GPがプラスチックのリサイクルについて新レポートを発表。リサイクルが失敗する5つの理由(追記)

グリーンピースがプラスチックリサイクルについての新しいレポートを発表した。

https://thred.com/ja/change/greenpeace-report-shows-failure-of-single-use-plastic-recycling/

以下からレポートと付録をダウンロードできる↓

Circular Claims Fall Flat Again

これによると、プラスチックリサイクル(ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルの両方)が失敗するのは5つの理由があるという。

1.収集がきわめて困難である

2.リサイクルのための分別が事実上不可能(何千種類ものプラスチックがあり、それぞれが独自の組成と特性を持っている。プラスチックの種類によって、融点、染料、着色料が異なる)

3.プラスチックの再処理は環境に有害である(汚染や火災の危険性)

4.プラスチックは有害物質でできている(プラスチック製品自体に有毒な添加物が含まれていたり、化学物質を吸着していたりする可能性。カナダ政府が2021年末に発表した報告書によると、再生プラスチックの毒性リスクにより、「生産されるプラスチック製品や包装の大部分」が食品用包装に再生されることを禁止している)

5.リサイクルに経済性がない(プラごみを収集、分別、運搬し、安全に再処理するには、常に法外なコストがかかる。バージン原料の方がはるかに安く、品質も良い)

紙やガラス、金属にはこれらの問題はないため、はるかに高い割合でリサイクルされているそうだ。

レポートにはより詳しい説明が記載されている。

<追記>

このレポートについての批判記事があった。

Waste 360だ。グリーンピースのレポートの著者は、プラスチックを嫌っているため、リサイクルを否定しようとしているというものだ。

しかし、プラスチックのリサイクルは業界や国が宣伝するほどうまくいっているわけではないので、レポートの方が信憑性が高いように思う。

https://www.waste360.com/recycling/greenpeace-vs-recycling-what-wasnt-said?eType=EmailBlastContent&eId=6e63321a-16e3-43df-8ee3-b9dc6a207001


PFAS汚染、神奈川も。川に流しても「日本政府は文句を言わない」

昨日の東京新聞によると、神奈川県の米軍基地でPFAS流出が相次いでいるそうだ。

「大和市と綾瀬市にまたがる米海軍厚木基地から9月下旬、PFASの一種の「PFOS」などが含まれる泡消火剤が誤って放出され、基地内を流れる蓼たて川に流れ込んだことが発覚した。その後も、米軍は基地内の調整池にためていた汚染水を蓼川に放流し続けていた」(東京新聞2022.10.30)

環境省も実際、2020年6月に蓼(たて)川が合流する引地川から、暫定目標値の4倍以上にあたるPFOSを検出したと発表しているとのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/210925/1

ミッチェル氏は、「日本政府は環境や人々の健康よりも日米地位協定を尊重している。ドイツや韓国など他国はもっと米軍の責任を強い姿勢で追及している。日本政府は、ほとんど文句を言わない」と話しているそう。

そういえば、ダイキンによる大阪・摂津市のPFAS汚染は、同社が日本では賠償も責任も拒否しているが、アメリカではPFAS汚染の和解金を4億円支払っている。なぜ日本では責任を認めようとしないのかと考えると、政府もメディアもPFASの危険性を国民に広く周知しないため、無関心な住民が多いためだと思われる。

このような環境ホルモン作用のある化学物質に甘い日本の未来と子ども達の将来がどうなるのか、とても心配だ。

また、同東京新聞によると、米軍は厚木基地や三沢基地で米軍は放射性物質を含む汚染水も、下水道に流しているそうだ。

<関連記事>

ジュビロ磐田、紙コップをわざわざプラ使用の使い捨てカップに変更?

ジュビロ磐田が、スタジアム内で使用する紙コップをLIMEX製に変更するそうだ。

https://www.jubilo-iwata.co.jp/newslist/detail/?nw_seq=8561

リユースカップに変更するならばわかるが、なぜプラスチックに石灰石を混ぜ込んだライメックスに変更する必要があるのか?さっぱりわからない。リユースでもなければ、生分解性でもないし、バイオマスでもない。つまり、最近よく聞く「3R+Renewable」の最後のRenewable(再生可能)でさえないのだ。

紙は木から作られるバイオマス製品だから、当然木を使う。ライメックスはプラスチックと石灰石の複合品だから、木を使わない。そんな当然のことを、さも変更したことがエコであるかのように宣伝する理由が理解できない。

日本にも、リユースカップを利用しているサッカースタジアムはある↓

https://www.reuse-network.jp/case/soccer/

変更するならばリユースカップに変更してほしかった。残念。

ピート・マイヤーズ博士「化学物質のテスト対象は赤ちゃん」。リサイクルを促進するプラ新法はまるでプラ使用促進法

化学物質に詳しいピート・マイヤーズ博士の講演動画が見られる。

1つ1つは短いが、1から4まで自動再生され、4本見られる設定だ。

プラスチックなどに使われる化学物質は事前にテストされることなく、世の中に出回っているとのこと。

そのため、合法的に人体実験されているようなもので、環境ホルモンなどは赤ちゃんを対象にテストしているようなもの。

プラスチックはリサイクルする度に汚染物質が溜まるので、サーキュラーエコノミーには馴染まない物質だという指摘も納得できる。

翻って、最近の日本のニュースによると、プラスチックリサイクルのesaがグリーンケミストリー分野の先進研究機関である京都大学大学院総合生存学館(思修館)と共同研究を開始するそうだ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000102225.html

この中でいわれている

「一般に使用されているプラスチックの多くは、多層プラスチックフィルムに代表されるように、機能・性能を持たせるために性質が異なる複数種類のプラスチックを複合して使用されています。しかし、複数種類が複合されたプラスチックのマテリアルリサイクル (廃プラスチックをそのまま原料にして、破砕・溶融などの処理を行った後に再生利用するリサイクル方法) 手法は確立されておらず、既存技術では再生原料として使用されることはほぼありません」

ということは、一般の人にはなかなか知られていない。

先日の環境省の人のセミナーでも、講師は

「昔と違って今は光を使ったセンサーなどで選別できている」

などとまるで自宅から回収したプラスチックの多くがリサイクルされているかのような説明をしていたが、そういう説明が一般の人の誤解を招いている。

確かに大昔に比べたら、リサイクル量は少しだけ増えた。最近のリサイクル工場は、センサーなど当たり前に装備している。だが、それでも複層の素材がリサイクルされることはなく、通常「残渣」として処理(熱回収)されている。

リサイクルをあまりに過大評価することは、プラスチックの使用を促進することに繋がる。

プラスチック資源循環促進法はまるでプラスチック使用促進法のように見える。

日本をダメにするプラ新法。市場は各国企業の草刈場に

プラスチック資源循環促進法には大きな欠陥がある。拡大生産者責任(EPR)の視点がないことだ。

そういうと必ず、国も同法に関わった研究者も「EPRは盛り込まれている」という。企業に自主回収を促しているからだ。

しかし、企業の自主回収などが本当に始まったら消費者は大変だ。これはあっちで回収、あれはこっちだ、とごみを持って右往左往しなければならない。

企業の自主回収などは、まったく現実的でない。

まともなEPRは、自治体が支払っている回収費用なども企業が支払うこと。つまり、回収からリサイクルまでの経済的負担を生産者が負うことだ。

物理的には自治体が回収などを行ったとしても、あくまでも責任は生産者にあるから、費用負担は生産者がすべき。そうでなければ、使い捨てなどは減るはずがない。

しかし、容器包装リサイクル法もプラ新法もそうなってはいない。

理由は、経済界が反対するからだ。EPRといっただけで、猛反発する事業者をこれまでいくつも見てきた。

その結果、製品プラスチックなどは、リサイクル費用もすべて自治体の責任だ。環境省などの説明は、製品プラは容器包装プラよりも生産者が多く、輸入品も多いから、捕捉しきれないので仕方ないという。

しかし、それは「やらない言い訳」に過ぎない。輸入品などは輸入業者に支払いを命じれば済むことだ。大手の輸入業者などそうは多くない。

最近、海外企業の日本進出が増えたように感じている。特に自国の規制が厳しい国からの進出が目立つ。

規制の緩い日本市場に進出し、使い捨て製品など自国では売れない安かろう悪かろうの粗悪品を日本で売りさばこうと思っているのではないか。どうせ処理は日本の自治体が税金を使ってやってくれると思われているのではないか、と心配している。

リタジャパン、プラ粒子が流出しない人工芝を開発。弾性材不使用

競技場などに敷く人工芝には通常、充填剤としてゴムチップや廃タイヤ、プラ粒子などが使われる。

そのため、人工芝はマイクロプラスチック流出の温床で、EUではまもなくこれら意図的に添加されるマイクロプラスチックは規制される予定だ。

リタジャパンがこの度開発した人工芝には充填剤として、ゴムチップなどの代わりに目砂が使われるそうだ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000052769.html

路盤はアスファルトではなく、砥石路盤にするとのこと。

人工芝を使う限り、完全な脱プラは無理だが、これまで川や海に流出し放題だったマイクロプラスチックなどの充填剤を使わないのはうれしい。

https://ritajapan.jp/service/rita-ecology-turf/

ケガもしにくくなるそうだ。

もちろん、天然の芝に超したことはないけれど、それが難しいならば、このような技術もよいかもしれない。

東京も沖縄もPFAS汚染。日本の規制は緩いまま?

分解が困難で自然界に長くとどまり続け、拡散し、生体内に蓄積するPFASは、「永遠の化学物質」だ。

そのPFAS(有機フッ素化合物)の血中濃度は、沖縄で全国平均の最大14倍とのこと。信じがたい数値だ。しかも水道水を飲んでいる人ほど高い傾向があるようだ。ペットボトルを使用しないエコな人ほど厳しい状況だ。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1041473

東京・多摩地域の人たちの血中濃度も、沖縄ほどではなさそうだが、やはり高い。そのため、「多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会」が今年8月に設立された。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/194662

近年は欧州だけでなく、世界的に規制が厳しくなってきた。アメリカでも昨年、PFAS規制を強化する方針が発表され、今秋にも新たな規制が公表される。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/06/3af2ad84751d41b8.html

アメリカの動向を見てから、日本のPFAS規制は決まるのだろうか?

PFASは環境ホルモンだから、せめて食品容器と調理器具、子ども用品、育児用品、化粧品などへの使用くらいは早急に禁じてほしいものだ。

(以下、追記)

ちなみに、ティナ・コル・イエンセン博士の講演(2022.8.3)によると、デンマーク政府は、食品の容器包装紙に含まれるPFAS の使用を禁止することを決定しているとのこと。全ての種類のPFAS について食品の容器包装紙への使用が禁止される。

EUにはまだこの動きはないが、いくつかの食品企業では自主的規制が始まっているそうだ。

<関連記事>

「古着でワクチン」は罪悪感なしでごみを捨てられるシステムか

「古着でワクチン」は、ワクチンを免罪符に、罪悪感なしでごみを捨てられるシステムではないか、と疑っている。

3300円払うと、Tシャツが100枚も入るキットが送られてくるとのこと。それに古着を入れて送ると、海外へ送られ、現地の雇用にも役立つそうだ。

さらに、同団体のウェブサイトによると

「「古着deワクチン」を注文するだけで、認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会を通じて開発途上国の子どもたちにポリオワクチンが届けられ、一口につき5人の命を救うことができます」

とのこと。

しかし、ポリオワクチンの値段は1人分20円ほどだろう。5人分で100円だ。差額の3200円は送料と人件費ということか?

それならば、3300円をそのまま途上国へ送り、支援する方がよいのでは?と思う。

利用者は、断捨離してさらに寄付もできた、とよい気持ちになれる。

しかし、以前と違い、今は途上国には古着が余っているだろう。アフリカやフィリピンに古着を寄付すると、喜ばれた時代が確かにあった。

近年はファストファッションが激増し、そこそこの品質の新品の衣類が世界中に出回っている。よい古着を本当に困っている貧困層に直接寄付するならばよいだろうが、たいていの古着市場は既に飽和状態だ。

余りすぎて、古着が野外でプラごみの山を築いている地域もある。古着の多くは合成繊維製で、プラスチックだ。

同団体は「ジャパンSDGsアワード特別賞」も受賞しているようだ。しかし、本当にSDGsに貢献したい人は、古着を送って断捨離するよりも、まず服を頻繁に買うのをやめる必要があると思う。

中米の川に一面のプラごみ

中米エルサルバドルにあるスチトラン湖の動画を見て驚いた。

まさに一面のプラごみで、水面が見えないほどだ。

ぜひ、ここのAFP通信の動画をご覧ください↓

「中米の河川や浜辺覆うプラスチックごみ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/b02f9297f1cad67146e932891d22168b4a773708

また、グアテマラを流れるモタグア川支流のラスバカス川からオモアに流れ着くプラスチックごみは、年間約2万トンで、大半はグアテマラ首都のごみ埋立地から流れ出したものとのこと。

ということは、このスチトラン湖のプラごみも、ごみ埋立地から流れ出したものだろうか。

そうであれば、ごみ処理インフラの整っていない国に、プラスチック入り容器に入った製品を売ったり、あるいは「リサイクル」名目で廃プラを輸出したりするのは、まさに「環境犯罪」だ。

美容師さん、マニキュアを使わないで!フタル酸エステルも怖いし

先日美容院でひどい目に遭った。長い爪で頭を引っ掻かれたのだ。

洗髪というより、まさに頭皮を引っ掻かれた感じ。痛みのあまり椅子から飛び上がってしまった。

「痛い!」というと、「では力を入れないようにします」とのこと。それからしばらくは撫でるような洗い方に変わった。「気持ちの悪いところはありませんか?」と聞かれ、全体に気持ち悪くて仕方がなかったが、一刻も早く帰宅して洗い直したかったので「ありません」と答えた。

本人には爪で引っ掻いたという意識は皆無だったようで、彼女曰く私の会員カードに「シャンプーは弱めに、と書いておきますね」だと・・。

私は弱めのシャンプーが好きなわけではなく、単に爪が痛かったのだ。指の腹で強めに洗ってもらえるならそれでいい。そう説明しつつ、ふと彼女の手を見たら、爪に赤や黒のマニキュアが施されていた。

以前、きれいなネイルアートをしたやはり爪の長い人にシャンプーされたことがある。その人は自分の爪の長さをわかっていたようで、爪が当たらないように洗髪してくれた。それでも時々爪が当たり不快だったが、苦情をいうのもはばかられ、ガマンした。

しかし、先日の美容師さんは、自身の爪の長さに無自覚・無頓着。思い切り爪を立てた。

職業柄、非常にマズイと思うが、マニキュアにはフタル酸エステル類も入っている。

フタル酸エステル類には内分泌かく乱(環境ホルモン)作用がある。本人の健康にも悪いけれど、もしその人に小さい子どもがいたらもっと悪い。フタル酸エステル類は、子どもの脳に損傷を与えるとか、早産を引き起こすとか、早死にリスクに関与しているなど、さまざまなことが指摘されている。

さらに、もしその子が男の子だとしたら、まさに「生殖危機」だ(これについては、シャナ・H・スワン著『生殖危機』(原書房, 2022年)をご参照ください)。

ネイルアートを楽しみたい人は、美容師になるべきでない。さらにいえば、子どもを産み育てたい人や、子どもと一緒に暮らしている人は、マニキュアをすべきでない。

仮にフタル酸エステル類フリーのマニキュアがあったとしても、代替品の安全性は証明されていない可能性が高い。