ペットボトル、海外では規制が進んでいるが、日本では奨励?

海外では、ペットボトル販売をやめる小売店や小型ペットボトルの販売を規制する国や地域が増えている。

例えば、マサチューセッツ州では、コンコードが2013年1月から使い捨てボトル入り飲料水の販売を禁止したが、続いて小型ペットボトル水の販売を禁止する自治体が増えているそうだ(調べたところ、コンコードに隣接する町であるサドベリー(2017年5月)とリンカーン(2018年3月)でコンコードと同様の条例が議会を通過したようだ。他の町でも禁止令が提案されたが、通過しなかったらしい)。

毎日新聞(2018.12.19)によると「米マサチューセッツ州の町は次々と小型ボトルの販売を禁止」と書かれている。また、「ニューヨーク市では市の公園やゴルフコース、海岸での使い捨てプラスチックボトルの販売を禁止する法案が提案された」とのこと。

しかし、日本ではペットボトル業界の圧力が強いのか、はたまた消費者ニーズが高すぎるためか、ペットボトルは増加する一方だ。飲料分野では「ペットボトル削減」は一顧だにされない。

挙げ句に、環境省は「プラスチック・スマート」キャンペーンの一環として、「みんなで海ごみ集めて、G20 署名式典のTシャツに!」という企画をすすめているようだ。拾ったペットボトルでTシャツを作り、各国首脳陣や他の参列者らが、そのおそろいのTシャツを着て式典に参加するということだろうか?

何か違うのではないか。プラスチック・スマートというならば、「プラスチックを使わない」「マイクロプラスチックを出さない」ことが前提のはず。

ペットボトルで作ったTシャツならばポリエステル製。洗濯の度にポリエステルのマイクロプラスチックが発生する。

ごみ拾いは別に進め、おそろいのTシャツを作りたいならば、綿で作ればよい。わざわざ式典で、ペットボトルを美化するようなパフォーマンスをする必要はない。

これではまるで、「プラスチック・スマート」キャンペーンで、マイクロプラスチックの発生を奨励しているようなもの。

プラスチックの使用を減らしたいときに、いかにリサイクル品といえども、わざわざプラスチック製品を作って配る必要はない。

*おそらくこの取り組みを考えた企業は善意からだったのだろう。海岸や川で拾われたペットボトルは汚れているため、たいていは焼却ごみ。それを拾っているNGOなどから着払いで回収しリサイクルする、という発想事態は高く評価できる。しかし、衣類や使い捨て製品以外のもの(もちろん無料配布用のキーホルダーなども問題外)にリサイクルしてほしい。

<参考>

「プラスチック・スマート」↓

http://plastics-smart.env.go.jp/cases/

WIKIPEDIA:Bottled water ban;

https://en.wikipedia.org/wiki/Bottled_water_ban

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