東大和市、セブン・イレブンとペットボトル回収

東大和市が、セブン・イレブンと協定し、ペットボトルを回収することが話題になっている。4日から回収が始まったとのこと。

市内15カ所のセブン・イレブンに自動回収機を設置し、使用済み廃ペットボトルを集め、それを再生工場まで運んでリサイクルする。

役割分担は以下の通り。

・東大和市:市民の皆様への事業の周知と適正な排出の広報
・セブン‐イレブン店舗:ペットボトル自動回収機の運用と回収したペットボトルの管理
・日本財団:セブン‐イレブン店舗に設置するペットボトル自動回収機の費用を支援
・東大和市清掃事業協同組合:店舗が回収したペットボトルの保管場所への運搬

東大和市清掃事業協同組合というのがよくわからないが、もしここが市の税金で運営されているとすると、東大和市はなぜこのようなことをしたのか?と疑問を感じる。(追記:同組合は民間なので、回収に税金は使われていないとのこと。詳しくは補筆参照)

廃ペットボトルの回収に税金を使うということは、ペットボトルに補助金を出すのと同じことだ。ペットボトルの販売量を増やすことにも繋がりかねない。もしこの回収に市が加担しているならば、市がセブン・イレブンの顧客サービスの片棒を担いでいるようにすら見える。(追記:市は回収に税金を使っていないということなので、この部分は筆者の誤解だったようだ。しかし、やはり「ペットボトルを持ってセブン・イレブンに行こう!」という広報はやめるべきではないか。市としては、セブン・イレブンも他の回収協力店と同列に扱うべきだし、ペットボトルよりもマイボトルやマイカップを推進すべきだと思う。)

(補筆)

東大和市清掃事業協同組合というのは、税金で運営されている団体ではなく、完全な民間で、社会貢献のために協力しているとのこと。従って、市の役割は広報のみ、というこなので少し安心した(少なくとも広報にしか税金が使われていないという点でひと安心)。セブン&アイと日本コカ・コーラは、容器に100%再生樹脂を使ったペットボトルの緑茶飲料を共同で企画・販売するそうなので、その原料になるのかもしれない。

<参考>

東大和市「ペットボトルを持ってセブン・イレブンに行こう!~市内全店舗に、ペットボトル自動回収機が設置されます」

https://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/31,97323,328,732,html

 

 

 

大阪湾底にレジ袋が300万枚、底引き網にはペットボトル

関西広域連合が、大阪湾に沈んでいるレジ袋は300万枚、ビニール片は610万枚と推定した。

広域連合は、2府4県に広がる琵琶湖・淀川水系の治水や環境保全策を継続的に研究しており、昨年11月に大阪湾中央部の約8万平方メートルで底引き網漁船の網にかかったごみを調べた。その結果、レジ袋163枚、ビニール片337枚を確認。広さ1450平方キロメートルの湾全体で推計したところ、レジ袋は300万枚、ビニール片は610万枚となった。

流域人口の多さなどから、主な流入源を淀川水系と分析。2017年11~12月に実施した調査では、京都市などを流れる桂川で20リットル入りポリ袋換算で2000個超、木津川と宇治川で各400個前後のプラごみが確認され、昨年5月から続ける定点調査では、内訳として食品の包装類、ペットボトル、レジ袋の順に多いという。

流域人口の多さなどから、主な流入源を淀川水系と分析。2017年11~12月に実施した調査では、京都市などを流れる桂川で20リットル入りポリ袋換算で2000個超、木津川と宇治川で各400個前後のプラごみが確認され、昨年5月から続ける定点調査では、内訳として食品の包装類、ペットボトル、レジ袋の順に多いという。

確かに、かつての藤枝繁先生(鹿児島大)の研究で、瀬戸内海に流入する13河川の中で、淀川水系のごみが最多だった。

今回の調査で、内訳として、食品包装類が1番多く2番目はペットボトルで3番目がレジ袋、とのことだが、食品包装の中にキャンディの包み紙や菓子袋、食品トレイや弁当容器などまで含まれるならば、最多で当然だろう。むしろ、ペットボトルやレジ袋の多さに愕然とする。

今後、関西広域連合の「海ごみ抑制プラットフォーム」の対策・研究に期待したい。

<出所>

毎日新聞(2019.5.31)「大阪湾に沈む「レジ袋300万枚」、広域連合対策検討組織が発足へ」

https://mainichi.jp/articles/20190531/k00/00m/040/062000c

キャップ回収について(ご質問への回答)

ペットボトルのキャップを集めて回収施設に持っていくことは環境にいいことだと思っていました。しかし、いろいろなサイトを見ていると、良いこととは限らないという趣旨のものもありました。それは、リサイクル処理をする段階で二酸化炭素を排出してしまったり、キャップをリサイクル施設まで運送する際に排気ガスを出しているからということらしいです。
キャップをリサイクルしても、結局このような問題のせいで環境への影響がプラスマイナスゼロになったり、むしろマイナスの要素が大きくなってしまうことはないのですか?

あと、分別されたキャップを集めている施設は知っているのですが、ラベルを集める施設は在りますか?

回答の方よろしくお願いします。

ご質問をありがとうございます。

おっしゃる通り、キャップを単独で回収するのはメリット・デメリット両方あると思います。条件により結果も異なるため、どちらが良いかは一概にいえないでしょう。

メリットとしては、

1.キャップの単独回収により、同一素材のプラスチックが大量に集まるため、自治体で集める容器包装プラスチックなどのように雑多な種類のプラスチックが集まるよりも、マテリアルリサイクル(また製品に返るリサイクル)しやすいこと(質の高いリサイクルができれば、CO2削減にもなります)

2.もし落ちているキャップを拾って回収に出してくれる人がいれば、キャップの散乱が減る可能性があること

などがあります。

またデメリットとしては

1.キャップを運搬する際に車両から排出される排ガスやCO2、またキャップを運ぶ際に必要な袋や箱など、相応の環境負荷がある(メリット1と比べ、どちらの方が環境負荷が高いかは、いろいろな要素があり、一概にはいえません。運搬の距離や運搬方法次第では、環境負荷の方が大きくなる可能性もあります)

2.小さいキャップを回収・運搬するに当たり、その過程で散乱する可能性もあること

3.キャップやボトル本体をリサイクルするから使ってもよい、と勘違いし、ペットボトルを気軽に使う人がいるかもしれないこと

などが考えられます。

いずれにせよ、ペットボトルなど使い捨て製品は、使わないで済めば使わないのが一番!マイボトルを忘れ、どうしても使わざるを得ない場合や、山へ行く際に極力軽い装備で行きたい、などのケースもありますが、マイボトルを持参できる場合の方が日常では多いはず。もし、水道水がカルキ臭くて美味しくない、何となく不安、などとお思いならば、浄水器を付ければ済むことです。

とはいえ、使わざるを得ないケースがある以上、リサイクルは必要ですので、例えばペットボトルをスーパーの回収箱に入れに行った際に、回収箱の隣りにキャップの回収箱があれば、そこにキャップを入れるのは良いと思います。スーパーでは商品搬入の帰り便などを利用して、おそらくどこかへ運ぶでしょう。

しかし、ご存知の通り、リサイクルは使い捨て製品使用の免罪符になりがちです。そうならないように十分注意しなければなりません。

ペットボトルのラベルに関しては、自治体が決める方法で回収に出すのが良いと思います。例えば、容器包装プラスチック(容リプラ)を回収している自治体にお住まいならば容リプラとして出すのが良いでしょうし、自治体が容リプラを回収していなければ自治体が決める方法で(可燃ごみ、不燃ごみ、等)。

日本は、リサイクルのためと称し、ペットボトルのキャップやラベルを消費者に外させますが、デポジット制度での回収を実施している国などではラベルは剥がさないことが原則です。うっかり剥がすとデポジット(上乗せ金)は戻ってきません。

またEU(欧州連合)では、使用中にキャップがボトルから取れないタイプにペットボトルをデザイン変更しなければならないことが決まっています。早晩すべてのペットボトルが、ステイオンタイプのボトルに切り替わります。

ラベルやキャップが付いていても、リサイクル工場で一手間かければ問題なくリサイクルできます。日本もそのうち、EUのようにキャップが外れないタイプのペットボトルに切り替わるのではないかと、期待しています。キャップは、生物が誤飲しやすく、危険ですので、日本の飲料メーカーもその程度の工夫はすべきです。

ラベルは散乱した場合、マイクロプラスチックになりやすいので、ラベル剥がしなど本来消費者にやらせるべきではないと私は思っています。

つい最近まで、自治体の選別工程で必要だという理由で、ラベルを剥がしてはいけないと指導していた自治体が複数ありましたが、そういう自治体のペットボトルも問題なくリサイクルされていました。

お答えになっていないかもしれませんが、下記の記事も参考になさってください(ご返信遅くなり申し訳ありませんでした)。

<関連記事>

キャップが落ちるペットボトルを禁止 カリフォルニアで検討

キャップの落ちないペットボトル

時代遅れの容リ法 ペットボトル回収にラベル剥がしを義務付け

全米海ごみリスト ワースト20

デポジット制度:ノルウェーのペットボトルリサイクル制度

ペットボトルはキャップとラベルを外さずに回収する方がよい

環境省による産廃廃プラ焼却推進論とデポジット制度反対論は同根

容器包装リサイクル法ができたとき、これで企業が再商品化費用を支払うことになり企業責任が明確になる、と安堵した反面、本来回収責任も企業にあるはずだということが忘れられてしまうのでは?と懸念した。

世界では、回収から最終処分(リサイクルなど)までを企業責任とする拡大生産者責任が当たり前になってきている。日本が真似をしたというフランスの包装令も、制度導入当初は5割ほどしかなかった生産者責任割合をどんどん拡大している。

しかし日本では、企業責任が縮小されつつあるようだ。

その一例として、環境省が自治体の焼却炉で産業廃棄物である廃プラの焼却を推進するかのような報道があった。焼却に協力した自治体には、環境省が支援金まで出すという。

産業廃棄物を100%企業責任で処理することは当然である。どんなに困っても、これに税金を使うべきではない。

同様に、使い捨ての容器包装なども企業責任で処理すべきだ。そうでなければ、自治体が税金を使って使い捨てを応援していることになる。

最近、飲料容器のデポジット制度に対する反対意見を読んだ。日本は十分回収率が高いのだから、デポジット制度にするのは意味がないのだそうだ。しかも、本来デポジット制度はリユースできるものが対象で、使い捨てのものをデポジット制度で回収するのはおかしい、というこれまでの経緯を無視するかのような「先祖返り的」意見も制度に反対する根拠の1つになっていた。

しかしこれらの意見にはいくつもの重大な間違いがある。うち1つに、先般の報道との類似点がある。

自治体が税金を使って、なぜいつまでも使い捨てのペットボトルや缶・びんを回収しなければならないのか?例えばペットボトルは、現在、自治体が半分以上を回収し、ようやく80%程度のリサイクル率を達成している。

なぜ、自治体が、月に幾度も集積所を廻って、住民が使い捨てた嗜好品の容器を回収し続けなければならないのか?回収費用のほうが、ペットボトルの売却費用よりもはるかに高くつくにも関わらず。

自治体が税金で回収し続ける限り、ペットボトルなど使い捨て容器に補助金を出しているのと同じだから、いつまでたっても使い捨ては減らない。

企業が、生産者責任として回収費用を最初から販売代金に上乗せして回収するのが当然ではないか。しかし、消費者が容器を回収ボックスまで返却しに行くのは、自治体回収よりも手間がかかる。そのため、返却にはインセンティブ(動機付け)が必要だ。その点でデポジット制度は優れた回収制度であろう。

デポジット制度に反対する人は、まず回収責任の所在、つまり「誰が責任を持つべきか」を考えてほしい。

自治体による産廃廃プラ焼却推進意見と、デポジット制度反対意見からは、「税金で処理して当然。税金で回収して当然。みんなで使ったものだから、みんなのお金で処理しましょう」という気持ちの悪い甘え(あるいは故意に責任の所在をウヤムヤにする意図)を感じる。

この甘さが、ペットボトルや缶の消費量と散乱量を増やしているのではないか。

<関連記事>

環境省、産廃の廃プラを自治体に焼却要請

環境省の自治体廃プラ焼却要請の真実とG20に向けた海プラ関連ニュース(まとめ)

 

日本水産が河川からのプラ流入を調査、コカ・コーラも

日本水産が、2019年度から海洋プラスチックの河川からの流入状況を調査する。また、食品の容器で環境負荷の低い包装材の開発や利用を進めるとのこと。

海産物を扱う企業にとって、海洋プラスチック汚染は深刻な問題だろう。漁獲量の低下はもちろん、汚染を不安視する消費者の魚離れも心配だろうことは想像に難くない。

容器も、缶ならば安心だとは消費者も思っていない。ビスフェノール類の溶出を気にする消費者は少なくない。しかし日本には、なぜかビスフェノールフリー表示製品は少なく、メーカーまで問い合わせても、回答は不十分だ。

海洋プラスチック汚染に関しては、原因企業であるとはいえない日本水産だからこその、調査結果に期待したい。もちろん、よりよい容器の開発にも期待したい。

また、日本財団は、東京大学だけでなく、日本コカ・コーラとも共同で海洋プラスチック汚染問題に取り組むようだ。

日本コカ・コーラと日本財団は、国内のプラスチック廃棄物が河川や海に流出する原因を調査する「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」を開始したとのこと。全国8カ所で約240kmにわたり調査し、廃プラが回収されずに、河川・海に流出する「流れ」を明らかにするという。

さらに、「日本国内では、ペットボトルについては約98%が回収されているとされるが、残り2%の回収も目指す」そうだ。

回収率を上げる取組に期待したいが、何をするつもりか?自動販売機に啓発シールを貼ったり、回収箱を増やしたりする程度では、回収率は上がらない。「散乱ごみはマナーの悪い一部消費者の問題」であると、飲料メーカーが考えている限り、飲料系散乱ごみ問題は解決しない。

それにしても、この98%のペットボトル回収率はどこから出た数字だろう?どこにもこの手の数字で、根拠の明確なものはないはず。何かの間違いだろうか?

また、海洋汚染の原因企業の1つであるコカ・コーラが、単独でこの問題解決に取組むならばわかるが、なぜそこに日本財団が絡むのか、それがわからない。

<関連記事>

マイクロプラが人体に与える影響等を調査、東大・日本財団

<参考>

日本経済新聞(2019.5.20)「日本水産 海洋プラスチック問題で調査 環境対応」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45015140Q9A520C1X12000/?n_cid=SPTMG002

RIEF(2019.5.23)日本コカ・コーラ、日本財団と共同で、国内廃プラスチックが河川から海洋に流出する「流れ」を追跡する調査を開始。ドローン、AIも活用(RIEF)

https://rief-jp.org/ct11/90116

オーストラリアのコカコーラ、年末までにペットボトルの7割を再生プラに

各州でデポジット制度の導入が相次ぐオーストラリアで、コカ・コーラオーストラリアが、「2019年末までに、コカコーラ社がオーストラリアで使うペットボトルの70%に再生プラスチックを使う」という画期的なプランを発表した。

これにより、2020年以降は毎年約1万6000トンの再生プラスチックを使うことになるそうだ。

日本コカ・コーラ社の2030年ビジョンは、「原材料としてリサイクルPETあるいは植物由来PETの採用を進め、PETボトル一本あたりの含有率として、平均して50%以上を目指します」である。

コカ・コーラオーストラリアのプランは、やはりデポジット制度により回収される品質のよいペットボトルがあるからこそ、立てられた計画だろう。

日本コカ・コーラも、回収を自治体任せにするのではなく、デポジット制度などにより、自治体に頼らない回収方法を早急に検討してほしい。

ある記事で「消費者は好きな容器を選べばよい、ペットボトルが嫌いならば他の容器を選べ」とあるメーカー(コカ・コーラ以外の飲料メーカー)がいっているのを読んだ。しかし、選ぶ容器によって、使われる税金の額や環境負荷が異なることを知らない消費者は多い。消費者が好きな容器を選べばよい、という前に、飲料容器による外部コストをなくす努力をメーカーにはしてほしい。

ペットボトルは、最も外部コストが高い容器の1つだ。

*外部コスト:値段に反映されない隠れたコスト。詳しくは↓

https://kotobank.jp/word/外部費用-1286970

<参考>

COCA-COLA AUSTRALIA(2019.4.16)How Coca-Cola in Australia is working toward a world without waste;

https://www.coca-colajourney.com.au/stories/coca-cola-australia-working-towards-world-without-waste

廃プラの輸出入禁止(バーゼル条約)について

日本は、ノルウェーとの共同提案で、バーゼル条約に汚れた廃プラを加えることを提案している。

飲み残しの入ったペットボトルや泥のついたビニールシートなどを輸出入禁止にするため、とのことだ。

それについての会議が29日に始まった。

汚れた廃プラを輸出入禁止にするのはよいことだと思う。問題は、それを国内でどう処理するのか、そもそもそれらを発生しないようにする術はないのか、ということではないだろうか。

現状を見ると、発生量はそのままで、発生後の処理法はせいぜいが「サーマルリサイクル」だ。

もっと抜本的な対策も考えて欲しいと思う。

そうでなければ、たとえ汚れた廃プラを輸出入禁止にできたとしても、G20で日本がアピールできるような「成果」にはなり得ないのではないか。

<参考>

日本経済新聞(2019.4.30)「汚れた廃プラの輸出規制協議 バーゼル条約会議が開幕」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44353440Q9A430C1000000/

「汚れた廃プラ、輸出入禁止に=バーゼル条約で提案-環境省」

https://www.nippon.com/ja/news/yjj2019022700342/

 

ペプシコ vs コカコーラ、ペプシコが自動炭酸飲料機で一歩リード?!

以前、米コカ・コーラが、回収100%を目指すとグローバルプランで表明したときは感心した。

しかし、日本コカ・コーラに回収意欲は、全く感じられなかった。少なくとも、その後発表されたビジョンを読む限りでは、自治体頼みの姿勢が透けて見えた・・

一方、ペプシコは昨年、脱プラスチックを表明しているソーダストリームを買収した。

ペプシコは、従来のペットボトル飲料が売れても、ペットボトルが売れずにソーダストリームの家庭用炭酸水メーカーが売れても、どちらでも儲かるようにしたのか?と思っていたところ、それだけではなかったようだ。

なんと、マイボトル用の炭酸飲料自販機(全自動炭酸飲料機)を開発したとのこと。

従来の給水器では、水のみだから、水以外を飲みたい人は、ペットボトルなどを購入する。

しかし、これならば、コーラやその他の炭酸飲料を飲みたい人でも満足できる。自分好みに甘さや炭酸濃度を調整できるならば、マイボトルを持つ人が格段に増えるかもしれない。

脱プラスチックに向けて、ペプシコの発想は素晴らしい。日本でも早く売り出して欲しいと思う。

日本コカ・コーラがこれを上回るには、自治体頼みの回収姿勢を改め、デポジット制度により販売したペットボトルを自ら100%回収するしかないのではないか。

<参考>

EXCITE ニュース(2019.4.26)「プラスチックごみ全廃をめざして!ペプシコが開発したマイボトル専用の全自動炭酸飲料機が話題に」

https://www.excite.co.jp/news/article/Techable_98654/

 

 

ハーゲンダッツとトロピカーナ、リユース容器で販売か

アメリカで、ハーゲンダッツのアイスクリームとトロピカーナのオレンジジュースが、使い回しのできる容器に入れられて、「牛乳配達方式」で実験販売される。

ハーゲンダッツは金属容器に入れられ、トロピカーナはガラスびんに入れられるとのこと。

テラサイクル社が運営するショッピングプラットフォームで、1容器1ドルから10ドルのデポジット(保証金)を払うと買えるようだ。

アメリカでは、ハーゲンダッツはネスレが、トロピカーナはペプシコが販売しているため、これはネスレとペプシコの環境配慮である。

日本では、ハーゲンダッツはサントリーの関連会社が、トロピカーナはキリンか。

日本でも、サントリーとキリンに頑張って、リユース容器での提供を検討してほしい。

それにしても、日本は相変わらずプラスチック容器が大手を振っているが、海外では脱プラスチックが進んでいる。

<出所>

FOOD & WINE; Haagen-Dazs and Tropikana Test Refillable Containers

https://www.foodandwine.com/news/haagen-dazs-tropicana-refillable-containers

キリン、プラスチックポリシー発表 

今年2月、キリングループが始めて「プラスチックポリシー」を発表した。

2027年までに日本国内のPET樹脂使用量の50%を再生樹脂にするとのこと。

非可食性の植物由来のPET樹脂の導入も検討するそう。

一方、サントリーは、2025年に使用済みボトル使用量を50%高めるという。

2017年現在、キリンの再生樹脂使用量は3%、サントリーの使用済みボトルを原料とした量は18%。

また、アサヒは包装なしのペットボトルを商品拡大しているとのこと。ペットボトルに入っている段階で無包装とは言い難いが、要はフィルムがないらしい。

確かに、中身が分かれば、ペットボトルに帯は必要ない。

アサヒは、2030年までにペットボトル商品の重量全体の6割に植物由来の素材やリサイクル素材を使用する目標とのこと。

日本のメーカーはいずれも、ペットボトルをいかにエコにするかで、しのぎを削っている。

「小型ペットボトルからの撤退」とか、「デポジット制度を導入し、ペットボトルを自力回収する」などのような画期的な「プラスチックポリシー」を発表したメーカーはまだない。

せめて、「キャップが外れないタイプのペットボトルにデザイン変更する」というEUなみの目標を、近い将来、掲げて欲しい。

今後に期待している。

<関連記事>

バイオベースのペットボトル vs 再生ボトル、国内メーカーは何を選ぶのか

<参考>

キリンホールディングス ニュースリリース(2019.2.7)↓

https://www.kirinholdings.co.jp/news/2019/0207_01.html

日本経済新聞(2019.3.29)「サントリーHD、廃プラ再生でライン増設 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43077680Z20C19A3XQH000/?n_cid=SPTMG002

日本経済新聞(2019.1.29)「アサヒ飲料、包装なしのペットボトル商品拡大」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40623140Z20C19A1XQH000/