世界で「リユース」が少しずつ増えている。
ドイツでは今年1月1日からテイクアウトなどの際、顧客に対して再利用可能な容器で提供する選択肢を設けることが義務づけられた。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/7c0958d47a1d1439.html
日本でも、メグルーやアルパッケなどリユース容器を使う飲食店が少しずつ増えているようだ。
とはいえ、プラスチックは劣化するとマイクロプラスチックが出やすいことが指摘されている。そのため、プラ製リユース容器は環境的にはリユースがよくても、マイクロプラの見地からはプラ容器のリユースが本当によいのか?という疑問も少しあった。
しかし、韓国消費者院がテイクアウトなどで使われる使い捨て容器とリユース容器のマイクロプラスチック検出数を比較したところ、使い捨て容器の方がリユース容器より2.9から4.5倍多かったそうだ。
AFP通信(2023.3.7)↓
https://www.afpbb.com/articles/-/3454349
上の記事は、韓国消費者院が2月28日に発表した内容を短くまとめたもの。
韓国消費者院報道資料(韓国語)↓
https://www.kca.go.kr/home/sub.do?menukey=4002&mode=view&no=1003469087
使い捨て容器の中で、最もマイクロプラスチックが出たのはPETだったとのこと(47.5%)。PET製容器は見た目はいいが、案外脆(モロ)いようだ。日本でもたくさん使われている。
次に多かったのがポリプロピレンで27.9%。その次がポリエチレンで10.2%だ。
ポリエチレンは紙コップのラミネートから出たものだそうだ。報道資料が韓国語なのでよくわからないが、紙コップでコーヒーを飲むと、年間で2800個以上のマイクロプラスチックを取ることになると書かれている(一人年間消費量377杯を代入した場合)。
2021年のインド工科大学院の研究で、紙コップで毎日3杯の温かいお茶やコーヒーを飲む人は、1日に平均7万5000個のMPを摂取することになると科学誌に発表された。これに比べると、韓国の紙コップからの検出数はかなり少ないようだ。
理由はまだよくわからないが、紙コップの中身の温度や、検出するマイクロプラスチックのサイズや検出方法などが原因だと思われる。
いずれにせよ、環境面だけでなく、マイクロプラスチックの見地でも、リユース容器の方がよいことがわかったので安心した。