「有害化学物質から子どもを守るネットワーク」設立

「有害化学物質から子どもを守るネットワーク(略称子どもケミネット)」(仮称)が設立されたそうだ。

https://kokumin-kaigi.org/?page_id=9884

設立に向けて、4月22日に設立総会記念講演会を開催するとのこと。

以下に案内を転載。

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日時:2023年4月22日(土)午後1時45分~4時30分
会場:連合会館204会議室(定員144名)
東京都千代田区神田駿河台3-2-11
最寄り駅
JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」(徒歩5分)
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B3出口(徒歩0分)
東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」B3出口(徒歩5分)
Zoomウェビナーでのライブ中継もあります。

スケジュール
1:45~1:50 開会
1:50~2;35 ネットワーク設立総会(20分)
参加団体からの表明(15分)
海外からのメッセージ(10分)2:35~2:40 休憩
2:40~3:20 講演1「最近分かった環境ホルモンの性と生殖への影響」
講師:水野玲子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事)
3:20~4:00 講演2「有害化学物質による子どもの脳への影響」
講師:木村-黒田純子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事
環境脳神経科学情報センター)
4:00~4:15 質疑応答
4:15~4:30 設立宣言採択
閉会

参加費:無料
参加申し込み方法:
会場参加のお申込みは、お名前、連絡先を明記の上 メール(kokumin-kaigi@syd.odn.ne.jp )でお申込みください。
ウエビナー参加申し込みは下記URLより事前登録してください。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Jpsh4IRwRxGFqhO1s3KTtg


環境省:「PFAS排出源の98%特定できず」マジか

環境省がとりまとめた調査で、国の暫定的な目標値を超えた13都府県の81地点のうち、98%の地点で排出源の特定に至らなかったとのこと。

2021年度の自治体調査で国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を上回る81地点のうち、汚染源が特定されたのは大分県の2カ所のみ。その2カ所は、過去にPFASを使用していた工場の敷地内の井戸だそうだ。

本気で調査したのか疑問だ。

米軍基地からの泡消火剤が、PFAS汚染の主な原因の1つだということははっきりしているはず。それにも関わらず、「東京都多摩地域では米軍横田基地の周辺でも、水道水に利用する地下水から高濃度で検出され、都水道局の井戸34本が取水停止となっているが、汚染源は特定されていない」東京新聞(2023.3.29)というのは、一体どういうことだろう?

まさか米軍に気を遣っている?

東京新聞によると「環境省はPFASが暫定指針値を超えた場合の対応について、自治体向けの「手引き」を作成している。その中では「排出源特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討する」としているが、具体的な調査方法などは示していない」とのことで、環境省の専門家会議で、委員からは「自治体に丸投げのようになっており、自治体側は知見がない中で(調査などを)やりようがない」などとの意見が出たという。

自治体はどういうものにPFASが含まれているのか、についてほとんど知らない。おそらく国の担当者もよくわからないから、自治体に丸投げすることになったのではないか。

泡消火剤のみならず、プラスチック工場や半導体工場、化粧品工場、撥水加工を扱う業態(例えばクリーニング店など)も調べる必要があるだろう。また、人工芝にもPFASが含まれている。人工芝グラウンドや近頃流行のゴムチップ舗装なども徹底的に調べてほしい。

<参考>

東京新聞(2023.3.29)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/240743

ボストン市で人工芝を禁止!理由はPFAS

英紙ガーディアンによると、ボストン市長のミシェル・ウー氏は、都市公園に新たに人工芝を設置することを禁止した。すべての人工芝に有害なPFASが含まれているためだという。

また、人工芝の充填材(ゴムチップ)は廃タイヤで作られていることが多く、重金属やベンゼン、VOCなどを含んでいる。さらに、それらは温室効果ガスであるメタンまで発生させた挙げ句、水路に流出する。

天然芝という安全な代替品があるのに、なぜ人工芝を使うのか。ナショナルフットボールリーグの選手たちは、ケガのために人工芝を禁止するようにリーグに圧力をかけているという。アメリカのサッカー代表チームも同じ理由で、天然芝でのみプレーするそうだ。

米国内には、12,000の人工芝のフィールドがあり、毎年少なくとも1200以上の芝が設置されているが、近年、ボストン市以外でも複数の自治体が人工芝を禁止、あるいは使用を制限し始めた。しかし、マサチューセッツ州などいくつかの州で州レベルでの禁止の提案が失敗したという。

PFASは分解しにくい「永遠の化学物質」だ。数千もの種類があり、どれも危険で、ガンや免疫力低下、先天性欠損症など深刻な健康問題への関連が指摘されている。

それにもかかわらず、危険視され使わなくなったのは古くからPFOSとPFOAのみ。他のPFASグループは、使い続けられ、人の血液からも検出されている。

知れば知るほど、人工芝には反対だ。

<参考>

ガーディアン(2022.9.30)

https://www.theguardian.com/environment/2022/sep/30/boston-bans-artificial-turf-toxic-forever-chemicals-pfas

<関連記事>

人工芝にもPFAS。人工芝の危険性はゴムチップだけではない

人工芝にもPFASが含まれるそうだ。

ミシガン州に拠点を置く非営利環境グループであるエコロジーセンターが調べたところ、調べた8つの芝サンプルのすべてから、PFASが検出されたという。

芝は通常、ポリエステルやポリプロピレン、ナイロンなどで作られ、無害のように見える。しかし、芝を作る際、押出機を詰まらせるため、プラスチックにPFASを添加する。すると、詰まらずにうまく押出機を通過するそうだ。

PFASなしで芝を作ることは考えにくいらしい。

そういえば、最初に人工芝を作ったのは、ラウンドアップなどで有名な化学会社のモンサントだ。その手のものが入っていても不思議はないかもしれない。

これまで人工芝の危険性は主に充填材(ゴムチップ)にあると考えていたが、芝部分と芝の台になっているマットにもあるということか。

2017年、交換後の古い人工芝のロールが積み上げられていたため、そのロールから切り取ったマットの芝部分を捨て、マット部分を調べたらそれからもPFASが検出されたそうだ。しかも、検出されたPFASはPFOSだ。

また、その場所の近くに湿地があり、その水を調べたら、そこからもPFOSが検出されたそうだ。

人工芝もPFASによる水汚染の一因になるということだ。

<参考>

The Interecept(2019.10.8)(英語)↓

https://theintercept.com/2019/10/08/pfas-chemicals-artificial-turf-soccer/

日本語ブログ↓

https://ameblo.jp/rudoharu/entry-12777920917.html

<関連記事>

ニューヨーク州、アパレルとカーペットのPFAS禁止法が成立

PFASの危険性を指摘する声が日々高まっている。

ニューヨーク州では昨年12月、ニューヨーク州知事がペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の使用を禁じる2つの法律を承認した。

1つはアパレル製品、もう1つはカーペットだ。

アパレル製品は衣料品全般で、おむつや着ぐるみも含まれているがアウターウェアが含まない。施行予定は2023年12月31日とのこと。

日本でも、汚れ防止機能などをうたった衣類が売られているが、そういうものが禁止されるようだ。日本でも、特に子ども服のPFAS使用は早急に禁止してほしい。

もう1つはカーペット。商業ビルや住宅内で使用されるカーペット(カーペットタイルや人工芝を含む。部分的に使用するようなラグは含まない)が対象で、PFASで処理されたものは販売が禁止される。

施行は2024年12月31日から。

さすがに、飛行機やバスのシートのPFAS使用はまだ禁止できないようだ。

<参考>

https://www.bureauveritas.jp/consumer-products-retail/newsroom/230131

相模原のPFAS汚染で、浄水器のカートリッジを交換した

相模原市内の地下水や河川から高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)が検出されて以来、「大丈夫?」と心配されることが増えてきた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234009

幸い我が家では地下水を飲んでおらず、水道水のみだったため、難を逃れているようだ。

神奈川県の県営水道でもPFOSとPFOAの検査が数年前から始まっており、今のところ検出されていない。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w6a/wqa/pfas.html

とはいえ、川で検出されているのだから、検出限界値以下であっても油断はできないし、しかも調べられているのはPFOSとPFOAのみ。他のPFASは調べられていないので、完全には安心できない。

先日、ちょうど浄水器のカートリッジ交換の知らせが届いたので、交換した。

浄水器で9割程度は除去できるという研究結果もあるようなので、これが今できる最善策か・・。

汚染源は特定されていないが、誰であろうと、水や空気を汚すような製品は、絶対に作ったり使ったりしないでほしい。

地下水もマイクロプラで汚染、園芸用ポットも原因の1つ

熊本朝日放送がとても興味深いシリーズを始めた。

1回目は「プラスチックの行方~「水の国」からの警鐘」だ↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/ad7c7522c41bb45f8a92a1982679e79794ccb75e

マイクロプラスチックが熊本の地下水から検出され、添加剤から由来を調べると屋外で使う園芸用ポットだったらしいことがわかったそうだ。

この他、以前話題になったギンジャケの大量死の原因がタイヤの添加剤6PPDにあることも報道している。

6PPDが酸化すると6PPDキノンになり、一部の魚に毒性がある。魚に毒性があるということは、人間の健康にとっても良いはずがないが、6PPDキノンは東京の道路からも検出されている。

プラスチックの屋外使用は本当に気をつけなければならないことを、この番組は訴えているようだ。

シリーズ2回目は、「マイクロプラスチックが生態系に与える影響」とのこと。楽しみだ。

番組はyoutubeでも公開されていて、とても見応えがある↓

宅配人の柔軟剤臭がキツすぎる

宅配便を運んで来られる方々には感謝しているが、最近特に柔軟剤臭が気になる。

汗臭さを気にしているのかもしれないが、これまで宅配業者の方々に汗臭さを感じたことはない。でも最近は、柔軟剤臭が気になってならない。

荷物の中身にまで香りが移ったら大変なので、宅配業者の方々には香り付きの洗剤や柔軟剤の使用は避けていただきたい。それこそが「香りのエチケット」だと思う。

下水汚泥の肥料は、PFASなどの有害化学物質やマイクロプラの検査が必要

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、肥料が高騰。そのため、下水汚泥から作った肥料に注目が集まっている。

農水省では昨年から「下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた官民検討会」を開催。目標は

「2030年までに堆肥・下水汚泥資源の使用量を倍増し、肥料の使用量(リンベース)に占める国内資源の利用 割合を40%へ」とのことだ。

下水汚泥には肥料分がたっぷり含まれているが、化学物質や重金属、それにマイクロプラスチックも当然たっぷり含まれている。下水汚泥から既にPFASが検出されているし、調べれば他の化学物質もいろいろ検出されるはず。重金属については誰もが知る既成事実だ。

当然マイクロプラスチックも含まれているので、下水汚泥のリサイクルが進んでいる欧州では、畑がマイクロプラスチックの発生源になっているという報告がある。

大気中のマイクロプラスチックの発生源になるというのも困るが、野菜が水と一緒にマイクロプラスチックを可食部分まで吸い上げているという研究報告もある。

日本は下水汚泥の堆肥化や肥料化はあまり進んでいないので、安心していたが、これから進めるならば厳しい基準を設けてほしい。

汚泥中に含まれるリンだけを抽出し、肥料にするのはよいが、汚泥全体を適当に処理して使用するのはやめてほしい。

神戸市の汚泥肥料は、「下水処理場の配管に詰まる結晶化したリンを活用」したものとのこと(朝日新聞.2022.8.28)。結晶化したリンだけ取り出しているならばよいが、やはり検査してほしい。

<参考>

農林水産省ウェブサイト

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/biomass/221018_1.html

朝日新聞(2022.8.28)「下水処理場でつくる神戸のリン、肥料高騰で商機?」

https://www.asahi.com/articles/ASQ8W6WMPQ8RPIHB026.html

コカコーラのジュースもPFAS汚染、原因は?

水道水のPFAS(有機フッ素化合物)汚染が問題になっている。検査した多摩地域の住民の85%の人の血中濃度がアメリカの基準を超えていたという。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/228317

アメリカでは、コカコーラ社のジュースからも検出され、集団訴訟になっているそうだ。

原因は不明のようだが、もしかするとジュースの原料の汚染も疑われる。果汁100%ということならば、水で薄められているわけではないので、工場内の水が汚染源ではなさそうだ。

ということは、農地の地下水が汚染されていたか、灌漑農業だとしたら使用された水が汚染されていたか、はたまた農薬や肥料由来か・・。

もう1つ可能性として考えられるのは、ビニールハウスによる農地の汚染だ。

『よくわかるプラスチックの仕組みとはたらき』(桑嶋幹、他)によると、ビニールハウスにはPET系とフッ素系のフィルムが使用されており、PET系は紫外線を通さないけれど、フッ素系ならば通すので、ナスなどの栽培にも使えるとのこと(2022年、p.183)。

また、フッ素系フィルムは汚れもつきにくく、熱や寒さに強い上、材質の強度も十分。だが、フッ素系フィルムは焼却時に有害なフッ素ガスを発生させるため、廃棄処理の問題があるという。

もしかすると、農地がフィルム由来のフッ素樹脂で汚染されていて、それが農作物に入り込んだのではなかろうか?

以前はビニールハウスといえばPVCが一般的だった。PVCはフタル酸エステルが問題だったが、いつの間にかフッ素系フィルムに代わり、今度は別の問題が起きたのでは?と想像している。

便利な社会は、落とし穴だらけだ。