カナダBC州、EPRおよびデポジット対象容器を拡大

カナダ・ブリティッシュコロンビア州では、リサイクルを進めるための5カ年計画の一環として、電気自動車のバッテリー、マットレス、使い捨て燃料キャニスター、消火器をリサイクルの対象とするそうだ。

また、ソーラーパネルや、多くの種類のリチウムイオン電池、電気自動車充電器、電子タバコなど多くの電子製品も、拡大生産者責任(EPR)戦略に追加する。

同州は2004年以降、包装や紙、飲料容器、多数の電子機器、電球、タイヤ、自動車用オイル、不凍液、および塗料などをEPRの対象にしていたそうだが、今後一層EPRを拡大する。

たとえば、

・2022年2月以降、飲料容器のデポジット制度の対象を拡大し、ミルクおよびミルク代替容器を含め、年間最大4,000万個の容器をリサイクルする

・2023年1月より、業界が資金提供する住宅リサイクルプログラムを通して、リサイクルできる使い捨て製品(使い捨て食器、カトラリー、マドラー、サンドイッチバッグなど)の数を拡大する

など。

<出所>

https://news.gov.bc.ca/releases/2021ENV0052-001767

相模原市、北清掃工場改良工事が完成 気になる斑鳩町のゼロウェイストの行方

相模原市の北清掃工場基幹的設備等改良工事が完成した。2017年9月から4年にわたり実施してきたこの工事により「施設を令和18年度まで45年間稼働」できるそうだ。

45年も稼働させて大丈夫なのか、気になるが、この延命工事に約70億円の予算がついたらしい。

本来30年しかもたないと言われている焼却施設だが、追加で70億円かければ15年延命できるということならば、安く済んだのかもしれない。

しかし、やはりごみは高くつく。ゼロ・ウェイストを目指せないものか。

そういえば、奈良県斑鳩町のゼロ・ウェイスト事業は、順調にごみを減らしているようだ。リサイクル量も含めて、ごみの総量が減っている。住民意識が高まっているのだろう。

https://mykoho.jp/article/奈良県斑鳩町/広報斑鳩-2020年8月号/ゼロ・ウェイストの取り組み-2/

斑鳩町は現在、諸事情により、奈良市とのごみの広域処理を目指しているが、理想をいえば、ゼロ・ウェイストはごみ広域処理には馴染まない。今後どう展開するのか、注目したい。

https://mainichi.jp/articles/20210916/ddl/k29/010/353000c

<相模原市北清掃工場についての参考>

相模原市ウェブサイト↓

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/recycle/plan_etc/1014254.html

環境省、ペットリファインテクノロジー川崎工場への資金拠出を決定

環境省が、地域脱炭素投資促進ファンド事業でペットリファインテクノロジーの再生PET樹脂製造工場再稼働事業への出資案件を決定した。

http://www.env.go.jp/press/109990.html

しかも、ケミカルリサイクル技術及びWaste Management Criteriaでは世界初となるCBI認証も取得したとのこと↓

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000031188.html

ペットリファインテクノロジーの技術は、ペットリバースの頃から注目していた。

ペットボトルなどなくなってほしいと思ってはいるが、それができない限りは、ペットボトルのケミカルリサイクルは「ボトル to ボトル」のためには必要だと思っていたためだ。ペットボトルで服や卵パックなどを作られてもあまりうれしくない。

ポリエステル製の衣類はマイクロプラスチックファイバーの見地から避けるようにしているし、卵パックも紙製(パルプモウルド)があればそちらを買いたい。

ペットリバースの技術は、時代の先を行きすぎて、不運な会社だと思っていたが、これでようやく本来の評価を得て、軌道に乗ったようだ。

再生PET樹脂は、メカニカルリサイクルで作るよりも、分子レベルで分解して異物を取り除けるケミカルリサイクルで作る方が、やはり安心できる。

川崎の工場へ一度見学に行きたい。

韓国、海洋プラごみ発生量を2050年までにゼロに

韓国の文在寅大統領は15日、「プラスチック廃棄物を2030年までに60%削減し、2050年までにゼロにする」と発表したという記事を読んだ。

https://jp.sputniknews.com/life/202109158691377/

プラスチック使用量をゼロにするわけではなく、単にプラスチック廃棄物をゼロにするだけなのだろうが、覚悟を決めた立派な宣言だ、と感心した。

「2050カーボンニュートラル推進計画」を発表した韓国はついにプラスチックごみもゼロにするのか、さすがだ!と思ったのだ。

しかし、よく読むと、単に海に流れ込むプラごみをゼロにする、とも読み取れる。

どちらだろう?と、現地の報道を機械翻訳で読んだところ、海洋プラスチックごみの発生量を2050年までにゼロにする、という発表だったようだ。

韓国の報道↓

https://biz.chosun.com/policy/politics/2021/09/15/YEYTSSYY6ZGOVF73DVATY7S6LY/

大阪ブルーオーシャンビジョンの「2050年までに新たな海洋汚染をゼロにする」というのと、どこがそんなに違うのだろうか?

韓国は、G20に参加していたはずだから、大阪ブルーオーシャンビジョンにも合意したはず。今頃になって、同じような内容の宣言をする意味はあるのか?

しかし、「政府は環境にやさしい漁具を普及させるとともに、海洋ごみを回収処理する専用の船や施設を拡充しているほか、海洋ごみを効率的にリサイクルするための技術開発も並行して進めている」などは意欲的だ。

http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=80129

しかも、海にこれから流れ込むプラごみだけでなく、既に流れ込んでいるプラごみも取り除くつもりのように聞こえる。

それならば、大阪ブルーオーシャンビジョンの上を行くのかもしれない。

環境先進国の韓国にしては、今一つよくわからない大統領発表だ。これまでの発表との違いをもう少し詳しく説明してほしいが、いずれにせよ日本海側の海岸に漂着している韓国の漁具やペットボトルがなくなるのはありがたい。

「環境にやさしい漁具」にも期待したい。

農薬を室内にまかずに済む「むしキャッチリー」が良さげ

時代は「逃虫」(とうちゅう)ということで、虫を捕獲し、外へ逃がすグッズを大学生4人と企業が共同で発売したそうだ。

確かに良いアイディア。

そもそも殺虫剤の成分は、ピレスロイド系やネオニコチノイド系などの農薬だ。こんなものを室内にまけば、吸い込んでしまい自分にも害がありそうだ。まいたあとの壁や床に成分が残っていたらと考えても恐ろしい。忌避剤では、既に自宅に入ってきてしまっている虫には手遅れだ。かといって、果敢に虫に立ち向かい、バシッと新聞紙で叩き潰す勇気はない・・。そういう人は多そうだ。

私もいつもクモを見つけると、古い大きめの紙封筒で捕獲し、外へ逃がしていた。紙封筒はゴワゴワしているので、隙間から逃げてしまい、捕獲に失敗することもある。

しかし、夜にクモを殺してはいけない、と子どもの頃に聞いたことがある。夜、クモを殺すと「ヨクモ殺したな」と、クモが仕返しにやってくるのだとか・・。おそらく益虫であるクモを殺させないために、昔の人が考えたダジャレだろうが、殺すのをためらうには十分だ。

時代は、殺虫ではなく、逃虫。確かに。

※プラスチック製というのが少々気になる。

<参考>

東京新聞(2021.9.15)↓

「殺虫、防虫ではなく「逃虫とうちゅう」 触らずに捕獲して家の外へ…日大生のアイデアがコンテストで優勝し商品化」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/131001?rct=national

目黒区のマイ容器キャンペーン、容器持参で100円引き 「使い捨てプラ削減方針」の一環

目黒区内の飲食店にフタが閉まる容器を持参すると、100円引いてくれるそうだ(200円以上の買い物で)。

区のこのキャンペーンに参加した店のみで、参加店は少なそうだが、とても良い事業だと思う。

12月末までで、区の予算を超えればその前に終了することもあるそうだ。

100円もらえなくても「容器を持参してもよい店」だということがわかっていれば、これらの店に容器を持参してテイクアウトする消費者はいそうだ。終了後も効果は一部続くだろう。他の店にも波及すれば、区が予算をかけただけのことはある。

テイクアウトしたくても、発泡スチロール容器などに入れられてはたまらない、などと思って、テイクアウトできないことがある。もし、我が家の近くにもマイ容器でテイクアウトできる店があれば、ぜひ利用したい。

目黒区は今年6月、意欲的な「使い捨てプラスチック削減方針」を策定した。この事業はその一環だ。同方針は、ペットボトルの削減にも言及しており、すばらしい。

以下、目黒区使い捨てプラスチック削減方針↓

https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/gyosei/keikaku/keikaku/kankyo_hozen/tsukaisuteplasakugenhoshin.html

取組内容
1.区職員等(注記1)は、マイバック・マイボトルを積極的に利用する。
2.区有施設内において、プラスチックを廃棄する際に分別を徹底する。
3.区が主催するイベント及び会議等においては、ペットボトルによる飲料提供は行わないとともに、使い捨てプラスチック製品(注記2)の使用を可能な限り削減する。
4.区有施設内の食堂・売店等においては、ペットボトルによる飲料提供及び使い捨てプラスチック製品の使用を可能な限り削減する
5.区が作成・配布する啓発品等には、使い捨てプラスチック製品を原則使用しないこととする。
6.区民・事業者・団体へ、区の取組を紹介するなど普及啓発を図る。
注記1:区職員等は、常勤職員、再任用職員、会計年度任用職員及び区有施設において区の業務に従事する職員を対象とする。
注記2:使い捨てプラスチック製品とは、一般的に一度だけ使用した後に廃棄されるプラスチック製のもので、例えば、プラスチック製ストローやスプーン、ビニール製レジ袋など。

<参考>

目黒区「マイ容器利用キャンペーンを実施します」↓

https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kurashi/shizen/enjo/pla-GOMIzero.html

コンビニおでん、容器持参で39円引き

コンビニにおでんを買いに行こう、などとこれまで考えたこともなかったが、もし近所のコンビニも「鍋持参」できるようになったら、私も買いに行きたい。

ローソンに容器を持参しておでんを購入すると、5個買うごとに39円の値引きがあるそうだ。まだ東京、埼玉、千葉の1都2県の約30店舗に限定した14日からの試みだ。様子を見た上で、来月以降本格導入に踏み切る方針とのこと。

<参考>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210914/k10013258881000.html

韓国・済州島のスタバ、使い捨てコップをゼロに

日本のスターバックスは今年10月から、東京・丸の内エリアでテイクアウト用カップをリユースにして、使用後のカップを店舗で回収する実証実験を開始するそうだが、韓国のスタバはもっと進んでいるようだ。

2025年までに韓国全店で使い捨てカップを廃止すると表明し驚いていたら、今年7月6日から既に済州島内の4店舗では「カップ循環プログラム」を開始。使い捨てコップをゼロにしていた。

テイクアウトしたい人は、マイカップを持参するか、店舗に用意されているリユースカップを1000ウォンのデポジット(保証金)を払って借りる。飲み終わったら、その4店舗かあるいは済州空港内の所定の場所にカップを返却するとデポジットが返金されるそうだ。

<参考(済州島のスタバ)> 韓国語↓

https://www.mk.co.kr/news/business/view/2021/07/637227/

製紙メーカーが紙製トロ箱を開発?

製紙メーカーが水や氷を入れられる「段ボール箱」を開発した。水を入れた状態で3週間そのままでも水が漏れなかったそうだ。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210914/k10013257961000.html

「このうち、日本製紙が新たに開発した段ボール箱は、発泡スチロールの容器の代わりに使えるよう特殊な防水加工を施し、中に入れた水や氷が外にしみ出さないようにしました。会社によりますと、水を入れた状態で3週間そのままにしても水が漏れなかったということで、すでに一部の水産会社が鮮魚の輸送用として採用しています」(NHK, 2021.9.14)とのこと。

発泡スチロールは海ごみの代表格。発泡スチロール製トロ箱の代わりに使えるものならば、朗報だ。

発泡スチロール製の浮きなどの漁具に使えるもものは、紙では難しいかもしれないが、少なくともこの段ボールの保冷効果が高ければ、魚を入れるトロ箱の代わりにはなりそうだ。

とはいえ、段ボール古紙としてリサイクルできるのかは気になるところ。どうなのだろうか。

(以下、補筆)

使用後はリサイクルできる、と東京新聞夕刊(2021.9.15)に書かれていた。

また、このトロ箱については、過去の日経新聞に掲載されていた。

日経新聞(2021.3.17)↓

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ16BYU0W1A310C2000000/

「その香りで苦しんでいる人がいます!」佐賀県

佐賀県の「香害」ポスターがわかりやすくて、とても良い。

https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00377964/3_77964_213832_up_twuw5ul6.pdf

5省庁連名ポスターは、「その香り 困っている人がいるかも?」と「?」だが、佐賀県は「その香りで苦しんでいる人がいます!」と感嘆符。困っている人が大勢いるのは事実なのだから、「!」のように断定したポスターの方が正しい。

しかも、「困っている」人もいるだろうが、「苦しんでいる」人が実際に多いのだから、佐賀県の方がより正確だ。

また、5省庁連名ポスターはイラストだけで逃げているが、佐賀県ポスターは「洗濯洗剤」「芳香剤」「柔軟仕上げ剤」「制汗スプレー」「消臭スプレー」「香水」などと言葉でイラストを補っているので、わかりやすくて潔い。

せっかくポスターを作るのであれば、わかりやすくなければ意味がない。

「誰もが安心して暮らせるためにご協力をお願いします」という言葉と、その下の説明文にも、ホッとする。「使用量を守れ」などの言い訳がない。

香害は使用量を守れば済むという問題ではない。香り付き製品は「使わないこと」が肝心。少なくとも外に出るときや、人に接する時はNGだ。

佐賀県を見直した。

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