レシートを脂取り紙に利用するのは危険(ビスフェノール類)

先日(2019.5.31)の「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)で、家事情報として「レシートを脂取り紙に」と紹介していた。顔の皮脂がよく落ちるとのこと。

しかし、最近のレシートの大半は感熱紙だ。感熱紙には、熱をかけると色が浮き出すコーティング剤が塗られている。そのコーティング材に、ビスフェノール類が使われている可能性が高い。

必要以上に皮膚と接触させない方がよいのではないか。

米カリフォルニア州では、食品容器などにビスフェノールA(BPA)が含まれる場合には、「生殖障害を引き起こす可能性がある」などの警告表示を義務付けている。そのカリフォルニア州で、ビスフェノールAの危険性を理由に、昨年レシートの提供禁止法案が議員により提出された。

EUでも昨年、ビスフェノールAの規制が強化された。

日本では、ビスフェノールAが環境ホルモンだといわれてから多くのものがビスフェノールSなどに切り替わった。そのため、日本の感熱紙はBPAよりもBPSの方が多いかもしれない。しかし、危険性はそれほど変わらないという研究結果もある。

少なくとも、これから子どもを授かる可能性のある若い人や妊婦、乳幼児は、必要以上に感熱紙に触るようなことはやめた方がよい。レシートを脂取り紙に利用することはもちろん、メモ用紙やお絵かきに利用することも、避ける方がよいと思う。

※すべての感熱紙のレシートにビスフェノール類が使われているわけではありません。

<参考>

ビューローベリタスジャパン(2018.3.29)「EUにて、食品に接触する材料および製品に含まれるビスフェノールA(BPA)規制が強化されます」

https://cps.bureauveritas.jp/news/180329.html

NATIONAL GEOGRAPHIC(2015.3.3)「欧米で回避されるBPA、代替物質も有害?」

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150302/437627/

国立環境研究所(2017.6.30)「内分泌かく乱化学物質ビスフェノールAの健康への影響:種差はあるのか?」

https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/65/column4.html

Food Safety(2018.3.6)Warning: Temporary Prop 65 Safe Harbor for BPA Exposures from Canned and Bottled Foods and Beverages Has Expired

https://www.foodsafetymagazine.com/enewsletter/warning-temporary-prop-65-safe-harbor-for-bpa-exposures-from-canned-and-bottled-foods-and-beverages-has-expired/

 

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