オーストリアがデポジット制度を導入、リユースできる容器を義務化

画期的なニュースが飛び込んできた。

オーストリア政府が2023年から飲料の4分の1を詰め替えボトルで販売することを義務化する計画を立てているそうだ。

2年後にはこの割当は40%にまで引き上げられ、2030年には55%に引き上げられる。つまり飲料容器の半分以上はリユース容器になるということだ。

おもにはガラスビンを念頭に考えられているとのこと。

現在、オーストリアは詰め替え可能なペットボトルだけがデポジット制度の対象だ。だが、計画では、使い捨て飲料容器もデポジット制度の対象にする。

政府のこれらの計画に対し、グリーンピースやグローバル2000、WWFなどの環境団体は歓迎しているが、オーストリア連邦経済会議所は、お金がかかることなどを理由に反対している。

経済界が反対するため、日本でもこの手のことはこれまでできなかったが、今後は日本もやらざるを得なくなるはずだ。

<オーストリアに関する出典>

EUWID(2020.7.9)

https://www.euwid-recycling.com/news/policy/single/Artikel/austria-plans-deposit-for-single-use-beverage-containers-brquota-for-refillable-bottles.html

言行不一致を指摘され、仏エビアンはミニPETボトル生産中止 日本では継続?

たまたま検索をかけていて、日本では220mLのミニペットボトル入りエビアンを伊藤園が売っていることに気が付いた。脱プラといいながら、日本ではペットボトルの小型化が進み、人気は衰えていないようだ。

フランスでは2019年6月、署名サイトchange.orgで、ある消費者がエビアンのブランドを展開するダノンの言行不一致を指摘し、小型の水ボトルの生産停止を訴える署名を開始した。

ダノンは「地球は1つ(ワンプラネット)」と環境重視の姿勢をアピールしながら、エビアンの200mLのミニボトルを売っていることの矛盾を糾弾されたのだ。

署名は15万5595筆も集まった。消費者の声に押されたエビアンは、2019年末までに小型ペットボトルの生産停止を発表した。

以前このニュースを知った時、日本でも小型のエビアンは販売中止されたのだろうと思っていた。しかし、日本とフランスは販売する会社が違う様で、今みたら220mLのペットボトル入りエビアンが伊藤園から今でも売られている。330mLや500mL入りも売られている。

わずか200や300mLの水を飲むために、ペットボトルを使い捨て、CO2を垂れ流すなど、信じられない気がするが、伊藤園は地球環境や評判など気にせず、売れればどんなサイズでも作るのだろうか。

<参考>

Evian renonce à sa bouteille en plastique « goutte d’eau »

Pour le retrait des minis bouteilles d’evian;

https://www.change.org/p/pour-le-retrait-des-minis-bouteilles-d-evian

 

アサヒ飲料G、豪にペットボトルリサイクル工場建設

アサヒ飲料グループは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州に、現地の会社と合同でペットボトルのリサイクル工場を建設する。2021年12月までには稼働する予定。

完成すれば、年間約10億本相当のペットボトルをリサイクルできる。費用は4,500万豪ドル(3,200万米ドル)とのこと。

アサヒ飲料グループは、昨年AB InBevのCarlton&United Breweries(CUB)子会社を160億豪ドル(113億米ドル)で買収。

オーストラリアは、既にほとんどの州で飲料容器のデポジット制度を開始した。中国へ輸出できなくなった昨今、回収されたペットボトルは国内でリサイクルする必要がある。

この工場では、300人を超える現地の人を雇用することから、雇用の創出にも貢献するそうだ。

<参考>

Australian joint venture to build $32m PET recycling plant

Australian joint venture to build $32m PET recycling plant

 

 

 

マルタで飲料容器デポジット制度がスタート

下記のニュースによると、マルタで7月31日から飲料容器のデポジット制度が開始されたようだ。

循環型経済(サーキュラーエコノミー)実現の一環だ。

デポジット額もリファンド額も0.10ユーロで、容器を指定された場所に返却すると、バウチャーが発行される。

やはりサーキュラーエコノミーを実現するには、デポジット制度が必要なのだ。もしくは、使い捨て飲料容器をすべて禁止するか、のどちらかだろう。さすがに後者を選択する国は今のところなさそうだ。

<関連記事>

マルタ 2019年12月からデポジット制度開始か

<出所>

MONDAQ(2020.8.5)Malta: Circular Economy: Beverage Containers Recycling Regulations In Force;

http://www.mondaq.com/economic-analysis/972896/circular-economy-beverage-containers-recycling-regulations-in-force

 

キリン、瓶入り飲料3種販売終了!時代に逆行? 

キリンがビン入りの「キリンレモン」を、2020年12月末で販売終了するそうだ。併せて「キリン オレンジ きりり」「キリン 烏龍茶」も同時期に終売予定とのこと。

ペットボトルと缶での販売は継続。

しかし確か、キリンはガラスや金属を使ったリユース容器による通信販売の「LOOP」に参加予定のはず。これまでビン入りを買いたくとも、近くで売っていないため買えなかった人たちが、ようやく買えるようになるのに・・・。

脱ペットボトル化が進みつつあるこの時期に、大事なビン入り飲料の販売をなぜ終了するのだろうか?

もう少し続ければ、売れるようになったのではないかと残念だ。

<参考>

「瓶の「キリンレモン」が生産終了へ キリン「販売数減少のためやむを得ず」 瓶の「烏龍茶」「オレンジきりり」も終売に」↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/d7fa864bfaa305ebedac9a444fb4e998e64e2f56

東京新聞(2020.8.5)「キリンレモンの瓶入り、生産終了 12月末、販売数減少で」↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/47220?rct=economics

欧州の環境NGO、欧州委員会とEU諸国にデポジット制度を要求

欧州の環境NGOは、EUの使い捨てプラスチック指令(SUPD)で規制されているペットボトルの分別収集の実施に関し、懸念を表明している。

デポジット制度が、EUのペットボトルの回収目標である90%を達成するための最も効果的な方法であるにも関わらず、デポジット制度を検討しない国があるためだ。

懸念を表明する環境NGOは、世界的なBreak Free from Plastic(BFFP)運動のメンバーであるDeutsche Umwelthilfe(Environmental Action Germany、DUH)とRethink Plastic Alliance(RPa)。

このEU指令は加盟国に対し、デポジット制度などにより、遅くとも2029年までにペットボトルの90%を分別することを義務付けている。しかし、オーストリアとチェコ共和国では、デポジット制度以外の方法(ごみからペットボトルを分けるなど)で、この個別の収集目標を達成できると議論している。

NGOは、このEU指令についての誤った解釈が、本来の目的を損なう可能性があることを警告している。ペットボトルをデポジット制度で回収することが、使い捨てプラスチックによる汚染を防ぎ、循環経済への移行に大きく貢献できるためだ。

「ペットボトルは、ヨーロッパの川やビーチを汚染するトップアイテムの1つ。このため、ヨーロッパ全土にデポジット制度を導入することが特に重要です。ドイツでは、使い捨て飲料容器にデポジットをかすことで、ポイ捨て防止に大きな効果をもたらしました。これは、98.5%という非常に高い回収率に表れています。ペットボトルがカーブサイド回収によって集められている場合、回収率はかなり低くなります。さらに、ごみから取り出したペットボトルは汚れているため、ボトルからボトルへのリサイクルを危険にさらします。デポジット制度以外では、必要な品質を達成できません。」とのことだ。

きれいなペットボトルが回収された場合に限り、EU指令で設定された再生資源含有量目標を達成できる。指令では、2025年までに使い捨てペットボトルには25%以上の再生資源が含まれる必要があり、2030年までにはすべての使い捨てペットボトルに30%以上の再生資源が含まれる必要がある。

NGOによると、現在、ポルトガル、ラトビア、ルーマニアなどの国が、飲料容器にデポジット制度を導入しようとしている。

また、使い捨て飲料容器にデポジット制度を導入することで、消費者はリユース容器を選択しやすくなるというメリットがあるとのこと。返却場所が同じ場合、使い捨て容器よりもリユース容器の方を消費者は選びやすくなるためだ。

<出所>

RETHINK PLASTIC(2020.5.15)Single Use Plastics Directive: NGOs call on Commission and EU countries to resist attempts to undermine separate collection of plastic bottles;

https://rethinkplasticalliance.eu/news/resist-attempts-to-undermine-separate-collection-of-plastic-bottles/

タスマニア州も2022年までにデポジット制度を導入

オーストラリアで、デポジット制度の導入をまだ計画していないのはタスマニア州だけ、と思っていたが、タスマニア州でも計画していた。
ニュースを見落としていたが、昨年(2019年)環境大臣が、2022年までにデポジット制度を実施すると発表した。
これでオーストラリアは、全土で2023年頃までには制度が導入されそうだ。
タスマニア州では、15年前からデポジット制度の調査をしていたとのこと。これまでは産業界などの反対で導入できなかったが、ようやく環境団体や研究者、地方自治体等の長年のロビー活動が実り、実現の運びとなった。

日本はまだデポジット制度が議論の俎上にも上らない。
日本の環境政策の遅れは、既に周回遅れを通り越してしまった。

<参考>
Tasmanian Government(2019.6.6)Container Refund Scheme for Tasmania;
http://www.premier.tas.gov.au/releases/container_refund_scheme_for_tasmania

EXAMINER(2019.6.6)Tasmanian government commits to introducing container refund scheme;
https://www.examiner.com.au/story/6204168/tasmania-to-implement-container-refund-scheme-by-2022/

英研究チーム、新種の深海生物からPET樹脂発見

英ニューカッスル大の研究グループが、太平洋のマリアナ海溝で新種の甲殻類を見つけた。そのうち1匹の幼生の消化管からPET樹脂のマイクロプラスチックを発見したそうだ。

水深6000メートルを超える深海とのこと。深海生物のマイクロプラスチック汚染は以前から報告されているが、新種の生物までもが汚染されていた。

以下、共同通信の記事を転載↓

グループは、2014年11月、米国のシュミット海洋研究所の調査船を使って、太平洋のグアム島に近いマリアナ海溝の6010~6949メートルの深海で多数のオキソコエビの仲間を捕獲した。この中から遺伝子や形態の分析から新種とみられるオキソコエビの成体3匹、幼生8匹を発見した。

1匹の幼生の消化管から、長さ約650マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の繊維状のマイクロプラスチックが見つかった。ペットボトルや合成繊維などに使われるポリエチレンテレフタレート樹脂とみられるという。

<出所>

日本経済新聞(2020.4.2)「新種の深海生物にプラ粒子 6千メートル超のマリアナ海溝 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57549270S0A400C2CR0000/

 

「ペットボトルは使い捨て容器ではない」で論争 

コカ・コーラとタイの包装会社Indorama Venturesが、マニラ南西部のカビテ州で、2021年に完成予定の1,900万ドルの施設の契約を締結したそうだ。

完成すればフィリピン最大の「ボトルtoボトル」(ボトルをリサイクルし、またボトルに戻す)の工場になる。

そこまではフツウのニュースだが、なんと両社が「ペットボトルは使い捨ての容器包装ではない」と主張し、論争を巻き起こしているとのこと。

両社の言い分は、ペットボトルは100%リサイクル可能で、使い捨てではない、ということだ。

それに対し環境団体は、ペットボトルは使い捨てモデルの一部だと主張。リサイクルされたとしても、水とエネルギーを必要とし、その結果、有毒な廃液と排出物が発生するとして、両社の言い分を一蹴。

環境系の人でなくとも、多くの人が、ペットボトルは使い捨てであることに同意するだろう。いかに回収され、仮にペットボトルに戻ったとしても、それまでの間にいくつものハードル(回収・選別など)があり、それを乗り越えなければならない。そのハードルを越えたとしても、劣化によりリサイクルできない繊維もある。

おそらくこの工場は、ケミカルリサイクルではなくメカニカルリサイクルの工場だろう。リサイクルする度に一定量の劣化は避けられない。

そもそも回収すらおぼつかず、これだけの汚染を引き起こしていながら「使い捨てではない」というコカ・コーラらの主張など、通るわけがない。

<参考>

Eco-Business(2020.3.24)Will Coke’s new recycling facility help ease the Philippines’ plastic woes?;

https://www.eco-business.com/news/will-cokes-new-recycling-facility-help-ease-the-philippines-plastic-woes/

 

 

 

 

新型コロナの影響で、スコットランドのデポジット制度開始を延期

コロナウイルスが各地のデポジット制度に影響を及ぼしている。

来年4月から開始が予定されていたスコットランドでも、コロナ対応に追われ、2022年7月まで開始が延期されることになった。

スコットランドのデポジット制度は、イギリスの他の地域に先駆け、使い捨てのガラスびん、缶、プラスチックボトルにそれぞれ20pのデポジット(保証金)を付けて販売される予定。返却すると、デポジットは全額戻る。

カニンガム環境大臣によると、「気候変動問題の目標達成のための重要手段の1つは、資源を可能な限り使い続ける循環型経済を構築すること。デポジット制度はその一環だ」とのことである。

また、スコットランド政府は、「スコットランドのデポジット制度は、リサイクル率を高め、ごみを減らす効果的な方法であるだけではない。高品質の素材の供給源であり、リサイクルのインフラを開発し、雇用を創出する大きなチャンス」であると分析している。

また、スコットランドのデポジット制度は、毎年費やされる4600万ポンド(約60億円)の税金による清掃費の節約になる上、85,500台もの車を道路から追放するのと同等の二酸化炭素節約効果もあるそうだ。スコットランドの経済規模で60億円というのはかなり大きい。

日本の政府や環境団体も、早くこの認識を持ってくれると良いのだが・・・、日本の大手環境団体の多くは、デポジット制度についてまだ全く関心がないようだ。

<出所>

HOLYROOD(2020.3.17)Deposit return scheme delayed to 2022 to allow businesses time to deal with impact of coronavirus;

https://www.holyrood.com/news/view,deposit-return-scheme-delayed-to-2022-to-allow-businesses-time-to-deal-with_15236.htm

HOLYROOD(2019.7.10)Deposit Return Scheme will increase trade and create jobs, finds Scottish Government analysis;

https://www.holyrood.com/news/view,deposit-return-scheme-will-increase-trade-and-create-jobs-finds-scottish-go_10560.htm