東京都、給食用ストローを見直し

東京都は、都内の公立小中学校の給食で提供しているプラスチック製ストローを削減すると発表した。

2019年度中に一部の学校で、紙パック入り牛乳でストローを使わない提供方法を試験運用するとのこと。その結果を見て、対象校を拡大する。

当面は、ストローを付けずに紙パックを提供し、今後洗って繰り返し使える「マイストロー」の導入や、紙製ストローなどの代替品の利用の可能性も検討する予定だそうだ。

どうせならば、従来と同じガラス瓶に戻せばよいと思うが、その案はないのだろうか?

<出所>

日本経済新聞(2019.4.13)「東京都、学校給食でプラ製ストロー削減 19年度に試行」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43678240S9A410C1MM0000/

RIEF(2019.4.13)「東京都、都内の公立小中学校で、給食で配布する牛乳パックのプラスチックストローを止め、コップへの移し替え試行。洗って使える「マイストロー」も実験。成果を見て全校に拡大へ(各紙)」

http://rief-jp.org/ct12/88904

 

亀岡市のレジ袋禁止条例、会合でコンビニなど反発

全国初のレジ袋禁止条例を目指す京都府亀岡市は、罰則付きプラスチック製レジ袋禁止条例について、さまざまな立場から審議する協議会を設立。11日、初会合を開いた。

数年前まで亀岡市は、レジ袋有料化を目指していたが、売上減少を心配する小売店がなかなか応じず、有料化が進まなかったことも背景にあるようだ。

2020年夏には禁止条例を施行し、違反者には氏名公表の罰則を設ける方針とのこと。

<関連記事>

亀岡市「プラスチックごみゼロ宣言」レジ袋使用禁止を条例化 日本初

<出所>

京都新聞(2019.4.12)「罰則付きレジ袋禁止条例、初会合 京都・亀岡市」

https://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20190412000051

京都新聞(2019.1.26)「罰則付きレジ袋禁止条例の動きに「なぜ」 反発広がり説明会」

https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190126000030

キリン、プラスチックポリシー発表 

今年2月、キリングループが始めて「プラスチックポリシー」を発表した。

2027年までに日本国内のPET樹脂使用量の50%を再生樹脂にするとのこと。

非可食性の植物由来のPET樹脂の導入も検討するそう。

一方、サントリーは、2025年に使用済みボトル使用量を50%高めるという。

2017年現在、キリンの再生樹脂使用量は3%、サントリーの使用済みボトルを原料とした量は18%。

また、アサヒは包装なしのペットボトルを商品拡大しているとのこと。ペットボトルに入っている段階で無包装とは言い難いが、要はフィルムがないらしい。

確かに、中身が分かれば、ペットボトルに帯は必要ない。

アサヒは、2030年までにペットボトル商品の重量全体の6割に植物由来の素材やリサイクル素材を使用する目標とのこと。

日本のメーカーはいずれも、ペットボトルをいかにエコにするかで、しのぎを削っている。

「小型ペットボトルからの撤退」とか、「デポジット制度を導入し、ペットボトルを自力回収する」などのような画期的な「プラスチックポリシー」を発表したメーカーはまだない。

せめて、「キャップが外れないタイプのペットボトルにデザイン変更する」というEUなみの目標を、近い将来、掲げて欲しい。

今後に期待している。

<関連記事>

バイオベースのペットボトル vs 再生ボトル、国内メーカーは何を選ぶのか

<参考>

キリンホールディングス ニュースリリース(2019.2.7)↓

https://www.kirinholdings.co.jp/news/2019/0207_01.html

日本経済新聞(2019.3.29)「サントリーHD、廃プラ再生でライン増設 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43077680Z20C19A3XQH000/?n_cid=SPTMG002

日本経済新聞(2019.1.29)「アサヒ飲料、包装なしのペットボトル商品拡大」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40623140Z20C19A1XQH000/

衣類のリサイクル進む、北九州市に工場も

毎日新聞(2019.4.2)によると、世界の繊維生産量は9500万トンで、このうち約65%がポリエステルなどのプラスチック繊維とのこと。

これらをリサイクルする動きが進んでいるという。確かに、最近時々古着を回収している店を見かける。

日本でもベンチャー企業の日本環境設計が、北九州市に古着再生工場を建設し、回収した古着からポリエステル繊維を再生しているそうだ。

日本環境設計といえば、ペットリファインテクノロジー(株)の全株式を東洋製罐から買い取った会社。

ということは、ペットリバースのペットボトルケミカルリサイクル技術を継承しているだろうから、技術力は確かだろう。

https://mainichi.jp/articles/20190402/ddm/013/040/012000c

毎日.大阪2019.4.2

ニューヨーク市、来年からプラ製レジ袋禁止、紙袋は課税、渋滞税も導入か

米ニューヨーク市で、2020年からプラスチック製レジ袋を禁止し、代わりの紙袋には課税する「紙袋税」の導入を可能にする条項などが承認された。
紙袋税の金額は、Ⅰ枚当たり0.05ドル(約6円)。

また、中心部の交通渋滞緩和を目的に、「渋滞税」も導入される見通しとのこと。
渋滞税は2021年から徴収開始となる予定。

ニューヨーク市では、発泡スチロール製のテイクアウト用容器やトレイ、皿、カップ、緩衝材などが、今年から禁止となっている。
環境対応が進みつつある。

<紙袋税と渋滞税の出所>
日経新聞(2019.4.3)「NYで「渋滞税」導入へ 全米初、21年めどに実施」
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO4321391002042019FF8000?s=1

お母さんクジラのお腹からプラごみ、胎児も死亡

先週、イタリアの海岸に打ち上げられたクジラのお腹から22キロものプラスチックごみが見つかった。
子宮からは死んだ胎児も見つかったという。
見つかったプラごみは、ごみ袋や漁網、釣り糸、チューブ、洗濯用洗剤の袋など。

<出所>
CNN.co.jp(2019.4.2)「クジラの死骸から22キロのプラスチック、胎児も死ぬ イタリア」
https://www.cnn.co.jp/world/35135095.html

省庁、不徹底ながらもプラスチック削減をスタート

プラスチックごみ削減のため、国の省庁内の食堂や売店では、レジ袋など使い捨てプラスチックを原則使用禁止とした。
しかし、必要な客にはレジ袋を無償提供したり、弁当のプラスチック製容器はそのままだったり・・など、十分な対応とはいえないようだ。
おそらく、ペットボトルもそのまま売店で販売し続けているのではないか。

<参考>
毎日新聞(2019.4.1)「食堂や売店での使い捨てプラ禁止、省庁でスタート」
https://mainichi.jp/articles/20190401/k00/00m/040/193000c

<関連記事>

ようやく省庁が脱使い捨てプラ、病院や学校は?

三重大で木製ストロー開発、コーヒーカスなどでも製作可能

プラスチック製に代わるストローが次々と開発されている。
金属製、紙製、生分解プラスチック製・・などと続き、最近は木製も開発された。
三重大学で開発された木製ストロー(ウッドストロー)は、「木粉や紙粉などのセルロース繊維に、天然素材である「セルロース誘導体」と水を混ぜて粘土状にし、枠に入れて圧力を加える方法」とのことで、自由に成形できるため、ストロー以外のものでも簡単にできるそう。
石油系の樹脂や接着剤を使わず、100%天然素材という点が画期的だ。
木粉以外でも紙粉やコーヒーかすなどの廃棄物系でもできる点も良い。
SB(2019.3.29)「「ウッドストロー」開発者に聞く:プラ素材代替へ――野中 寛 三重大学教授」↓
http://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1191996_1534.html

また、既に販売され、ホテルで試験導入された木製ストローもある。
スギを薄くスライスして巻いたものだそうで、接着剤については不明だが、高級感がある。
昔、どこでも使っていた「経木」を思い出す。
(株)クレコ・ラボ「木のストロー」↓
https://creco-lab.co.jp/product/straw.html#what
朝日新聞デジタル(2018.12.12)「木製ストロー、ホテルで試験導入 価格はプラの10倍」↓
https://digital.asahi.com/articles/ASLDC3J8PLDCULFA006.html

個人的にはストローは不要だが、健康上の理由などから必要な人もいることを思うと、こういう製品開発は必要だろう。
しかし、脱プラが「商機」に結びつくのはよいが、やはり「まずは減らす」ことを第一に、代替品の導入を検討してほしい。

クジラ、40キロのプラごみを食べ死亡 

一瞬、4kgの見間違いではないかと目を疑った。
しかし、間違いではなかった・・
フィリピンで、住民が弱っているクジラを見つけた。
通報したがクジラは死亡。解剖したところ、40kgものプラスチックごみを飲み込んでいたという。
クジラは、「死ぬ前に血を吐き続けていたとみられる」(HUFFPOST)とのこと。
死因はプラスチックの誤食により、栄養不足で衰弱したとみられ、体内から出てきたプラスチックごみは、
「大型の米袋16個、バナナ農園で使用するようなバッグ4個、ショッピング袋やスナック菓子の袋類というプラゴミに加えてナイロン製のロープなど」で、
「死亡したクジラはまだ若いアカボウクジラで全長約4.6メートル、体重は約500キログラム」(Newsweek)

クジラは、フィリピン製のごみだけ食べていたわけではないだろうし、たまたまフィリピンで見つかったのだろうが、米袋やバナナ農園の袋は東南アジア由来である可能性が高い。
日本も大きなことはいえないが、フィリピンやベトナムはプラスチック対策が遅れている。
早急に対策を進めるべきだ。

もちろん東南アジアだけでなく、日本や中国、韓国も、まだまだ取組は十分とはいえない。
まもなく正式に発表される日本のプラスチック資源循環戦略は、あまりにも不十分だと言わざるを得ない。

<出所>
Newsweek(2018.3.20)「またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/03/post-11862.php

HUFFPOST(2018.3.20)「フィリピンに打ち上げられたクジラの死骸 40kg分のプラスチックを飲み込んでいた」https://www.huffingtonpost.jp/entry/whale-plastic-environment_jp_5c91a5d5e4b0f7ed945d7470

オリパラ会場の一部、プラ容器禁止に

2020年の東京五輪・パラリンピック期間中、パブリックビューイング(PV)を行う「ライブサイト」内で提供される飲食物の容器について、プラスチック製の使用禁止を検討する、と都知事が12日、都議会予算特別委員会で答弁した。

選手村などで使われる食器類についても、使い捨てプラスチックから再生可能な素材への切り替えを大会組織委員会に求める、とのこと。

さらに、小池知事は、都庁舎内で使用量の削減目標を設定、実施状況を公表するとともに、都内企業にも同様の取り組みを求めていく考えを示した。

オリパラ会場で使い捨て容器を提供するのは、都知事として恥ずかしいだろう。
ぜひ進めて欲しいと思う。
また、都庁舎内での使用量の削減目標に、レジ袋やストローは当然入れるだろうが、ペットボトルや使い捨て弁当容器の使用量・販売量の削減目標値も、ぜひ加えて欲しい。

<出所>
時事通信(2019.3.12)「PV会場、プラ容器禁止へ=選手村でも切り替え-小池都知事」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031201138&g=soc