環境省、使用済み紙おむつリサイクルのガイドライン発表

環境省が、使用済み紙オムツのガイドラインを発表した。

紙オムツは使い捨てだから布オムツの方が望ましいのはいうまでもないが、赤ちゃん用はともかくとして、大人用紙オムツは高齢化社会の必需品だろう。

そうであれば、焼却よりもリサイクルの方が望ましい。脱焼却・脱埋立を目指すゼロ・ウェイスト政策を実現するためにも、紙オムツのリサイクルは欠かせない。

もちろん、リサイクル施設からマイクロプラスチックが漏れ出すことのないように万全を期す必要があるし、コストや環境負荷、衛生面などクリアしなければならない問題は多い。

紹介事例の中で、リサイクルする場合と焼却の場合のCO2比較やコスト比較をしているケースがあり、参考になる。

日本での事例として、福岡県大木町、鹿児島県志布志市、鳥取県伯耆町を紹介している。鳥取県伯耆町はリサイクルというより熱回収だが、これはこれで参考になる。焼却炉老朽化に伴い、可燃ごみを減らすための策として始めたようだ。小さい町でも可能であることに勇気づけられる。

イタリアの技術も紹介されている。「焼却と比べ、1 トンの使用済紙おむつあたり 388kg の二酸化炭素減少となる」「リサイクルは、95%可能であり、残りの 5%は焼却して、熱高圧加水分解装置に注入する蒸気の発生に使用」(p.60)と試算されているそうだ。

<参考>

環境省「使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドライン」

http://www.env.go.jp/press/files/jp/113702.pdf