六日町温泉へ行った帰りに、ほくほく線の六日町駅から電車に乗ろうとしたところ、駅の階段に5省庁連盟の香害ポスターが貼ってあった。
改訂前の古いバージョンのポスターだったが、まだきれいだ。目立つところに貼ってあったので気付いた。
駅で香害ポスターを見たのは初めて。駅員さんの気遣いが感じられ、ホッとした。
忘れ物の傘を利用して貸し出すリユース傘も置かれていた。環境への配慮と利用者への配慮が感じられ、駅員さんの思いやりにしばし癒やされた。



旧「環境にやさしい暮らしを考える」のブログです。持続可能な暮らしに関連するニュースや、気になった環境情報を紹介します。専門は環境経済学です。
六日町温泉へ行った帰りに、ほくほく線の六日町駅から電車に乗ろうとしたところ、駅の階段に5省庁連盟の香害ポスターが貼ってあった。
改訂前の古いバージョンのポスターだったが、まだきれいだ。目立つところに貼ってあったので気付いた。
駅で香害ポスターを見たのは初めて。駅員さんの気遣いが感じられ、ホッとした。
忘れ物の傘を利用して貸し出すリユース傘も置かれていた。環境への配慮と利用者への配慮が感じられ、駅員さんの思いやりにしばし癒やされた。


アメリカのイリノイ州で今年7月28日、ペンキのリサイクルプログラムが州知事に承認された。これにより、同州では家にある残ったペンキを回収場所まで持って行くと、リサイクルしてもらえることになる。開始は2025年から。
既にアメリカでは、カリフォルニア州、コロラド州、コネチカット州、ミネソタ州、オレゴン州、ロードアイランド州、メイン州、ニューヨーク州、ワシントン州、バーモント州、コロンビア特別区で行われているという。
リサイクルにかかる費用は、新品のペンキの販売価格に上乗せされる。つまり、拡大生産者責任だ。
以前、カナダでこのプログラムを実施している州で、実施光景を見たことがある。住民がデポジット制度の下、ビンや缶・ペットボトルなどを回収している「デポ」にペンキも一緒に持参していた。
持参されたペンキをデポのスタッフが受け取り、中身だけ色別に大きな容器に移していた。回収されたペンキはそのあと専門業者に引き取られ、色を調整した上で、リサイクルペンキとして店頭で販売さていた。
イリノイ州でも同じ方法でリサイクルするのかはわからないが、おそらく似たような方法だろう。
日本では欧米ほど家に残りペンキなどはないと思われるが、自宅の壁などにペンキを塗る文化のある欧米ではたくさんのペンキが家に残ったままになっていると思われる。
日本でも処分に困り、可燃ごみなどに混ぜて捨てる人を時々見かけることがある。日曜大工の好きな人にとって、余った塗料類を処分するのはかなり難しいことだろう。
ペンキは多くの自治体で回収していない。せめて購入店で引き取りが義務化されていればよいが、それもない。
相模原市でもペンキは「購入先か専門の業者へ ※固形化しているものは「一般ごみ」」と書かれている。専門の業者に依頼するか、放置し固まるのを待つしかないが、固まったペンキと缶は分かれるのだろうか?それとも、缶ごと一般ごみに出して良いのか迷うところだ。
ペンキには必ずマイクロプラスチックも含まれているから、外に撒かれても困る。有機溶剤も身体に悪そうだ。
プラスチックや危険な有機溶剤を含まないペンキを開発してほしいが、難しいのだろうか。
中国産の2社のアサリの缶詰が昨年、PFASが高濃度で検出されたため「自主的リコール」に踏み切っていた(下記資料, p.44)。
米国食品医薬品局(FDA)が缶詰から見つけたPFASは、既に禁止されたはずのPFOAだ。
「1 ヶ月あたりおよそ 10 oz 以上食べる消費者に健康上の懸念となる可能性がある」(同資料)という。
アメリカは日本よりも厳しいPFAS基準をもっているため、リコールにいたったのだろうが、これらの缶詰は日本では合法的に売られてしまうかもしれない。
そもそも、日本のアサリ缶は、国内で調べられているのだろうか?
PFASのような内分泌かく乱物質の毒性には閾値がない。今の時代、PFASを避けて生きるのはなかなか難しいけれど、少なくとも妊婦や幼児は今のところ、アサリの缶詰をあまりたくさん食べない方が無難かもしれない。
資料には「水産物に関する食事習慣を変える必要があるかどうか疑問に思う消費者には、あな たやお子さんたちが、水産物を含む、年齢にあった多様な健康的な食事をとることを再度推奨する。水産物は、子供には脳の発達や免疫機能向上、大人には心臓や骨の健康利益、特定のがんのリスク低下に役立つなど、健康的な食事の一環として多くの栄養的利益を提供する。中国産の缶詰アサリを定期的に食べたり子供に与えたりする人は、我々がより多くの情報を得るまで、全体的な摂取量を減らしたほうがよいかもしれない」と書かれている。
<出所>
プラスチック容器に入れたまま食品を電子レンジにかけると、容器から化学物質が溶出し、食べた妊婦に死産などの被害を与える可能性のあることは既に報告されている。
今度は、プラスチック製食品容器に水や食品を入れ電子レンジにかけると、大量のマイクロプラスチックが放出されたということだ。
研究チームは、アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認しているポリプロピレン製の離乳食容器やポリエチレン製の食品容器に、水またはさまざまな食品をシミュレートする3%の酢酸水を入れて、1000Wの電子レンジで3分間加熱したとのこと。加熱後、容器に入った液体にどれほどのプラスチック粒子が放出されたかを分析したところ、大量のマイクロプラスチックが液体に放出されていたという。
「実験結果を分析した研究チームは、わずか1cm2のプラスチックから422万個のマイクロプラスチック(粒子の直径が1μm~5mm)と21億1000万個ものナノプラスチック(粒子の直径が1μm未満)が液体に放出されると推定しました」。
https://gigazine.net/news/20230809-microwaving-released-billions-nanoplastics/
このことはすなわち、プラスチック製容器に入れたまま食品や水を電子レンジにかけると、危険な化学物質がくっついたマイクロプラスチックが食品などにくっついて、人間の体内に入り込み、影響を与えるということを意味している。
妊婦や赤ちゃんはもちろん子どもや大人も、プラスチック容器に入れたまま食品を電子レンジにかけることは、くれぐれも避けたい。
河川水や地下水のPFAS汚染の値を見ていて、道保川の汚染が想像以上にひどくて驚いた。
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026489/kankyo/1026503/jyokyo/1023819.html
暫定指針値(PFOS 及び PFOA の合計値として 50 ng/L)を大幅に超えている。
2021年度調査では、公園下流が340ng/L、公園上流が310ng/Lだ。
2022年度調査でも、公園下流が200ng/L、公園上流が340ng/L。
相模原市が今年、米軍関連施設からの排水処理施設からの排水を調べたところ、辛うじて指針値を超えていなかったようだ。
しかし、相模総合補給廠(中央区矢部新田、上矢部、小山)のPFOS ・ PFOA の合計値はまだ39ng/Lもある(参考:相模原市発表資料(令和5年3月2日)「米軍関連施設の排水中に含まれる有機フッ素化合物(PFOS等)調査結果について」)。
もしかすると、PFOS と PFOAの入った泡消火剤がまだ施設内に保管され、使われているのでは?それとも漏れ出しているのかもしれない、などと心配になる。
相模原市は原因を特定するため、立入調査をすべきでは?もし、まだ古い泡消火剤が保管されていたら、速やかに処分を要請してほしい。
<関連記事>
時間があったので、以前読み飛ばしたが気になっていた研究ノートを読んだ。佐賀大学大学院の研究チームの書いた「におい嗅ぎガスクロマトグラフィーを用いたハウスダスト中マイクロカプセル化香料の検索」『におい・香り環境学会誌51巻5号』(2020年)だ。
大学の学生演習室の清掃中に、ハウスダストから「柔軟剤のような甘いにおい」がすることに気付いた学生の指摘に端を発した研究とのこと。
一般的ものならば香料はすぐに揮発するが、残効性をウリにしている商品には香料を各種樹脂でコーティングするマイクロカプセル化技術が用いられている。マイクロカプセルに守られた状態ならば香りは長時間(長期間)残る。
この研究はその特性を利用し、官能評価、GC-O(ヒトの嗅覚を利用して化学物質を比較・同定する装置)分析、およびGC-MS分析を活用することで、ハウスダストから感じられた匂いが柔軟剤のマイクロカプセル化香料に由来していることを検証したそうだ。
結果として、ハウスダストの中の匂いが、柔軟剤由来のisopropyl 3-methylbutanoate (またはnonane)、tridecanalなど3種類の匂い物質と一致した。
研究は、香料のマイクロカプセル化技術が化学物質の環境残留性に対し新たな課題をもたらすことに、一歩踏み出している。香害の原因を明らかにし、これ以上被害を広げないためにも、研究を継続してほしいものだ。
それにしても、ホコリまで匂わせてしまうマイクロカプセル化技術は、化学物質の危険性を急速に高めている。
ハタ迷惑なだけでなく危険だ。日用品への使用を早急に禁ずるべきなのに、なぜいつまでも許しておくのだろうか。少なくとも、たばこのCMと同様、マイクロカプセル化技術を使った商品のCMも規制すべきだ。
最新の調査結果によると、検査した18種のコンタクトレンズすべてから、高レベルのPFAS(有機フッ素化合物)が検出されたそうだ。
100ppm以上とのことで、この数値はEPAが安全と認める飲料水に含まれる最大量の約5万倍に相当するという。
どの程度、PFAS入りレンズ着用を心配すべきかわからないそうだが、妊婦や子どもは使わないほうがよいことは確かだろう。
また、ペットボトル入り飲料水からもPFASが検出されたとのこと。
47のブランドをテストしたそうだ。35が水、12が炭酸水。
35の水のうち2つが1兆分の1のPFAS閾値を超え、12の炭酸水のうち7つが1兆分の1のPFAS閾値を超えたとそうだ。
ということは、原水がPFASで汚染されていたというよりも、ペットボトルからPFASが漏れ出した可能性の方が高いということだろうか?この結果を見る限り、炭酸水の方がペットボトルからPFASが溶出しやすいように見えるが、どうなのだろう?
NHKでは、7月12日の「おはよう日本」での香害特集に続き、あさイチで8月2日、化学物質過敏症を取り上げるそうだ。
今度の担当ディレクターは、日本臨床環境医学会環境過敏症分科会代表の北條先生など専門家を取材したり、学会にも参加されたりして勉強したそうだから、内容は期待できるかも?
小学生と高校生の患者さんへの取材と専門医の医師がスタジオに登場して説明する形で放映されるようだ。
一方、相模原市でも6月議会で、五十嵐千代議員が議会の一般質問で「香害」と「化学物質過敏症」「公園を喫煙にすること」などについて取り上げたとのこと。
相模原市議会中継
中継を聞いたところ、あやふやな答弁に対し鋭く切り込んでいて、なかなか良かった。
五十嵐議員は「香害をなくす議員の会」には入られていないようだが、知識や情報は持っていそうだ。
「香害をなくす議員の会 名簿」↓
市側は、化学物質過敏症について住民に周知するため、図書館などの公共施設に県が作ったリーフレットをポスターサイズで貼っていると回答していたので、今度確認しに行こうと思う。
『神奈川県のリーフレット「化学物質過敏症を知っていますか?」』↓
神奈川県「化学物質過敏症を知っていますか?」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/nf5/kabin2.html
また、相模原市の場合、禁煙にしている公園は相模原スポーツ・レクリエーションパークのみだそうだ。しかし、公園で喫煙されたら子どもの健康に悪いし、吸い殻が落ちていても困る。すべての公園を早急に禁煙にしてほしい。
昨日、「有機フッ素化合物のパンフレットがわかりやすい」の記事に下記のコメントをいただきました。
「日本全国にどの位保管されているのですか・・
泡消火器というが家庭の消化器も該当するのですか。
形状は,粉末なのですか、液体なのですか、気体なのですか。」
そのままコメントを承認しようとしましたが、そのまま承認すると、ニックネームではなく、コメント者の本名がアップされそうだったので、とりあえずここでご紹介・ご返信させていただきます(もしそのままアップした方がよければ、お手数ですが再度ご連絡ください)。
家庭用消火器については、神奈川県のサイトに下記のように書かれています。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/suisitu/joukyou/yuukihussoqa.html#q5-1
「自宅の消火器にも有機フッ素化合物が使われているのですか」:
「家庭用として一般的な粉末消火器にはPFOS及びPFOAは使われていません。
その他、過去に製造された中性強化液消火器や機械泡消火器については、PFOS又はPFOAを含有している場合があります。御心配な方は、一般社団法人日本消火器工業会のホームページで御確認下さい。」
この書き方だと、PFOSやPFOAは含まれていないようですが、その他のPFASは含まれている可能性があるということだろうと思います。
また、PFASの形状は、粉末も液体も気体もあります。
とにかくPFASは種類が多いので、何でもあり!です。(ただし、京都大学の原田浩二先生によると、現在の主なPFASはイオン性で、蒸発しにくいそうですから気体は少ないかもしれません)
使われている製品は泡消火器だけでなく、焦げ付き防止機能のあるフライパンや防汚処理されている繊維、ハンバーガーなどの食品包装、日焼け止めクリームなど多岐にわたります。
一部のPFASは禁止されても、他のPFASは現在も製造され続けていますので、すべてのPFASを早急に禁止すべき、と主張するPFAS研究者は多くいらっしゃいます。
EUでは、PFAS全般を対象とする規制案の検討が進められています。現在パブリックコメントの募集中で、規制の採択は2025年ごろの予定です。
EUの規制について↓
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2023/0622_06.html
<関連記事>
今日からマイクロプラスチックや有害な化学物質など2500種類以上の成分を配合しないで作ったスキンケア化粧品が販売されたようだ。
販売したのは、スキンケアブランド「CONCIO(コンシオ)。もともとアイスクリームの会社だろうか?「株式会社MALOU」が広告している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000100287.html
広告によると、
「オランダの海洋保護団体Plastic Soup Foundationが、有名ブランド化粧品7,704点を調査した2022年の報告では、86.7%の製品にマイクロプラスチック成分が配合されていたことがわかりました。
現在、ヨーロッパでは化粧品における脱マイクロプラが進んでおり、4,500以上ものマイクロプラスチックフリー化粧品の選択肢があります」
とのこと。
化粧品はマイクロプラスチックだらけだというのはその通りで、日本ではまだマイクロプラスチックフリーの化粧品はなかなか手に入らない。ヨーロッパでは4500以上もある中から選べるというのが本当ならば、うらやましい限りだ。
販売開始されたスキンケアは、約2ヶ月分がセットで9900円、オールインワンミルククリームだけならば5500円とのこと。
マイクロプラスチックもシリコンオイルもPEG・PPGも合成香料やパラベン、PFAS、フタレート(フタル酸)なども一切含まないそうだ。
https://concio.jp/pages/wedontuse
これが本当で、美肌効果もあるならば価値があると思うが、、、どうなのだろう?試す勇気はしばらくわきそうにない。