『地球を脅かす化学物質』(木村-黒田純子著・海鳴社)によると、日本の単位面積当たりの農薬使用量は、ここ数年韓国と1位2位を争っているという。
スーパーで売られている国産農作物の安全性に疑問を抱きたくなる情報だが、自分で畑仕事をしない身としてはそれでも有り難く戴くしかない。
せめて、できるだけ加工品は避け、シンプルに野菜や魚、肉を戴くつもりだが、最近、私たちは農薬をダブルで食べているのではないかと不安になってきた。
農薬を使って作った作物と、畑から海に流れ出た農薬を吸着したプラスチックを食べた魚や貝を通してである。
化学物質を吸着したプラスチックを魚介類を通して人間が食べたとしても、今のところまだ健康への影響はないといわれている。しかし、より汚染が進むと被害がでる可能性がある。そのため、使い捨てプラスチックを減らそうということが世界中で言われ始めた。
プラスチック自体を減らすことに異論はないが、それだけでは不十分だろう。
化学物質も減らさなければ、あまり意味がない。海に流れ出るプラスチック流出量が減ったとしても、化学物質の量が増えては同じこどである。
有機リン系農薬やネオニコ系農薬などの使用量の基準がせめてEU並にならないものか。
このままでは、まるで日本が海外で禁止された農薬の在庫整理を引き受けているように見える。
プラスチックなどに使用する添加剤も、予防原則に立って見直して欲しい。
そうでなければ、仮に海に流れるプラスチック量が減ったとしても、人間への被害はやがて出るのではないだろうか。
農薬使用量は世界1位、プラスチック廃棄量は世界2位、それらを減らす対策特になし・・ではあまりにも情けない。