海洋へ流出するプラスチックごみの9割は10河川から流れ出ているといわれる。その10河川のうち8河川はアジアにある。日本は流出国にはカウントされていないが、決して他人事ではない。
日本を含む「先進国」は、これまでこれらの国々にプラスチック製品を輸出したり、あるいは工場を作り製品を製造したり、またプラスチック製廃棄物を「資源」として輸出してきたが、その過程で出るごみについては責任を負ってこなかった。
そのツケがこのような形で現れたと考えられる。
石油化学工業協会会長は、自動車の軽量化や食品の品質保持を例に挙げ「プラスチックのプラス面を考えるべき」と強調するが、プラスチックのプラス面については誰もが既に十分知っている。だからこそ、ここまで普及したのだ。
今考えるべきは、マイナス面を克服するために何ができるか、である。
石油化学工業協会も一丸となって、この問題に取り組んで欲しい。
汚染のひどい新興国に適切なごみ回収ルートを作れば、それですべて解決するという話ではない。十分な回収ルートのある日本でも散乱ごみ問題は解決されてこなかった。ここにプラスチックごみによる海洋汚染問題の根深さがあり、多様な解決策の必要性があると考えている。
<参考>
NEWSWEEK(2018.7.12)「世界の海洋プラスチック廃棄物の9割は、わずか10の河川から流れ込んでいる」↓
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/910.php
毎日新聞(2018.9.16)「10河川からごみ9割 海洋汚染、新興国で排出 陸上の管理不適切 独研究所推計」↓
https://mainichi.jp/articles/20180916/ddm/003/040/099000c
SankeiBiz(2018.9.21)「石化協会長、「脱プラ」流れに反論 食品廃棄問題への貢献強調」↓
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180921/bsc1809210500001-n1.htm