先日、国立国会図書館へ行って申し込んだ本がたまたま「図書」コーナーにある本だった。私が申し込んで読む本はたいてい「雑誌」なので、イヤな予感がした。
案の定、その本の中の4頁分の文章をコピーしようとしたところ、この本は「図書」なので、同じ著者の記事は著作権の関係で半分しかコピーできませんとのこと。
言い分はわかるが、4頁の文章のうち2頁しかコピーできないと役に立たない、と少し粘ったが絶対にダメとのこと。
もし、その本が雑誌に区分けされていたら100頁位はコピーできるはずなのに、図書に分類されたばかりにわずか2頁のみ・・何か変だ。
図書と雑誌の違いを聞いたところ、図書は定期刊行されていないもので、雑誌は定期刊行されているものだそうだ。
争点になった本は、日本海洋学会が編集した『海の温暖化』というもので、何人もの研究者が少しずつ分担執筆している市販されていないものだ。編集した学会も図書に分類されるとは思わなかったのでは?おそらく単発で出したジャーナルのつもりだったはずと想像している。
以前も、国会図書館では似たようにトラブルがあった。詳しいことは忘れたが、どこか行政機関の出した古い調査報告書のコピーを巡ってだった。薄い報告書で、全文コピーしたかったが、ダメだといわれた。
税金で作った報告書のコピーができないのはおかしい、本来ならばこの手のものはウェブサイトにアップされるべきものだ、と粘ったところ、先方の了解が得られたら全文コピーしてもよいと言われた。
しかし、古い資料のため、今はない部署で作られた報告書。省庁の名前さえも変わっていて、電話番号もわからない。渋々諦めた。
近くに住んでいれば、すぐに再訪して続きをコピーできるだろうが、遠方ではそれもやりづらい。
以前、カナダのある州のアーカイブライブラリーへ行き、資料をコピーしたいといったところ、コピーは時間がかかるといわれ、「写真を撮ったら?」とスタッフから提案されてライトまで貸してもらえた。
おかげで貴重な資料を全文無料で入手でき、有りがたかった。
日本の図書館との違いを痛感した。
コロナ禍での来館の「抽選制」の時も思ったが、国会図書館は図書館の役割をどう考えているのか聞きたいものだ。単に資料の収蔵庫とでも思っているのだろうか。もちろんそれも大事な役割ではあるが・・。