価値のないものだからこそ、ペットボトルや使い捨てカップなどはデポジット制にする必要がある

ある環境系の人が、「リユースびんなどのように価値のあるものをデポジット制で回収するのは良いが、ペットボトルや使い捨てカップのような価値のないものはデポジット制はムリ」などと発言するので耳を疑った。

真実とは真逆の発言だ。まったくデポジット制度を理解せず、批判のための批判のようだ。

価値のあるものならば、デポジット制度にしなくても落ちていれば誰かが拾うので、散乱ごみにはならない。そもそも、本当に価値があれば、誰もポイ捨てなどしない。

しかし、ペットボトルなどのような使い捨ての価値の低いものはポイ捨てされやすいし、落ちていても誰も拾わない。そういうものこそ、デポジット制度にすべきなのだ。デポジット目当てに誰かが拾ってくれるので、散乱ごみになりにくい。

一見環境系の団体の人が、「日本ではデポジット制度は向かない」などと言い切るのが、全く理解できない。

もしかしたら、飲料メーカーからお金をもらってるの?と疑ってしまう。

リサイクルの善し悪しなどはまた別の話だ。使い捨てプラスチックはそもそも禁止したらよいと思うが、すぐに禁止できないのならば、せめてデポジット制度で回収しなければ汚染は止まらない。

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汚染水放水に備え韓国の塩価格高騰。対馬を核のゴミ捨て場にする?!

韓国で塩の価格が高騰しているそうだ。

東京電力福島第1原発の処理水の放出開始前に、塩を買っておこうという人が多いため個人客の注文数が急増。その影響で品薄になり、20%も値段が上がったとのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/256891

なるほど。魚の買いだめはさすがにできないし、塩はまだあるので、せめて乾燥わかめなどは我が家でも買っておうか、などとつい思ってしまった。

汚染水の放出は避けられない選択ではないはずだ。日本政府は、あまりにも安易に考えすぎているのではないか。

核のゴミ捨て場もなく、汚染水もこのような状態なのに、日本は原発推進に舵を切った。

今度は対馬を核のゴミ捨て場にしようと狙っているようだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/252197

原発のリスクに目を背け、推進の旗を掲げたまま、あちこちを放射性物質で汚すのは本当にやめてほしい。

岸田さんとそのお仲間の方々は、子孫に美田を残す代わりに、放射能とプラごみで汚れた地球を残すつもりなのだろうか。

相模原市津久井地区でごみ収集を効率化

日本経済新聞(2023.6.13)によると、相模原市の中山間地である津久井地区で、「廃棄物の収集運搬をデジタル技術によって効率化する実証実験を始める」そうだ。

具体的に何をどうするのかわからないが、世帯数の少ないエリアでごみ収集車が走るルートなどのデータを分析し、効率的に回収できるようにするのだとか。

具体的なことが全くわからなかったので少し調べたところ、小田急電鉄が山林の不法投棄の取り締まりも兼ねて、効率化によるCO2削減効果などを検証するようだ。

実証実験の期間は6月19日から来年3月末まで。

広島県が県内7カ所のマイクロプラを調査。カキ関連ごみ対策も考えて

広島県が県内7カ所の水域のマイクロプラスチックを調査した。

テレビ新広島↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d8927c39c42e359dd7b5985b9bb06c8ad739ec2

川が3カ所、海も3カ所、下水処理場1カ所だ。

下水処理場のどこかは説明がないのでよくわからなかったが、7箇所中一番マイクロプラスチックの密度が高かったのは、黒瀬川で1立方メートル当たり2.54個とのこと。

0.3mm以上5㎜以下を調査したようで、今後は0.3㎜未満のものも広島大学と一緒に調べたいそうだ。

0.3㎜未満のものを調べるのも興味深い。案外今回とは違った結果が出るかもしれない。だがそれよりも、県にとっては担当課長もいっていたようにプラスチックの「使用量削減が大事」だ。今後どのように県民がプラスチック使用量を減らすために県として対策していくのか、売り手側への指導も含め、むしろこちらに注目したい。

広島県の海域といえば、カキパイプなどカキの養殖関連のプラスチックごみの多いことが予想される。

それらはまだ5㎜以下でなかったため、カウントされなかったのだろうが、このあたりのことを県としてどう対策しているのか、気になって少し検索してみた。

昨年、県民からの質問に対し、下記のように回答している。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kenseiiken/2022-05.html#b

「本県では、まずは、かき養殖業界の自浄努力での解決を目指し、生産者団体の指導の下、令和元年9月に、県内全てのかき生産者が養殖資材の流出防止計画を立て、流出防止対策を強化しています。計画策定から2年半が経過しましたが、本県が行った海岸漂着物実態調査では、計画策定前の平成30年には、かき養殖資材は45.8トン漂着していると推定されていましたが、令和2年には27.1トンとなり、約4割減少しました。(以下省略)」

業界の努力だけでは4割が限界だろう。県として今後どう対策するのか、こちらも注視したい。

ブループラネット賞にマイクロプラ研究者、北大の小城先生は?

今年のブループラネット賞にマイクロプラスチック研究者が選ばれた。

「マイクロプラスチックが世界の海を広く汚染していることを明らかにした英プリマス大のリチャード・トンプソン教授(59)と、マイクロプラスチック研究者の英エクセター大のタマラ・ギャロウェイ名誉教授(60)、同大のペネロープ・リンデキュー栄誉教授(51)だ。

https://www.topics.or.jp/articles/-/906289

他に、気候変動などに起因する大規模災害データベースを創設したベルギーのルーバン・カトリック大のデバラティ・グハ・サピール教授(69)が選ばれたという。

しかし、マイクロプラスチックという言葉ができるだいぶ前から、日本でも微小プラスチックが海を汚染していることを指摘し、警鐘を鳴らしていた人がいる。

北海道大学名誉教授の小城春男先生だ。

このままでは手遅れになる、なんとかしなければ、と環境省の審議会(委員会?)でもよく発言していた。

早すぎる指摘で理解されなかったのか、それとも??

よくわからないが、何となく残念だ。

アサヒと墨田区がペットボトルで協定?!飲料メーカーは自治体に頼らず、全額自腹で回収すべき。「自治体よ大志を抱け」

飲料メーカーが全国各地の自治体のペットボトルを買いあさっている。6月9日、アサヒ飲料と墨田区、ペットリファインテクノロジーの3者が協定を結んだ(日本経済新聞)。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC095JF0Z00C23A6000000/#:~:text=アサヒ飲料などを傘下,資源として再利用する%E3%80%82

2024年4月から墨田区が回収する年間1200トンのペットボトルを引き取り、再びペットボトルの資源として再利用するそうだ。

1年契約で、1年ごとに更新される。

ペットリファインテクノロジーは川崎でケミカルリサイクルでペットボトルの再生樹脂を作っている会社だ。親会社は日本環境設計(以前の社名)。確か今の社名はJEPLANか(前の名前の方が覚えやすかった)。

メーカーが引き取るということは自治体にとって、容器包装リサイクル協会のようにうるさいことを言われずに済む。容リ協会はラベルを剥がせだの何だのと、うるさい限りだ。しかも入札でないから、決まった金額で買い取ってもらえるという利点もある。

メーカーにとってはもっと大きな利点がある。きれいなペットボトルが安定的に入手できるのだ。

しかし、何か変だ。本来ペットボトルのようなものは、世界では「拡大生産者責任」が当たり前だ。回収からメーカーが自力でするか、自治体に依頼するならば、回収費用を全額自治体に払うべきものだ。

墨田区の場合、回収費用はほぼ税金負担で、容リ協会よりも少し高めの金額で、集めたペットボトルを買い取ってもらっているだけのはず。

飲料メーカーが使用済みペットボトルを欲しがるようになったのは、ボトルtoボトルが奨励され始めてからだ。その機運はプラ新法で加速している。

ようやく自治体にとり、タダでペットボトルを回収しなくて済む好機が訪れたのだ。

こんな協定などで妥協せず、今こそ「拡大生産者責任」のもと「メーカーは回収費用を全額負担せよ」と声を大にして叫んでほしい。

わずかな金額で妥協せず、自治体にはもっと大志を抱いてほしい。それが、ペットボトルなどの処理困難な使い捨てプラスチック製品が登場して以来の悲願だったはずだ。

カリフォルニア州、PFAS含有人工芝を禁止か

カリフォルニア州では、PFAS含有人工芝を禁止する法案が委員会を通過した。あとは上院で可決され、知事がサインしたら、2025年から製造、流通、販売ができなくなる↓

https://chemicalwatch.com/765123/california-advances-legislation-to-ban-pfas-containing-artificial-turf

https://www.ewg.org/news-insights/news-release/2023/04/california-makes-strides-ban-toxic-forever-chemicals-artificial

アメリカでは他にも多くの州で、PFAS含有製品の禁止が法制化されそうだ↓

https://apnews.com/article/cosmetics-pfas-apparel-athletic-turf-vermont-4a576b96e4014a59b2c736344b2255d0

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世界中のトイレットペーパーからPFAS!米研究

世界各地のトイレットペーパーを調べたところ、すべてのトイレットペーパーからPFASが検出されたそうだ。

https://www.theguardian.com/environment/2023/mar/13/toxic-forever-chemicals-pfas-toilet-paper

フロリダ大学の研究者らは、北米、西ヨーロッパ、アフリカ、中米、南米の21の主要なトイレットペーパーブランドを集め、調べたところ見つかった。

紙パルプが機械に付着するのを防ぐため、製造プロセスでPFASを使用していることを示唆しているそうだ。

つまり、PFASは製造工程で潤滑剤として使用され、その一部がトイレットペーパーに残っているということらしい。

意図的に添加されたわけではないから、PFAS濃度は低いそうだが、トイレットペーパーは多くの国で毎日大量に使用される。下水処理施設から川に流される水や、下水汚泥も汚染されていないか心配になる。おそらく汚染は避けられない。

この研究では6種類のPFAS化合物を検出した。このうち、6:2 diPAPが最高レベルだった。

この化合物はまだしっかりと研究されていないそうだが、精巣機能障害に関連するといわれている。お尻を拭く度にPFASが肌や粘膜に触れるとしたら、恐ろしい。

バージンパルプのトイレットペーパーからだけではなく、再生紙も似たようなものだったという。

また、この研究は、6:2 diPAPが環境中で非常に有毒な化合物であるPFOAに変わる可能性があることを発見したそうだ。つまり、6:2 diPAPはPFOAの前駆体ということか。

多くの製紙メーカーは気付かずにPFASを使っているようだ。「これを使うと装置を早くスムーズに動かせるよ」と言われ、機械メーカーから機械とセットで買っているのかもしれない。

人工芝のようなプラスチック製品も同様だが、紙製品も大量生産するためには、機械にパルプがくっつきにくくなるPFASのような潤滑剤が必要だということだ。

それにしても、PFASは泡消火剤や繊維、プラスチック製品、化粧品、容器などに使われるものだと思っていたが、まさかトイレットペーパーからも検出されるとは。これがもし、英紙ガーディアンの記事でなければ信じないところだ。

プラスチックに付着するトキソプラズマ、強毒性の株がラッコを殺す

プラスチックに病原菌やウイルスが付着し、遠方まで運ばれることがわかっている。

人畜共通の感染病を引き起こすトキソプラズマ原虫もその1つで、プラスチックの上で長く生き延び、陸から海に流出した後もプラスチックを舟にして遠くまで運ばれる。

https://mainichi.jp/premier/health/articles/20220518/med/00m/070/003000d

結果として、海の生き物に感染するが、通常感染した生物がすぐに死ぬことはなかった。しかし、強毒性の株が表れ、カリフォルニアラッコを数週間で死に至らしたそうだ。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/060200277/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005

この強毒性の株はこれまで野生の豚で一度感染が確認されたが、水生生物で確認されたのは初めてだというが、今後増殖し、他にも被害を広げそうだ。

もし、人間にも感染するとどうなるかだが、これまでのトキソプラズマならば妊婦以外は目立った症状はないが、危機意識が欠如し、交通事故に遭いやすくなることがわかっている。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7449/

恐怖心が鈍くなるため、交通事故に遭う確率が2倍になるということだ。

また、これよると、免疫細胞を乗っ取ることで、統合失調症などの精神疾患にも関連している。

トキソプラズマ原虫はプラスチック登場前からいただろうが、プラスチックが蔓延したせいで生息域を伸ばし、強毒性になることを助けているようだ。

プラスチック汚染の影響は目に見えないところにまで広がっている。本当に怖い。

「地球は既に限界」ネイチャー発表。「地球の表面の生態系はほぼ自然のまま半分は覆われる必要がある」

世界トップクラスの科学者グループが、英科学誌「ネイチャー」に論文を発表した。地球は既に安全の限界点を超えているそうだ。

気候、生物多様性、水、自然生態系、土地利用、肥料、エアロゾルの影響など8つの地球システムの限界点のうち、7つが限界点を突破したという。

「地球の表面の50〜60%はほぼ自然のままの生態系に覆われる必要があるが、既にそれ以下になった」とのこと。

日本国内を見ていても、神宮外苑は再開発の美名のもと木が伐られているし、全国各地で人工芝グラウンドも増えた。公園などはプラスチック遊具が置かれ、その下の地面はゴムチップ舗装か人工芝だ。家庭の庭さえも人工芝で覆う家が増えている。「ほぼ自然のままの生態系」が残っている土地など、いかに森林率の高い日本でも半分もあるだろうか。

ウクライナではダムまで壊された。人間は地球に寄生しながら、地球を滅ぼしている。

ネイチャーに掲載された論文の出典は日本経済新聞(2023.6.8)↓

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230608&c=DM1&ng=DGKKZO7170779007062023FFJ000