プチ「脱プラ」宣言⑬紅茶は「脱マイクロプラ」で

ティーバッグから100億個以上のマイクロプラスチックが出る、という報道をみて以来、紅茶はリーフティーで飲みたい、と思う。

しかし、最近いただく紅茶は、たいていがティーバッグだ。

いかにもナイロン製に見えるティーバッグはもちろんのこと、不織布製のティバッグも大半が合成樹脂だ。一見紙製に見えるティーバッグにもオレフィン系などの合成樹脂が塗布されているものが多い。

とすると、ほとんどのティーバッグからマイクロプラスチックが出そうだ。そう思うと、最近は自分で購入したリーフティを飲みがちだった。

しかし、せっかくいただ美味しい紅茶を古くしてしまうのはモッタイナイ。ティバッグの上部をハサミでカットし、中身をティーポットに入れ、茶こしで淹れてみた。

茶こしの目よりも細かい茶葉を想像していたが、余裕で茶こしで漉せた。(しかも美味しい!)

ついでに、以前購入したティーバッグ入りのルイボスティーも、中身だけをティーポットに入れ、湯を注いでみた。ルイボスティーは沈むようで、茶こしを使わなくても十分飲める。

これは「脱プラ」とはいえないが、マイクロプラスチックを摂取しないのための自衛手段だ。脱マイクロプラか?

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プチ「脱プラ」宣言⑫トイレットペーパー「うれしいトレペ」

誰がクジラを殺した?クジラの胃から100キロのプラごみ

英国スコットランドの海岸で11月に見つかったクジラの死骸を解剖したところ、お腹からロープやペットボトル、コップ、手袋など100キロものプラスチックごみが見つかったという。

100キロものプラスチックごみを飲み込んでいたのは、まだ10歳の若いクジラで、ハクジラの一種のマッコウクジラだ。ヒゲクジラは、ヒゲ板でエサをこしとるため、これ程のプラスチックを飲み込むことはないそうだ。

私たちがプラスチックを使い続け、海底に大量のプラスチックが沈んでいる限り、クジラの悲劇は終わらない。

海洋生分解性プラスチックも、海ですぐに分解するわけではないから、このような悲劇を終わらせる役には立たない。

社会システムが適切に整備されていれば、散乱ごみはそんなにひどいことにはならないはずだ。クジラを殺したのは、ごみを捨てた人だけの責任ではない。

プラスチックは大変便利で、現時点ではある程度は必要だと思われるが、パンドラの箱を開けてしまったような気がする。

早急かつ抜本的なプラスチックの大幅削減政策と、漁具や容器にはデポジット制度を中心とする徹底した回収・再利用政策が必要ではないか。

<参考>

SPUTNIK(2019.12.3)「スコットランドでマッコウクジラの胃の中から100キロのゴミ発見」↓

https://jp.sputniknews.com/incidents/201912036885623/

ナショナルジオグラフィック(2019.12.11)「クジラの胃に100kgのごみ、なぜプラごみ食べる?」↓

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/120900714/

 

 

韓国、テイクアウト用使い捨てカップを有料化 台湾でも規制強化

既にカフェなどでの店内飲食で、使い捨てカップ提供が禁止されている韓国では、今度はテイクアウト用カップにも規制をかける。

2021年からテイクアウト用の使い捨てカップには「カップ代」が必要になるのだ。

さらに、2022年からはプラスチック製のストローやマドラーも禁止。紙や木製ならば使用可能だ。

2021年からデリバリーの際についてくる使い捨てスプーンや箸は、客が要求した場合に限り有償で提供される。

生鮮食品を入れる発泡スチロール箱は、2022年までに定期的に同じ場所に配達する場合は、再利用できる箱に変更とのこと。

また、おまけ商品の販売は2020年から禁止されるなどにより、使い捨て用品の削減効果は、2022年には40%、2030年には60%以上削減される見込み。

韓国の脱使い捨て政策は、ますます進んでいく。

また、台湾でも、多くの自治体のフードコートなどで、来年から使い捨て食器の提供が禁止されるそうだ。

<関連記事>

台湾も使い捨てプラスチック製品を2030年までに全面禁止

<参考>

「使い捨てプラスチック製品、使用禁止を拡大(ニュースde韓国語#091)」↓

https://www.newsdekorean.com/posts/7354708/

「台湾の各自治体、百貨店・量販店での使い捨て食器の使用を順次禁止へ」↓

https://jp.taiwantoday.tw/news.php?unit=151&post=167602&unitname=ニュース-政治&postname=

イオン、来年秋からリユース容器で販売開始。LOOPにも参画

2020年5月からといわれていたLOOP(ループ)の実証開始が、2020年秋以降にずれ込むようだ。

ループとは、消費者がデポジット(保証金)を払いリユース容器入りの製品を購入し、容器を返却するとデポジットが戻る仕組み。テラ・サイクルが運営し、既にニューヨークやパリで開始されている。

日本では東京都が助成したにも関わらず、参加企業が5社しか集まらないとのことだったので、日本では失敗か、と思っていた。しかし、エコプロダクツでの発表によると、ようやく13社集まったとのこと。

現在、まだ交渉中の企業もあるそうで、今後もっと増える予定。

これまでの5社(P&G、サントリー、グリコ、ロッテなど)に加え、イオンや資生堂、キリンなども参加を表明した。

さらに、イオンは来年秋から、先行して東京都内の店舗でリユース容器に入れた商品の先行販売と容器回収を開始するそうだ。2021年には順次、東京以外の地域でも開始するとのこと。

イオンでは、2020年秋から、東京都の「イオン」「イオンスタイル」で、リユース(再使用)容器を利用した商品の先行販売と使用後の容器回収を開始する。2021年には順次、本州・四国の約400店舗への拡大を目指す。

フランスではカルフールが中心となって、LOOPでリユースを頑張っている。なぜ、イオンがLOOPに参加しようとしないのか、とずっといぶかっていたが、ようやくイオンもリユースに取り組む。

イオンは自宅から少し離れているため、これまで1〜2ヶ月に1度程度しか行かなかったが、リユース容器入り商品で販売開始したならば、もっと利用しようと思う。

<参考>

商人舎流通スーパーニュース(2019.12.6)「イオンnews|リユース容器使用の買物システム「loop」2020年秋開始」↓

イオンnews|リユース容器使用の買物システム「loop」2020年秋開始

資生堂ウェブサイト「資生堂、東京都が採択したショッピングプラットフォーム“Loop”に参加」↓

https://www.shiseidogroup.jp/news/detail.html?n=00000000002813&rt_pr=trf11

環境省庁舎でレジ袋廃止。小泉環境相「国民の皆さんに日本が遅れていることを知ってほしい」??

ようやく環境省が入っている合同庁舎でレジ袋が禁止された。防衛省内でも、来年1月から同様の対応が取られるそうだ。

安堵はしたが、小泉環境相のコメントに驚いた。

「国民の皆さんに認識してほしいのは(レジ袋有料化について)日本は遅れているということ。海洋プラスチックごみを少しでも減らすため、前向きなことをやりたい」と訴えた。

「国民の皆さん」の多くは、以前から海外に比べて日本のプラスチック削減の取組、特にレジ袋の取組が遅れていることに気付いていた。

全国の自治体で、レジ袋有料化の動きが10年以上も前からあったが、スーパーやコンビニの協力がなかなか得られず、多くの自治体は大変な苦労をしていたのだ。

「隣接する自治体のスーパーが無料なのに、うちだけ有料にしたら顧客が逃げる」などの理由でスーパーの協力が得られず、有料化に失敗した自治体は、国レベルでやってほしいと懇願したが、「自治体レベルでやるべき」などといって断っていたのは、他ならぬ環境省ではないか。

来年7月からの有料化さえも、厚さだの素材だので差を付け、無料枠を設けたのは、おそらく経産省が主導したのだろうが、だからといって環境省にも責任がないとはいえない。

小泉環境相は、今までどれだけ多くの国民が、レジ袋削減を望んでいたのか、まだご存知ないようだ。早く勉強し、国民の期待に応えるためにも、プラスチック削減に「前向き」に取り組んでほしい。

<参考>

日刊スポーツ(2019.12.6)「進次郎環境相、レジ袋有料化「日本は遅れている」」↓

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201912060000978.html

 

FNN PRIME(2019.12.7)「“環境省庁舎”店舗レジ袋廃止 “使い捨てプラ”使用量減へ」↓

https://www.fnn.jp/posts/00428533CX/201912070750_CX_CX

 

 

 

富山県民の高いエコ意識の理由は?

富山県の「使い捨てプラスチック等に関する消費者意識調査」の結果がすごい。

全国調査に比べ、ごみに対する県民意識がとにかく高いのだ。

これは、レジ袋を他県に先駆けて有料化したことの効果だろうか。それとも、もともとエコ意識が高いため、有料化に成功したのだろうか。

住民意識が高いため、小売店も、傘袋を配布しない、バラン(緑のギザギザ)を入れない、ストローやフォークを無料で配布しない、などごみに配慮する店の比率が高い。

日本が全国どこも富山県なみのエコ意識になれば、日本は大きく変わる気がする。

次回の意識調査では、ペットボトルに関する意識もぜひ聞いて欲しいものだ。

<参考>

富山県ウェブサイト(2019.12.4)↓

http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1705/kj00021232.html

先進国ではメーカーが負担するペットボトル回収費用、日本では…。散乱ごみトップはサントリー、2位がコカコーラ

拡大生産者責任という言葉を、生産者自身から聞くようになり、喜んでいる。

例えば、ユニリーバは拡大生産者で、回収費用を自ら負担することを表明した。

一部他メーカーも追随する方向を示しているようだ。

マレーシアでは、日用品などをプラスチック容器包装に入れて販売していたメーカー自らが、リサイクル工場を建設する動きが活発だ。

しかし、日本のペットボトルを利用する飲料メーカーは相変わらずだ。ここまで来ると、さすがに日本の消費者もおかしいと思い始め、自動販売機からペットボトルをはずす動きが出始めた。

意識の高い鎌倉市もそうだが、富士通や積水ハウスなどもペットボトルから離れる動きを見せている。

それに対し、ペットボトルリサイクル推進協議会は、

ペットボトルのリサクル率は20年度以降、85%前後で推移。米国は20%台、欧州は30~40%台で、日本は世界最高水準という。さらに同協議会は今年、2030(令和12)年度までに、リサイクルのほか焼却熱の利用で100%有効利用する目標を定めた。幹部は「プラスチック製品の中で、ペットボトルはリサイクルのトップランナーで、自販機で販売をやめる動きには違和感を覚える」と疑問を投げかけている。

とのこと。

米国の20〜30%台、欧州の30〜40%台というのは、あくまでも平均で、人口の多い州や国に引きずられた結果。国により計算方法も異なり、単純に比較できない。

1960年台後半以降、空き缶散乱がひどかったため、世界各地でデポジット制度にしようという気運が盛り上がった。

それを飲料メーカーが猛反対し、一部の州や国でしかデポジット制度導入がかなわなかった。例えば、1回目は阻止され、2回目の議会で導入が決まった米オレゴン州では、全米から大挙して業界団体が押し寄せ、反対のキャンペーンをはったという。

デポジット制度を導入できたところでは、今でも高い回収率を実現しているが、導入を阻止されてしまったところでは回収率が低い。

日本は、導入を阻止されてしまった国の1つ。今でも京都市内でのデポジット制度導入をめぐる闘いは、生々しく語られることがあるほどだ。

しかも、日本は、いまだに時代遅れの容器包装リサイクル法で、税金による回収を正当化している珍しい国だ。

以前は、ペットボトル回収は税金の無駄遣いだと怒っていた自治体職員も、最近は諦め気味だ。中には、「ペットボトルは売れている」などという職員すらいる。売れている金額の何倍もの経費が回収にかかることは、頭にないようだ。

これほど税金でコマメに分別回収していてさえも、散乱も多ければ、集積所の燃えるごみに入っていることも多い。

これだけペットボトルが散乱したり、自治体の可燃ごみに混入したりしていながら、90%以上の回収率で、80%以上のリサイクル率など、一体誰が信じるというのか。

世界の散乱ごみ調査で、コカコーラは散乱ごみトップの企業。日本のグリンピースによる国内一部地域の調査では、1位がサントリー、2位がコカコーラ、3位キリン・・と飲料メーカーがズラリと並ぶ。

写真を見ると、圧倒的にペットボトルが多い。

ペットボトル業界は、税金やボランティアによるごみ拾いの善意の上で、「高い回収率を達成」などといつまでもあぐらをかいているのではなく、そろそろ社会的責任を果たしてはどうだろう。

<参考>

産経新聞(2019.12.3)「自販機からペットボトル排除相次ぐ 使い捨てプラ削減」↓

https://www.sankei.com/life/news/191203/lif1912030021-n1.html

ユニリーバ(2019.10.7)「ユニリーバ、廃棄物ゼロの世界を目指して新たなコミットメントを発表」↓

https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2019/unilever-announces-ambitious-new-commitments-for-a-waste-free-world.html

グリーンピース(2019.11.21)「プラスチック汚染の世界1位は2年連続であの企業。日本の企業は…」↓

プラスチック汚染の世界1位は2年連続であの企業。日本の企業は…

 

 

 

 

 

安倍首相は国連演説を断られる、ドイツは0.05mm以下のレジ袋禁止

9月に国連本部で開かれた「気候行動サミット」で、日本政府が安倍晋三首相の演説を要望したが国連側から断られていたという。

日本の温暖化対策や、トンチンカンなプラスチックごみ対策を見れば、断られて当然だろう。

たとえば日本では、0.05mm以上の厚さのレジ袋は無料配布OKの対象だが、ドイツでは0.05mm以下のレジ袋は禁止されるとのこと。

つまり、ちょうど0.05mmのレジ袋があれば、それは日本では無料でいくらでも配布OKだとされる。しかし、ドイツでは0.05mmでは「一度使用したあと、ほとんど再利用されない」として、たとえ有料であっても配布自体が禁止されるということだ。

さすがはドイツ。

日本のこのゆるさは、環境よりも企業の目先の利益を優先したい表れだろう。

小泉環境相も、先日外国の記者から「石炭火力をどうするのか?」と聞かれ、「減らす」と回答したものの、「どうやって?」とさらに聞かれて、返答に詰まっていた。

そりゃあそうだろう。地元の横須賀で石炭火力発電所が建設中であるにも関わらず、何もできないのだから答えられるわけがない。

日本は国連の演説を断られても仕方ない。

以下ロイター(2019.11.29)↓

日本は、安倍首相が演説し、6月に議長を務めた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の結果を含めて報告したい意向を伝えて協議したが断られた。

G20の結果報告という大義名分を付けてさえも演説を断られたということは、日本ではG20が大成功で、日本の手柄だとされているが、国際社会ではほとんど評価されていないということだろう。

<参考>

EIC(2019.11.6)「ドイツ 連邦内閣が厚さ50マイクロメートル以下のプラスチック製レジ袋の使用を禁じる法案を承認」↓

http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=43166&oversea=1

ロイター(2019.11.29)「安倍首相、国連演説を断られる」↓

https://jp.reuters.com/article/idJP2019112901001076

 

福助が海でも土でも分解する生分解性プラ、来年7月販売開始。レジ袋無料配布OKの対象。国が有料化開始を7月からに延期したのはこのためか

福助工業が、海洋でも土壌でも分解する生分解性プラを開発したとのこと。

現在、国際認証を取得申請中だそうだ。

2020年7月からの販売開始を目指す。

TUV オーストリアの海と土壌の認証を得るのは単体フィルムで世界初、とのことだが、確かカネカのPHBHも、海、土壌、コンポストの分野で認証を取っていたような?カネカは単体フィルムではなかったということか。

よくわからないが、技術革新は素晴らしい。しかし、たとえ海でも土でも分解する生分解性のプラスチックであっても、使い捨てのものが増えるのは困る。

福助といえば、レジ袋生産量では日本トップの企業。

この生分解性プラで福助はレジ袋を作るつもりだろう。

これが2020年7月から販売されるなれば、これで作られたレジ袋は、日本で7月から開始されるレジ袋有料化において、無料配布OKの対象になる。

もしかすると、この計画を国があらかじめ聞いていたため、レジ袋有料化開始を7月からに延期したのではないか?と勘ぐっている。

レジ袋は、たとえ生分解性であっても、有料にすべきだ。

<参考>

福助工業ウェブサイト「エコレックス」

http://www.fukusuke-kogyo.co.jp/eco/ecorex.html

 

見るまに劣化した合皮バッグ、ポリウレタンだった?

いつも似たようなバッグを買ってしまう。

無難な色で、A4版ファイルとパソコンが入る・・という条件だとそうは選ぶ余地がない。

以前使っていたバッグの裏側が、知らないうちにベタベタになり剥がれてきたので、これがあのポリウレタンか、今度は気をつけよう、と思っていた。

布製の裏地のバッグを選んで安心していたところ、今度は表側がポリウレタンだったようだ。

久々に取り出し外出すると、出先でパラパラと剥がれてきた。

帰宅する頃には、こんな感じに・・(写真)

裏地はまだきれいだけれど、これではもう使えない。なぜ、ポリウレタンなどをバッグや服に多用するのか。

とにかく劣化が早すぎる。このパラパラがマイクロプラスチックで、歩く度に落としていたと思うと、ますます腹立たしい。

リーズナブルな価格で、丈夫で長持ち、しかも軽くてたくさん入るバッグはないものか・・・といつも思う。