乳がんと牛乳

乳がんを克服した友人に勧められジェイン・プラント著『乳がんと牛乳』(佐藤章夫訳、径書房)を読んだ。

著者は乳がんにかかり4回も再発しながら、なんとか原因を突き止めようとして、乳製品に辿り着いた。乳製品を一切やめたところ、首に転移していたがんが消えたという。

乳製品をやめることで、乳がんと前立腺がんのリスクを減らせるとのこと。

とても説得力があった。

住友化学がEUのネオニコ系農薬使用禁止に異議

EUは4月27日、住友化学のつくるクロチアニジンを含むネオニコ系農薬3種の屋外使用禁止を決めた。

それに対し住友化学は、許容量を超えないように適正に使用されればハチの健康への影響はない、という見解を発表した。

しかし、仮に住友化学のいうことが正しかったとしても、農家がいつも正しく使用量を守るとは限らないし、生物はハチだけではない。

ネオニコ系農薬はトキの繁殖能力に影響を与えるという報告もある。

予防原則としても、日本でも屋外使用を禁止すべきだろう。少なくとも、ネットで簡単に入手できるような今の販売方法は適切とは言い難い。もし、ハチがいなくなれば、食糧難になるのは避けられない。ヒトへの影響を懸念する研究者も多い。

住友化学の見解↓

https://www.sumitomo-chem.co.jp/newsreleases/docs/20180511.pdf

<参考>

ネオニコチノイド系農薬がトキの繁殖能力に及ぼす影響の基礎的評価↓

https://www.city.sado.niigata.jp/info/data/2015img/0119/h24/07.pdf

有機農業ニュースクリップ(2018.5.14)「住友化学:EUのネオニコ使用禁止は非科学的と批判見解」↓

http://organic-newsclip.info/log/2018/18050920-1.html

 

加工食品はがんのリスクを高めるか

フランス国立保健医学研究所が、10万5000人を対象に超加工食品の摂取量とその後5年間のがんの発症状況を調べた結果、摂取量が多いほど、がんのリスクが上昇したという。

「超加工食品」とは、「砂糖や塩、油脂を多く含み、保存料などが添加されており、きっちり包装されて日持ちも良い食品」のことで、大量生産され包装されたパン、包装された甘いあるいは塩味のスナック、大量生産された菓子やデザート、炭酸飲料や加糖飲料、保存料を添加した肉加工品、即席麺、即席スープ、冷凍食品、常温保存可能な加工食品、家庭で調理する際には加えない添加物を加えた食品などのことである。

理由として、超加工食品は脂肪や飽和脂肪酸、砂糖、塩を多く含み、食物繊維とビタミンが少なく、加熱による発がん性物質が生成される成分を含んでいること、また、食品に直接触れる包装材料にも発がん性のある物質や環境ホルモンなどが含まれている場合があること、などが考えられるという。

<出所>

日経Gooday(2018.5.12)「カップ麺などの「超加工食品」 がんのリスク高めるか」↓

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO29160820Z00C18A4000000

抗菌薬でアレルギー発症率1.7倍!

今日の毎日新聞によると、抗菌薬を2歳までに服用した乳幼児は、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など免疫異常によって起きるアレルギー疾患の発症リスクが、服用経験のない乳幼児に比べ、1.4〜1.72倍になるとの調査結果が、国立成育医療研究センターによりまとめられたそうだ。

風邪などに安易に抗菌薬を使うことにより、アトピー性皮膚炎などを発症することがあるとのこと。

そういえば以前から、東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏は、腸にはさまざまな働きがあり、酵素やホルモンなども作っているとおっしゃっていた。
大人でも、腸内細菌を殺すことによって、うつ病や癌、アレルギー、肥満なども発症しやすくなるようだ。

抗菌薬は、家畜を早く太らせるため肉にも大量に使われていると聞く。抗菌グッズや抗菌石けん、医師から処方される抗菌薬などは注意すれば生活から遠ざけることができるが、肉を遠ざけるのは難しい。
たとえビジタリアンになったとしても、抗菌薬を食べさせられた家畜の糞が野菜に使われている限り、抗菌薬からは逃れられない。

社会全体で、安易な抗菌剤の使用をやめるしかない。

<参考>

毎日新聞(2018.5.2)「乳幼児は服用注意を アレルギー発症率1.7倍」↓
https://mainichi.jp/articles/20180502/k00/00m/040/187000c?fm=mnm

ニュースポストセブン(2017.6.29)「除菌・抗菌グッズの流行でアレルギーの子供が増えたか」↓
https://www.news-postseven.com/archives/20170629_572391.html

毎日新聞(2017.4.20)「やせられない・・・それは抗菌薬が原因かも」↓

https://mainichi.jp/premier/health/articles/20170331/med/00m/010/008000c

妊娠中のカフェインは要注意

2002年から2008年の間にノルウェーの5万1000人の女性とその子どもを追跡調査した結果、妊娠中にカフェインを多く摂取した人の子どもほど、幼児期に過体重になる傾向があったとのこと。
ノルウェー公衆衛生研究所の研究者は、「妊婦がカフェインを遮断することは望ましいかもしれない」と述べている。

NHSは現在、流産や胎児の成長を阻害するリスクを避けるため、カフェインの摂取量を1日200mg未満に抑えるようにと勧告している。
今回の結果は、その勧告の裏付けとなる証拠を追加するものであるそうだ。

カフェインは、コーヒー1杯に140mg、インスタントコーヒーには100mg、紅茶には75mg、チョコレートは50gのミルクチョコレートに約10mg程度入っているとのこと。

<出所>

THE TIMES(2018.4.24)A  coffee a day can harm unborn children, researchers claim;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/one-cup-of-coffee-can-harm-unborn-children-say-researchers-qlpwthhbd?utm_source=newsletter&utm_campaign=newsletter_101&utm_medium=email&utm_content=101_Mailing%20Name%20(96)%20(1)&CMP=TNLEmail_118918_3204010_101

英国で砂糖税開始 アジアでも導入進む

糖尿病や肥満対策として、世界中で検討、あるいは既に実施されている砂糖税。清涼飲料に含まれる砂糖に課税される。
2018年4月6日から英国でもソフトドリンクを対象に導入されるが、日経新聞によると、アジアでも増えているそうだ。

タイで2017年秋に導入、フィリピンでは2018年1月から、インドネシアやベトナムでも検討中とのこと。

健康のためならば砂糖税もよいかもしれないが、環境のためならば、砂糖抜きの茶系飲料の多い日本では砂糖税よりも、かつてのような清涼飲料税を復活させるほうがよいかもしれない。

<参考>日本経済新聞2018.4.3「甘い清涼飲料に「砂糖税」 アジアで広がる↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28920420T00C18A4MM0000/?n_cid=NMAIL007

遺伝子組換えイネ パブコメ募集中

環境省が、動物の遺伝子を組み込んだイネについての意見を募集している。
これが承認されれば、花粉が飛んで日本の他の米も遺伝子組換えに汚染されそうだ。生物にも影響し、生態系全体にも影響を与える。
意見は4月27日まで、e-Govでも受け付けているので簡単に意見がいえる。
詳しくは下記を参照されたい。

環境省「遺伝子組換えイネの第一種使用等に関する承認に先立っての意見募集について(平成29年度第1回)↓
http://www.env.go.jp/press/105338.html

<参考になるサイト>
有機農業ニュースクリップ「動物の遺伝子を組み込んだGMイネで意見公募↓
http://organic-newsclip.info/log/2018/18030907-1.html

ネオニコ系農薬を使わないため、大潟村が着色粒規定の廃止を求める意見書

ネオニコ系農薬を使わない米作りをめざす大潟村の生産者たちは、コメの検査規格の見直しを求めている。

斑点米カメムシ類防除のための過剰なネオニコ系農薬使用をやめるため、大潟村議会は、その元凶となっている「着色粒規定」の廃止を盛り込んだ意見書を国に提出するよう求める請願を採択した。

毒性のない斑点米をなくすためにネオニコ系農薬を過剰に使用させる政策を一般の国民は誰も望んでいない。海外の多くの国でネオニコ系農薬の使用を禁止・規制する中、日本だけが規制を緩和していると聞く。

国は誰に忖度して、このような国民の「安全・安心」を犠牲にする政策を続けているのだろうか?

 

<参考>

有機農業ニュースクリップ(2018.3.17)「大潟村議会 着色粒規定の廃止を求める意見書」↓

http://organic-newsclip.info/log/2018/18030902-1.html

砂糖も遺伝子組換えになる?

ブラジルで、世界初の遺伝子組換え(GM)サトウキビの栽培を開始するとのこと。

サトウキビの芯を食い荒らす虫に抵抗性をもつように遺伝子を操作したものだそうだ。日本の現行制度では、GM原料の砂糖は表示不要とのことなので、いつの日か、小さい子どもに食べさせるお菓子にも遺伝子を組換えた砂糖が使われるかもしれない。

アメリカでは最近、遺伝子組換え食品は不人気で、売れなくなっていると聞く。その在庫整理に、日本の食卓が狙われるのではないかと心配している。

また、日本の主要農作物の種子を守ってきた「主要農作物種子法」が今年から廃止されることで、これから種は遺伝子組換えのものばかりになり、コメや小麦もGMになっていくのではないかと懸念する声もある。

 

<出典>

有機農業ニュースクリップ「ブラジル 世界初のGMサトウキビ栽培を開始」↓

http://organic-newsclip.info/log/2018/18030897-1.html

MONEY VOICE「日本の農業をぶっ壊す種子法廃止、なぜほとんど話題にならない?」↓

http://blog.hatena.ne.jp/inada5114/inada5114.hatenablog.com/edit?entry=17391345971623582429

男の子に多い発達障害 ネオニコ系農薬の影響?

最近、ネオニコチノイド系農薬の講演会によく参加するようになった。

日本と韓国は、単位面積あたりの農薬使用率が世界でダントツに高く、自閉症や広汎性発達障害の有病率もダントツに高いという。

これは、ネオニコチノイド系農薬が関係している可能性があるそうだ。

昨日聞いた木村-黒田純子氏の講演によると、母マウスに経口投与で低用量のネオニコチノイド系アセタミプリドを胎児期から授乳期にかけて投与すると、雄の子マウスに不安行動、攻撃行動、性行動など異常行動が見られたとのことである。

子マウスの脳内からアセタミプリドが検出され、母胎から子マウスの脳に移行することも確認されたという。

ヒトでは自閉症、ADHDなどの発達障害は男子に多く、特定の行動に異常がみられるとのことで、ヒトの発達障害の一部はネオニコチノイド系農薬の影響である可能性があるそうだ。

また、中下裕子氏によると、有機リン系農薬と異なり、ネオニコチノイド系農薬は野菜や果物の中へ浸透しているため、洗っても落ちないし皮をむいても同じだとのこと。

EUはもちろんアメリカやカナダ、ブラジル、台湾など諸外国では既に使用が規制されている。韓国でも2014年に三種のネオニコチノイド系農薬の新規・変更登録を禁止した(中下裕子氏講演より)。

日本は規制どころか、基準が緩和されている。例えば、日本のイチゴのアセタミプリドの残留農薬基準値は、現在EUの600倍も高いとのこと。

農薬の在庫整理に日本の農業を利用しないでほしい。食べ物を金儲けの手段にすることは、自分の手で子どもや孫の首を絞めるようなものだ。

今すぐに規制を開始しなければ、アスベスト訴訟のように、農薬メーカーや農水省が被害者に訴えられる日がくることも考えられる。

海洋プラスチック汚染問題への取り組みでも、日本の動きはとりわけ鈍い。東京都は、レジ袋有料化すら難航している。

予防原則のない国に未来はないことを、政治家も事業者も省庁・自治体関係者も肝に銘じ、疑わしいと報告された化学物質や自然界への影響の大きい製品の使用はとりあえず中断し、調査する姿勢で臨んで欲しい。

なお、韓国のネオニコ系農薬規制については、下記サイトに詳細が記載されている。

有機農業ニュースクリップ(2014.3.15)「韓国:ネオニコ系の使用を一時停止へ EUにならう」↓

http://organic-newsclip.info/log/2014/14030616-2.html

 

<参考>

「増加する自閉症〜原因は遺伝ではなく、環境にある」↓

農薬大国・日本の現実 ネオニコチノイド系農薬で、発達障害が急増する!? ~岩上安身による西尾正道氏、黒田洋一郎氏インタビュー