食品包装に含まれる約1300の化学物質が人体に蓄積

スイスの非営利団体フード・パッキング・フォーラム財団(Food Packaging Forum Foundation)などの研究チームが、食品に接触する化学物質を1万4000以上のデータを調査したところ、うち3601(約25%)の物質が、皮膚、毛髪、血液、母乳、脂肪組織などの人体サンプルから見つかった。

2024年9月17日に「Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiology」で発表された。

これにはプラスチックだけではなく、紙や段ボール、インクなどの物質も含まれているそうだ。

https://www.businessinsider.jp/post-293805

米フロリダ州、培養肉の製造・販売禁止が決定

動物の細胞から培養して作られた「培養肉」。フロリダ州では昨年11月に、州内で培養肉の生産・販売・配布を禁止する法案が提出されていた。違反者には罰金も科される法案だ。

この度、州知事がその法案を承認した。

法律に違反し、州内で培養肉を販売または提供する施設は、営業ライセンスを失う可能性がある。

州知事は「彼らは地球温暖化を農業のせいにしている」と不快感を示したようだ。

https://www.newsfromthestates.com/article/desantis-has-no-appetite-lab-grown-meat

地球温暖化は心配だが、培養肉もいろいろ心配だ。ゲノム編集技術も使っているだろうと思うと、食べる気にはならない。

仏、生ごみ分別義務化開始。パリ市ではミミズのコンポストを無料配布。市が集めた生ごみはバイオガスに

フランスでは今年(2024年)1月から生ごみの分別が義務化された。

公園や公共施設に設置されたコンポストや生ごみの収集ボックスも各所に設置されたが、自宅で処理したい人のために、ミミズの生ごみコンポストが配布された。

パリ市では希望する全世帯に、ミミズ付きで配布されたようだ。さすがパリ市長!

パリでは2014年から毎年堆肥化を促進するための2週間のイベントを開催したり、家庭向けの堆肥化講習会を行うなどしているとのこと。

https://composter.jp/articles/france2024compost

虫がわいて以来、キエーロでさえ持て余し気味の我が家。酢をまくなどして発生を抑えているが、ミミズのほうが虫はわかないだろうか?

(以下、補筆)

公園などに設置されているコンポストの利用は登録制のようだ。事前に登録した人のみが生ごみを入れることができるが、堆肥化に向かない残渣(チーズなどの乳製品や魚や肉、パンなど)は入れることが出来ない。

堆肥化を特に希望していない人は、マーケットなどに置かれている市が収集する生ごみの収集ボックスに生ごみを入れることもできる。収集ボックスには食品残渣であればほとんど何でも入れることができるが、生分解性プラスチックの包装などは禁止されている。

自治体の施設(学校や大学、保育園の食堂など)から排出される生ごみは、2015年から市が試験的に回収を始めた。2022年には200トン以上が回収されたそうだ。

パリ市が回収した生ごみはバイオガスに変換され、市のバスやトラックに利用される。メタン化したあとの残渣は、農家が肥料として使用するという。

<出所>

https://www.paris.fr/pages/le-tri-des-dechets-alimentaires-a-paris-24842

相模原の川魚のPFAS濃度は、中国産アサリよりも高い

東京新聞によると、相模原市東部を流れる道保川(相模川の支流)の上流から約3.5キロ地点で捕った魚やアメリカザリガニのPFAS濃度を調べたところ、カワムツの肝臓に1キロ当たり14万ナノグラム、身には同2万9000ナノグラムものPFASが含まれていた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/302128

1週間に身を8g食べれば「健康リスク」もあるというレベルだという。8gということは、刺身にしたら1切れの半分も食べられない計算だ(刺身1切れは15から20g)。

昨年、Food Safety Citizen` Watch No.78,(2023.10.27)に掲載されていた中国産アサリの水煮は1450から3678ng/kg、同じく中国産アサリを使った「あさり飯の素」が5132ng/kgだったことを考えると、相模原産の川魚はさらに高濃度だということだ。

昨年調べられた水煮やあさり飯の素は、いずれも中国産のアサリを使い日本企業が日本国内で販売しているものだ。アサリがPFASに汚染されたのは、渤海に流れ込む河川の上流でのフッ素化学工場を含む工業地帯からの排水が原因だと推定されていた。

しかし、一緒に調べられた国産の「活アサリ(三重県産、北海道産、愛知県産)」はそれより1桁濃度が低かったため、「活アサリを食べれば大丈夫」と楽観していた。

ところが、地元の川魚のほうが、心配していた中国産アサリの水煮より1桁から2桁濃度が高かったのだ。

原因は、南橋本に立地している工場の排水だろうか?それとも??

この記事を読んだ後、図書館へ『これでわかるPFAS汚染』(原田浩二編著、合同出版)を借りに行った。昨年末に出たばかりの本で図書館にはまだなかったため、買ってほしい本としてリクエストしようとしたが、「購入するかどうかはわからない」と言われた。

https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b636379.html

相模原市の図書館には、最新のPFAS情報を「PFASにおびえる市民」に提供する義務がある、と思うのだが。

<補筆2024.3.8>

相模原市立図書館がようやく『これでわかるPFAS汚染』を購入した。他の人からのリクエストもあったようだ。感謝!

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プラスチックだけではなかった死産の原因 ネオニコ系農薬も原因か 

名古屋市立大学で昨年、週1回以上市販の弁当や冷凍食品を食べる妊婦は、ほとんど食べない妊婦に比べ、死産率が2倍以上高まるという発表があった。エコチル調査をもとにした調査結果なので、きわめて信憑性が高い。

原因は不明ながらも、弁当容器や冷凍食品をプラスチック容器ごと電子レンジにかけることで、プラスチックに使われている添加剤(ビスフェノール類やフタル酸エステル類などの環境ホルモン)が溶出するためではないかと疑われた。

除草剤も死産率を高めるようだ。秋田県は日本で一番自然死産率が高い。秋田市の水道水を調べるとネオニコチノイド系農薬が高濃度で検出されたという。

水道水からはジノテフランが3060ng/L(2023年8月16日)、スルホキサフロルが510ng/L(同日)検出された。この数値は前者がEUの水道水基準値の約30倍以上、後者が5倍以上とのこと。

しかし、日本の水道水中のジノテフラン基準値(目標値)は60万jg/L(0.6mg/L)だから、日本のバカ高い基準値はクリアしているらしい。EUの水道水基準値は、単一農薬で100ng/L、総農薬で500ng/L。しかも、EUはジノテフランの使用を認めていない。スルホキサフロルも昨年、禁止された。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202205272256105

EUはネオニコ系農薬の全面排除に向かっている。一方、日本は農薬会社への配慮から、禁止しないどころか規制を緩和している。少子化を騒ぎながら、赤ん坊でさえ切り捨てているようだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0378fb4a8233b876ecebdb1e5de91de78748a25c

東京大学の山室先生のブログにあった講演録画を見て死産との関連を知り、愕然としている。

日本のスーパーにも「プラスチック攻撃」は必要か でも人目を気にする日本人には難しいか

日本でも以前、スーパーで購入後すぐに外した食品トレイなどをごみ箱に捨てる「くるりポイ」をする人がいて、話題になっていた。

海外ではそれを「プラスチックアタック(攻撃)」と命名し、世界的な運動になっているようだ。

https://edition.cnn.com/2018/08/02/health/plastic-attack-movement/index.html

プラスチック以外の包装か、あるいは無包装で買いたいのに、イヤでも過剰なプラ包装が付いてくる。

プラスチック攻撃は、そんな不要なトレイなどを押しつけられることに苛立った消費者によるスーパーへの意思表示であり、ささやかな抵抗だ。要らないものをなぜ「洗って乾かして」という手間をかけ、また持参しないとダメなのか。腹立たしい限りだといつも思う。

日本ではトレイとトレイに付着していたラップがスーパーのごみ箱に主に捨てられているようだが、イギリスではトレイが少ないせいか軟質包装材も対象になっているらしい。

人目を気にする日本人である筆者は、なかなか行動に踏み切れないが、実行している人には密かにエールを送っている。スーパー側にしてみたら、「食品の品質維持」のため必要だと思って善意でやっていることだというだろう。

しかし、トレイや野菜のプラ袋は、消費者としては本当に不要だ。トレイに入っているだけで、食品にポリスチレン(PS)製のマイクロプラスチックも付着しているだろうなぁと想像してしまう。

特に、トレイの底に敷いてある薄い白色や緑色のシートは一体何なのか。水分や油分を吸い取らせるためだと思われるが、見るだけでも気持ちが悪い。とりわけ緑色のシートは、使用されている着色料まで頭に浮かび、もしかしたら重金属も使われているかもと思うと、もう買えない。

また、刺身の上などに乗っている葉っぱの形状をしたプラスチックも意味不明だ。幼児のお店屋さんごっこでもあるまいし、見ただけで買う気が失せる。なぜ、不要なごみを顧客に押しつけるのか。

トレイの上にかかっているラップ(おそらく塩化ビニリデン製 or 塩化ビニル製)の安全性も気になるところ。

フランスのスーパーの最近の写真を見ると、プラスチックを使わなくても多くの野菜や果物、キノコが販売可能だとわかる。肉や魚も、販売員を1人貼り付ければトレイは不要だ。人件費をかけられないとの声も聞こえてきそうだが、なんとか工夫できないものか。

買い物の度、スーパーに不要な包装材を置いてきたい、と真剣に思う。

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高濃度のマイクロプラ摂取でアルツハイマーに?!

中国の研究チームは昨年、二次マイクロプラスチックの摂食は、精神疾患の潜在的な原因になる可能性があるという論文を発表した。マウスを使った実験で、胎児の脳にマイクロプラスチックが蓄積すると、成長してから不安行動を引き起こしたり、新しい物事を模索する意欲や能力が低下した、というものだった。

今度は、アメリカの大学の研究だ。

高濃度のマイクロプラスチック入りの水を与えられたマウスは「GFAP発現が低下」し、「マウスのアルツハイマーを含む神経変性疾患の初期段階と関連がある」そうだ。

https://www.gizmodo.jp/2023/09/effects-of-microplastics-on-mammals.html

この記事の原著論文をあたったところ、興味深い実験をしていた。

https://www.mdpi.com/1422-0067/24/15/12308

若いマウスと年を取ったマウスに、それぞれマイクロプラスチックの濃度により4種類にわけた水を飲ませ、実験をしたそうだ。

同じような環境であっても、老マウスと若者マウスは少し異なる影響を示したようだが、どちらのマウスもGFAP発現が低下し、特に若いマウスに有意だったようだ。

まだしっかり読んでないので、間違って解釈しているかも?だが、もしこれが人間にも当てはまり、若者の方が脳への影響が大きいようでは大変だ。

やっぱり怖い紙コップ ポリ乳酸で生物に発育障害

インド工科大学の研究で以前、毎日温かいコーヒーを3杯飲む人は、毎日75,000個のマイクロプラスチックを体内に取り込んでいることになる、という研究結果が発表された(Journal of Hazardous Materials)。確か、100ccで25,000個のマイクロプラスチックがでるという結果だった。

今度は、スウェーデンのヨーテボリ大学の研究で、紙コップとプラスチック製コップの有害性比較だ。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0269749123008382

紙コップとプラ製コップを水と泥に浸し、その水と泥を入れた水槽にユスリカの幼虫を放した。

結果は、ユスリカの幼虫に「著しい成長阻害が観測された」とのこと。

日本語の記事↓

https://www.gizmodo.jp/2023/09/negative-effects-of-paper-cups.html

紙コップにはポリ乳酸(生分解性プラの仲間で、産業用堆肥化装置でのみ分解する)がラミネートされていたから、プラ製コップと同様、マイクロプラスチックが大量に放出されたと考えられる。

そのため、ユスリカの幼虫の成長、発達などに影響がでたようだ。

影響は7日後から現れ、滲出時間の増加に伴い影響が大きくなったという。

それにしても、ポリ乳酸は、近年伊藤園のおーいお茶のティバッグなどで使われているが、日本ではそれほど一般的に出回っているわけではない。紙コップのラミネートに使われているものは少なく、ポリエチレンのラミネートのほうがフツーな気がする。

欧州では紙コップといえばもうポリ乳酸のラミネートが主流なのだろうか?

2021年にインド工科大学で行われた紙コップ実験で使われた紙コップは、ポリエチレンでのラミネートだったが・・。

それと、もう1つ気になるのは、以前(2019年)行われたアメリカのティーバッグの実験では、ティーバッグに熱いお湯(95℃)を注いだら大量のマイクロプラスチックがでた、そのマイクロプラスチックで生物(ミジンコ)にも悪影響がでた、というものだった。

https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.est.9b02540

今度の実験は多分お湯ではなく、水を使ったはず。ということは、冷たい水でさえも、紙コップやプラカップは必ずしも安全ではないということだろうか?

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プチ「脱プラ」宣言⑯黒酢でシャンプー、もっと早く試せばよかった

以前は石けんシャンプーの後、リンス代わりにクエン酸などを使っていたが、最近黒酢をシャンプー代わりに使うようにしたところ、とても調子がいい。

殺菌作用があるようで、暑い夏でも頭皮がかゆくならず、ベタつくこともなかった。

一番心配していた「匂い残り」もない。

これで白髪が減ればうれしいけれど、それはまだわからない。

使い方は、洗面器にお湯を7から8分目ほど入れ、そこに黒酢を適宜(大さじ2杯から3杯ほど?洗面器のサイズと髪の長さ次第で適当に)注ぎ、それで髪を洗う。洗ったら、あとはシャワーでよく洗い流すだけ。

湯シャン(お湯のみ)や重曹シャンプーだと、だんだん髪がベタつくようになると感じていたので、継続してもベタつかない「黒酢シャンプー」はとても気に入っている。

浴室に酢を瓶ごと持ち込むわけにもいかないから、酢の入れ物には一番苦労した。

本体はガラスびんで、ふたはプラスチックが最適なようだ。フタが金属だとすぐに錆びて、汚らしくなる。昔、クエン酸代わりに黒酢を使ったときはそれで挫折した。ちょっと残念だが、フタだけはプラスチックがよいようだ(リユースできるので問題なし)。

一夏、黒酢シャンプーだけで問題なかったが、すべての黒酢がシャンプーに向いているのかはまだわからない。

今使っているのは、色が薄めの生協で購入した黒酢。今度はもっと熟成の進んだ色の濃い黒酢で試してみようと思う。

購入する黒酢のびんはフタのみプラスチックのガラスびん。完全な脱プラではないが、重曹やクエン酸をプラ袋より断然プラスチック使用量は少ない。

そのため、久々のプチ「脱プラ」宣言だ。

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アサリ缶詰、PFAS基準超えで昨年アメリカでリコール

中国産の2社のアサリの缶詰が昨年、PFASが高濃度で検出されたため「自主的リコール」に踏み切っていた(下記資料, p.44)。

米国食品医薬品局(FDA)が缶詰から見つけたPFASは、既に禁止されたはずのPFOAだ。

「1 ヶ月あたりおよそ 10 oz 以上食べる消費者に健康上の懸念となる可能性がある」(同資料)という。

アメリカは日本よりも厳しいPFAS基準をもっているため、リコールにいたったのだろうが、これらの缶詰は日本では合法的に売られてしまうかもしれない。

そもそも、日本のアサリ缶は、国内で調べられているのだろうか?

PFASのような内分泌かく乱物質の毒性には閾値がない。今の時代、PFASを避けて生きるのはなかなか難しいけれど、少なくとも妊婦や幼児は今のところ、アサリの缶詰をあまりたくさん食べない方が無難かもしれない。

資料には「水産物に関する食事習慣を変える必要があるかどうか疑問に思う消費者には、あな たやお子さんたちが、水産物を含む、年齢にあった多様な健康的な食事をとることを再度推奨する。水産物は、子供には脳の発達や免疫機能向上、大人には心臓や骨の健康利益、特定のがんのリスク低下に役立つなど、健康的な食事の一環として多くの栄養的利益を提供する。中国産の缶詰アサリを定期的に食べたり子供に与えたりする人は、我々がより多くの情報を得るまで、全体的な摂取量を減らしたほうがよいかもしれない」と書かれている。

<出所>