耳を疑うような話を聞いた。
神奈川県・逗子市はまもなく、公共施設の中庭の一角を人工芝にするそうだ。その一角とは、マイクロバスが乗り入れるようになったため、天然芝が剥がれてしまった場所だとのこと。
天然芝の中庭にバスが乗り入れ、そこで転回するようになったため、その部分の天然芝が剥げてしまった。そのため、剥げてしまった部分をコンクリートやアスファルトなどで舗装する・・ならばわかるが、なんとその部分を人工芝にするそうだ。
しかも、ロングパイル人工芝で、芝間にプラスチック製のチップを充填するとのこと。
しかし通常、ロングパイル人工芝の上は自転車の乗り入れさえ禁止されている。小学校の校庭でさえも、「人工芝がいたむため、ハイヒール・金属スパイク・ベビーカーの乗り入れは禁止です」と書かれている。
例えば、この小学校↓
まさか、バスの乗り入れ場所を人工芝にするとは・・。勇敢過ぎてあり得ないことのように思うが、本当に計画されているらしい。もし、実現したら見に行って、ロングパイル人工芝が車両でどのようにいたむかを、ぜひウォッチしたいものだ。
プラスチック製チップの充填材も、バスのタイヤにくっついてどれほど運ばれるか、それともすぐに粉々になるかも興味深い。
それにしても、このプラスチック製チップは、プラスチック業界が流出防止を企業に呼びかけているレジンペレットと形状は同じだ。それにも関わらず、流出防止どころか、最初から環境中にばら撒き、その上を車が走る・・マイクロプラスチックの散乱は目に見えている。業界団体は、そんな蛮行を許しておくのだろうか?
日本プラスチック連盟の樹脂ペレットの漏出対策↓
https://www.jpif.gr.jp/environment/ocean/resin-pellets/
もし、業界が黙認するとしたら、自主規制は役立たないことの証左だから、やはり日本にもペレット流出防止法が必要だ。
欧州委員会は今年10月、EUとして初めてペレットの意図しない放出による汚染防止を目的とした規制案を発表した。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/10/a3e896c1f1e7a720.html
日本のプラスチック業界は、この樹脂チップとレジンペレットは形状が同じでも用途が違うから「バラ撒いてよい」と考えているのだろうか?
EUでは、人工芝に充填する合成ゴムなどで作ったゴムチップを、「意図的添加のマイクロプラスチック」として、既に8年以内に禁止することを決めている。