今日から国際プラスチック条約会議始まる。人間が減る?それともプラスチックを減らす?

いよいよ今日から29日まで、カナダ・オタワで国際プラスチック条約会議(INC-4)が始まる。

今回は、プラスチックの生産削減や有害プラスチック対策などについて話し合う。うまくいけば、最後に韓国で開くINC-5に生産規制などを盛り込んだ条約案ができるはずだが、反対する国の力は大きい。

生産規制などに反対しているのは、日経によると中国、サウジアラビア、ロシアとのことだが、これまで見てきた限りではアメリカも賛成ではない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA112IA0R10C24A4000000/

日本は中立とのことだが、「世界一律の生産規制に反対。リサイクルを軸に各国の事情に配慮」などといっている限り、やはり中国やロシアと同様、会議の足を引っ張る。

日本はアジア・太平洋地域の理事国ということになっているが、日本は生産規制に向け、各国を説得する役には立たないし、これまでの会議を見ていてもその様子はない。

日本はリサイクルに期待し、この先も生産を増やし続けようとしている。まるで、企業が生産を増やし続けられるようにプラスチック資源循環法を作ったようにさえ見える。

プラスチックの生産規制に賛成しているのは「EU、南米、アフリカ、島嶼国」と日経には書かれているが、韓国も賛成だ。韓国は、日本よりずっと早く「高野心連合」に入ったし、国内でも使い捨てプラスチック削減に真剣に取り組んでいる。

OECD報告書(2022年)によれば、「不適切なプラスチックごみ処理量については、OECD諸国では排出量全体の約6%であるのに対して、開発途上国など非OECD諸国においては39%に達している。開発途上国ではごみ収集の仕組みが整っておらず、適切な処理システムが構築できていないことに原因がある」。(東洋経済オンライン2024.4.23)

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-749647?page=2

つまり、OECDによると、途上国は39%のプラスチックを適切に処理できていないということだ。61%も「適切」に処理しているとカウントしているということは、野ざらしのごみ処分場にプラスチックをそのまま投げ込んでも、OECDは「適切」にカウントするようだ。腐らないプラスチックがその後どうなるかは関係ないらしい。

また、途上国はプラスチックによる負の影響を、金額換算で先進国より10倍以上受けているそうだ。これについては旅行で途上国へ行けばよく理解できる。先進国の企業は、途上国がリサイクル技術も焼却技術ももたないことを承知の上で、さまざまなプラスチック製品を売りまくっている。

おかげで旅行者は、ペットボトル片手に快適に旅行できるが、そのペットボトルを誰がどう処理するのかまでは考えない。住民もペットボトルなどが売られていれば、便利なので買ってしまう。

企業は処理費用を負担せず売りっぱなしだ。たまに「リサイクルに協力する」とお金を出す企業もあるが、制度化されているわけではないため、長続きするかは疑問。

さらに、日本などで使ったプラごみも、あの手この手で途上国に押しつける。中国には送ることができなくなり、バーゼル条約もできたが、いまだに受け入れる国はある。裏技を使えば廃プラを古紙などに混ぜて送ることもできると聞く。

また、日本国内である程度きれいにした廃プラならば、「資源」として正々堂々と送ることもできる。

しかも先進国は、プラスチック生産による温暖化の影響でさえ、途上国ほど受けずに済む。

日本も少しは若い世代のことを考えれば、プラスチックをこれ以上生産し続けることがいかに環境や健康を危険にさらすか、気付くだろう。

既に、マイクロプラスチックが生きている人間の肺や心臓、血液、胎盤、母乳、精液などいたる所から見つかっている。そのうち脳からも見つかるはずだ。

人間の母胎から赤ちゃんへマイクロプラスチックが栄養と一緒に送り込まれていることも、胎便や胎盤からマイクロプラスチックが見つかったことから、ほぼ証明されている。

プラスチックに使われる化学物質が少子化に影響していることも明らかだ。

つまり、人間が減るか、プラスチックを減らすか、の二択。

日本もプラスチック生産規制に強く賛成してほしいものだ。

家庭用人工芝にも「驚くほど高い値」のPFOS 販売店に法的通知、カリフォルニア州

アメリカでは競技用人工芝にPFASが含まれるとして警戒されているが、家庭用人工芝も危ないようだ。

米カリフォルニア州オークランドの非営利の環境衛生センター(CEH)は今年3月4日、高レベルのPFOSを含んだ人工芝を販売していた2店舗(Home Depot と Lowe)に法的通知を送付した。驚くほど高いレベルのPFOS(PFASの一種)が含まれていたという。

これは、カリフォルニア州の消費者健康保護法の提案65に示されていたPFOSへの潜在的な曝露を顧客に警告しなかったため。

要するに、警告ラベルを貼らずに販売していたようだ。

「人工芝に触れると、芝から手、そして口に移すと、PFAS化学物質にさらされる可能性がある」とのこと。

そのためCEHは、小売業者や製造業者が人工芝製品からPFASを除去し、製品が公衆衛生と環境に安全であるようにすることを望んでいるが、その間、人工芝からのPFOSへの暴露を避けるために、次の方法を推奨している。

1.人工芝に触れたら石鹸と水で手をよく洗うこと
2.人工芝への露出を制限する。子供がいる場合は、芝での遊び時間を制限し、芝に接触する手やその他の身体部分が口に触れないようにすること
3.人工芝の代わりに、天然の造園材料やその他の干ばつに強い庭作りを検討すること

以上、CEHのプレスリリースより。

消費者健康保護法の提案65については関連記事↓

アメリカで規制された6種類のPFAS 日本への影響は?

米環境保護局(EPA)が4月10日、新たなPFAS規制を発表した。

アメリカのすべての公共水道システムは、EPAが指定する6種類のPFASの検査を3年以内に行い、その濃度を新たな全米基準値まで5年以内に下げるよう求められるとのこと。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/041600213/

6種類とはどのPFASだろうか?とEPAのウェブサイトを調べたところ、以下のように書かれていた。

「PFOAとPFOSは個別の汚染物質として、そして PFHxS、PFNA、GenX Chemicals、およびPFBSはPFAS混合物として」

つまり、PFOA、PFOS、PFHxS、PFNA、GenX Chemicals、PFBSの6種類だ。

GenXについては聞いたことがなかったので調べたところ

「GenXは、世界各地の地表水、地下水、飲料水、雨水、および大気排出物より検出されている。米国環境保護庁(EPA)が2021年10月25日に公開した「ヘキサフルオロプロピレンオキシドダイマー酸およびそのアンモニウム塩に対する人の健康に関する毒性値」という表題の最終報告書では、経口曝露後の動物実験では、肝臓、腎臓、免疫系、発達、がんとの関連などの健康影響が示されている」という。

https://www.envix.co.jp/region/global/global-genx/

このほか、「PFOSとPFOAの基準値を1リットル当たり4ナノ(ナノは10億分の1)グラム」と定め「強制力のない目標値はゼロにした」ことも決まった。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN10EIA0Q4A410C2000000/

日本ではこの2種類(PFOSとPFOA)のPFAS以外の規制は特になく、この2種類の合算で50ナノグラムとするのが現在我が国の水の暫定基準値だ。これ以外のPFASを調べている自治体はごく少数。

アメリカの規制値は日本より大幅に厳しく、他の種類のPFASもターゲットにした。さらに「EPAはPFNA(ピーエフエヌエー)やPFHxS(ピーエフヘクスエス)など他の種類についても1リットル当たり10ナノグラムとするなど規制を設けた」とのこと(東京新聞2024.4.11)。

EPAはこの規制により「PFASにさらされる人が約1億人減り、数千人の死亡を防ぎ、数万人の重篤な病気が減る」としている。

日本では既にPFASのパブコメは終わったが、おそらくこの50ナノグラムは変わりそうにないし、他のPFASについては基準値を設けない可能性が高い。

つまり、日本は今後「PFASにさらされる人が約1億人増え、数千人の死亡を招き、数万人の重篤な病気が増える」ということか。

北海道大学の疫学調査でも、妊娠中の母体のPFASの濃度が高いと、「妊娠中の有機フッ素化合物のばく露が子どもの免疫応答機能を低下させているのではないか、と懸念されます」とのこと。

アメリカのこの新規制が日本の規制値に影響を与えてくれるとよいが、国民の命や健康よりマネーを重視するこの国のこれまでのやり方を見ると、あまり期待が持てないような気がする。

千葉・柏の河川などでもPFAS 国の指針値の最大36倍

千葉県柏市の川や水路で国の暫定指針値(50ng/L)を大幅に上回るPFASが検出された。

「海上自衛隊の下総航空基地に近い柏市内の水路3カ所では1000ナノグラム以上を検出し、そのうちの一つでは指針値の36倍にあたる1800ナノグラムだった」とのこと。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000345429.html

1800ng/Lとは驚くが、水道水の水源としては使用していない場所のようで、まずは良かった。とはいえ、川や海の汚染は続いている。

京都大学の原田浩二先生の書いた記事には

「PFASが残留している地域では曝露レベルは低下していなかった」と書かれている。

一方、「3M社の製造廃止以降、特異的な汚染がない地域ではPFOS、PFOA濃度が低下してきた」

とも書かれている。

要するに、汚染源の土壌撤去などの対策と同時に、航空基地で現在保管されている泡消火剤の成分にPFASが入っている可能性が高いことから、至急成分を見直し、PFASなしの泡消火剤に切り替える必要があるということだ。

シャボン玉石けんもPFASなしの泡消火剤を開発していたから、PFASなしの泡消火剤の装備は可能なはずだ。

<原田先生の記事>

「PFAS汚染とバイオモニタリング、 そこから見る健康リスクについて」↓

座間市でPFASを考える市民の会が設立 東京でも新たに4自治体が基準値超え

昨日(2024.4.14)、「座間市のPFASを考える市民の会」が設立された。

今後、座間市民を中心に、「PFAS汚染の原因究明」「汚染や市の施策についての情報を市民にわかりやすく伝える」「市民健康調査(血中濃度検査)」などを視野に据え活動するそうだ。

具体的な今後の計画としては

・水ウォッチングなどに参加していく

・血液検査の実施に向けて協力、あるいは検査に参加

・署名活動

・水の飲み比べ

・座間の水道の歴史を学習する

・座間の水をもっとチェックする

・学習会の継続

など。

今年に入ってからも、全国各地でPFAS検出の報道が相次いでいる。

東京でもこれまでの17自治体(文京区、大田区、渋谷区、練馬区、世田谷区、立川市、武蔵野市、青梅市、府中市、調布市、小金井市、日野市、国分寺市、国立市、狛江市、西東京市、武蔵村山市)に加え、新たに足立区、台東区、八王子市、小平市の4つの自治体の地下水から基準を超える値が見つかった。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240329/k10014406601000.html

検出された地域では今後、地元の団体が地域の環境問題として熱心に取り組むことだろう。

一般市民の関心は、既にかつてのダイオキシン問題よりも広がりを見せている。ダイオキシン問題は、焼却施設周辺の問題だとして、気にしない人も多かった。空気はつながっているとはいえ、それでも多くの人にとっては他人事で、汚染地域の野菜さえ買わなければそれでよいと考えていたフシがある。

しかし、PFASは農作物や海産物の実態はまだ詳しくはわからないものの、もしかすると自分の飲み水も既に汚染されているのではないか、あるいはこのまま放置していたら汚染するのではないか、などの不安もあり、無視できる人は少ないようだ。

主な汚染源は、米軍基地や空港、PFAS製造・利用企業、廃棄物埋立地などだと考えられるが、PFAS製造企業は絞れても、利用企業は多数ありそうで、絞り込みは難しい。今後各自治体が、詳しく調べる必要がある。

米ミネソタ州のPFAS規制動向

メーン州と並びいち早くPFAS規制に取り組んだアメリカ・ミネソタ州。同州のワシントン郡にはPFASを製造する世界的化学メーカー・3M(スリーエム)の工場がある。

工場から1マイルしか離れていない高校で、知らされないまま汚染された水道水を飲んでいたアマラさんは、15歳の時にステージ4の繊維層状肝細胞癌と診断された。高校の近くに3M社が廃棄物を捨てた場所があったのだ。

このアマラさんの公聴会でのスピーチのおかげで、PFAS関連業界に妨害されていた法案が可決されたようだ。

https://news.cube-soft.jp/article/3868218

アマラさんが息を引き取った約2週間後の昨年4月14日、法案が可決された。

それによると、「同州では2025年までに一部製品、2032年までに公衆衛生上必要なものを除く製品へのPFASの使用が禁止される。また、2026年までに、メーカーはPFASを使った製品について州への報告が義務づけられた」とのこと。

https://slownews.com/n/n0c4f0cb2de7d

しかし、メーン州やミネソタ州のPFAS禁止を受け、業界は反対の手をますます強めている。

PFAS禁止は「国家安全保障に大きな影響を与える」などと脅しをかけているのだ。

しかし、ミネソタ州知事は、「2025年からPFASを含むカーペット、敷物、化粧品、その他の製品の販売を禁止する」法律に署名した。そして「2032年には、使用が「避けられない」場合を除き、意図的にPFASを添加した製品の販売を禁止する」。

つまり、避けられない場合を除き、2032年にはすべての製品に意図的にPFASを入れることはできなくなるということだ。

https://www.japantimes.co.jp/news/2023/10/21/world/forever-chemical-irreplaceable/

<関連記事>

米メーン州のPFAS規制動向

アメリカ北東部のメーン州のPFAS規制動向を調べてみた。

メーン州は「PFAS汚染防止法」で、意図的に添加されたPFASを含む製品の製造業者に、2025年1月1日から、製品に意図的に添加したPFASの存在を部門に報告することを義務付けている。

「2023年1月1日から意図的に追加されたPFASを含むカーペットやラグの販売、およびファブリックトリートメントの販売を禁止」しているとのこと。ファブリックトリートメントって何だろう?もしかして柔軟剤か?

また、「2030年1月1日より、意図的に追加されたPFASを含む製品は、製品へのPFASの使用が部門によって現在避けられない使用として特別に指定されていない限り、メーン州で販売することはできない」そうだ。

要するに、既にPFASを意図的に使ったカーペットやラグ、柔軟剤?などは既に禁止。2025年からは企業に対し、意図的に添加した製品について報告義務。2030年からは意図的に添加したPFAS製品は原則として州内での販売を禁止するということだ。

意図的に添加したものでなくとも、PFASはいろいろな製品から検出されている。例えば、農薬から検出されるPFASは農薬そのものにPFASを入れる場合もあるが、容器にPFASが使われ、それが農薬に移っている場合もある。

そういった容器類も禁止されるのだろうか?容器類の規制は遅れるにせよ、2030年までにはなくなることを期待したい。

<出典>

メーン州ウェブサイト↓

https://www.maine.gov/dep/spills/topics/pfas/PFAS-products/

<関連記事>

環境省発表、PFAS16都府県・111地点で基準超え。沖縄県も全市町村結果を発表

環境省は29日、「PFOS」「PFOA」が全国16都府県の河川や地下水など111地点で国の暫定指針値(合算で1リットル当たり50ナノグラム)を超えていたと調査結果を発表した。

環境省が、38都道府県の河川や地下水など1258地点を調査した結果だ。

16都府県は山形、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、福井、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、熊本、大分、沖縄。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240330/k10014407661000.html

https://news.yahoo.co.jp/articles/67b9bee35ebca12a4275621ac9f5add882ebc463

また、沖縄県でも全41市町村のPFAS汚染結果(水質と土壌)を公表した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/313bad1ff208ad5c55e2c58302de1e8c404847a5

「水質調査では、嘉手納町の比謝川で、PFOS、PFOAの合計で1リットル当たり130ナノグラムと、国の暫定指針値の2・6倍の値が検出され」たとのこと。

離島の土壌までもPFASで汚染されていたという。

制服にもPFAS。衣類のPFAS規制に取り組むニューヨーク州、家庭やオフィスビルの人工芝も今年末で禁止

2022年9月に発表された研究によると、アメリカやカナダで販売されていた子ども服のPFASを調べたところ、制服の多くに高濃度のPFASが見つかった。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.2c02111

この研究結果も影響したのか、ニューヨーク州知事は2022年末、議会で承認されたPFASに関する法律に署名した。PFASを意図的に含んだアパレルの販売を禁止する法律だ。

アパレルには、おむつや下着は含まれるが、厳しい条件下でプロが着るユニフォームや登山などアウトドア用アウターなどは含んでいない。

このようなPFAS規制の動きはアメリカ全土で広がっている。カリフォルニア州でも、PFASの衣類への使用を禁止する法案を2022年に可決している。

ニューヨーク州ではさらに踏み込み、2024年12月31日からPFASを含む、あるいはPFASで処理された「カーペット」の販売も禁止する。

このカーペットには、家庭や商業ビルの内装や外装で使用する人工芝も含まれる。

https://research.hktdc.com/en/article/MTI4OTE3MDUwNg

カリフォルニア州は、州としては人工芝を規制しないが、州内の各自治体で人工芝を禁止できるように法改正がなされた。既にいくつかの自治体で人工芝を規制した。

マサチューセッツ州やバーモント州も、人工芝規制に向かって進んでいる。

欧州ではPFAS全体を禁止する方向で検討しているので、当然PFAS入り人工芝もその対象となるだろう。

一方日本は、欧州のPFAS規制に関するパブコメで、経産省と関連業界が一丸となって規制に反対する大量の意見を送りつけ、欧州の担当者を驚かせた。

日本もスポーツ施設だけでなく、家庭や商業ビルでも人工芝の使用は多い。家庭用なども対象に、日本も早急に人工芝などPFAS入り製品を禁止すべきだ。

人工芝の問題点はPFASだけでない。その他の多くの有害物質を含むことや、マイクロプラスチックの大量散乱も問題だ。

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米フィラデルフィア、「PFASフリー人工芝」はやはりインチキだった

アメリカの各地で、PFASを理由に人工芝を許可するか禁止するかの議論が白熱しているが、南フィラデルフィアの公園の人工芝を巡る議論は面白くなってきた。

PFASを理由に人工芝敷設を反対する人たちを説得するため、業界が人工芝にPFASは使っていないと主張し、データを公表したのだ。

ところがそのデータのもとになったPFASの検査方法は、間違っていると専門家が指摘した。

水を検査する方法で人工芝のPFASを調べたとのこと。

しかも、検出限界値もかなり高く設定されていた。

https://www.inquirer.com/opinion/editorials/turf-ban-pfas-chemicals-cancer-fdr-park-sports-20240321.html

それで、検出されなかったと言われても、誰も納得しないので、議論はまた振り出しに戻っているようだ。公園改修予算は750万ドルなので、どちらも真剣だ。

反対派は「PFASフリーの人工芝など存在しない」といっている。確かに、現在アメリカで調べられた限りでは、すべての人工芝からPFASが検出されている。これから作る人工芝にはPFASを使わない、などと言われても、使っていなかったはずの人工芝からも検出されているので、信じられるはずもない。

フィラデルフィアの新聞であるフィラデルフィア・インクワイアラー紙も社説を読む限り、公園の人工芝敷設に反対している。

フィラデルフィアの公園から目が離せない。

マサチューセッツ州でも「人工芝フィールドの購入と設置に関する州および地方自治体の契約を禁止する法律」が、大詰めを迎えているようだ。

https://malegislature.gov/Bills/193/HD958