英研究チーム、新種の深海生物からPET樹脂発見

英ニューカッスル大の研究グループが、太平洋のマリアナ海溝で新種の甲殻類を見つけた。そのうち1匹の幼生の消化管からPET樹脂のマイクロプラスチックを発見したそうだ。

水深6000メートルを超える深海とのこと。深海生物のマイクロプラスチック汚染は以前から報告されているが、新種の生物までもが汚染されていた。

以下、共同通信の記事を転載↓

グループは、2014年11月、米国のシュミット海洋研究所の調査船を使って、太平洋のグアム島に近いマリアナ海溝の6010~6949メートルの深海で多数のオキソコエビの仲間を捕獲した。この中から遺伝子や形態の分析から新種とみられるオキソコエビの成体3匹、幼生8匹を発見した。

1匹の幼生の消化管から、長さ約650マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の繊維状のマイクロプラスチックが見つかった。ペットボトルや合成繊維などに使われるポリエチレンテレフタレート樹脂とみられるという。

<出所>

日本経済新聞(2020.4.2)「新種の深海生物にプラ粒子 6千メートル超のマリアナ海溝 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57549270S0A400C2CR0000/

 

誰がクジラを殺した?クジラの胃から100キロのプラごみ

英国スコットランドの海岸で11月に見つかったクジラの死骸を解剖したところ、お腹からロープやペットボトル、コップ、手袋など100キロものプラスチックごみが見つかったという。

100キロものプラスチックごみを飲み込んでいたのは、まだ10歳の若いクジラで、ハクジラの一種のマッコウクジラだ。ヒゲクジラは、ヒゲ板でエサをこしとるため、これ程のプラスチックを飲み込むことはないそうだ。

私たちがプラスチックを使い続け、海底に大量のプラスチックが沈んでいる限り、クジラの悲劇は終わらない。

海洋生分解性プラスチックも、海ですぐに分解するわけではないから、このような悲劇を終わらせる役には立たない。

社会システムが適切に整備されていれば、散乱ごみはそんなにひどいことにはならないはずだ。クジラを殺したのは、ごみを捨てた人だけの責任ではない。

プラスチックは大変便利で、現時点ではある程度は必要だと思われるが、パンドラの箱を開けてしまったような気がする。

早急かつ抜本的なプラスチックの大幅削減政策と、漁具や容器にはデポジット制度を中心とする徹底した回収・再利用政策が必要ではないか。

<参考>

SPUTNIK(2019.12.3)「スコットランドでマッコウクジラの胃の中から100キロのゴミ発見」↓

https://jp.sputniknews.com/incidents/201912036885623/

ナショナルジオグラフィック(2019.12.11)「クジラの胃に100kgのごみ、なぜプラごみ食べる?」↓

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/120900714/

 

 

ハワイの日焼け止めクリームの禁止成分が、日本の「無添加」商品にも入っていた

ハワイ州では、2021年1月から法律でオキシベンゾンとオクチノキサートの入った日焼け止めは禁止される。オクチノキサートは「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」という名称で、日本で販売されている日焼け止めにも広く使われているそうだ。

確かに、日本のドラッグストアーで売られている日焼け止めクリームを見てみたところ、その多くに、このメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが入っている。

ショックだったのは、「無添加」とか「食品成分」などと書かれていたため愛用していたマミーUVケアシリーズの日焼け止めにまで「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」が入っていたこと。よく読むと、無添加とは「無着色・無香料・防腐剤フリー・無鉱物油・アルコールフリー」の意味だった…。

ハワイでの禁止は、サンゴの赤ちゃんの育成を妨げるなどのためだが、人間への影響も懸念してのことかもしれない。

ヨーロッパでは、以前からこれらは環境ホルモンだと指摘されているし、アメリカでも日焼け止めの化学物質は、体内に吸収されてしまう、と専門機関が指摘している。

特にスプレータイプとローションタイプは、「血液中の化学物質のレヴェルは塗布をやめても実験終了まで上昇し続けた」とのことだから怖い。

少なくとも、紫外線吸収剤や香料は避けたい、と思っていたところ、ハワイ土産に日焼け止めクリームをもらった。

まずその大きさにビックリ!見ると、8FL OZ(236mL)もある。

普段通りの量を塗ると、若干白残りするため、少なめのほうがよいようだ。ノビが良いため少しだけでも十分。防水時間は80分とのこと。

紫外線吸収剤はもちろん、環境ホルモンだといわれているパラベン(防腐剤)や香料も入っていない。

日本ならば、自然食品店などにしか売られていないようなものが、一般の店で普通に安く買えるのがうらやましい。

 

<参考>

「日焼け止めの化学物質は体内に吸収され、血液中に流れ込んでいた:米当局の臨床試験から明らかに」↓

https://wired.jp/2019/05/08/sunscreen-chemicals-soak-all-the-way-into-your-bloodstream/

 

シカのプラごみ誤食と「おもてなし」ごみ回収

奈良公園のシカは以前からレジ袋や菓子袋などを誤食し、被害を受けているが、その被害が急増しているとのこと。

今年3月〜6月に原因不明で死亡したシカ14頭中9頭の胃からプラスチックごみが見つかったそうだ。

公園近くのスーパーのレジ袋が有料化されれば、多少被害は減るかもしれないが、小さい店のレジ袋は有料化されそうもないから、被害は減らないかもしれない。

その被害のこともあってか、奈良市が始めたのは観光客の小型ごみの無料引き取り「もてなし×エコ」だ。

「回収協力店」に月5000円を支払い、観光客のごみを対面で受け取ってもらう。この5000円は、協力店が受け取ったごみを「事業系ごみ」として、有料で回収に出す時に使うことが想定されている。

小型ごみは、ペットボトルとか飲料缶などを想定しているらしいが、本来これらはメーカー責任で回収すべきもの。

奈良市がこれをするならば、同時に、強く国に「拡大生産者責任」を求めて欲しいものだ。

観光客が使い捨てたペットボトルや飲料缶の回収費用まで、税金で負担されては、一般市民はたまったものではない。

<参考> 奈良新聞(2点)↓

奈良市のおもてなし

 

クジラ漂着相次ぐ、神奈川県内の海岸

神奈川県内の海岸で、クジラの死骸が相次いで見つかっている。

2019年5月21日午後5時過ぎ、鎌倉市材木座海岸で約8メートルのオスのザトウクジラと見られる死骸が打ち上がっていたとのこと。

クジラは既に腐敗が進み、頭部や尾びれがなかった。

また、22日午前6時頃には、横須賀市の東京湾に面した北下浦海岸で、約6メートルのクジラの死骸が打ち上げられているのが見つかった。

腐敗が進んでいることから、横須賀市は現場に穴を掘って埋める方針とのことで、解剖はしないようだ。

イタリアやアメリカの東海岸でもクジラの漂着が相次いでいると聞く。

イタリアではプラスチックごみを食べたことが原因であるとみられるクジラの死骸も漂着している。米東海岸では、船舶との衝突や漁網への絡まりが原因のようだ。

<参考>

TBS NEWS(2019.5.22)「海岸にクジラの死骸 相次ぐ」

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3679758.html

exciteニュース(2019.5.22)神奈川県で相次ぎクジラ死骸打ち上げ、最近の事例とその後の地震

https://www.excite.co.jp/news/article/Jishin_news_12720/

朝日新聞デジタル(2019.5.22)「横須賀の海岸にもクジラ漂着? 体長6mの死骸を発見」

https://digital.asahi.com/articles/ASM5Q3RD9M5QULOB00H.html

CNN(2019.5.21)「シチリアにクジラの死骸漂着、プラスチックで胃が詰まる?」

https://www.cnn.co.jp/world/35137251.html

 

高まる海洋生物の絶滅リスク、温暖化に乱獲が拍車をかける

近頃、生物の絶滅についてのニュースが多い。例えば、温暖化が原因で絶滅した初めての哺乳類として、オーストラリアの「ブランブルケイ・メロミス」が最近話題になった。

サンゴ礁の島に住んでいた哺乳類で、1978年には数百匹が生息していたが、海面上昇で度々浸水したことから、植物が減り、生息域を失ったことが原因だという(東京新聞2019.5.4)。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050402000153.html

島は約四ヘクタールで、標高三メートルほど。二十世紀末から海面上昇でたびたび浸水。植物が減り、生息域をほとんど失っていたといいます。
国連の科学者組織が六日、報告書を発表する予定です。報道によると、この報告書は「地球上には現在、約八百万種の生物が生息しているが、今後、五十万種から百万種が絶滅の危機にさらされる」「生物多様性の損失と地球温暖化は密接に関連」と指摘します。温暖化で滅びる生物が百万種類になるかもしれないというのです。

陸上生物よりも海洋生物は、絶滅リスクが高いという研究成果も発表された。

米ラトガース大学のチームが400種以上の変温動物を対象に、気温上昇の影響を海と陸で比較したところ、海洋生物のリスクが強く示されたとのこと。海水温が上昇すると、海洋生物は逃げ場がないそうだ。(ナショナルジオグラフィック2019.4.27)

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/042500255/

ピンスキー氏らは海の変温動物88種と陸の変温動物318種の「温度安全域」を計算し、どれくらいの温暖化に耐えられるか、限界はどこかを割り出した。その結果、最も安全域が狭いのは、赤道付近の海洋生物と中緯度に生息する陸生生物だとわかった。

現在の温度でも、多くの変温動物には暑すぎる。論文によれば、温暖化の結果、最も海水温が高い場所では、海洋生物の半数以上がかつての生息地から姿を消しているという。こうした局所絶滅の割合は陸生生物の2倍に達する。

さらに、世界第2位のコウテイペンギンの繁殖地で、ヒナが3年連続してほぼ全滅というニュースもあった(AFP2019.4.26)。

https://www.afpbb.com/articles/-/3222720

これらニュースの中でも、とりわけ気になるのが、日本近海の漁業資源が温暖化で激減し、それに乱獲が追い打ちをかけているというニュースだ(CNN2019.3.1)。

米ラトガース大学の研究チームが、世界の漁業と海面温度に関する統計をもとに、1930~2010年の温度変化による持続可能な漁獲量の変動を分析したところ、地球温暖化が世界の漁業資源に重大な影響を及ぼしていることが分かったという。

「特に減少が激しかったのはアジア近海地域で、東シナ海や日本近海の黒潮では、過去80年の間に漁業資源が15~35%減っていた」とのことである。

https://www.cnn.co.jp/world/35133541.html?fbclid=IwAR1QYjy1v-T_izTeA2R55bGrWMyFd9gjFPmLMUhrMF4JWYsjWqizZpG2B24

<補筆>

中日新聞(2019.5.7)「100万種、絶滅の危機 国連警告」

https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019050702000063.html

国連の科学者組織が6日、世界で約100万種の動植物が絶滅の危機にひんし、人の活動に伴う生態系の喪失がかつてない速度で進んでいるとの評価報告書を発表した。

「絶滅の速度は、過去一千万年の平均と比べ数十~数百倍と推定され、評価対象の四分の一に当たる百万種が絶滅の危機にある。陸上の五十万種は生息地が脅かされ、両生類の40%以上と、サメと海洋哺乳類のそれぞれ30%程度が絶滅の恐れがある」とのこと。

さらに、「地球温暖化対策の「パリ協定」の目標を達成し、産業革命前と比べた気温上昇を二度に抑えても、サンゴ礁の面積は1%未満まで縮小すると予測。海洋プラスチック汚染は一九八〇年から十倍に増え、ウミガメや海鳥、海洋哺乳類など二百六十種以上に悪影響を及ぼしている」と分析された。

ガラパゴスの生物もプラスチックを摂食、紙オムツで巣作りも

ガラパゴス諸島にもプラスチックごみが漂着し、それを生物が食べているそうだ。

紙オムツやレジ袋で巣作りをする海鳥もいるとのこと。

紙オムツは高分子ポリマーの塊。巣作りの素材として、使い勝手はよいのかもしれないが、危険性はないのだろうか。ヒナが誤って口に入れることもありうる。

ガラパゴス諸島の生物の将来がとても気になる。

以下、AFP通信↓

公園管理当局では、ごみの影響を受けた動物に関する記録簿を作成している。これまでに、使用済み紙おむつやレジ袋を使って巣作りをする海鳥のコバネウや、ごみの山に埋もれた状態で見つかったカツオドリの死骸などが記録されている。

<出所>

AFP通信(2019.3.27)「ガラパゴス諸島固有の動物相、プラスチック微粒子が脅威に」

https://www.afpbb.com/articles/-/3217879

韓国の川で奇形魚が急増、原因は合成香料か?

韓国の川で奇形魚が急増し、原因としてムスクケトンが疑われているようだ。
ムスクケトンはジャコウの香りをもつ合成ムスクの一種。

日本では既に禁止されているようだが、簡単に買えるようなので注意したい。

やはり合成香料は怖い。

日本の魚は大丈夫だろうか?

<出所>
livedoor NEWS(2019.4.10)「韓国の漢江河口に奇形魚が急増 日本などで禁止された物質が影響か」
http://news.livedoor.com/article/detail/16295167/

お母さんクジラのお腹からプラごみ、胎児も死亡

先週、イタリアの海岸に打ち上げられたクジラのお腹から22キロものプラスチックごみが見つかった。
子宮からは死んだ胎児も見つかったという。
見つかったプラごみは、ごみ袋や漁網、釣り糸、チューブ、洗濯用洗剤の袋など。

<出所>
CNN.co.jp(2019.4.2)「クジラの死骸から22キロのプラスチック、胎児も死ぬ イタリア」
https://www.cnn.co.jp/world/35135095.html

クジラ、40キロのプラごみを食べ死亡 

一瞬、4kgの見間違いではないかと目を疑った。
しかし、間違いではなかった・・
フィリピンで、住民が弱っているクジラを見つけた。
通報したがクジラは死亡。解剖したところ、40kgものプラスチックごみを飲み込んでいたという。
クジラは、「死ぬ前に血を吐き続けていたとみられる」(HUFFPOST)とのこと。
死因はプラスチックの誤食により、栄養不足で衰弱したとみられ、体内から出てきたプラスチックごみは、
「大型の米袋16個、バナナ農園で使用するようなバッグ4個、ショッピング袋やスナック菓子の袋類というプラゴミに加えてナイロン製のロープなど」で、
「死亡したクジラはまだ若いアカボウクジラで全長約4.6メートル、体重は約500キログラム」(Newsweek)

クジラは、フィリピン製のごみだけ食べていたわけではないだろうし、たまたまフィリピンで見つかったのだろうが、米袋やバナナ農園の袋は東南アジア由来である可能性が高い。
日本も大きなことはいえないが、フィリピンやベトナムはプラスチック対策が遅れている。
早急に対策を進めるべきだ。

もちろん東南アジアだけでなく、日本や中国、韓国も、まだまだ取組は十分とはいえない。
まもなく正式に発表される日本のプラスチック資源循環戦略は、あまりにも不十分だと言わざるを得ない。

<出所>
Newsweek(2018.3.20)「またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/03/post-11862.php

HUFFPOST(2018.3.20)「フィリピンに打ち上げられたクジラの死骸 40kg分のプラスチックを飲み込んでいた」https://www.huffingtonpost.jp/entry/whale-plastic-environment_jp_5c91a5d5e4b0f7ed945d7470