韓国 年末からレジ袋禁止

韓国は、現在有料化されている大型店とスーパーのレジ袋を、今年末から禁止することを決めた(以前のニュースでは10月から11月頃禁止予定とされていた)。

ベーカリーや洋菓子店のレジ袋は有料化とのこと。

マイバッグを忘れた買い物客は、指定ごみ袋を購入して、レジ袋の代わりに使うことができる。

(後日追記)年末からではなく、2019年1月1日からになった。

<出所>

「大規模店舗・スーパーでのレジ袋配布 全面禁止へ=韓国」↓

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2018/08/01/0200000000AJP20180801003800882.HTML

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韓国のスーパー レジ袋禁止

 

 

タラのお腹からペットボトルが出た!

中国の「人民網日本語版」という記事に、「深刻なプラスチック汚染 リサイクルに努力する日本」という記事があると知り読んでみた。

なかなか日本に好意的な記事で、日本のリサイクル事情を紹介している。

日本がもし容器包装リサイクル法を改正し、製品プラスチックの回収も始めるとすると、回収費用が現在より19%上昇し、63円/kgになると、私の知らなかった環境省の試算まで記載されていた(現在のペットボトルとプラスチック製容器包装を合わせたコストが53円/kgだそうだ)。

ついでに過去記事を見たところ、なんとタラのお腹の中にペットボトルが入っていたというノルウェーの記事も紹介されていた。

写真を見ると、お腹の中には、上部が取れたペットボトルが突き刺さるように入っている。

お腹から出した後のペットボトルも写っているが、かなり大きなペットボトルのようだ。

デポジット制度により97%以上が回収されているノルウェーのペットボトルであるとは考えにくいが・・・どこのペットボトルで、上部はどこへ行ったのだろうか?

ノルウェー西部で捕まえた12kgのタラだそうだ。

<出所>

人民網日本語版(2018.4.11)「海洋汚染が深刻なノルウェー 捕まえたタラのお腹の中にペットボトル」

http://j.people.com.cn/n3/2018/0411/c94638-9447923.html

人民網日本語版(2018.7.30)「深刻なプラスチック汚染 リサイクルに努力する日本」

http://j.people.com.cn/n3/2018/0730/c94476-9486046.html

パリ市が炭酸水の給水器設置 目的はPET削減

パリ市が、水道水に炭酸ガスを注入した炭酸水の無料給水器を設置した。

これまでも給水器を設置していたが、炭酸水は初めて。2020年までに20カ所に設置する予定とのこと。

市民が市販の炭酸水を買わずにすむことで、プラスチックごみを減らすのが目的だという。

一方、日本は、いまだに会議の場にペットボトルを並べることも多く、公共施設に自動販売機を設置している自治体も多い。

日本も、炭酸水とまではいかなくても、東京オリンピックまでに給水器をもっと増やさないと、「おもてなし」とはいえない。持続可能なオリンピックを目指すならば、観光客や住民がペットボトルを買わずにすむよう給水器を増設することを、東京オリンピックのレガシーの1つにしたらどうだろうか?

<パリ市についての出所> alterna

パリ市が「炭酸水」の飲水機増設、PET削減に一役

レジ袋有料化反対客に屈した豪スーパーに批判殺到

レジ袋有料化が進むオーストラリアで、2018年8月1日、大手スーパー「コールズ」が有料化に強く反対する一部の顧客に屈し、プラスチック製レジ袋を無期限で無料配布することを発表した。

すると、ツイッターでコールズへの批判が相次いだという。

<出所>

liveddor NEWS(2018.8.1)「プラ製のレジ袋の提供を続ける豪のスーパー SNSで批判が殺到」↓

http://news.livedoor.com/article/detail/15096556/

 

英国のスーパー 国に先駆けてデポジット制度開始

今年3月、国としてデポジット制度を採用することを決めた英国で、大手スーパーが国に先駆けてデポジット制度を開始している。

英国のスーパーMorrisonは、英国内の2店舗に自動回収機を設置し、ペットボトルを入れると店で利用できるクーポンか、あるいは慈善団体CLIC Sargentに1本につき10p寄付できる。

一日最大20本で、寄付ならば1本10p(16円程度か)の現金、クーポンの場合は一日最大100ポイントとのこと。

少なくとも日本のスーパーなどでよく見かける0.2円分のポイント(500本集めないと100円にならない!)しかつかないペットボトルの自動回収機より散乱防止効果がありそうだ。

Morrisonは最近、プラスチック使用を減らすため、買い物客が肉や魚を買う際に、みずから持参した容器を使うことを認め、さらにプラスチック製透明袋の代わりに茶色の紙袋を置いている。

<出所>

Climate Action(2018.7.18)Morrisons supermarket to trial plastic bottle return scheme;

http://www.climateactionprogramme.org/news/morrisons-supermarket-to-trial-plastic-bottle-return-scheme

Morrisons launches plastic bottles deposit return scheme trial

ケニアのレジ袋禁止から1年 その後の状況

昨年8月、世界で最も厳しいといわれたレジ袋禁止法が施行されたケニアでは、「100%とはいえないが禁止法はうまくいっている」(国家環境管理庁副長官)とのこと。

以前は、食肉処理場で10頭に2〜3頭の割合で牛の胃袋からポリ袋が見つかっていたが、誤飲は減り、戸惑っていた市民も布製バッグなどを持ち始めた。

しかし、青空市場で野菜などを売る店は、持ち帰り用に繊維でできた袋などを置き、それを無料で渡しているが、ポリ袋より高価なため利益は半減。ポリ袋を使って売ろうとして逮捕される例もあったという。

ケニア製造業者協会(KAM)は、禁止令に反対し裁判をおこしたが敗訴。方針を転換し、次の禁止対象とされるペットボトルの自主回収など廃棄物管理に関与することで、業界の意見を聞いてもらおうとしている。

「プラごみによる汚染は人々の健康を脅かし、ケニア経済の多くを占める観光収入の減少を招いてきた」(政府顧問を務める環境専門家)。

ケニアの今後の課題は、ポリ袋以外のプラスチックも禁止することと、既に処分場(ごみの山)に集まっているこれまで使ったプラスチックごみを処理することであり、また、人々の家にたまっているプラスチックの回収・処理システムの構築である。

<出所>

毎日新聞(2018.7.30)「ポリ袋「ノー」 ケニアの挑戦(その1)「世界で最も厳しい」禁止法」↓

https://mainichi.jp/articles/20180730/ddm/001/040/192000c

毎日新聞(同)「ポリ袋「ノー」 ケニアの挑戦(その2止) ポリ袋使用、まさかの逮捕 厳罰立法、市民の怒り後押し」↓

https://mainichi.jp/articles/20180730/ddm/003/040/068000c

毎日新聞(2018.7.29)「世界で最も厳しいポリ袋禁止法 ケニア」(動画)↓

https://mainichi.jp/movie/video/?id=5815284960001

ルーマニアでデポジット制度採用か

ルーマニアで、飲料容器のデポジット制度が段階的に開始されるらしい。

Viorica Dancila首相が先週火曜日、リサイクル率を高めるため、政府は包装ごみを規制する緊急条令を採択していると発表した。

2019年3月31日からリターナブル(リユース)容器のデポジット制度を開始し、使い捨て飲料容器のデポジット制度は2022年3月1日から開始するようだ。使い捨て容器の対象は0.1から3リットルまで。

<出所>

Government passes new regulation for packaging waste management, introduces deposit fee scheme for reusable packaging

<関連記事>

ルーマニアでレジ袋禁止 2019年1月から

今年のオーバーシュート・デーは8月1日 地球1個分の暮らしを超える日

2018年の「オーバーシュート・デー」は8月1日。あと2日で、地球は赤字生活に入る・・というより、あと2日で私たちは子孫の使うべき資源を借用して使う借金生活に入る。

オーバーシュートとは、人間が地球の収容力(バイオキャパシティ)を超えてCO2を出したり資源を使ったりすることで、オーバーシュート・デーとはちょうど地球のバイオキャパシティを使い果たし、元本に手を付け始める日のことである。

地球のバイオキャパシティの範囲内で暮らしていたならば、地球温暖化は起きなかったはずで、ごみ問題の解決もこれ程難しくなかったはずだ。

子孫に残すべき資源に手を付けても、今の世代の人間がそれを穴埋めすることはおそらくできない。穴は毎年大きくなり、地球のバイオキャパシティはそのうち急落するだろう。

現在人間は、世界平均で地球1.7個分の暮らしを送っており、先進国など資源浪費国はどこも平均を軽くオーバーしている。今の日本人と同じ暮らしを世界中の人たちが送ると、地球は2.9個必要になるそうだ。

<参考>

共同通信(2018.7.26)「あと1週間で地球は赤字 今年の「アース・オーバーシュート・デー」は8月1日」

https://www.kyodo.co.jp/mamegaku/2018-07-26_1845070/

朝日新聞(2018.7.3夕刊)「日本の暮らし、地球2.9個分 環境負荷、独自の単位で数値化」

https://www.asahi.com/articles/DA3S13568752.html

英 コカコーラがデポジット制度のビジョンを発表

イギリスでは、デポジット制度の導入を前に、環境団体が制度への詳細な希望を表明したり、既に制度を一部先取りして開始する大手スーパーなども現れ、動きが慌ただしい。

コカ・コーラ・ヨーロッパ・パートナーズとコカ・コーラ・ブリティッシュ・コロンビアも、イギリスでのデポジット制度に役立つだろう11の提案を公表した。

財務管理と不正行為の管理、イギリス全土をカバーする共通のアプローチ、非営利団体へのスキームの委託などだ。

運営費用は、回収された容器の売却益や、容器を返還しないため残った消費者の支払ったデポジット(預り金)、そして生産者と小売店によってカバーされるべきであると提案している。また、すべての当事者が制度に確実に参加するため、法律によってデポジット制度は規定されるべきだとしている。

以前公表された日本のコカ・コーラのビジョンには、回収を自治体に任せ続けたい気持ちが透けて見えて失望させられたが、ヨーロッパとイギリスのコカ・コーラは非常にまっとうな考えを持っているようだ。

デポジット制度の運営費用は、小売店によってカバーされるべきかは異論もあるだろうが(確かにそれもよいかもしれない)、容器売却益と未返還デポジットの不足分は、生産者責任によりカバーされるべきという意見には大賛成だ。

もちろん、イギリス全土にデポジット制度を導入するため、法律で規定すべきという意見も当然であろう。

<出所>

PACKAGING(2018.7.17)Coca-Cola unveils vision for deposit return scheme

https://www.packaging-gateway.com/news/coca-cola-unveils-deposit-return-scheme/

 

中国の輸入規制により、廃ペットボトルの国内受け皿が増加

使い終わったペットボトルの約半分はこれまで中国に輸出されていたが、中国の輸出規制のため、日本は国内リサイクル量を至急拡大させる必要がある。

これまではランクの落ちるペットボトルのベールは中国に買い負け、日本のリサイクル工場の処理容量は余っていた。しかし、今は容量不足だ。

この容量不足を補うために、各地で工場が増設されている。

例えば、西日本ペットボトルリサイクルは現在、年1万トンの再生PET樹脂を生産しているが、約12億円投資し、2019年1月から1万5000トンに引き上げるとのこと。

また、トレイ大手のエフピコは、既に関東エコペット工場に設備投資を行い事業拡大を進めていたが、さらに筑西工場(茨城県)の隣接地に食品容器の新工場を建設する(日経新聞2018.5.3)。

さらに、日本環境設計は、ペットボトルや古着から取り出した再生材で作る同社ブランドの衣料品を販売するとのことである(日経新聞2018.5.19)。

ペットボトルなど使い捨てプラスチックは減らすべきで、使わないほうが良いのは明らかだが、日本にこのようなリサイクルの受け皿ができることは、「燃やさない」「海外にごみを出さない」という2点において、有り難いことだと思う。

それにしても、国は来年のG20までに、使い捨てプラスチックをどの程度本気で規制するつもりだろうか。

<参考>

日経新聞(2018.5.3)「エフピコ、茨城に新工場 40億円投資、食品容器生産」↓

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30095080S8A500C1LCC000/

日経新聞(2018.7.19)「廃プラ日本滞留、中国輸入停止で 再利用策急務に」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33111530Y8A710C1TJ2000/?n_cid=NMAIL007