遅れいているスコットランドの飲料容器(ボトルと缶)のデポジット制度が、いよいよ今年11月から段階的に開始される。最終的には2023年8月までに完全に機能させるそうだ。
オークニー諸島出身のスコットランド議会のリアム・マッカーサー議員によると、オークニー諸島の一部で今年後半に制度をスタートさせるとのこと。
デポジット(保証金)は20ペンスになる予定だ。
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遅れいているスコットランドの飲料容器(ボトルと缶)のデポジット制度が、いよいよ今年11月から段階的に開始される。最終的には2023年8月までに完全に機能させるそうだ。
オークニー諸島出身のスコットランド議会のリアム・マッカーサー議員によると、オークニー諸島の一部で今年後半に制度をスタートさせるとのこと。
デポジット(保証金)は20ペンスになる予定だ。
今年1月、ケビン・ケイヒル下院議員はNY州の飲料容器のデポジット制度を拡大する法案を提出した。
州議会で可決されれば、同州の飲料容器のデポジット金額は5セントから10セントに上がる。また、法案にはデポジット制度の対象となる容器の種類を増やすことも提案されている。
この法案は、環境団体から支持されているそうだ。
<出典>
イギリスで、リプトンアイスティとアクアプラウォーターの広告が話題になっている。
リプトンアイスティのポスターに書かれた「おいしく、さわやかで、100%リサイクルされています」というフレーズが、広告基準局(ASA)の広告コードに違反しているそうだ。
理由は、ボトルはリサイクルされた材料で作られているが、キャップとラベルはバージン材が使われていたため。
ポスターには、小さく「キャップとラベルを除く」と書かれていたそうだが、消費者に間違った印象を与えかねないため、違反だということのようだ。
このようなことが問題になるならば、日本の広告の多くもかなり問題になりそうだ。イギリスでは、ずいぶんとレベルの高い議論をしている。
<出典>
スロバキアに続き、ラトビアでも2月1日から飲料制度のデポジット制度が開始される。対象は、ガラス、プラスチック(PET)、金属(缶)の容器。
ペットボトルは返却の際、キャップ付きでもキャップなしでも返金を受けられるが、推奨されているのはキャップ付きだそうだ。
理由は、その方がキャップもリサイクルされるので、よりクリーンな環境を保つことができるためとのこと。また、キャップを付けたままの方が、ペットボトルが最初の形状を維持したまま回収されるためだそうだ。
日本のようにキャップが散乱ごみになりやすいのを承知の上で、その方がボトルをリサイクルしやすいからと、キャップをはずせ、ラベルを剥がせ、などと消費者に馬鹿げた要求をしないところがよい。
日本の環境政策は本当に遅れている。環境よりもメーカーを守ることを優先しているためではないか。
<出典>
今年(2022年)いよいよスロバキアでは、飲料容器(アルミ缶、ペットボトル)を対象にデポジット制度が開始されたようだ。デポジット(保証金)が上乗せされるボトルや缶には特別な「Z」文字が付けられる。まだZの文字がついていない容器を持参してもデポジットが上乗せされていないため、リファンド(返金)は受けられない。
デポジット制度開始前のスロバキアでの回収率は約60%だが、制度導入後には、同制度を採用している他の国々と同様に90%になる計画だ。
ヨーロッパでデポジット制度を既に導入している国は、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、エストニア、ドイツ、オランダ、リトアニア、クロアチア、ノルウェー、アイスランド。今後も導入国は増えそうだ。
<出典>
<追記>
スロバキアでは、月曜(1月3日)から容器をスーパーに戻せるようになったとのこと。スロバキアは中央ヨーロッパでデポジット制度を導入した最初の国となった。EUでは8番目だそうだ。
<出典>
Slovakia first country in region to adopt deposit scheme for plastic bottles
動画「不滅のペットボトル」を見た。最後にペットボトルがウインクするところが、正直キモい。
この動画は、なぜか気持ちを逆なでする。ペットボトルがヒーロー面しているからだろうか?
プラスチック汚染問題は日々深刻さを増している。昨年のトロント大学などの研究チームの発表によると、プラスチックごみの約11%が海に流出しているそうだ(2016年のデータを元にした推計)。ペットボトルも多数流出していることは間違いない。
2010年のデータをもとにしたジャムベックらの報告よりも、海洋へのプラスチック流出量はさらに増えている。
こんな深刻な事態なのに有効な手を打つことなく、ペットボトルをさもヒーローのように扱うこの広告は、どういう意図で作られたものだろうか。
せめてデポジット制度でメーカーが真剣に回収してくれていれば、これほど腹が立つこともないのだろうけれど・・。ペットボトルは「不滅」でないほうがいい。
「不滅のペットボトル」(全国清涼飲料連合会)↓
breakfreefromplasticの2021年レポートによると、2021年のプラスチック汚染企業は、「コカ・コーラカンパニー、ペプシコ、ユニリーバ、ネスレ、プロクターアンドギャンブル、モンデリーズインターナショナル、フィリップモリスインターナショナル、ダノン、マース、コルゲートパルモリーブ」とのこと。
コカコーラは、「販売量と同等量を回収」などという「2030年ビジョン」を大々的に掲げていながら、今年も汚染トップ。これで4年連続だ。
しかし、「ESGブランド調査」によると、コカコーラは5位。この手の調査結果は、環境団体の認識とはかけ離れているようだ。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00159/100600034/
イメージ戦略はうまいが、拡大生産者責任(EPR)は果たすつもりがないのだろうか。サスティナビリティをうたいながら、200mL前後の超ミニボトルを量産し、回収責任を果たさない・・。グリーンウォッシュを疑いたくなる。
そういえば、コカコーラはかつて日本で「空き缶公害」が問題になった際、汚染トップ企業だとして当時の若者たちが問題にした会社だ。当時の新聞によると、若者達は拾ったコカコーラの空き缶をトラックにいっぱい積み込んで、本社前に乗り付け、コカコーラに空き缶の買い取り要求をしたという。
その当時から会社の体質は何も変わっていないということか。回収責任をきっちり果たしてほしい。
<出典>
https://www.breakfreefromplastic.org/wp-content/uploads/2021/10/BRAND-AUDIT-REPORT-2021.pdf
米カリフォルニア州の飲料メーカーは、再生PET樹脂の調達に苦労しているそうだ。カリフォルニア州では、来年(2022年)までに使用済み樹脂(post-consumer recycled resin:PCR)を少なくとも15%以上使用したボトルを使うことが定められている。しかし、コカコーラなど多くのボトラーがその基準をまだ満たしていないという↓
再生PET樹脂は、ランニングショーツや靴などの材料としても引き取られているため、ボトラーは買い負けているようだ。さらに、同記事によると、コカ・コーラノースアメリカのPCR率はわずか10%だ。これはカリフォルニア州の基準も満たしていない上、2030年までにすべてのパッケージに50%のリサイクル材料を使用するという目標をもはるかに下回っている。
米コカコーラは2018年1月、2030年までには同社のペットボトルや缶などの容器相当量を100%回収し、リサイクル素材の含有率を平均50%のペットボトルを作ると発表していた。
日本のコカコーラも似たようなビジョンを発表したが、微妙にトーンダウンさせたものだった。しかも日本政府は、そのような達成すべき明確なPCR率目標を決めていない。プラスチック資源循環戦略には、単に「2030年までに再生利用を倍増」という曖昧な目標が設定されているだけだ↓
https://www.env.go.jp/press/files/jp/111746.pdf
米コカコーラが、同社の2030年ビジョンを達成しようと思えば、アメリカ全体でデポジット制度にしないと無理ではないだろうか。
日本企業も最近サーキュラーエコノミーを意識して、再生樹脂利用に前向きだ。いろいろ発表しているが、おそらく国内よりも海外を意識してのことだろう。
カリフォルニア州の基準を満たし、来年、同州に飲料を輸出できる日本のボトラーは何社あるだろうか?
目先の回収費用を惜しんで、ペットボトル回収などをいつまでも自治体任せにしているようでは、日本の飲料メーカーはやがて海外へ飲料を輸出できなくなる。質の高い再生樹脂の調達が難しくなるだろう。
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数年前、日本を含む8ヶ国に暮らす人の便からマイクロプラスチックが検出されたことが話題になった。
まだ実験的な研究だったため、その後続報を待ったが、すぐにはなかった。しかし、ここしばらくの間に報告が相次いでいる。
男子学生の便からマイクロプラスチック プラ容器入り飲料利用者はマイクロプラが多い可能性
今年発行されたSceience Directによると、北京に住む男子学生24人中23人の便からマイクロプラスチックが見つかった。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969720378761
ポリプロピレンが最も多かったとのこと。20マイクロメートル以上のマイクロプラスチックを対象に調べたようなので、数は多くなく、1グラムあたり1個から36個だった(サイズは20から800マイクロメートル)。
男子学生たちは3日間の水分と食物摂取を記録されていたため、ある程度の因果関係もわかったようだ。プラスチック包装に包まれた水や飲料の摂取量と便の中のマイクロプラスチックの量の間には中程度の相関関係があったそうだ。やはりペットボトルなどプラスチック容器入りの水分を摂取している人ほど、マイクロプラスチック摂取量は多そうだ。内側をプラスチックでラミネートされた紙コップでコーヒーなどを飲んでいる人も、マイクロプラスチックを多く摂取しているものと思われる。
乳児は大人より多くのマイクロプラスチックにさらされている
また、最近では新生児と乳児の便も調べられている。
米ニューヨーク大学医学部の研究者らが、1歳の乳児と成人の便の中のマイクロプラスチック(PETおよびポリカーボネート)を調べたところ、乳児の便から成人の10倍もの数のマイクロプラスチック(PET樹脂)を検出したということだ。同様にポリカーボネートも調べられたが、この樹脂については赤ちゃんも成人も似たようなレベルだったそうだ。
多いことが予想されるポリプロピレンなどの樹脂は、紙おむつに使われる樹脂と紛らわしいため、この検査から除外された。
https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.estlett.1c00559
胎便からもマイクロプラスチック
また、同じ研究で新生児の胎便も調べている。少なかったそうだが、マイクロプラスチックが検出された。以前、イタリアでの研究で、胎盤からのマイクロプラスチック検出報告があったので、母胎から胎児へのマイクロプラスチックの移動は予想されていた。
ラットでは母体から胎児へプラスチックが移動することが、実験により証明されていた。しかし、人間の場合「胎盤で阻止できているかも」という甘い期待もあったが、やはりラットと同様、胎盤では阻止仕切れないマイクロプラスチックが胎児へ移動していたのだ。
ヤフーニュース「マイクロプラスティックは、乳児の体内にも蓄積されている」↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/e62a232cf03a8dc2bbbd7d46a3ed328da14600d7
大気汚染エリアはコロナ死亡率が高い マイクロプラが多いエリアも?
子ども向けの食器やオモチャはプラスチック製が多い上、ベビーケア製品にまで意図的にマイクロプラスチックを添加したものがある。しかも、子どもは低いところで生活するため床のほこりなどを大人より多く吸い込む。それらのことを考えると、大人より多く摂取しているのは当然だろう。
子どもの将来的な影響が心配だが、目先の心配としては新型コロナがある。大気汚染地域では、新型コロナの重症化リスクが高いという報告があった。米ハーバード大学の研究で、PM2.5の高濃度エリアでは新型コロナによる死亡率が高かったのだ。
つまり、マイクロプラスチックが大気中に蔓延しているエリアでは、子どもも大人もコロナ感染症を甘くみてはいけないということだ。
早急にプラスチックを減らす必要があるが、岸田新総裁は何か対策を考えてくれるだろうか?
ごみ減量に意欲的に取り組んでいる京都市でも、家庭から出されるプラスチックごみが増えている。
昨年のプラスチック製容器包装が前年比で5.2%の増加、「缶・びん・ペットボトル」が同6.4%の増加だ。新型コロナ感染症流行によるものと思われるが、なぜ自宅にいる機会が増えたのに、缶・びん・ペットボトルの消費量が増えるのかよくわからない。来年には落ち着いて、また減少するだろうか?
京都市のごみ量の推移↓
https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000158/158436/R2_gomiryosuii.pdf
マイクロプラスチックよりもウィルスの方が怖い、ということで、昨年からなんでもかんでもプラスチックで包装されている。そのため、全国の自治体で、プラスチックごみ量が増加している。
しかし、マイクロプラスチックを高濃度に吸い込むと、新型コロナは重症化しやすい可能性がある。アメリカのハーバード大学の研究で、PM2.5の濃度の高い地域では、コロナで死亡する人が多いことがわかったのだ。
また、「乳児の体内にもマイクロプラスチックが蓄積されている」という報道もあるが、これほどプラスチックに囲まれた生活を送っていると、人間が体内に取り込むマイクロプラスチック量も最近は増えているだろう。
長期的な健康のためには、新型コロナ対策はプラスチックに頼るべきではないことは確かだ。もちろん、消毒液の噴霧はもっとアブナイ。ではどうするのがよいか、悩ましい。