家庭用人工芝にもPFAS 販売店に法的通知、カリフォルニア州

アメリカでは競技用人工芝にPFASが含まれるとして警戒されているが、家庭用人工芝も危ないようだ。

米カリフォルニア州オークランドの非営利の環境衛生センター(CEH)は今年3月4日、高レベルのPFOSを含んだ人工芝を販売していた2店舗(Home Depot と Lowe)に法的通知を送付した。

これは、カリフォルニア州の消費者健康保護法の提案65に示されていたPFOSへの潜在的な曝露を顧客に警告しなかったため。

CEHは、小売業者や製造業者が人工芝製品からPFASを除去し、製品が公衆衛生と環境に安全であるようにすることを望んでいるが、その間、人工芝からのPFOSへの暴露を避けるために、次の方法を推奨している。

1.人工芝に触れたら石鹸と水で手をよく洗うこと
2.人工芝への露出を制限する。子供がいる場合は、芝での遊び時間を制限し、芝に接触する手やその他の身体部分が口に触れないようにすること
3.人工芝の代わりに、天然の造園材料やその他の干ばつに強い庭のアイデアを検討すること

以上、CEHのプレスリリースより。

アメリカで規制された6種類のPFAS 日本への影響は?

米環境保護局(EPA)が4月10日、新たなPFAS規制を発表した。

アメリカのすべての公共水道システムは、EPAが指定する6種類のPFASの検査を3年以内に行い、その濃度を新たな全米基準値まで5年以内に下げるよう求められるとのこと。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/041600213/

6種類とはどのPFASだろうか?とあちこち思い調べたところ、以下のようだ。

・PFOA and PFOS as individual contaminants, and
・PFHxS, PFNA, GenX Chemicals, and PFBS as a PFAS mixture

つまり「PFOAとPFOSは個別の汚染物質として、そして PFHxS、PFNA、GenX Chemicals、およびPFBSはPFAS混合物として」とのこと。

GenXについては聞いたことがなかったので調べたところ

「GenXは、世界各地の地表水、地下水、飲料水、雨水、および大気排出物より検出されている。米国環境保護庁(EPA)が2021年10月25日に公開した「ヘキサフルオロプロピレンオキシドダイマー酸およびそのアンモニウム塩に対する人の健康に関する毒性値」という表題の最終報告書では、経口曝露後の動物実験では、肝臓、腎臓、免疫系、発達、がんとの関連などの健康影響が示されている」という。

https://www.envix.co.jp/region/global/global-genx/

このほか、「PFOSとPFOAの基準値を1リットル当たり4ナノ(ナノは10億分の1)グラム」と定め「強制力のない目標値はゼロにした」。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN10EIA0Q4A410C2000000/

日本ではこの2種類のPFAS以外の規制は特になく、この2種類の合算で50ナノグラムとするのが現在我が国の暫定基準値だ。これ以外のPFASを調べている自治体はごく少数。アメリカの規制値は日本より大幅に厳しく、他の種類のPFASもターゲットにした。

EPAはこの規制により「PFASにさらされる人が約1億人減り、数千人の死亡を防ぎ、数万人の重篤な病気が減る」としている。

日本では既にPFASのパブコメは終わったが、おそらくこの50ナノグラムは変わりそうにないし、他のPFASについては基準値を設けない可能性が高い。

つまり、日本は今後「PFASにさらされる人が約1億人増え、数千人の死亡を招き、数万人の重篤な病気が増える」ということか。

北海道大学の疫学調査でも、妊娠中の母体のPFASの濃度が高いと、「妊娠中の有機フッ素化合物のばく露が子どもの免疫応答機能を低下させているのではないか、と懸念されます」とのこと。

アメリカのこの新規制が日本の規制値に影響を与えてくれるとよいが、国民の命や健康よりマネーを重視するこの国のこれまでのやり方を見ると、あまり期待が持てないような気がする。

千葉・柏の河川などでもPFAS 国の指針値の最大36倍

千葉県柏市の川や水路で国の暫定指針値(50ng/L)を大幅に上回るPFASが検出された。

「海上自衛隊の下総航空基地に近い柏市内の水路3カ所では1000ナノグラム以上を検出し、そのうちの一つでは指針値の36倍にあたる1800ナノグラムだった」とのこと。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000345429.html

1800ng/Lとは驚くが、水道水の水源としては使用していない場所のようで、まずは良かった。とはいえ、川や海の汚染は続いている。

京都大学の原田浩二先生の書いた記事には

「PFASが残留している地域では曝露レベルは低下していなかった」と書かれている。

一方、「3M社の製造廃止以降、特異的な汚染がない地域ではPFOS、PFOA濃度が低下してきた」

とも書かれている。

要するに、汚染源の土壌撤去などの対策と同時に、航空基地で現在保管されている泡消火剤の成分にPFASが入っている可能性が高いことから、至急成分を見直し、PFASなしの泡消火剤に切り替える必要があるということだ。

シャボン玉石けんもPFASなしの泡消火剤を開発していたから、PFASなしの泡消火剤の装備は可能なはずだ。

<原田先生の記事>

「PFAS汚染とバイオモニタリング、 そこから見る健康リスクについて」↓

座間市でPFASを考える市民の会が設立 東京でも新たに4自治体が基準値超え

昨日(2024.4.14)、「座間市のPFASを考える市民の会」が設立された。

今後、座間市民を中心に、「PFAS汚染の原因究明」「汚染や市の施策についての情報を市民にわかりやすく伝える」「市民健康調査(血中濃度検査)」などを視野に据え活動するそうだ。

具体的な今後の計画としては

・水ウォッチングなどに参加していく

・血液検査の実施に向けて協力、あるいは検査に参加

・署名活動

・水の飲み比べ

・座間の水道の歴史を学習する

・座間の水をもっとチェックする

・学習会の継続

など。

今年に入ってからも、全国各地でPFAS検出の報道が相次いでいる。

東京でもこれまでの17自治体(文京区、大田区、渋谷区、練馬区、世田谷区、立川市、武蔵野市、青梅市、府中市、調布市、小金井市、日野市、国分寺市、国立市、狛江市、西東京市、武蔵村山市)に加え、新たに足立区、台東区、八王子市、小平市の4つの自治体の地下水から基準を超える値が見つかった。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240329/k10014406601000.html

検出された地域では今後、地元の団体が地域の環境問題として熱心に取り組むことだろう。

一般市民の関心は、既にかつてのダイオキシン問題よりも広がりを見せている。ダイオキシン問題は、焼却施設周辺の問題だとして、気にしない人も多かった。空気はつながっているとはいえ、それでも多くの人にとっては他人事で、汚染地域の野菜さえ買わなければそれでよいと考えていたフシがある。

しかし、PFASは農作物や海産物の実態はまだ詳しくはわからないものの、もしかすると自分の飲み水も既に汚染しているのではないか、あるいはこのまま放置していたら汚染するのではないか、などの不安もあり、無視できる人は少ないようだ。

主な汚染源は、米軍基地や空港、PFAS製造・利用企業だと考えられるが、PFAS製造企業は絞れても、利用企業は多数ありそうで、絞り込みは難しい。今後各自治体が、詳しく調べる必要がある。

米ミネソタ州のPFAS規制動向

メーン州と並びいち早くPFAS規制に取り組んだアメリカ・ミネソタ州。同州のワシントン郡にはPFASを製造する世界的化学メーカー・3M(スリーエム)の工場がある。

工場から1マイルしか離れていない高校で、知らされないまま汚染された水道水を飲んでいたアマラさんは、15歳の時にステージ4の繊維層状肝細胞癌と診断された。高校の近くに3M社が廃棄物を捨てた場所があったのだ。

このアマラさんの公聴会でのスピーチのおかげで、PFAS関連業界に妨害されていた法案が可決されたようだ。

https://news.cube-soft.jp/article/3868218

アマラさんが息を引き取った約2週間後の昨年4月14日、法案が可決された。

それによると、「同州では2025年までに一部製品、2032年までに公衆衛生上必要なものを除く製品へのPFASの使用が禁止される。また、2026年までに、メーカーはPFASを使った製品について州への報告が義務づけられた」とのこと。

https://slownews.com/n/n0c4f0cb2de7d

しかし、メーン州やミネソタ州のPFAS禁止を受け、業界は反対の手をますます強めている。

PFAS禁止は「国家安全保障に大きな影響を与える」などと脅しをかけているのだ。

しかし、ミネソタ州知事は、「2025年からPFASを含むカーペット、敷物、化粧品、その他の製品の販売を禁止する」法律に署名した。そして「2032年には、使用が「避けられない」場合を除き、意図的にPFASを添加した製品の販売を禁止する」。

つまり、避けられない場合を除き、2032年にはすべての製品に意図的にPFASを入れることはできなくなるということだ。

https://www.japantimes.co.jp/news/2023/10/21/world/forever-chemical-irreplaceable/

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米メーン州のPFAS規制動向

アメリカ北東部のメーン州のPFAS規制動向を調べてみた。

メーン州は「PFAS汚染防止法」で、意図的に添加されたPFASを含む製品の製造業者に、2025年1月1日から、製品に意図的に添加したPFASの存在を部門に報告することを義務付けている。

「2023年1月1日から意図的に追加されたPFASを含むカーペットやラグの販売、およびファブリックトリートメントの販売を禁止」しているとのこと。ファブリックトリートメントって何だろう?もしかして柔軟剤か?

また、「2030年1月1日より、意図的に追加されたPFASを含む製品は、製品へのPFASの使用が部門によって現在避けられない使用として特別に指定されていない限り、メーン州で販売することはできない」そうだ。

要するに、既にPFASを意図的に使ったカーペットやラグ、柔軟剤?などは既に禁止。2025年からは企業に対し、意図的に添加した製品について報告義務。2030年からは意図的に添加したPFAS製品は原則として州内での販売を禁止するということだ。

意図的に添加したものでなくとも、PFASはいろいろな製品から検出されている。例えば、農薬から検出されるPFASは農薬そのものにPFASを入れる場合もあるが、容器にPFASが使われ、それが農薬に移っている場合もある。

そういった容器類も禁止されるのだろうか?容器類の規制は遅れるにせよ、2030年までにはなくなることを期待したい。

<出典>

メーン州ウェブサイト↓

https://www.maine.gov/dep/spills/topics/pfas/PFAS-products/

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環境省発表、PFAS16都府県・111地点で基準超え。沖縄県も全市町村結果を発表

環境省は29日、「PFOS」「PFOA」が全国16都府県の河川や地下水など111地点で国の暫定指針値(合算で1リットル当たり50ナノグラム)を超えていたと調査結果を発表した。

環境省が、38都道府県の河川や地下水など1258地点を調査した結果だ。

16都府県は山形、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、福井、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、熊本、大分、沖縄。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240330/k10014407661000.html

https://news.yahoo.co.jp/articles/67b9bee35ebca12a4275621ac9f5add882ebc463

また、沖縄県でも全41市町村のPFAS汚染結果(水質と土壌)を公表した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/313bad1ff208ad5c55e2c58302de1e8c404847a5

「水質調査では、嘉手納町の比謝川で、PFOS、PFOAの合計で1リットル当たり130ナノグラムと、国の暫定指針値の2・6倍の値が検出され」たとのこと。

離島の土壌までもPFASで汚染されていたという。

制服にもPFAS。衣類のPFAS規制に取り組むニューヨーク州、家庭やオフィスビルの人工芝も今年末で禁止

2022年9月に発表された研究によると、アメリカやカナダで販売されていた子ども服のPFASを調べたところ、制服の多くに高濃度のPFASが見つかった。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.2c02111

この研究結果も影響したのか、ニューヨーク州知事は2022年末、議会で承認されたPFASに関する法律に署名した。PFASを意図的に含んだアパレルの販売を禁止する法律だ。

アパレルには、おむつや下着は含まれるが、厳しい条件下でプロが着るユニフォームや登山などアウトドア用アウターなどは含んでいない。

このようなPFAS規制の動きはアメリカ全土で広がっている。カリフォルニア州でも、PFASの衣類への使用を禁止する法案を2022年に可決している。

ニューヨーク州ではさらに踏み込み、2024年12月31日からPFASを含む、あるいはPFASで処理された「カーペット」の販売も禁止する。

このカーペットには、家庭や商業ビルの内装や外装で使用する人工芝も含まれる。

https://research.hktdc.com/en/article/MTI4OTE3MDUwNg

カリフォルニア州は、州としては人工芝を規制しないが、州内の各自治体で人工芝を禁止できるように法改正がなされた。既にいくつかの自治体で人工芝を規制した。

マサチューセッツ州やバーモント州も、人工芝規制に向かって進んでいる。

欧州ではPFAS全体を禁止する方向で検討しているので、当然PFAS入り人工芝もその対象となるだろう。

一方日本は、欧州のPFAS規制に関するパブコメで、経産省と関連業界が一丸となって規制に反対する大量の意見を送りつけ、欧州の担当者を驚かせた。

日本もスポーツ施設だけでなく、家庭や商業ビルでも人工芝の使用は多い。家庭用なども対象に、日本も早急に人工芝などPFAS入り製品を禁止すべきだ。

人工芝の問題点はPFASだけでない。その他の多くの有害物質を含むことや、マイクロプラスチックの大量散乱も問題だ。

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米フィラデルフィア、「PFASフリー人工芝」はやはりインチキだった

アメリカの各地で、PFASを理由に人工芝を許可するか禁止するかの議論が白熱しているが、南フィラデルフィアの公園の人工芝を巡る議論は面白くなってきた。

PFASを理由に人工芝敷設を反対する人たちを説得するため、業界が人工芝にPFASは使っていないと主張し、データを公表したのだ。

ところがそのデータのもとになったPFASの検査方法は、間違っていると専門家が指摘した。

水を検査する方法で人工芝のPFASを調べたとのこと。

しかも、検出限界値もかなり高く設定されていた。

https://www.inquirer.com/opinion/editorials/turf-ban-pfas-chemicals-cancer-fdr-park-sports-20240321.html

それで、検出されなかったと言われても、誰も納得しないので、議論はまた振り出しに戻っているようだ。公園改修予算は750万ドルなので、どちらも真剣だ。

反対派は「PFASフリーの人工芝など存在しない」といっている。確かに、現在アメリカで調べられた限りでは、すべての人工芝からPFASが検出されている。これから作る人工芝にはPFASを使わない、などと言われても、使っていなかったはずの人工芝からも検出されているので、信じられるはずもない。

フィラデルフィアの新聞であるフィラデルフィア・インクワイアラー紙も社説を読む限り、公園の人工芝敷設に反対している。

フィラデルフィアの公園から目が離せない。

マサチューセッツ州でも「人工芝フィールドの購入と設置に関する州および地方自治体の契約を禁止する法律」が、大詰めを迎えているようだ。

https://malegislature.gov/Bills/193/HD958

ワールドカップは天然芝が当たり前  人工芝vs天然芝のコスト比較 

ロングパイル人工芝はサッカー場を中心に増えてきた。サッカー関連の方々はよほど人工芝が好きなのだろうと思っていたが、そうではないようだ。

サッカーには縁がないため知らなかったが、ワールドカップの芝は天然芝が義務づけられているそうだ。天然芝であれば、それほど芝の種類にはこだわらないらしい。そのため、国や競技場によりいろいろな種類の天然芝が使われている。

FIFAが天然芝にこだわる理由は、伝統、プレイアビリティ、そしてプレイヤーの幸福に根ざしているそうだ。人工芝に比べ、天然芝はケガをしにくく、衛生的で、涼しく、おまけに環境や生態系にも配慮できる。

では、人工芝と天然芝のどちらがカネがかかるのか。

町田市の実際の競技場(いずれも5000平方メートルに換算)をベースに10年間のコストを比較した議会答弁によると、初期費用は人工芝が1億5000万円、天然芝が3000万円。

メンテナンスなどの年間のランニングコストは人工芝が40万円、天然芝が2000万円。

廃棄物処理費用(10年後の張り替えで不要になった芝の処理費用)が人工芝が1000万円、天然芝はゼロ。

人工芝の場合は張り替え後にまた人工芝を張るとすると、10年後にまた1億5000万円かかるので、合計で3億1400万円かかる計算だ。

一方、天然芝は10年後の張り替えは不要でそのまま使い続けられるため、合計で2億3000万円。

https://www.gikai-machida.jp/g07_Video_View.asp?SrchID=8197

人工芝のプラスチックの芝片には、紫外線吸収剤や難燃剤も使われる(多分PFASも)。それらを含んだ芝片(マイクロプラスチック)を吸い込むことも心配だ。

人工芝より天然芝の方が、財布にも選手にも環境にも優しいのに、なぜ日本では人工芝が増え続けるのか、本当に不思議だ。

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