第1回目の中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会が開催された。
大きな期待は抱いていなかったものの、多少はまともに使い捨てプラスチックを減らす取組について話し合うのだろうと思っていた。
なぜならばこの会議は、カナダでのG7の「海洋プラスチック憲章」に署名しなかったことで、世界に知らしめた日本の海ごみに対する消極性を、G20で払拭するための会議、という位置付けだったはず。
ところが、まったく違ったようだ。
「東京23区のごみ問題を考える」に掲載されていた傍聴の感想を読むと、焼却炉を途上国に売り、プラスチックごみを焼却処理することが、日本のプラごみ戦略の目玉のようだ。
これでG20でリーダーシップが発揮できると本気で考えているならば、中川環境大臣もその取り巻きも「環境音痴」「外交音痴」と言わざるを得ない。環境省が、経産省や経済界に配慮した結果だとしても、これではやり過ぎで、会議の意味がない。
もちろん、経済効果を考えることは大事で、EUなどでも取組による経済効果を強調する。しかし、それはあくまでもプラスチックごみ削減という社会的に正しい取組をした上で、それにより発生する経済効果を謳っているのである。例えば、生分解性プラスチックを国内で生産した場合の効果やリサイクル促進で生じる雇用などによる経済効果を強調する。
それに比べ、昨日の会議は、日本の現状を反省し使い捨てプラスチック削減を検討する前に、何を売ったら儲かるか、の検討が先に立ったように見える(おそらく、そういう面しか考えない利益団体や御用有識者を正規の委員として加え、発言機会を与えることで、そういう方向に話が流れるように最初から仕組んでいた)。
このままでは、G20で日本はどこの国からも相手にされないだろう。
日経新聞によると、年内に7つの検討項目(使い捨てプラスチックの削減、使用済みプラスチックの回収とリサイクル、バイオマスプラスチックへの代替、プラごみの海洋流出の防止、など)に数値目標を盛り込んだ答申をまとめることになっている。
第2回目の会議では、利益団体の発言を封じ、他の委員のまともな意見を検討してほしい。
<参考>東京23区のごみ問題を考える「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会(第1回)傍聴しました~」↓
https://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/d060360f82d7581980fef1c6aa31c8af
日本経済新聞(2018.8.18)「廃プラ削減で数値目標 政府検討、実効性が課題」↓
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3430850018082018MM8000/
<当日資料>環境省
http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-01b.html