有害廃棄物の国境を越えた移動を規制するバーゼル条約の対象に、「汚れた廃プラスチック」を加えることが10日、スイスで開かれていた同条約締約国会議で採択された。
この汚れた廃プラスチックとは、「リサイクルに適さないほど」汚れたものであるとのことで、あまり厳密ではない。
朝日新聞(2019.5.11)によると、「環境省は、汚れた廃プラの対象について指針を定める方針。たばこの吸い殻が入ったペットボトル、使い終えたままのシャンプーの容器、土や石が交じった状態の農業用シートなどが想定される」とのこと。
実際の運用は各国に任され、2021年1月に発効する。
朝日新聞(2019.5.11)
バーゼル条約で汚れた廃プラスチックが規制対象になった背景には、プラごみによる海洋汚染が地球規模の問題として深刻化していることがある。
リサイクル資源として輸出入されている廃プラのうち、汚れがひどいものなどは輸入国で適切に処理されずに、海に流れてごみになっているものもある。紫外線や波で劣化して5ミリ以下の細かいマイクロプラスチックになり、魚や貝の体内からも見つかるようになってきた。
バーゼル条約の会合でも、廃プラへの関心が高まり、議論されてきた。廃プラ全体の規制には難色が示されたため、昨秋、ノルウェーは「リサイクルに適さないほど汚れた」ものを規制する付属書改正案を、今締約国会議に向けて提案。日本は賛同した。
これから、どのような国内処理が進むのか、相変わらずの「サーマルリサイクル」で、産廃の焼却施設が増えるのか、それとも「マテリアルリサイクル」を進めるべくリサイクル施設を増やすのか、気になるところだ。
輸出制限により国内での処理費用が高騰し、不法投棄が増えることも懸念されている(日本経済新聞2019.5.11)。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44690870R10C19A5EA2000/
しかし、まずは海外へ送る道がほぼ閉ざされたようで、よかったと思う。
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