豪ビクトリア州でデポジット制度開始

11月1日、オーストラリアのビクトリア州でようやく飲料容器のデポジット制度が開始された。

デポジット額も返金額もどちらも10セント。返金は、現金でもバウチャーでも電子マネーでも可能なようだ。もちろん、寄付を選択することもできる。寄付先は、スキームに登録された慈善団体やコミュニティ組織などから選択できるそうだ。

容器の返却場所は、自動回収機や、小売店店頭、デポなど。

対象となる飲料容器は、150mL以上3L以下の飲料の入ったペットボトルやプラスチックボトル(HDPE)、ガラス、アルミニウム、スチール、板紙で作られた容器だが、牛乳などは例外となる。

オーストラリアでは既にほとんどの州でデポジット制度が実施されている。ビクトリア州が最後になる予定だったが、昨年導入開始が予定されていたタスマニアはどうなったのだろうか?無事開始されたのか、それともまだ延期されているのだろうか?

<出典>

https://www.energyportal.eu/news/community-celebrates-beginning-of-container-deposit-scheme/434889/?eType=EmailBlastContent&eId=d51b9f7e-3657-49c8-946e-6c9c90b0770f

11/13、柔軟剤問題を「チャント」で放送。日本は「予防原則」に後ろ向き

11月13日の「チャント」で、柔軟剤に起因する「香害」の問題を放送するそうだ。

https://hicbc.com/tv/chant/

早稲田大学・大河内先生も出演されるらしい。

香害がようやく広く認識されるようになり、うれしい限りだ。これで香りなどを入れた「マイクロカプセル」入り製品(柔軟剤や洗剤など)がなくなってくれればいいなぁと思う。

最近、ベランダが近隣から流れてくる柔軟剤臭で臭くてたまらない。メーカーの人たちとそのご家族は健康なのだろうか?それとも、メーカーの人たちは自分の家族には使わせていないのかも?

国際プラスチック条約(INC-3)に向け、今年6月にINC事務局に提出した文書で、日本は「予防原則」に反対することがわかる表現を用い、予防原則についての考えを表明した。

日本はますます「遅れた国」「意欲的な条約の足を引っ張る国」として、条約に前向きに取り組む国々からみなされたに違いない。

予防原則の立場に立たないとすると、深刻な被害者が大勢でて、訴訟を抱えた企業が自主規制に踏み切らない限り、マイクロカプセル香害もプラスチック汚染も止まらない。

(補筆)

チャントはここで一部見ることが出来た↓

https://locipo.jp/creative/a2b1e19b-7d42-4b38-a55b-096eaf1e6846?list=07738b35-6ce6-48b6-92f7-00167a95bb12&noautoplay=&redirect=true

花王が「生物多様性の行動指針」を公開、マイクロカプセルをやめなければ実現不可能

花王が生物多様性の行動指針を公開した。

https://www.kao.com/jp/sustainability/klp/policy/biodiversity-policy/action-policy/

大変結構なことだ。

「生活者やビジネスパートナーをはじめとするさまざまなステークホルダーと連携し、生物多様性の喪失の直接原因である土地利用、気候変動、汚染等に対して、緩和の階層に沿って、回避、削減、保全、回復と再生の行動を取る」など、とてもよいと思う。

しかし、花王の作っている製品にはマイクロカプセル入りが多い。毎朝窓を開けると、きつい柔軟剤臭がする。香り成分の入ったマイクロカプセルが漂っているのは間違いない。もちろん、花王の製品だけでなく、P&Gやライオンなどのもあるだろうが、いずれにせよこれら柔軟剤は、マイクロカプセルによる空気汚染の元凶だ。当然、生物多様性の喪失にも繋がる。ぜひ「緩和の階層に沿って」回避、削減してほしい。

また、「これらの試みに対して生活者とのコミュニケーションを継続し、真に安全でサステナブルな化学物質の使用方法をステークホルダーと共に追求する」とのこと。

花王は以前、香害被害者との面談を断ったと聞いているが、コミュニケーションを開始するのだろうか?そうだとしたら、素晴らしいことだ。ぜひ、コミュニケーションを図ってほしい。

EUでは、2029年10月にはこのようなマイクロカプセルは販売禁止になる。日本のメーカーも生活者とコミュニケーションを図るようになれば、このような体に悪い製品を販売し続けることはしないはずだ。

に悩んでいる身としては、

日本近海の海底に大量のマイクロプラが堆積。日本もマイクロプラスチック規制が必要

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は先日、日本近海の海底に大量のマイクロプラスチックが堆積していると発表した。

その数は、「深海平原では乾燥堆積物1gあたり平均601.5±629.4個であり、続いて相模湾では平均29.6±23.6個、プレート三重会合点では平均11.2±6.0個」とのこと。

これは、これまでの研究で最も多くのマイクロプラスチックが見つかっていた地中海の堆積物に比べて2〜260倍4、北大西洋に比べて2〜5,500倍もの数になるそうだ。

https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20231010/

2020年に発表されたオーストラリアの研究では、マイクロプラスチックは少なくとも世界の海底に1400万トン以上堆積しているということだったが、こんな場所があるならば、この数字は早晩更新されそうだ。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35160548.html

沈んでいる大きなプラスチックごみはもっとずっと多いだろうが、既に小さくなったものがこれほど多く沈んでいるということは、今すぐにプラスチック使用をやめたとしても、マイクロプラスチックが食物連鎖に入り生態系に悪影響をもたらすことをもはや止めることはできない。

とはいえ、少しでもマシな状況を作るためには、EUのような規制を世界全体で作る必要がある。

欧州委員会は先月(9月25日)、マイクロプラスチックそのものと、マイクロプラスチックが意図的に添加され、使用時にマイクロプラスチックを放出する製品の販売を禁止する規則を採択した。

対象製品は以下の通り

・スポーツ施設の人工芝に使う粒状の充填材(ゴムチップ)

・マイクロプラスチックが角質除去(マイクロビーズ)や、特定の質感、香り、色の取得など、複数の目的に使用される化粧品

・洗剤、柔軟剤、グリッター、肥料、植物保護製品※※、おもちゃ、医薬品、医療機器など

グリッターとは化粧品などに使われるラメなどのことで、服に使われるスパンコールなどは使用中に環境中に放出しないためか、対象ではないらしい。

植物保護製品とは、農薬や除草剤か。

角質除去用のマイクロビーズやグリッターは発効後、即時禁止となったが、それ以外の多くの製品は4年から12年の猶予期間がついた。猶予期間とは、禁止までの間に企業が準備するための期間のことで、この期間は十分長く設けられた。

日本も1日も早くマイクロプラスチックを意図的に添加した製品の販売を禁止してほしい。もちろん、人工芝に入れるゴムチップはマイクロプラスチックそのもの。早急に禁止すべきだ。

人工芝グラウンドをもつある高校では、流出したゴムチップを補充するのは高校生の役目だそうで、担当の高校生は素手でゴムチップを人工芝の上にまいている。しかし、ゴムチップには重金属や環境ホルモンであるフタル酸エステルが含まれている。高校生の健康が心配だ。

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カリフォルニア州、人工芝政策を転換。自治体任せに

カリフォルニア州知事はこのほど、PFAS入り人工芝禁止の法案に署名しなかった。理由は、州では対策が手に負えないから、自治体に任せた方がよいと判断したためのようだ。

そのため、10年ほど前にできたこの↓法律(人工芝などのような干ばつに強い造園を禁止してはならないという法律)を取り消した。

https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202320240SB676

そのため、これからは各自治体ごとにPFAS入り人工芝を禁ずる法律を作ることになる。

州上院議員は、「人工芝はリサイクルできず、しかも鉛やPFASなどの毒素の存在により、環境に脅威をもたらす」と話し、芝だけでなく、ゴムチップの有害性も懸念している。また、専門家は、PFASは地下水や淡水を汚染し、海に入り、食物連鎖に入り込んで、私たちの血液や筋肉に入ったと話したとのこと。

米人工芝評議会会長は、「私たちの会員企業は、既にPFASを人工芝に意図的に入れていない」と明言しているそうだ。

<出典>

https://laist.com/brief/news/climate-environment/once-hailed-as-a-drought-fix-california-moves-to-restrict-synthetic-turf-over-health-concerns

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ゼロ・ウェイスト宣言都市・独キールの取組とデポジット制度

ガーディアン紙にゼロ・ウェイスト(廃棄物ゼロ)宣言をしたドイツの都市を紹介した興味深い記事が掲載されていた。以下、一部抜粋。

ドイツ北部の港湾都市・キールは、ゼロウェイストヨーロッパにより、最も早く「ゼロ・ウェイスト」宣言されたドイツの都市だ。

子どもの紙オムツの代わりに布おむつを購入したい親は、自治体から最大200ユーロの助成金を受け取ることができる。

また、市最大のフェスティバルでは昨年、使い捨てカトラリー(フォークやスプーンなど)をやめ、代わりにデポジット制を取り入れたリユースできるカトラリーを採用した。

市議会は、公共施設での使い捨てアイテムの禁止や、公共の水飲み場の設置、小学生にごみについて教えるなど、さまざまなプロジェクトを発表している。また、プラスチック製ボトルに入った洗剤を使う代わりに固形石けんを使うなど、行動に簡単な変更を加えることも推奨する。

ドイツでは大半のガラス瓶がデポジット制度(保証金制度)の対象で、8から15セント多く支払って購入する。飲み終わった後、空のボトルをお店や自動回収機に返すことでお金(デポジット)を取り戻すことができる。そのガラスびんは、洗ってまた再利用される。

空の容器を返すのが面倒な人は、公園で飲んだ後そのまま放置したら、ボトルコレクターが拾ってくれる。コレクターの多くは、不安定な生活状況にあり、低賃金や年金を補うためにボトルを集めデポジットを手に入れる。このシステムは、通りを清潔に保ちながら、飲んだ人から貧困層にお金を少しシフトすることにも役立っている。

<出典>

英ガーディアン紙(2023.10.18)↓

https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2023/oct/18/the-zero-waste-city-what-kiel-in-germany-can-teach-the-world?eType=EmailBlastContent&eId=3016872a-d659-411c-bc50-10a99ff3bdfb

有害化学物質連続セミナーのお知らせ

昨日、有害化学物質連続セミナーの第1回目「PFAS(有機フッ素化合物)の環境汚染問題を考える」という講演会に参加した。講師は原田 浩二先生(京都大学医学部)で、とてもよかった。2回目以降は以下の内容だ。

11月16日(木) 10:00~12:00
香害・化学物質過敏症問題を考える
北條 祥子氏(尚絅学院大学名誉教授)

12月21日(木) 10:00~12:00
農薬再評価制度を考える
木村‐黒田 純子氏(環境脳神経科学情報センター)

1月18日(木) 10:00~12:00
環境ホルモン問題を考える
槌田 博氏(有害化学物質削減ネットワーク)

2月22日(木) 10:00~12:00
化学物質審査規制法・優先評価物質を考える
中地 重晴氏(有害化学物質削減ネットワーク)

申込みなど詳細は以下へ↓

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11/3の環境ホルモン講演会のお知らせ

2023年11月3日、国際セミナー「ビスフェノールA(BPA)は 人間の卵子の発達を阻害する!」がある。

前回のセミナーは、フタル酸エステルの話が主だったが、今度はビスフェノールA(BPA)だ。日本ではビスフェノールAの対策が早く、むしろ代替として使われたビスフェノールSが問題だと聞いている。しかし、BPAの話をするということはまだ多く使われていると言うことか。

いずれにせよ、どれもPFASなどと同様、環境ホルモンであることは変わらない。

聞くと、プラスチックや感熱紙を使うのがますますイヤになりそうだが、やはり聞くべきだと思う。企業の「つくる責任」が不十分である以上、消費者の「使う責任」は身を守る。

今回もダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議と子どもケミネットの共催のようだ。

申込みなど詳細は下記サイトをご確認ください↓

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ハシゴを外された容リ協。公取が容リ協に「待った!」

公正取引委員会が容器包装リサイクル協会(容リ協会)に待ったをかけた。

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2023/oct/231016petbottle.html

容リ協会が、廃ペットボトルの買い取りに積極的に動いていた大手飲料メーカーを牽制したことを受けて、公取が調査した結果だ。

公取にしてみたら、飲料メーカーが自治体と直接契約し、廃ペットボトルを直接買い取ることを容リ協会が邪魔するのは「独禁法違反だからケシカラン」ということだろう。

確かに、飲料メーカーが自治体と契約するのを容リ協会が邪魔するのは独禁法違反だろうと思う。

しかし、容リ協会にしてみたら、以前中国が日本の廃ペットボトルを買いまくっていたとき、容リ協会に来る廃ペットボトルは少なかったのに、中国が買いにこなくなった途端に廃ペットボトルが日本に溢れ、容リ協会がてんやわんやになったことがあったので、その二の舞はゴメンだと思うのは当然だ。

もともと容リ協会ルートでリサイクルする容器は、再商品化義務(リサイクル費用を負担する義務)の対象となっている容器のみ、つまり普通では売れないものだけなので、アルミ缶やスチール缶などのように集めれば売れる(お金になる)ものは容リ法の再商品化義務の対象にはなっていない。

つまり、集めれば金になるものは容リ協会を通さず、自治体が直接適当なところに売り渡してリサイクルすることになっていて、金にならないものだけ容リ協会を通してリサイクルすることになっているのだ。

容リ法が施行された当時は、ペットボトルは集めても金にならなかったので、再商品化義務の対象になり、容リ協会を通してリサイクルすることになった。

しかし、今はペットボトルは集めれば金になる。環境をウリにするメーカーが再生PET樹脂でボトルを作りたがるようになったからだ。そうであれば、本当ならばペットボトルを再商品化義務の対象から外すべきだ。国が外さないからこのような事態になったのだと思う。こういう事態は、以前から予測されていた。

国が外さない理由は、離島などではまだペットボトルは金にならず、お金を払わないとリサイクル工場が引き取りに来ないので、再商品化義務から外すとそのお金の出所がなくなってしまう、ということがあるのかもしれない。それに、飲料メーカーは、全ての自治体のペットボトルを買い取ってくれるわけではない。今のところ、自社工場に近い自治体のペットボトルがほしいだけで、将来的にどうするつもりかもわからない。要は、いつ手のひら返しをするかわからないのだ。

そのため、容リ協会にしてみれば、今回の公取の判断は「何も知らんヤツが勝手なことをいってる」としか映らないだろう。容リ協会にしてみたら、環境省のかけた柱を登って屋根で作業をしていたら、公取からハシゴを外された。それを環境省は黙って見ていた・・というような感じか。

容リ法を現状に合わせて改正しない国の責任は大きい。国が容リ法を維持しようと思うならば、容リ協会の味方をすべきだったと思う。

いずれにせよ、自治体はペットボトルの回収などさっさとやめるべきだ。飲料メーカーに回収もすべて任せてしまうか、それとも回収費用が全額まかなえるだけの金額をメーカーに請求するのがよい。

現状では、廃ペットボトルを売った金額よりも、回収費用の方がはるかに高いので、こんなものに多額の税金を使って回収するならば、もっと他のことに税金を回してほしい。

もともとペットボトルのように環境負荷の高いものは、生産者責任で回収すべきものだ。

多くの先進国は、実際に回収するのが自治体でも、費用は全額生産者が負担している。欧州だけでなく、韓国や台湾でもペットボトルの回収費用は生産者だ。

ペットボトルの回収費用を自治体が負担するなどあり得ない!と、自治体のペットボトル回収車を見る度、怒りがこみ上げる。