有機フッ素化合物の記事でいただいたコメントへの返信

昨日、「有機フッ素化合物のパンフレットがわかりやすい」の記事に下記のコメントをいただきました。

「日本全国にどの位保管されているのですか・・

泡消火器というが家庭の消化器も該当するのですか。
形状は,粉末なのですか、液体なのですか、気体なのですか。」

そのままコメントを承認しようとしましたが、そのまま承認すると、ニックネームではなく、コメント者の本名がアップされそうだったので、とりあえずここでご紹介・ご返信させていただきます(もしそのままアップした方がよければ、お手数ですが再度ご連絡ください)。

家庭用消火器については、神奈川県のサイトに下記のように書かれています。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/suisitu/joukyou/yuukihussoqa.html#q5-1

「自宅の消火器にも有機フッ素化合物が使われているのですか」:

「家庭用として一般的な粉末消火器にはPFOS及びPFOAは使われていません。
その他、過去に製造された中性強化液消火器や機械泡消火器については、PFOS又はPFOAを含有している場合があります。御心配な方は、一般社団法人日本消火器工業会のホームページで御確認下さい。」

この書き方だと、PFOSやPFOAは含まれていないようですが、その他のPFASは含まれている可能性があるということだろうと思います。

また、PFASの形状は、粉末も液体も気体もあります。

とにかくPFASは種類が多いので、何でもあり!です。(ただし、京都大学の原田浩二先生によると、現在の主なPFASはイオン性で、蒸発しにくいそうですから気体は少ないかもしれません)

使われている製品は泡消火器だけでなく、焦げ付き防止機能のあるフライパンや防汚処理されている繊維、ハンバーガーなどの食品包装、日焼け止めクリームなど多岐にわたります。

一部のPFASは禁止されても、他のPFASは現在も製造され続けていますので、すべてのPFASを早急に禁止すべき、と主張するPFAS研究者は多くいらっしゃいます。

EUでは、PFAS全般を対象とする規制案の検討が進められています。現在パブリックコメントの募集中で、規制の採択は2025年ごろの予定です。

EUの規制について↓

https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2023/0622_06.html

<関連記事>

マイクロプラもPFASもフタル酸も含まない化粧品が販売されたらしい

今日からマイクロプラスチックや有害な化学物質など2500種類以上の成分を配合しないで作ったスキンケア化粧品が販売されたようだ。

販売したのは、スキンケアブランド「CONCIO(コンシオ)。もともとアイスクリームの会社だろうか?「株式会社MALOU」が広告している。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000100287.html

広告によると、

「オランダの海洋保護団体Plastic Soup Foundationが、有名ブランド化粧品7,704点を調査した2022年の報告では、86.7%の製品にマイクロプラスチック成分が配合されていたことがわかりました。
現在、ヨーロッパでは化粧品における脱マイクロプラが進んでおり、4,500以上ものマイクロプラスチックフリー化粧品の選択肢があります」

とのこと。

化粧品はマイクロプラスチックだらけだというのはその通りで、日本ではまだマイクロプラスチックフリーの化粧品はなかなか手に入らない。ヨーロッパでは4500以上もある中から選べるというのが本当ならば、うらやましい限りだ。

販売開始されたスキンケアは、約2ヶ月分がセットで9900円、オールインワンミルククリームだけならば5500円とのこと。

https://concio.jp

マイクロプラスチックもシリコンオイルもPEG・PPGも合成香料やパラベン、PFAS、フタレート(フタル酸)なども一切含まないそうだ。

https://concio.jp/pages/wedontuse

これが本当で、美肌効果もあるならば価値があると思うが、、、どうなのだろう?試す勇気はしばらくわきそうにない。

カリフォルニア州、2026年からPFAS入り人工芝を禁止か 規制動向を調べてみた(補筆)

上院に回されてからの人工芝法案の動向がわからず、検索をかけていたところ、上院で作成されたと思われる下記の書類が見つかった。

よくわからないが、これで上院は通過したと言うことだろうか?あとは知事が署名するだけで禁止が決まると言うこと??

書類によると、このAB1423法案による購入禁止は2024年1月1日から始まるが、それ以前設置したものについては影響を与えない。また、本措置は「カリフォルニア大学に対し、2024年1月1日から開始される設置禁止に従うことを要求するが、義務づけるものではない」
また、「2024年1月1日以降、AB1423は、意図的に添加されたPFASまたは20ppm以上のPFASを含む人工芝を使用したフィールドの販売、設計、設置を提案する製造業者または設置業者に対し、芝の受領者に通知することを義務付けている」とのこと。

この措置では、「被覆表面」を人工芝または芝生に似た合成表面と定義している。

AB1423は、「「覆われた表面」に禁止レベルのPFASが含まれているかどうかを判断する際、関連する検査は製造後、設置前に行わなければならないと定めている」

「2026年1月1日以降、いかなる個人または団体も、意図的に添加されたPFASまたは20ppm以上のPFASを含む「被覆表面」を州内で製造、流通、販売、または販売のために提供することを禁止する」とのこと。

対象は、公共施設や、公立と市立の幼稚園や小中学校、高等教育機関だ。

知事が署名したという記事はまだ見当たらないので、まだ正式には決まっていないようだが、カリフォルニア州ではPFAS入り人工芝を、学校や公共施設などで禁止するということだろうか。

<補筆>

7月3日に更新されたカリフォルニア州の資料が見つかった。

https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202320240AB1423

これによると、2026年1月1日以降いかなる個人または団体も、規制されたPFASを含む覆われた表面を州内で製造、配布、販売、または販売してはならない。また、違反した場合は、最初の違反に対して最高5,000ドル、その後の違反ごとに最高1万ドルということのようだ。

公的機関や私立・公立の学校(大学含む)や保育園は2024年1月1日以降禁止は前と変わらない。2023年12月31日以前に購入した事業体には適用されないという。

PFASについての日経の社説、認識不足では?

PFASに関する日経の今日の社説「PFAS汚染の実態把握急げ」を読んで驚いた。

「欧州ではPFAS全体に広く網をかけ、米国は口に入る食品包装などに絞って規制する。日本は健康への影響を調べるとともに、代替物質や無害化技術の開発状況を見極める必要がある。足りないのであれば、技術開発を支援すべきだ。漏出対策を徹底できるなら、それを条件に使用を認めてもよいのではないか。規制によって社会が混乱するのは避けたい。幅広く意見を聞きながら、規制の姿を探ってほしい。」

とのこと。

「規制によって社会が混乱するのは避けたい」とはどういうことか。

PFAS汚染は、泡消火剤や半導体工場などからの漏出だけが原因ではない。PFASは食品包装や人工芝などのプラスチック製品のほか、化粧品や繊維、焦げ付き防止機能付きのフライパンなどにも使われている。

代表的なPFOSやPFOAは危険性が明らかになり禁止されたが、代わりに使われている他のPFASも危険だと多くの専門家が指摘している。

漏出対策だけで済ませるよりも、抜本的なPFAS使用規制の方が、社会の混乱は抑えられるはずだ。

「アメリカは口に入る食品包装などに絞って規制する」ということだが、これも間違いだ。ニューヨーク州では衣類や屋内で使う人工芝などのPFASも禁止するし、カリフォルニア州でも衣類や化粧品のPFASを禁止する。

https://www.bureauveritas.jp/consumer-products-retail/newsroom/230427#:~:text=2023年3月24,が承認されました%E3%80%82

ハワイ州でも食品容器だけでなく、化粧品のPFAS禁止を決めている。

ハワイ州では2026年12月31日に発効する。

https://insights.tuv.com/jpblog/chem-202334

この社説はPFAS汚染を甘く考え、規制しない方向へ読者を誘導している。

5省庁が「香害ポスター」を改訂。それよりもムダに強い香り付き製品を禁止すべき

5省庁の香害ポスターが改訂された。

従来のポスターは、「その香り困っている人がいるかも?」という馬鹿げたものだった。いるかも?ではなく、多くの人が確実に困っていたにも関わらず・・。

それがようやく「その香り困っている人もいます」と断定された。

本来は「その香りで多くの人が困っています。だから使ってはダメ」とすべきところだし、5省庁が揃ってポスターを作るよりも、禁止を含めた規制を早急に考えるべきだ。

一部メーカーの利益と、強い香りに無頓着な(あるいは匂いに慣れてしまった)人のために、なぜ多くの人がガマンを強いられるのか、本当に理解できない。

少なくとも、誰の身体にとっても良くないマイクロカプセル入りの製品は禁止すべきだ。「香り長持ち」=「毒性長持ち」だから、禁止は多くの人にとって福音となるはず。

きっと何年か後には、「昔はこんなバカげたものを使っていたのよねー、怖いねー」と笑う日が来るはず。

金魚やニジマスも人工芝充填材(ゴムチップ)を食べている

多くの商業魚がマイクロプラスチックを食べていることがわかっている。

最近では、食物連鎖を調べるため、マイクロプラスチックで汚染した農地でレタスを栽培し、それを昆虫に食べさせ、その昆虫を魚の餌とすることで、魚にもマイクロプラスチックが蓄積する実験も行われた。

では、人工芝に充填されるゴムチップはどうなのだろうか?

国際基督教大学などの実験によると、ニジマスなどの肉食魚も、人工芝グラウンドから流出するゴムチップを食べてしまうそうだ。

実験に使われたゴムチップは実際に大学の人工芝グラウンドで使われていたもので、自動車用タイヤやワイパー、窓枠を作製する際に出る余材を細かく粒子状にしたものだ。

比重は1.28あり、水に沈むタイプだ。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkshs/56/1/56_13/_pdf/-char/en

また、金魚もゴムチップを食べることが発表されている。金魚の腸から、ゴムチップが見つかった。

https://www.nature.com/articles/s41598-023-28672-3

いくら流出防止のためのガイドラインを作っても、人工芝グラウンドからゴムチップの流出を完全に止めることは不可能だ。

たとえ、食べたゴムチップを魚が排泄したとしても、ゴムチップには多種類の有害化学物質や重金属が添加されている。魚にそれらが蓄積することで、生態系への影響は計り知れない。

相模原市内でも近年、新たに人工芝グラウンドが作られ、さらに軟式野球場の人工芝が敷設されようとしているが、そんなに必要なものだろうか。

キューピーが容器に再生プラ使用、でも消費者の望みはリユースびんでは?

キューピーが、「テイスティドレッシング」など計12品で100%再生プラスチックを使った容器にすると発表したそうだ。8月上旬から出荷を始める。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC046MK0U3A700C2000000/

プラスチック新法に込められた国の方針通りの製品作りで、リッパだ。再生プラスチックは、確かに使うべきだと私も思う。

おそらく、廃ペットボトルを食品グレードにリサイクルした再生樹脂を使用しているのだろう。

しかし、再生プラスチックを使ったドレッシング容器など、消費者は本当に望んでいるのだろうか。

少なくとも私はイヤだ。そもそもドレッシングやマヨネーズのような油分や酸味のある食材をプラスチック容器に入れるなど気持ちが悪い。

プラスチックの添加剤が、容器から食材に溶け出しそうだ。

再生樹脂であろうとバージン樹脂であろうと、日本のペットボトルからもフタル酸エステル類が検出されている。これらは食材を汚染しそうだ。

製造工程を知らないので想像するだけだが、製造方法によっては充填時に容器からマイクロプラスチックも大量発生しそうだ。

そんな想像をしながらドレッシングを使うより、ガラス容器ならば安心できるのでありがたい。

ドレッシングやマヨネーズ容器は、ガラスびんにしてほしい。できればリユースびんにしてもらえるとなお良い。その場合は、回収は販売店で。

キューピーでも味の素でもそれ以外のメーカーでも、どこでも構わない。ガラス製のリユース容器に変更してくれたメーカーの製品を買いたい。

相模原市内の集合住宅の水道水がPFAS汚染 東京新聞と京大で共同調査 

高い有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)。

「相模原市の地下水などから高濃度で検出されたことを受け、東京新聞は京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)と共同で、相模原市と、隣接の東京都町田市で計25カ所の井戸水や河川水を調査した」とのこと↓

「PFASを集合住宅の井戸水から検出 相模原市の8カ所で暫定指針超え、最大6倍 東京新聞と京大研究室が共同調査」(2023.7.3)↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/260516

「暫定指針値を超えたのは8カ所。検出濃度は最大で指針値の6倍に達し、一部は集合住宅で飲用水に使われていた」そうだから、恐ろしい。

当然だろうが、マンションの管理会社も知らなかったそうだ。

県や市が調べているのは2種類のPFASだけだが、これは10種類以上のPFASを調べたとのこと。

きっと他の種類のPFASを調べれば、もっと多くの井戸水から見つかりそうだ。

地域を限定しているため、すべてを受け入れられないそうだが、相模原市周辺で井戸水を使用している地域は東京新聞に依頼したら調べてもらえるらしい。

このような水道水を飲まされている住民はたまらない。市や県には川の水も含め、早急にもっと詳しく調べてほしいものだ。

以前の週刊金曜日のPFAS特集で、相模原市は「グループ2」に分類されていたので安心していた。しかし、あれはあくまでも井戸水を使用していない水道水を使っている場合の話のようだ。

サッカー場の人工芝張り替えに8000万円、新たな施工に1.2億円。環境ホルモン入りでも気にしない?

サッカー愛好者にとって、人工芝グラウンドは悲願なのだろうか。

最近、人工芝化するためのクラウドファンディングを最近よく見かける。

しかしプロ選手は、ケガしやすいことを理由に人工芝グラウンドを嫌っていると聞く。せっかくプロになっても、ケガをして復帰できなくなったらかなわないので当然だろう。

プロを目指す人は、いくらお金を出しても人工芝にしたいのかもしれないが、1度人工芝にしたら、張り替えに8000万円もかかるそうだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/238923

しかも、グラウンドに新たに人工芝を敷設する際は、1億2000万円とのこと。

天然芝の1.7倍から1.8倍の金額だという。

https://grassias-tokyo.com/blog/【グラウンドに人工芝を敷くなら】敷設費用や維/#:~:text=人工芝をグラウンドに,の金額になります%E3%80%82

メンテナンスは人工芝のほうが多少安くても、張り替えまでを考えたら天然芝の方が断然安いことは明白だ。

金額以外に、環境面・健康面を考えても人工芝は問題が多い。

東京農工大の高田秀重先生によると、人工芝にはノニルフェノールなどの環境ホルモンまで入っているそうだ。

https://www.facebook.com/hideshige.takada.9

ノニルフェノールは怖い。環境省が初めて動物実験でメダカのメス化を確認した化学物質だ。

天然芝グラウンドと人工芝グラウンドが隣り合っているスポーツ公園へよく行くが、天然芝にはいつも小鳥がいるが、人工芝では見たことがない。

小鳥は人工芝の危険を察知しているのに、人間は察知できないようだ。

カリフォルニア州、PFAS含有人工芝を禁止か

カリフォルニア州では、PFAS含有人工芝を禁止する法案が委員会を通過した。あとは上院で可決され、知事がサインしたら、2025年から製造、流通、販売ができなくなる↓

https://chemicalwatch.com/765123/california-advances-legislation-to-ban-pfas-containing-artificial-turf

https://www.ewg.org/news-insights/news-release/2023/04/california-makes-strides-ban-toxic-forever-chemicals-artificial

アメリカでは他にも多くの州で、PFAS含有製品の禁止が法制化されそうだ↓

https://apnews.com/article/cosmetics-pfas-apparel-athletic-turf-vermont-4a576b96e4014a59b2c736344b2255d0

<関連記事>