が継続

 このことは、環境ホルモンには長い潜伏期間があり、さらに様々な臓器や組織に影響を与えることを示している。

5.カクテル効果(複合影響)

 私たちは一種類の化学物質に曝露しているわけではなく、同時に数百数千の化学物質に曝露している。これらは相乗的に作用したり、相互に作用を増強したり、阻害したりするなどの複合作用を起こす可能性がある。

この講演の後半は、良いニュースと悪いニュースが紹介された。

良いニュースは、消費者がプラスチック製品を買わなければ、プラスチックは製造されなくなること。また、食品会社による自主規制が始まっているものもあることだ。

悪いニュースは、代替物質の増加だ。規制された物質が減ったとしても、すぐに化学構造が類似した別の化学物質に代わる。イタチごっこなのだ。

例えばPFASでいえば、PFOS とPFOAは規制後減ってきがが、代わりにPFHxS やPFDAが増えた。

(以上、JEPA news 137号の一部を要約した)

 

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