インド国営航空、機内での使い捨てプラを禁止 印amazonも脱プラ

2022年までに使い捨てプラスチックを廃止すると表明するインドは、脱プラ政策を加速させている。

インドの国営航空エア・インディアが、機内での使い捨てプラスチック製品の使用を10月2日から禁止すると発表した。

また、amazonのインド法人も、2020年6月までに包装材への使い捨てプラを中止するそうだ。

日本のamazonの似姿を見ると、商品がプラスチックフィルムでギリギリと段ボールに固定されている。おかげで緩衝材を使わずに済んでいるが、段ボール箱とプラスチックフィルムが使われている。

日本が脱プラを鮮明にしたら、日本のamazonも変わるだろうか。

ドイツでは何度も使える「通い箱」に商品を入れて、配送する通販会社もあるそうだ。

<出所>

JETRO(2019.9.12)インドのプラスチック規制、民間企業も追随

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/09/15a5ea6ca78eb967.html

スロバキアも飲料容器デポジット制度を導入、2022年から

欧州連合(EU)では、今年に入ってから飲料容器のデポジット制度を検討する国があとを絶たない。

スロバキアでも2022年から制度をスタートさせるようだ。

対象はペットボトルと缶。

ペットボトルのデポジット(保証金)は0.12ユーロ、缶のそれは0.10ユーロのようだ。

スロバキア人の86%が、このデポジット制度に賛成しているとのこと。

システム導入にあたり8000万ユーロの費用がかかると試算されている。これは「汚染者負担の原則」で生産者と売り手が支払うべきで、公的資金は使われるべきではない、という。

“The costs of the deposit return scheme should be shouldered by those who profit from the sale of drinks,” Miloš Veverka and Daniel Lešinský of CEPTA said, as quoted by SITA. This means sellers and producers ought to pay since the scheme represents the “polluter pays” principle in reality.

税金でせっせとペットボトルを回収した挙げ句、環境省までもがコンビニ店頭に設置する自動回収機に補助金を出す日本とは大違いだ、と感心している。

日本の環境政策は、産業界寄りの政治家により歪められ、産業界への「忖度」で溢れている。

<出所>

THE SLOVAK SPECTATOR(2019.9.11)Slovakia will introduce a deposit scheme for PET bottles and cans in 2022;

https://spectator.sme.sk/c/22210435/slovakia-will-introduce-deposits-on-pet-bottles-and-cans-in-2022.html

 

フィリピン、コメとプラごみを交換、蚊と米を交換する自治体も、ネスレなどはリサイクル工場を建設

フィリピンの新しい政策が面白い。

プラごみ2kgをお米1kgと交換してくれるそうだ。

お米1kgは約76円とのことなので、プラごみ1kgは38円相当か。

集まったプラごみは政府により適切にリサイクル・処分される。

確かフィリピンは、大気汚染防止法により、焼却施設の建設を禁止していた。今でもそれが続いているとすると、リサイクルできる廃プラはよいとしても、リサイクルに向かない廃プラはどのように処分するつもりだろうか。

プラスチック製ストローやカップなどの店内提供は既に規制されているようだが、おそらくそんな程度ではフィリピンのプラごみはどうにもならない。

グローバル企業が日用品などの販売を通してもたらす膨大な量のプラスチック製容器包装に、フィリピン政府は今後厳しい規制をかける可能性がある、などと考えていたところ、ふと先日の新聞記事(日経2019.9.10、デジタル版は2019.9.9)を思い出した。

ネスレなど12社が、年内に廃プラのリサイクル工場をフィリピンに作るという記事だ。

確かにそうでもしないと、プラスチックで包装された製品を売り続けたい企業は、フィリピンでは生き残れない。

これからどうなるか、しばらくフィリピンから目が離せない。

(追記)

まにら新聞によると、フィリピンには蚊200匹と米1kgを交換する自治体もあるようだ。

まにら新聞(2019.9.14)「プラごみ2キロや蚊200匹をコメ1キロと交換するバランガイが登場」

http://www.manila-shimbun.com/category/society/news246982.html

<参考>

REUTERS(2019.9.13)プラごみをコメと交換、フィリピンで開始 貧困対策にも

https://jp.reuters.com/article/plastic-waste-idJPKCN1VY08I

日本経済新聞(2019.9.9)「フィリピン、プラごみ強硬姿勢 世界大手に対策迫る ネスレ、P&G、ユニリーバなど」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49583610Z00C19A9FFE000/

 

小泉環境相、どうする?原発、レジ袋

ようやく原発に反対する(少なくとも推進しない)環境大臣が誕生した。

推進する勢力とどこまで闘えるか、楽しみだ。頑張って欲しい。

また、来春にひかえたレジ袋有料化も詳細はまだ決まっていない。

容器包装リサイクル法(容リ法)の枠内で有料化するのは簡単だが、そうすると深く切り込むことはできない。

「容器包装」としてカウントされる「プラスチック袋」は一部に過ぎないためだ。

まともに減らためには、「プラスチック袋法」を考える方が良い。

例えば、新聞整理袋やかさ袋、スーパーの薄い小袋(サッカー台などにロール状で置いてある)、郵便プラ袋(ダイレクトメールやカタログなどが送られてくる袋)などは容リ法の対象ではない。

この際、不必要なプラ袋(代替品が他にいくらでもあるようなもの)はすべて減らしたい。

地球温暖化対策も待ったなしだ。石炭火力やパーム油発電にも大ナタを振るって欲しい。

小泉環境相の手腕に期待している。

<関連記事>

プチ「脱プラ」宣言⑨店頭で雨の日に配布されるプラ製傘袋は、もったいない

新聞販売店、紙袋からプラ製「レジ袋」へ 時代に逆行

セラリーニ教授来日!講演会のお知らせ

モンサント社などの遺伝子組換え食品と除草剤ラウンドアップの長期動物実験で、これらの隠された危険性を明らかにしたセラリーニ教授が来日する。

セラリーニ教授と一緒に世界中で講演活動を行っているシェフのジェローム・ドゥーズレとともに講演するそうだ。

日時:2019年10月31日(木)

開場:11時30分、開演12時30分、終了16時30分

場所:東京ウィメンズプラザ・ホール

参加費:資料代2000円(逐次通訳)

要予約、定員250名

主催:日本消費者連盟、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン

予約・問合せ先:日本消費者連盟

Tel:03-5155-4765  Fax:03-5155-4767

Eメール:office.j※nishoren.org

※を@に替えてください。

新聞販売店、紙袋からプラ製「レジ袋」へ 時代に逆行

「新聞整理袋」などと称し、新聞販売店がプラスチック製レジ袋を配布する地域が増えてきた。

以前は紙製だった地域も、最近はポリエチレン製などに替えている。

これも「レジ袋」だから、続けるならば来年から有料化すべきだ。

しかし、来春予定されている「レジ袋有料義務化」は容器包装リサイクル法(容リ法)の中で検討されることになりそうだから、新聞整理袋は容リ法が規定する「容器包装」には該当しない。そのため、例外規定が設けられない限りは有料化されない。

紙製の新聞を白い紙袋に入れれば、袋も新聞と一緒に製紙工場へ行きパルパーの中に入れられる。だから、白い紙袋を配布するのは理解できたが、新聞販売店によるポリエチレン製袋の配布は理解不能だ。

販売店によっては、これまで無漂白の茶色っぽい紙袋を使っていた。この場合、新聞と一緒にパルパーへ入れられないから、袋は段ボール工場へ回される。一手間かかるから、なぜ白色にしないのかと思っていたが、レジ袋よりはるかにマシだった。

地域によっては、紙ひもを配る地域もあった。最近ではあまり見かけないがどうなったのだろうか?

紙ひもをいちいちプラ袋に入れて配るのはどうかと思うが、紙ひも使用初心者には、こういうサービスも悪くない。使い慣れたら、好きなサイズを1巻き買えばよい。

紙ひもは、横浜市資源リサイクル事業協同組合でも売っている↓

http://www.recycledesign.or.jp/product/

プラスチック製新聞整理袋は、「脱プラ」時代に逆行していないか。

紙袋よりもプラスチック袋のほうが安いからだろうが、こんなことするならば、新聞購読などやめるぞ!と思う。

新聞社に社会的責任はないのか。あるならば、販売店を指導すべきではないか。全国の新聞販売店が、レジ袋を配布すると、相当な量になる。

雑がみ回収までする自治体でも、これら販売店を指導する様子は見えない。やはり国が法律で、すべてのレジ袋の無料配布をしっかり禁止すべきだ。

使い捨て製品に課税するのもよい。その方が、消費税を上げるよりもはるかにマシだ。

世界は使い捨てプラスチック削減に真剣に取り組んでいるが、日本は逆行している。

三菱鉛筆「減プラ」ボールペンのエコ度は?

三菱鉛筆が、石灰石とプラスチックを複合させた素材の「減プラ」ボールペンを発売する。

売り文句はこうだ↓

軸材に石灰石を50%以上含む新素材LIMEXを使用することにより、同型の従来品と比べ、石油由来のプラスチックの使用量を大幅に削減しております。

LIMEXは基本的に、石灰石とプラスチックを混ぜ合わせたものなので、石灰石を50%以上含むということは、プラスチックを50%近く含むということだろう。

確かに「減プラ」ではあるが、どうせならば、プラスチックをもっと使わない素材で軸材はできないものか、と思う。

木製ボールペンは高価すぎて持ち歩くのが心配になるから、やはり自分で使うならば、再生紙製のボールペンか。

もし再生紙を樹脂で固めているとすると、完全な脱プラとは言い難い。だが、この石灰石ボールペンよりも、「減プラ」になりそうだ。

<参考>

JIJI.COM(2019.9.3)「石灰石から生まれた「減プラ」ボールペン『uni LIMEX(ユニ ライメックス)』9月27日(金)新発売」

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000065.000028890&g=prt

 

 

プチ「脱プラ」宣言⑪ごみ収集者を悩ます「爆弾」、ビーズクッション

最近、海岸にビーズクッションやビーズソファ、ぬいぐるみなどの中に入れられているポリスチレン製のマイクロビーズが落ちている。

原因はいろいろあるだろう。

例えば、粗大ごみで出すのが面倒なビーズクッションを、小さくしようとベランダで切ったが手に負えず、中身が飛び散ったり、あるいはヘタったのでビーズを補充しようとして失敗し、散らかったビーズをホウキで掃き出したり・・などが考えられる。

ごみに出したビーズ入り製品を、収集人がパッカー車やトラックに詰め込む際、外側の布が破れ、中身が飛び散ることもあるだろう、とも思っていたが案の定、そのケースも多いようだ。

『このゴミは収集できません』によると、ごみ収集現場ではビーズクッションを「爆弾」と呼んでいるとのこと。

パッカー車に入れようとすると、回転板にまかれて、ビーズが飛び出し道路に飛び散り、手に負えないそうだ。

マイクロビーズの入ったビーズソファやクッション、ぬいぐるみは、触るとグニュグニュととても気持ちがよい。気持ちはよいが、中身を想像すると気持ちが悪くなる。使用後の処分方法を想像したら、まず買えなくなると思うが、知らずに買ってしまう人も多い。

売る責任、作る責任はないのだろうか。

このような製品(中身が飛び散りやすく、飛び散ったら回収できずに海などを汚染する製品)は、洗顔剤や歯磨き剤のマイクロビーズ同様、製造も販売も規制すべきだ。

<関連記事>

プチ「脱プラ」宣言⑩使い捨てウチワはいらない

 

 

なぜ柔軟剤を使うの?合成洗剤と柔軟剤の関係

柔軟剤を使う人が増えている。合成洗剤を使う人が多いから、当然だろう。

合成洗剤を使って洗濯すると、衣類が固くゴワゴワになる。それを柔らかくするため、柔軟剤を使いたくなる。
粉石けんや液体石けんを使っていれば、それほど衣類は固くならない。干す際に、バサバサと衣類を払ってから干せば、それなりにふっくらするし、気持ちよくパリッとなる。

柔らかすぎると油分がまだ付いているような気がして気持ち悪いが、パリッと感があると清潔感がある。

しかも、以前アサイチでも放送されたそうだが、柔軟剤を使うと吸水力が落ちる。

そのため、水を拭き取る際、ついゴシゴシ拭うことになる。そうすると肌が刺激されるため、余計に柔軟剤でタオルを柔らかくしたくなるのではないか。

その上、柔軟剤を使いすぎると汚れを再付着させるという。

にも関わらず、柔軟剤を使う人が多いのはコマーシャルによる洗脳効果だろうか。

そのせいか、化学物質過敏症が増えている。小学生など児童の発症も多い。

柔軟剤には、キャップ1杯の中に約1億個のマイクロカプセル(香り成分などを包み込むための被膜)が入っているそうだ。そのマイクロカプセルはもちろんプラスチック。そのため、衣類に付いたプラスチック(マイクロカプセルの破片)を、使用者のみならず周辺にいる人たちも吸引することになる。

これはある意味、ペットボトルの中のマイクロプラスチックを飲料と一緒に飲むよりも怖ろしい。肺に入り込む可能性があるからだ。

マイクロカプセルの材質によっては、強毒性のイソシアネート類を吸引することもある。

しかも、洗濯水と一緒に下水道へ流れるマイクロカプセルは、海ごみの原因となる。

合成洗剤だけでも迷惑だったのに、最近のマイクロカプセル入り柔軟剤はまさに迷惑千万だ。値段も決して安くない。

早急に、柔軟剤などに使用するマイクロカプセルは、禁止すべきだ。

柔軟剤と合成洗剤の関係は、除草剤と除草剤耐性の遺伝子組換え作物の関係と似ている気がする。

<関連記事>

マツキヨ、マイクロカプセル入り柔軟剤を発売 スクラブ用ビーズだけがマイクロプラスチック問題ではない 

香害110番、DVD完成

<参考>

「多めに入れると吸水性低下 柔軟剤のテスト」↓

http://www.do-syouhi-c.jp/test/kira95jyuunannzaipdf.pdf

MSNニュース(2019.6.27)「洗剤・柔軟剤などに含まれる「香りマイクロカプセル」が、環境だけでなく人体にも悪影響を及ぼす!?」

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/洗剤・柔軟剤などに含まれる「香りマイクロカプセル」が、環境だけでなく人体にも悪影響を及ぼす/ar-AADtm5m#page=2

『マイクロカプセル香害』(2019年)古庄弘枝著

ほか

 

 

ラウンドアップでがん発症、原告数1万8400人!賠償金1兆円超えか

モンサント社を買収した独バイエル社が、事業の売却や大規模リストラを急いでいるという。

原因は、モンサントの買収リスクを見誤ったためだ。

バイエルがモンサント買収に投じた金額は、630億ドル(約6兆7000億円)だが、結果得られたものはこれから1兆円以上になると見られる巨額の賠償金の支払いと、経営リスクのようだ。

バイエル経営陣は、当然ラウンドアップの安全性を主張し、多くの弁護士を雇っているが、裁判所で陪審員たちの説得に苦戦しているとのこと。

グリホサートを主成分とするランドアップの危険性は、子どもの健康を守りたいと願う母親たちの活動のおかげで、数年前からアメリカでも広く知れ渡っている。

バイエル社の苦境は、一般市民を甘くみた結果だろう。

グリホサートや遺伝子組換え食品の危険性を訴え、世界中に運動を広げている「Moms Across America(マムズ・アクロス・アメリカ)」の創設者ゼン・ハニーカットさんが、今秋も来日する。

それにしても、欧州ではもちろんのこと、アメリカでもこれほど危険性が認知されているラウンドアップを、なぜ日本ではいまだに大量販売しているのか、不思議だ。

<関連記事>

グリホサートと枯葉剤と自閉症

ラウンドアップでガン発症 モンサントに約320億円の支払いを命じる判決

PCB汚染のため、オレゴン州がモンサント社を提訴

<参考>

日経ビジネス(2019.8.28)「独バイエルが見誤った訴訟リスク」

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00305/