宅配人の柔軟剤臭がキツすぎる

宅配便を運んで来られる方々には感謝しているが、最近特に柔軟剤臭が気になる。

汗臭さを気にしているのかもしれないが、これまで宅配業者の方々に汗臭さを感じたことはない。でも最近は、柔軟剤臭が気になってならない。

荷物の中身にまで香りが移ったら大変なので、宅配業者の方々には香り付きの洗剤や柔軟剤の使用は避けていただきたい。それこそが「香りのエチケット」だと思う。

下水汚泥の肥料は、PFASなどの有害化学物質やマイクロプラの検査が必要

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、肥料が高騰。そのため、下水汚泥から作った肥料に注目が集まっている。

農水省では昨年から「下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた官民検討会」を開催。目標は

「2030年までに堆肥・下水汚泥資源の使用量を倍増し、肥料の使用量(リンベース)に占める国内資源の利用 割合を40%へ」とのことだ。

下水汚泥には肥料分がたっぷり含まれているが、化学物質や重金属、それにマイクロプラスチックも当然たっぷり含まれている。下水汚泥から既にPFASが検出されているし、調べれば他の化学物質もいろいろ検出されるはず。重金属については誰もが知る既成事実だ。

当然マイクロプラスチックも含まれているので、下水汚泥のリサイクルが進んでいる欧州では、畑がマイクロプラスチックの発生源になっているという報告がある。

大気中のマイクロプラスチックの発生源になるというのも困るが、野菜が水と一緒にマイクロプラスチックを可食部分まで吸い上げているという研究報告もある。

日本は下水汚泥の堆肥化や肥料化はあまり進んでいないので、安心していたが、これから進めるならば厳しい基準を設けてほしい。

汚泥中に含まれるリンだけを抽出し、肥料にするのはよいが、汚泥全体を適当に処理して使用するのはやめてほしい。

神戸市の汚泥肥料は、「下水処理場の配管に詰まる結晶化したリンを活用」したものとのこと(朝日新聞.2022.8.28)。結晶化したリンだけ取り出しているならばよいが、やはり検査してほしい。

<参考>

農林水産省ウェブサイト

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/biomass/221018_1.html

朝日新聞(2022.8.28)「下水処理場でつくる神戸のリン、肥料高騰で商機?」

https://www.asahi.com/articles/ASQ8W6WMPQ8RPIHB026.html

コカコーラのジュースもPFAS汚染、原因は?

水道水のPFAS(有機フッ素化合物)汚染が問題になっている。検査した多摩地域の住民の85%の人の血中濃度がアメリカの基準を超えていたという。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/228317

アメリカでは、コカコーラ社のジュースからも検出され、集団訴訟になっているそうだ。

原因は不明のようだが、もしかするとジュースの原料の汚染も疑われる。果汁100%ということならば、水で薄められているわけではないので、工場内の水が汚染源ではなさそうだ。

ということは、農地の地下水が汚染されていたか、灌漑農業だとしたら使用された水が汚染されていたか、はたまた農薬や肥料由来か・・。

もう1つ可能性として考えられるのは、ビニールハウスによる農地の汚染だ。

『よくわかるプラスチックの仕組みとはたらき』(桑嶋幹、他)によると、ビニールハウスにはPET系とフッ素系のフィルムが使用されており、PET系は紫外線を通さないけれど、フッ素系ならば通すので、ナスなどの栽培にも使えるとのこと(2022年、p.183)。

また、フッ素系フィルムは汚れもつきにくく、熱や寒さに強い上、材質の強度も十分。だが、フッ素系フィルムは焼却時に有害なフッ素ガスを発生させるため、廃棄処理の問題があるという。

もしかすると、農地がフィルム由来のフッ素樹脂で汚染されていて、それが農作物に入り込んだのではなかろうか?

以前はビニールハウスといえばPVCが一般的だった。PVCはフタル酸エステルが問題だったが、いつの間にかフッ素系フィルムに代わり、今度は別の問題が起きたのでは?と想像している。

便利な社会は、落とし穴だらけだ。

やっぱり怖いフタル酸エステル、子宮筋腫にも影響

フタル酸エステル類についての新しい研究報告が出ている。ナショジオでも詳細に紹介されていた。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/011700025/

フタル酸エステルは子宮筋腫を大きくしてしまうそうだ。フタル酸エステルの代謝物に子宮筋腫の細胞をさらすと、細胞の成長が促進され、より長く生き延びたとのこと。

子宮筋腫は大きくなると、子宮を摘出しなければならなくなることもあり、女性にとって軽視できない病気だ。

厚労省は室内大気の濃度指針値をもうけているそうだが、住宅引き渡しの際に住宅メーカーや不動産屋さんは測ってくれるだろうか?

https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/4f/phthalates.html

フタル酸エステル類は、プラスチック製品や化粧品、建材などさまざまなものに使われているので、日本で暮らしていたら曝露は避けようがない。

資生堂は一応、製品には使わないといっているが・・。

https://our-products-policy.shiseido.com/jp/ingredients/phthalates

先日テレビ番組で、室内温度を保ちヒートショックを予防するため、シャワーカーテンを通常のカーテンの内側にかけるという案を披露していた。

しかし、多くのシャワーカーテンにはフタル酸エステル類が使われている。塩ビの壁紙やクッションフロアーから揮発するフタル酸エステルに加え、カーテンからまで揮発したら・・考えただけでゾッとする。

しかもシャワーカーテンには、防かび剤や撥水処理のための薬剤も使われている可能性がある。そんなものを長時間すごす部屋で使うとしたら、よほど製品を吟味しなければならない。

日本の規制は緩すぎるので、すべての製品に対しフタル酸エステル類の使用を禁止してほしい。せめてEU並の規制ができないものだろうか。

<研究論文>

https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2208886119

<関連記事>

やっぱり怖いフッ素加工、カリフォルニアでは調理器具にPFASを表示義務

テフロンなどのフッ素樹脂加工していない炊飯器を探したが、ついに見つからなかった。家にあるホットプレートもフッ素加工してあるので、もう何年も使っていない。加工していないものもあるらしいので、買い換えようとは思うが、まだ使えるものを捨てられず、買い換えていない。そのため、お好み焼きも食べにくくなった。

フライパンは長年鉄製を愛用しているので我が家は心配ないが、最近出たニュースによると、テフロンのフライパンはコーティングが剥がれると、マイクロプラスチックが280万個も出るという。

カリフォルニア州では「調理器具メーカーは、自社製品に特定のPFAS(有機フッ素化合物)やその他の化学物質が含まれているかどうかを開示する必要」があるそうだ。

https://www.wastedive.com/news/2023-waste-recycling-laws-colorado-california-dc/639618/?eType=EmailBlastContent&eId=88d8b908-5276-4b65-946a-2f821f0ce56b

炊飯器などカリフォルニア州ではもともとあまり売られていないだろうが、これでますます売れなくなりそうだ。

<関連記事>

マイクロプラの健康被害 自閉症など

マイクロプラスチックの人体への影響が明らかになりつつあるようだ。

中国・華中農業大学の動物実験で、「二次マイクロプラスチックの精神疾患または神経変性疾患における潜在的な作用メカニズムを解明」したとのこと。

動物実験には妊娠中のマウスを使った。妊娠中の雌マウスにマイクロプラスチックとナノプラスチックを摂取させたところ、雌マウスの臓器にプラスチックが分布。さらに、ナノプラスチックのみが胎児マウスの視床に蓄積したそうだ。

「妊娠中の雌マウスが摂取したミクロン、ナノプラスチック粒子が雌マウスの消化器、子宮、胎盤に分布するが、ナノプラスチック粒子のみが胎児の視床に蓄積することが分かった。しかしミクロンプラスチック粒子の存在は、ナノプラスチック粒子の胎児の脳内への進入を促した」

「今回の研究により、これらの胎児の脳内に入り蓄積したプラスチック粒子が、その成年後の不安行動を引き起こし、主に新しい物事を模索する意欲と能力が低下することが分かった」(人民網日本語版.2022.7.22)

この研究成果は、国際環境・健康分野の重要学術誌「Environment International」に掲載された。

http://j.people.com.cn/n3/2022/0722/c95952-10126295.html

また、最近発表された韓国の研究でも、マイクロプラスチックは自閉症と関連があるという報告がある。

韓国の実験でもマウスが使われた。マイクロプラスチックを摂取させたところ、マウスの脳にマイクロプラスチックが蓄積し、自閉症(ASD)のような行動が誘発されることを確認したという。

人間の自閉症の増加と関連があるのではないかとのこと。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412022000472#!

自閉症は日本でもアメリカでも急激に増加しているという報告があるので、恐ろしい話だ。

また、日本でもマイクロプラスチックの影響が調べられている。

以前発表された杏林大学のメダカの実験によると、マイクロプラスチックが眼や腎臓に悪影響を与えた。

富山短期大学ではラットを使い、マイクロプラスチックの体内蓄積性などの研究がなされている。

https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202102263397988501

人体実験はできないから、動物実験の結果から推し量るしかないが、人間への影響が誰の目にも明らかになったときには、既に手遅れなのだろう。

しかも、実際はマイクロプラスチックの物理的影響だけでなく、プラスチックに添加された化学物質の影響もセットで人体を襲うから、実験よりも現実は過酷だ。

近年、プラスチックによく使われるビスフェノール類やフタル酸エステル類の人体影響についての報告が増えている。

例えば↓

https://spap.jst.go.jp/asean/news/210903/topic_na_05.html

フタル酸エステル類は欧州ではかなり規制が進んでいるのに、日本では進まない。日本の政治家や関連部署の役人は、自分の身だけが大事で、子孫に影響が出る話などには耳を傾けないのだろうか。

マイクロプラ防止のため、人工芝をリユース、リサイクル。充填材は?

人工芝の破片や充填材(ゴムチップなど)がマイクロプラスチックになることは知られている。

そのためか最近、人工芝関連のニュースが多い。

京都市では、球技場の人工芝を再利用してもらうため、無償譲渡するそうで、今譲渡先を募っている。「本格的な競技には向かないが、休憩や軽い運動をするスペースには再利用できる」とのこと↓

https://mainichi.jp/articles/20221120/k00/00m/040/056000c

市は、「従来は古い人工芝は廃棄してきたが、近年問題となっているマイクロプラスチックの発生源と指摘されていることから無償譲渡を決めた」そうだ。しかし、譲渡して再利用してもらったとしても、譲渡先でマイクロプラスチックが発生するのは変わらない。

むしろ古い人工芝は千切れやすい。

もしこれが、今まで人工芝が敷かれていなかったところに「タダでもらったから」といって敷かれたら、たまったものではない。

単に、廃棄費用をケチったのではないか?と疑いたくなるが、まさか京都市がそんなセコいことをするとは思えないので、真意は不明だ。

他方、人工芝をリサイクルする方のニュースは、素直に喜べる。

スポーツクラブが、人工芝の破片を再資源化してスポーツ用品を作る事業を始めた↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/cbcb377dd21866c55350a7ffa0430d23792c8aad

F・マリノススポーツクラブが人工芝でマーカーコーンを作ったとのこと。このクラブは、J1横浜F・マリノスが選手の育成、地域貢献活動などを行う部門を分社化して2020年11月に設立されたという。

写真を見ると、まるで芝刈りした後かのように千切れた人工芝をスタッフが持っている。ごみ袋にもたくさん入っているようだ。一回の整備で、これほど多くの千切れた人工芝を回収できるならば、リサイクルはよい選択肢だと思う。

それにしても、欧州では人工芝の充填材がマイクロプラスチックとして時々話題になっているが、日本ではなぜまだ充填材が問題になっていないのだろうか?話題になるのは、決まって人工芝の本体だ。

ゴムチップや、廃タイヤをリサイクルした人工芝の充填材は、マイクロプラスチックであると同時に身体にも悪そうだから、こちらの方ももっと問題になってよいと思う。

タイヤが摩耗して飛び散った道路のマイクロプラスチック(含まれていた酸化防止剤)が、銀鮭の大量死を招いていたという数年前のニュースを見る限り、人の健康にも悪いはずだ。

新しい炊飯器の内釜、やはりPFAS使用

数年前、10年ほど使っていた炊飯器が壊れたため、新しい炊飯器を買わずに、圧力鍋で玄米を炊いていた。

以前使っていた炊飯器は、発芽玄米機能と炊飯をセットでタイマー予約できたので、便利でしかも、発芽玄米はフツーの玄米よりも美味しかった。

しかし、内釜のフッ素樹脂加工が気になり、壊れた際に買い換えずに圧力鍋を使っていたが、発芽玄米の味が忘れられず、新しい炊飯器を買うことにした。

他の炊飯器には「内釜:フッ素加工」などと書かれていたため避け、「内釜:ステンレス」と書かれているものを購入。しかし、届いた炊飯器(NC-F190)の内釜はしっかり「フッ素加工」だった。

残念!

しかも、玄米炊飯も発芽も別々で長時間かかる。玄米炊飯は70分、発芽には12時間!

安かったので仕方ないか・・。

朝、炊きたての玄米を食べたければ、夕方から発芽させ、朝起きてすぐに炊飯スイッチを押さなければならないようだ。

しかも、発芽の際に匂いが出るので、炊飯の際には優しく洗米するようにと書かれている※。

時間がかかるので、とりあえず玄米を発芽させずに炊いてみたところ、圧力釜の味とあまり変わらず、発芽玄米らしくない。

これならば、発芽だけ炊飯器で行い、炊飯は圧力釜でする方が時短で省エネだ。

まだ発芽玄米や白米を炊いていないので何とも言えないけれど、内側がフッ素樹脂加工されていない炊飯器がほしかった。

※以前使っていた炊飯器は発芽から自動的に炊飯までできたので、不思議に思って調べたところ、夏場は発芽後に水を取り替えるのが一般的なようだ。発芽後に臭いがなければそのまま炊飯しても問題ないらしい。

環境ホルモンの4つの特徴(ティナ・コル・イエンセン博士講演会)

ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議が8月に開催した講演会の詳細が、JEPAニュースに掲載された。

それによると、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモ)には4つの特徴があるそうだ。

1.高用量での影響から低用量の影響を予測できないこと

 動物実験では通常、高用量を試しそこから低用量での影響を予測するが、マウスに環境ホルモンを曝露させた場合、高用量では体重が減少する。しかし、低用量では逆に体重が増える。

2.非特異的影響

  この環境ホルモンに曝露したからといってこの病気になるということはなく、1:1の関係ではない。様々な種類の病気になる可能性が増える。

3.長い潜伏期間

 胎児期に曝露したとしても、その影響が判明するのは成人の生殖期での不妊であったり、中年期の肥満であったりする。

4.世代を越えて影響が継続

 このことは、環境ホルモンには長い潜伏期間があり、さらに様々な臓器や組織に影響を与えることを示している。

5.カクテル効果(複合影響)

 私たちは一種類の化学物質に曝露しているわけではなく、同時に数百数千の化学物質に曝露している。これらは相乗的に作用したり、相互に作用を増強したり、阻害したりするなどの複合作用を起こす可能性がある。

この講演の後半は、良いニュースと悪いニュースが紹介された。

良いニュースは、消費者がプラスチック製品を買わなければ、プラスチックは製造されなくなること。また、食品会社による自主規制が始まっているものもあることだ。

悪いニュースは、代替物質の増加だ。規制された物質が減ったとしても、すぐに化学構造が類似した別の化学物質に代わる。イタチごっこなのだ。

例えばPFASでいえば、PFOS とPFOAは規制後減ってきがが、代わりにPFHxS やPFDAが増えた。

(以上、JEPA news 137号の一部を要約した)

 

GPがプラスチックのリサイクルについて新レポートを発表。リサイクルが失敗する5つの理由(追記)

グリーンピースがプラスチックリサイクルについての新しいレポートを発表した。

https://thred.com/ja/change/greenpeace-report-shows-failure-of-single-use-plastic-recycling/

以下からレポートと付録をダウンロードできる↓

Circular Claims Fall Flat Again

これによると、プラスチックリサイクル(ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルの両方)が失敗するのは5つの理由があるという。

1.収集がきわめて困難である

2.リサイクルのための分別が事実上不可能(何千種類ものプラスチックがあり、それぞれが独自の組成と特性を持っている。プラスチックの種類によって、融点、染料、着色料が異なる)

3.プラスチックの再処理は環境に有害である(汚染や火災の危険性)

4.プラスチックは有害物質でできている(プラスチック製品自体に有毒な添加物が含まれていたり、化学物質を吸着していたりする可能性。カナダ政府が2021年末に発表した報告書によると、再生プラスチックの毒性リスクにより、「生産されるプラスチック製品や包装の大部分」が食品用包装に再生されることを禁止している)

5.リサイクルに経済性がない(プラごみを収集、分別、運搬し、安全に再処理するには、常に法外なコストがかかる。バージン原料の方がはるかに安く、品質も良い)

紙やガラス、金属にはこれらの問題はないため、はるかに高い割合でリサイクルされているそうだ。

レポートにはより詳しい説明が記載されている。

<追記>

このレポートについての批判記事があった。

Waste 360だ。グリーンピースのレポートの著者は、プラスチックを嫌っているため、リサイクルを否定しようとしているというものだ。

しかし、プラスチックのリサイクルは業界や国が宣伝するほどうまくいっているわけではないので、レポートの方が信憑性が高いように思う。

https://www.waste360.com/recycling/greenpeace-vs-recycling-what-wasnt-said?eType=EmailBlastContent&eId=6e63321a-16e3-43df-8ee3-b9dc6a207001