米科学アカデミーの紀要(PINAS)に、大量のマイクロプラスチックがペットボトルから検出されたとの研究結果が掲載された。
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2300582121
メディアはマイクロプラスチックのみに注目しているが、本当の問題はそこに留まらない。プラスチックに付着あるいは添加されていた化学物質が何か、ということも問題なのだ。
PET樹脂には可塑剤は使われないから安全だ、とよく聞くが、そんなことは決してない。ペットボトルから、いろいろな化学物質が検出されている。
例えば昨年、熊大の研究で分析されたフタル酸エステル類は、胎児や子どもの発達、生殖能力などにも影響を与える環境ホルモンだ。
熊本大学の研究チームの研究「Polymer types and additive concentrations in single-use plastic products collected from Indonesia, Japan, Myanmar, and Thailand」(インドネシア、日本、ミャンマー、タイから集められた使い捨てプラスチック製品の樹脂の種類と添加剤濃度)↓
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969723026049
しかも、PINAS論文によると、ペットボトルの水で見つかったプラスチックはPETだけではなく、ナイロンやポリプロピレン、ポリスチレン、塩ビまでもが見つかっている。ナイロンは水をろ過する際に使われたのかもしれないが、ポリスチレンや塩ビはなぜだろうか?ちょっと怖い気になる樹脂だ。
しかし、最近はコマーシャルの影響か、日本でも「水は買うのが当たり前」になっていると聞く。プラスチックに入れられた水の方がよほどアブナイと思うのだが・・。
「安心」な環境に慣れすぎたせいで、危険かもしれないプラスチックに心が動くのだろうか?怖い物みたさ?それとも「プラスチック中毒」の人が増えているのかもしれない。