「地球は既に限界」ネイチャー発表。「地球の表面の生態系はほぼ自然のまま半分は覆われる必要がある」

世界トップクラスの科学者グループが、英科学誌「ネイチャー」に論文を発表した。地球は既に安全の限界点を超えているそうだ。

気候、生物多様性、水、自然生態系、土地利用、肥料、エアロゾルの影響など8つの地球システムの限界点のうち、7つが限界点を突破したという。

「地球の表面の50〜60%はほぼ自然のままの生態系に覆われる必要があるが、既にそれ以下になった」とのこと。

日本国内を見ていても、神宮外苑は再開発の美名のもと木が伐られているし、全国各地で人工芝グラウンドも増えた。公園などはプラスチック遊具が置かれ、その下の地面はゴムチップ舗装か人工芝だ。家庭の庭さえも人工芝で覆う家が増えている。「ほぼ自然のままの生態系」が残っている土地など、いかに森林率の高い日本でも半分もあるだろうか。

ウクライナではダムまで壊された。人間は地球に寄生しながら、地球を滅ぼしている。

ネイチャーに掲載された論文の出典は日本経済新聞(2023.6.8)↓

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230608&c=DM1&ng=DGKKZO7170779007062023FFJ000

人工芝の問題はゴムチップだけではない。粉茶のような芝片もマイクロプラとして流出

人工芝から流出したマイクロプラスチックというと、自宅玄関マットなどに使われる小さな木べらのような形の芝片がよく紹介されている。

しかし、最近の人工芝は、家庭の庭用のものでさえも、もっと丈の長い本物の草のような形状だ。根元から千切れた場合、細いとはいえ、長さは数センチあるからマイクロプラスチックとは言い難い。まして、競技場などで使用されるロングパイル人工芝は5センチはあるから、千切れてもフィルターさえあれば捕捉出来るだろう、と思っていた。

ところが、本当の芝片は粉状のものだ。すり切れて、芝はだんだん短くなる。それに伴って、粉茶のようなものが場外に流出している。

関東学院大学の鎌田 素之先生の模擬講義(「水の世紀」に化学にできること)の36分目から人工芝の話だ。どう見ても苔か粉茶にしか見えない大量の芝片(芝粉?)の流出光景が紹介されている↓

https://univ.kanto-gakuin.ac.jp/academics/science-and-engineering/applied-chemistry.html

こんなマイクロプラスチックが人工芝を敷設したところから流出しているのかと思うとゾッとする。

人間はプラスチックで様々なものを作ったことで、どうしようもない間違いを侵してしまった気がしてならない。この芝粉からもPFASがでているのだろうか。

ストックホルム条約に新たな規制対象、人工芝からも検出されるUV328が加わる

有害化学物質を国際的に規制するストックホルム条約の今年の会合で、自動車製造などで使われるプラスチック添加剤2物質の使用、製造、輸出入を禁止することが合意された。

プラスチックが劣化したり変色したりするのを抑える紫外線吸収剤「UV328」と、燃えにくくする難燃剤の「デクロランプラス」だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1e412be8c2d713cec1800f639e699e897f25f67d

この難燃剤もあちこちに使われているようだが、UV328は人工芝からも検出されている。

2021年に発表されたカナダの研究によると、UV328のようなベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、農村部の川よりも都市部の川で最大4倍の濃度で見つかったそうだ。

そして、人工芝からもUV328が見つかった。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589914721000281

人工芝は相模原市内でも増えてきたが、東京都23区内の学校や幼稚園の校庭・園庭でも使われている。

人工芝をやたらにあちこちに敷くのはやめてほしい。子ども達の健康も心配だ。

人工芝の上で子どもを遊ばせる場合の注意点

人工芝について検索していたところ、Environmental Working Groupの記事が見つかった。

記事によると、「親は何ができる?お子様が人工芝の上や近くで遊ぶことが心配な場合は、次の予防措置を講じてください」として、以下の注意点が呼びかけられていた。

https://www.durexart.com/news-insights/news/new-studies-show-pfas-artificial-grass-blades-and-backing

——以下転載(機械翻訳)—–

・人工芝で子供を裸足で遊ばせないでください。
・飲み込みを防ぐため、幼い子供や赤ちゃんをできるだけ芝生から遠ざけてください。
お子様が飲食したり、オーラルガードを調整したりする前には、必ず手をよく洗ってください。
・芝生で遊んだ後は、できるだけ早く子供たちにシャワーを浴びさせ、髪をブラッシングさせてください。
・遊んだ直後と中に入る前に、靴を脱ぎ、その他のギアを振ってください。(充填材のこと?)
・車や家に定期的に掃除機をかけて、人工芝フィールドから移動する汚染物質を取り除きます。
——転載はここまで——

主に人工芝の充填材の危険性についての注意のようだ。

家の庭に敷く人工芝の場合は充填材を使わないので、ここまで注意しなくてもよいと思う。しかし、PFASなどの化学物質が芝に含まれていることを考えると、庭に敷くのはやめた方がよさそうだ。

最近発表されたカナダの研究で、食品容器に使われていたPFASが揮発することがわかった。人工芝のPFASも揮発しているかもしれない。

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米バーモント州で、PFAS入りの人工芝や化粧品、生理用品、衣類を禁止する法案が上院を通過

アメリカのバーモント州で、PFASやフタル酸エステル、ホルムアルデヒドなど有害物質の入った人工芝や化粧品、繊維製品、生理用品を禁止する法案が、上院を通過した。全会一致とのことで素晴らしい!

https://vermontbiz.com/news/2023/april/04/senate-votes-advance-bill-protect-pfas-and-other-toxics-cosmetics-textiles-and

https://www.beautynury.com/news/view/100870/cat/10

このあと、下院で審議される。法案が成立したら、少なくとも人工芝と生理用品に関しては、バーモント州はアメリカで初めての州になる。

人工芝に関しては筆者の知り限りということだが、生理用品に関してはこの記事による↓

https://www.vermontpublic.org/local-news/2023-03-17/vt-bill-would-ban-forever-chemicals-in-menstrual-products-textiles-turf

PFASフリーの人工芝は、室内用ならば作ることも可能だろうが、競技用として使用するようなロングパイルはPFASがないと難しいだろう。競技用人工芝がなくなれば、喜ぶ選手も多いはず。また、今は室内用もPFAS入り製品が一般的なので、この法律はとてもよいと思う。

ニューヨーク州の法律では屋内使用の人工芝は規制されたが、屋外用はまだ規制されていない。

https://www.bureauveritas.jp/consumer-products-retail/newsroom/230131

生理用品に関しては、体内にフタル酸エステルやPFASなどが使用時に吸収されやすいので、日本も含めすべての国・地域で早急に禁止すべきだ。

(補筆2023.4.17)

法案について、日本語の記述があった。

https://www.envix.co.jp/region/global/pfas/

「米バーモント州議会、有害化学物質が意図的に添加された化粧品等の規制法案を審議へ
2023年の会期が始まった米バーモント州議会に、有害な化学物質を含有する化粧品と生理用品を規制する法案(S.25)が上程され、同年1月20日より上院の所管委員会に付託されている。本法案は、規制対象物質としてペル/ポリフルオロアルキル物質(PFAS)など30種近い化学物質や化学物質クラスを挙げ、2026年1月より、それらが意図的に添加された製品の製造や販売、流通を禁じることを提案している。また、本法案には、PFASが意図的に添加されたテキスタイル/テキスタイル製品と人工芝競技場の製造、販売、および流通を、それぞれ2026年1月と2023年7月より規制する条項も含まれている」とのこと。

法案通り成立すれば、バーモント州で今後新たに人工芝競技場が作られることはなくなりそうだ。

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堆肥化可能な食品容器からPFASが揮発

PFAS(有機フッ素化合物)は、まだわからないことが多い。

半減期の長い危険な化学物質で、内分泌をかく乱する環境ホルモンであることは確かなようだ。

しかし、いろいろなものに入りすぎていて、PFASを使わないように1日をやり過ごすのは結構大変だ。

テレビなどで目にするPFASの写真は粉状、つまり固体だ。しかし、温度次第で水に溶けたり、揮発したりする種類のPFASもあるようだ。

最近発表されたカナダの研究によると、ファストフードで使用される堆肥化可能なパッケージを調べたところ、PFASが検出された。

しかも、2年間その容器を保存した後、また調べたら、総PFAS濃度が85%も低下したという。どうも揮発したらしい。

半減期の長いPFASは、気体となっても空中でその影響力(内分泌かく乱など)を駆使するのだろう。

となると、人工芝に含まれるPFASも、光にさらされ揮発して、大気中を漂っているのだろうか。子どもたちが人工芝の上で遊んでいる光景は、ほのぼのして見えるが、実は危険だということだ。

すべてのPFAS類を、早く禁止してほしい。

<出典>

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.estlett.2c00926

秩父宮ラグビー場の移転にも人工芝化にも反対します!

坂本龍一氏の遺言のようになった「神宮外苑再開発反対」。とんでもない計画であるにも関わらず、小池都知事らには見直す気はさらさらなさそうだ。

署名運動や要望書を送る運動も行われている。

https://www.change.org/p/神宮外苑1000本の樹木を切らないで-再開発計画は見直しを/u/31210494

こういうものまで無視されると、日本は本当に民主主義国家なのか?とむなしくなる。

それにしても、なぜ、野球場とラグビー場を入れ替える必要があるのか。その方が事業者にとって都合がよいからだろうが、新ラグビー場が人工芝になると聞き驚いた。

理由は、ラグビー場で音楽ライブなどもするため、密閉型のドームにすることにある。そのため、天然芝では育たないから、人工芝の方が都合がよいそうだ。

https://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GR4Q8QUTQP016.html

人工芝の方がケガをしやすいことをラグビー関係者はよく知っている。選手の健康よりも、儲けを優先して作るということだ。

元ラグビー選手もラグビー場移転と人工芝化などの「改悪」に反対し、署名を集めている↓

https://www.change.org/p/秩父宮ラグビー場をこの地で継承したい-ラグビーの聖地-の移転-改悪を止めよう?signed=true

人工芝はPFASなしでは作れない。また、充填材(ゴムチップ)にはフタル酸エステル類も入っている。

化学物質による環境汚染の見地からも、ラグビー場の移転と人工芝化に反対だ。

ボストン市で人工芝を禁止!理由はPFAS

英紙ガーディアンによると、ボストン市長のミシェル・ウー氏は、都市公園に新たに人工芝を設置することを禁止した。すべての人工芝に有害なPFASが含まれているためだという。

また、人工芝の充填材(ゴムチップ)は廃タイヤで作られていることが多く、重金属やベンゼン、VOCなどを含んでいる。さらに、それらは温室効果ガスであるメタンまで発生させた挙げ句、水路に流出する。

天然芝という安全な代替品があるのに、なぜ人工芝を使うのか。ナショナルフットボールリーグの選手たちは、ケガのために人工芝を禁止するようにリーグに圧力をかけているという。アメリカのサッカー代表チームも同じ理由で、天然芝でのみプレーするそうだ。

米国内には、12,000の人工芝のフィールドがあり、毎年少なくとも1200以上の芝が設置されているが、近年、ボストン市以外でも複数の自治体が人工芝を禁止、あるいは使用を制限し始めた。しかし、マサチューセッツ州などいくつかの州で州レベルでの禁止の提案が失敗したという。

PFASは分解しにくい「永遠の化学物質」だ。数千もの種類があり、どれも危険で、ガンや免疫力低下、先天性欠損症など深刻な健康問題への関連が指摘されている。

それにもかかわらず、危険視され使わなくなったのは古くからPFOSとPFOAのみ。他のPFASグループは、使い続けられ、人の血液からも検出されている。

知れば知るほど、人工芝には反対だ。

<参考>

ガーディアン(2022.9.30)

https://www.theguardian.com/environment/2022/sep/30/boston-bans-artificial-turf-toxic-forever-chemicals-pfas

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人工芝にもPFAS。人工芝の危険性はゴムチップだけではない

人工芝にもPFASが含まれるそうだ。

ミシガン州に拠点を置く非営利環境グループであるエコロジーセンターが調べたところ、調べた8つの芝サンプルのすべてから、PFASが検出されたという。

芝は通常、ポリエステルやポリプロピレン、ナイロンなどで作られ、無害のように見える。しかし、芝を作る際、押出機を詰まらせるため、プラスチックにPFASを添加する。すると、詰まらずにうまく押出機を通過するそうだ。

PFASなしで芝を作ることは考えにくいらしい。

そういえば、最初に人工芝を作ったのは、ラウンドアップなどで有名な化学会社のモンサントだ。その手のものが入っていても不思議はないかもしれない。

これまで人工芝の危険性は主に充填材(ゴムチップ)にあると考えていたが、芝部分と芝の台になっているマットにもあるということか。

2017年、交換後の古い人工芝のロールが積み上げられていたため、そのロールから切り取ったマットの芝部分を捨て、マット部分を調べたらそれからもPFASが検出されたそうだ。しかも、検出されたPFASはPFOSだ。

また、その場所の近くに湿地があり、その水を調べたら、そこからもPFOSが検出されたそうだ。

人工芝もPFASによる水汚染の一因になるということだ。

<参考>

The Interecept(2019.10.8)(英語)↓

https://theintercept.com/2019/10/08/pfas-chemicals-artificial-turf-soccer/

日本語ブログ↓

https://ameblo.jp/rudoharu/entry-12777920917.html

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相模原市長も人工芝を推奨か

相模原市長は、市内の人工芝の増加をどう考えているのだろうか。そう思い、もとむら賢太郎市長の公式ブログを見てみた。

「人工芝」でブログ内検索をかけたところ、2022年2月10日のブログがヒットした。

「相模原スポーツ・レクリエーションパークは、相模総合補給廠共同使用区域に一昨年の11月から芝生広場と遊具広場、そして昨年の4月には人工芝グラウンドを順次オープンし、多くの皆様にご利用いただいているところです」とある。

また、「令和5年度には、人工芝の軟式野球場」も整備するとのこと(2020.12.14)。

相模原市営グラウンドの人工芝化は、市長も推進しているようだ。

さらに、「プラスチック」と入れて、同じウェブサイト内で検索をかけると、パイロットのオーシャンボールペンの話がヒットした。市のSDGsパートナーであるパイロットが海ごみで作ったボールペンを紹介している。

海ごみでボールペンを作るのもよいだろうが、それよりも人工芝を増やさないことの方がはるかに重要だ。

海ごみを利用して何かを作ることは、溢れている風呂の床に溜まった水をスプーンですくい上げ、その水を花壇の花の水やりに利用し、「こんなに有効利用しましたよ!」といっているようなものではないかと思う。

もしかして市長は、人工芝がプラスチックからできていることを知らないのだろうか?

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