千葉大:ペットボトルを減らすため、学生がタンブラーを制作・販売

千葉大学の環境活動団体が、レジ袋削減のための有料化により得られた基金を用いて、オリジナルタンブラーを製作した。

200円で販売する。ペットボトルをよく使う学生が、このタンブラーを使うことで、少しでもペットボトルを使わなくなれば・・という願いが込められている。

この千葉大学環境ISO学生委員会は、地球環境大賞を取得した実績もあるNPO法人で、他にもさまざまな素晴らしい取組を展開している。

「大学生協のレジ袋有料化による基金を活用・・」↓

https://mainichi.jp/univ/articles/20180205/org/00m/100/056000c#cxrecs_s

簡単レシピを提供:仙台市のモッタイナイキッチンと京都府の食べきりクッキング

食品ロスを減らすため、各地でさまざまな取組が行われている。

仙台市は、アレマキャンペーンや『月刊紙袋』などの取組でごみ分野でグンを抜く。その仙台市の食品ロスの取組「モッタイナイキッチン」のレシピも簡単で実にいい。

例えば、おからのヨーグルトサラダなどは、本来手間のかかるおから料理をおいしい手抜き料理に仕立てている。

また、京都府の「食べきりクッキング」も若い人の感性光るレシピを提供している。

京都府民大学ウェブサイトの「調理力講座」のページから作り方を動画で見ることができる。残った鍋で作る「あんかけかた焼きそば」などは、簡単で面白い。

モッタイナイキッチン↓

https://www.mottainai-kitchen.com/recipe/latest.html

食べきりクッキング↓

http://www.kyoto-fumindaigaku.jp/kouza/kouza_02.php

紙ひも使用の「一関ルール」継続を

北上製紙の事業撤退に伴い、地元一関市ではこれまでの「紙ひも」ルールを見直すかどうかで議論になっている。

北上製紙は、「古紙回収には紙ひもを使おう」という紙ひも運動を長期にわたり全国を牽引してきた。そのお膝元の一関市が揺れているという。

「秋田さきがけ」(1994.2.6)によると、もともと紙ひも運動は、秋田県地婦連が始めたものである。当時、ごみ減量を叫びながらの古紙回収に、地婦連は多くの人たちが古紙と一緒にリサイクルできないプラスチックひもを使うことに疑問を感じた。地婦連は東北製紙と相談し、静岡県内の紙ひもメーカーに、古紙結束用の紙ひもを依頼した。当時紙ひもは、郵便局(手紙結束用)や農協(米袋のひも部分)などで利用されていたものの、一般利用としては一部地域を除き、衰退していた。

その後、北上製紙も紙ひも製造に着手し、紙ひもの普及啓発を開始した。製紙工場に古紙入荷後、紙ひもで結束された古紙はプラスチックひもで結束された古紙と比べ、工場内で発生するごみが減少するだけでなく、出来上がりの再生紙の品質にも影響を与えることをデータ化し、冊子にまとめた。

以来「紙ひも」は、プラスチックひもに代わるものとして、ごみ減量運動の一環として全国に広まっていった。

筆者が紙ひもを知ったのは、1995年頃である。子どもの小学校でリサイクル委員として古紙回収を担当したところ、古紙回収の度に大量のプラスチックごみが出ることに驚き、回収してくれていた古紙問屋に相談したのがきっかけである。

古紙問屋を通して、東北地方の紙ひも運動の存在を知った筆者は、すぐに古紙回収の収益金で紙ひもを購入し、全校生徒に配布したり、また市にもお願いし、市の古紙回収でも紙ひもを使用するように呼びかけてもらったりした。

その後、古紙問題市民行動ネットワークでも紙ひもを紹介し始め、また朝日新聞でも紙ひも運動を大きく取り上げるなどしたため、2000年頃には紙ひもを使用する自治体が増加した。

「古紙回収に紙ひも・ストッカー採用状況」↓

http://kitakami-p.jp/products/stocker.html

以降、全国の紙ひも運動も筆者のそれも、一進一退を繰り返しながら、現在に至っている。

一関市には、定着している紙ひも使用をそのまま継続してほしい。

世界中で脱プラスチックの動きが加速し、フランスでもプラスチック製使い捨て容器の禁止が発表されている。レジ袋配布を禁止した国も多い。

しかし、日本の脱プラスチックの取組は遅れている。せめて、「古紙はプラスチックひもでなく、紙ひもで縛る」程度の取組は、継続してはいかがだろうか。

「紙ごみ回収 縛るのは紙ひもで・・」(河北新報)↓

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180207_31005.html

 

オットセイの首にヒモ・・やっぱり紙ひもを使おう!

青森県三沢市の海岸で、プラスチックひもが首に巻き付いたオットセイが見つかり、保護された。

水族館で治療中とのことである。

放置されていたならば、早晩死んでいたことだろう。

首や胴体にロープやレジャーシートなどをまきつけたオットセイやウミガメなどの写真もよく見かける。人間が深く考えずに捨てたごみが動物に危害を加えているのだ。

わざと捨てないまでも、自治体の定期回収に出したごみ袋をカラスがつつき、知らない間に風で飛ばされ、川に落ち、海まで行くこともある。

筆者が地元の学校の集団回収に関わっていた時、集団回収のたびにプラスチック製のヒモが大量にごみとして発生することに、驚いた。古紙をトラックに積む際、邪魔になった一部のヒモを切る。その切ったヒモを片づけるのは集団回収役員の仕事になるわけだが、うっかりしていると、風で飛んでいく。

古紙問屋ではさらに大量のプラスチックごみが発生していると聞き、古紙問屋さんに相談したところ、秋田で使われていた「紙ひも」を紹介された。

それ以来、長年紙ひもを使い続けているが、これが実にスグレモノだ。なんといっても、途中でごみにならず、そのまま製紙工場まで運ばれる(白色の紙ひもならば、新聞紙でも雑がみでも段ボールでも、縛ったものと紙ひもはそのまま一緒に製紙工場まで行くそうである。茶色の紙ひもは、段ボールを縛るにはよいが新聞にも利用する場合は白色がよい)。瞬間的に力を加えると切れやすいが、ジワジワと力を加える分には、プラスチックひもよりキッチリとよくしまり、緩まない。使う際、天地逆方向に引っ張り出さない、など使い方には若干注意が必要だが、慣れてしまえば簡単だ。

最近では100円ショップにも紙ひもが売られていると聞く。海ごみが話題になる前からの逸品。ぜひお試しいただきたい。

オットセイの首にヒモ↓

http://www.news24.jp/articles/2018/02/04/07384804.html

キャップの落ちないペットボトル

プラスチックごみによる海洋汚染問題は、地球温暖化問題同様、緊急に対処すべき問題である。

どういう種類のごみが多いかについては、数えながらごみを拾う(一社)JEANなどののデータにより判明している。

例えば、ICC2016によると、「ボトルキャップ(プラスチック)」は11番目(破片類を除くと8番目)に多いごみである。これらキャップは、コアホウドリなどの生物に誤食されている。

かつて飲料缶のプルタブは、缶から外れた。しかし、野外に落ちたプルタブで、子どもが足に怪我をしたり、動物が誤食するなどの被害が増加し問題になったことから、今ではプルタブは缶から外れなくなった(背景として、アメリカで、外れるプルタブを禁止する州が増加したことがある)。

キャップの落ちないタイプのペットボトルは既に存在している。特許がらみの問題などもあるのかもしれないが、食環協は、散乱するボトルキャップを減らすため、キャップの落ちないタイプのペットボトル以外では飲料を販売しないというルールを業界内に設けるべきではなかろうか。

もし、食環協が自主的にできないのならば、農水省か環境省が業界を指導すべきである。

ノルウェーの飲料容器自動回収機の映像を見ると、キャップ付きのペットボトルがキャップが付いたまま回収されている。

参考:「デポジット制度:ノルウェーのペットボトルリサイクル制度」↓

デポジット制度:ノルウェーのペットボトルリサイクル制度

ICC2016↓

http://www.jean.jp/activity/result/Jean2016shortR2.compressed.pdf

日本コカ・コーラの「ビジョン」に失望

1月19日の米国のザ コカ・コーラカンパニーの100%回収するというグローバルプランを受けて、日本コカ・コーラも容器の新しい目標を発表した。

しかしながら、これはグローバルプランに比して見劣りのするプランである。

柱は以下の3つ。

■ PETボトルの原材料として、可能な限り、枯渇性資源である石油由来の原材料を使用しません。原材料としてリサイクルPETあるいは植物由来PETの採用を進め、PETボトル一本あたりの含有率として、平均して50%以上を目指します。
■ 政府や自治体、飲料業界、地域社会と協働し、国内のPETボトルと缶の回収・リサイクル率の更なる向上に貢献するべく、より着実な容器回収・リサイクルスキームの構築とその維持に取り組みます。国内で販売した自社製品と同等量の容器の回収・リサイクルを目指します。
■ 清掃活動を通じて、地域の美化に取り組みます。また、容器ゴミ、海洋ゴミに関する啓発活動に積極的に参画していきます。

要するに、原材料に植物由来原料を50%以上使うということの他は、これまでとの違いが不明である。

コカ・コーラはこれまでも、グリーンバードなどの「清掃活動」には一応協力しているはずで、「啓発活動」も1970年代の空き缶散乱問題からこのかた、効果はともかくとして、やっていたはず。

「2030年までに自社製品の包装材を100%回収してリサイクルする計画に着手する」ということが、19日に発表した目標の主旨ではなかったのだろうか?

日本では容器包装リサイクル法(以下、容リ法)により、分別収集は自治体、再商品化は製造・利用事業者、とその役割分担が決められている。例えば、誰かがペットボトルのコカコーラを買って、自治体の分別収集にボトルを出したとすると、それは税金で集められ、税金で選別・圧縮・梱包後にようやく再商品化事業者に有価で引き渡される。有価とはいえ、自治体が負担した費用を取り戻せるほど高額であるはずはなく、自治体は回収のたびに大損をする。しかし、コカ・コーラ社などが負担するペットボトルの再商品化費用などはゼロに等しい。要は、売れば売るほどメーカーは儲かるが、自治体は損をする(税金が使われる)というのが今の日本の仕組みである。

ペットボトルを使う人も使わない人も、もれなく支払う税金を使って分別収集をするということは、税金でコカ・コーラ社などの飲料メーカーを応援しているのと同じなのだ。

多くの研究者や市民団体は、分別収集責任を自治体におく容リ法はおかしい、というが、環境省が非力であるためこれまで改正されてこなかった。19日に米国で発表された目標を聞いたときは、日本コカ・コーラが率先してデポジット制度などの新たな回収スキームを計画し、これまでの自治体任せの回収から抜け出してくれれば、日本の容リ法も「外圧」により改正されるかも?という期待を抱いたが、どうも甘かったようである。

日本の現在の回収率は、自治体の税金による成果である。その上にあぐらをかいたビジョンではなく、せめて自社販売量に等しい量の缶やペットボトルを自費で回収する覚悟を決めてから、ビジョンを発表してほしかった。

世界中の海洋で汚染が指摘されている。ペットボトルは、海洋汚染物質の1つに名指しされている。日本からの流出も多い。

グローバル企業としての責任の果たし方として、19日のグローバルプランは評価に値した。しかし、今回の日本コカ・コーラの発表は、それを消し去ったように見える。

 

「廃棄物ゼロ社会を目指して。日本コカ・コーラ、容器の2030年ビジョンを発表」↓

https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20180129-14-1