日本 バイオテクノロジー戦略を11年ぶりに策定

日本は、2019年夏をメドに、医療や農業などバイオテクノロジーの技術開発に関する国の戦略をまとめる。2月に大学の研究者や企業経営者らによる有識者会議を立ち上げるとのこと。

2002年と2008年にもバイオ戦略がまとめられたが、有効に機能したとはいえなかったという指摘がある。11年ぶりの策定になる。

バイオプラスチックの開発や、微生物などの遺伝子情報を人工知能で解析する技術開発を後押しする。

ゲノム編集技術の開発と規制のあり方も議論するようだ。

<筆者補筆>

この背景の1つに、バイオプラスチック分野での日本の遅れを取り戻し、企業がバイオプラスチックを導入しやすくすることもあると考えられる。しかし、バイオプラスチックのリサイクルルートの整備と、使い捨てプラスチックの大幅削減のための具体的な施策を、同時に行う必要があるのではないか。このままでは、使い捨ての石油由来のプラスチックがそのままバイオプラスチックに置き換えられ、それで「すべて良し」とされそうな不安がある。

<出所>

日本経済新聞(2019.1.14)「バイオ技術戦略、11年ぶり策定へ」↓

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3992549011012019TJM000/

ポルトガル ペットボトル回収に本腰、2022年からデポジット制度開始か

ポルトガル政府が新しい法案を発表し、再利用不可能なペットボトルの回収を促すプログラムを開始した。

このパイロットプログラムは2019年12月21日まで続くとのこと。

再利用不可能なペットボトルを返却する消費者に、何らかのプレミアム(報償?)が与えられる。

大規模小売事業者は、プラスチックボトルを環境省が決めたプレミアムと交換するスペースを無償提供し、機器を設置することが義務付けられる。どういうプレミアムになるかはまだ未定とのこと。

2022年1月1日から、ポルトガル政府はプラスチックやガラス、スチール、アルミなど再利用不可能な材料でできた飲料容器に対し、デポジット制度を実施する。

<筆者補筆>

詳しい記述がないためよくわからないが、ポルトガルでは今年試験的に、環境省が用意したプレミアムにより、ペットボトルを回収するようだ。2022年からは、缶・びん・ペットボトルをデポジット制度で回収するということか。

<ポルトガルについての出所>

ESM(2019.1.2)Portugal Encourages Return Of Non-Reusable Plastic Bottles;

https://www.esmmagazine.com/portugal-encourages-return-non-reusable-plastic-bottles/69174

ECO(2019.1.1)Returning plastic bottles will be rewarded by the Portuguese Ministry of the Environment;

Returning plastic bottles will be rewarded by the Portuguese Ministry of the Environment

 

プチ「脱プラ」宣言⑥容器をなくしました

今の日本で、個人がいくら頑張っても、脱プラはなかなか難しい。スーパーでキノコ1つ、納豆1つ買っただけでも、プラスチックの容器包装が出てしまう。

トレイはなんとか避けることができたとしても、完全な脱プラを一般のスーパー利用者が実現するのはほぼ不可能だ。

そんな中、果敢に「ネイキッド」(無包装)をすすめている企業がある。残念ながら食品ではなく、シャンプーや入浴剤などのお洒落感覚溢れるバス用品などの店なので、私には少々敷居が高かったが、頑張って店内をのぞいてみた。

液体のものもあるため、プラスチック製ボトル入りの商品もまだあるが、想像していた以上に固形化が進められ、さまざまな無包装の商品が並んでいた(香りが控えめなせいか匂いも気にならなかった)。

固形化により水分を減らしたおかげで、保存料が減らせるなどのメリットもあったようだ。

石けんなどはすべて無包装になったようで、本体がむき出しで並べられている。それがとてもお洒落で、買うと紙でクルクルと包んでくれる。

陳列棚での「包装」は要らなかったことに、あらためて気付かされた。このような企業が増えると、プラスチックごみが大幅に減りそうだ。

そういえば、私も昔、固形石けんで髪を洗っていたことを思い出した(今は泡の出るポンプに液体の石けんシャンプーを入れ、リンスには酢やクエン酸を使用)。また固形石けんに戻してみようか?と考えている。

*今回は、私の脱プラ宣言ではなく、代わりに企業(ラッシュ)の脱プラのご紹介です。

<写真>

↓容器入りの製品の上に乗っているのが、容器をなくした同じ製品。容器がないのに、容器と同じ形に作られ、遊び心も満載

 

<関連記事>

プチ「脱プラ」宣言⑤スーパーで薄い小袋をもらわない

世界遺産がプラスチックごみにより「危機遺産」になる可能性

1988年に世界遺産に指定された英領ヘンダーソン島は、手つかずの自然が残る無人島で、独自に進化を遂げた固有の動植物を含む生態系を有している。

しかし、プラスチックごみの被害が深刻で、オーストラリア・タスマニア大学の海洋生物学者、ジェニファー・レイバースさんの2015年の現地調査によると、面積3700ヘクタールのヘンダーソン島の砂浜に17トン以上、計3770万個のごみがあると推定されるという。このごみ密度は、世界のどの場所よりも高く、南太平洋の海流に乗り、北側の海岸だけで一日当たり少なくとも3570個のごみが新たに打ち上げられているそうだ。

一刻も早く、世界中で、プラスチックごみの散乱をなくす必要がある。

ユネスコの海洋関連の世界遺産保全担当者は、毎日新聞の取材に応じ、自然が残る離島の世界遺産が、緊急の救済措置を要する「危機遺産」リストに入る可能性を示唆したとのこと。

<出所>

毎日新聞(2019.1.9)「世界遺産がプラスチックごみで危機に ユネスコ担当者「国際的な枠組み必要」」↓

https://mainichi.jp/articles/20190109/k00/00m/030/240000c?fm=mnm

毎日新聞(2019.1.9)「離島覆うプラスチックごみ 砂浜に3770万個 英領ヘンダーソン島」

https://mainichi.jp/articles/20190109/k00/00m/030/243000c?fm=mnm

 

なぜ今さら、下水道で紙おむつ処理?(その4)

昨年立ち上げられた国交省の検討会で、紙おむつを下水道に流して処理する、という案が検討された。

多くの人たちから、プラスチックごみの海洋汚染が問題視されているこの時代に、プラスチック部分の多い紙おむつを下水道に流してしまうなどとんでもない、下水道で100%プラスチックを捕捉するのは無理、などの指摘が相次いだ。

2回目の検討会までは報道されたが、その後のニュースがなかったため、中止されたか・・と喜んでいた。

しかし、水面下でしっかり動いていたようだ。

昨年10月に、ほぼ同じ名前の検討会「平成30年度 下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」の第1回目が開かれていた。以前の名前は「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」。つまり、「平成30年度」を冠しただけで他の名前は同じ、ということのようだ。

内容は、これまで最も有望視され検討されていた「紙おむつを破砕し下水道に流す」という案ではなく、「トイレ内に便器とは別の装置を設置。分離した汚物だけを装置から流し、おむつはごみとして回収」するという案を主に検討しているようだ。

パナソニックが現在、試作機を開発中とのことで、年度内に高齢者施設で試用する、問題がなければ、再来年度から実用化するそうである。

汚物を取り除く際、紙おむつの中のプラスチック部分まで汚物と一緒に取れるのではないか、汚物のみ取り除くことにどれだけのメリットを感じて、専用装置を購入し設置する高齢者施設があるのか、など疑問は拭えないが、とりあえず紙おむつを破砕して汚物もろとも下水道に流し込む案の検討はひとまず中断したようだ。

しかし、「非公開」のこの検討会、いつまた「紙おむつを破砕し下水道へ」の案が復活するかわからない。今後も行方を見守る必要がありそうに思う。

次回の検討会(第2回目)開催は、2月8日とのこと。

<参考>

朝日新聞(2019.1.8)「紙おむつ、下水道に流して処理できるには?国交省が3案」↓

https://digital.asahi.com/articles/ASM174Q9LM17UTIL00V.html

国土交通省「平成30年度 下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会 開催主旨」↓

http://www.mlit.go.jp/common/001259477.pdf

国土交通省「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」↓

http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000540.html

<関連記事>

なぜ今さら、下水道で紙おむつ処理?(その3)

なぜ今さら、下水道で紙おむつ処理?(その2)

なぜ今さら、下水道で紙おむつ処理?(その1)

クイーンのB・メイさんも「生態系を守ろう」と、辺野古署名呼びかけ

辺野古の埋め立て工事を強行する人たちは、たかがサンゴ礁、たかが生態系、と思っているのではなかろうか。

しかし、サンゴ礁が破壊されれば、サンゴ礁で暮らしている多くの生物が生きていけなくなる。「海洋生物の種数の1/4から1/3がサンゴ礁に生息する」※とのことである。

それでなくとも、世界中のサンゴは現在、温暖化とプラスチックごみのせいで危機的状況にある。

サンゴが死滅すると、サンゴ礁で暮らす生き物もいなくなる。すなわち、海洋生態系の破壊を意味している。当然、それは陸上の生態系にも大きな影響を与え、私たちの暮らしにも悪影響をもたらすだろう。

クイーンのブライアン・メイさんが「サンゴ礁と生態系を守ろう」と、辺野古署名を呼びかけているそうだ。ブライアン・メイさんやローラさんに感謝したい。

※生物多様性オンラインマガジン「サンゴ礁がなくなると、どうなる?」

https://www.aeon.info/ef/midoripress/jp/faq/faq_01.html

<毎日新聞>(2019.1.7)「クイーンのブライアン・メイさんが辺野古署名呼びかけ 「サンゴ礁守って」」

https://mainichi.jp/articles/20190107/k00/00m/030/078000c?fm=mnm

<朝日新聞>(2019.1.7)「クイーンのB・メイさん、辺野古中止呼びかけ SNSで」

https://digital.asahi.com/articles/ASM174CWXM17UCLV006.html

 

 

プチ「脱プラ」宣言⑤スーパーで薄い小袋をもらわない

昨年、近所のスーパーでレジ袋が有料になった。おかげで、うっかりレジ袋を断りそこねてしまうことはなくなった。

さらに良かったことは、レジ係の人がレジ打ちしながら豆腐やブロッコリーを勝手にプラスチック製の薄い小袋に入れなくなったこと。

この薄いプラ袋は、以前は生ごみを入れるのに多少は利用できていたが(それでもかなり袋は余った)、最近はベランダ用キエーロに生ごみを入れるため、袋の出番はまったくない。入れられる度にイラっとしていた。不要だとできるだけ断るようにはしていたが、いちいち断りにくいこともあり、家に溜まる一方だった(時々捨ててはいたけれど、どうも捨てるのは苦手・・)。

小袋が必要な人は、サッカー台にあるロールから取ればよいのだから、レジで入れてくれる必要はない。

レジ袋有料化のおかげで、スーパー側のプラスチックに対する意識が変わったせいか、不要なものを押しつけられずに済むようになって、とてもありがたい。

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プチ脱プラ宣言④テフロン加工のフライパンを使わない

西オーストラリア州のデポジット制度、2020年開始

2019年1月からの開始を予定していた西オーストラリア州では、デポジット制度の開始が1年ほど遅れるようだ。

2020年の早い時期に開始するとのこと。

制度の対象は、150mLから3Lまでのプラスチック製、ガラス製、紙製、アルミ製、スチール製の飲料容器で、内容物は、ソフトドリンク、水、香り付き牛乳(小)、ビール、サイダー、スポーツドリンク、スピリットベースのミックスドリンク。

空の飲料容器を返却ポイントまで持ち込むと、10セント返金される。

ごみの減少、リサイクルの促進、環境保護、企業の社会参加機会の提供などの利点があるとされ、「西オーストラリア州の散乱ごみ戦略2015-2020」や廃棄物戦略を補完できるものである。

西オーストラリア州の散乱ごみ戦略2015-2020については、下記↓

クリックしてFINAL%20Litter%20Prevention%20Strategy%202015%20web.pdfにアクセス

散乱ごみのアイテム別調査結果と容量別調査結果が掲載されている。アイテム別では、タバコの吸い殻がトップ、二番目がプラスチックである。容量別では、プラスチックがトップで、2番目が紙。

<出所>

WA Container Deposit Scheme;

https://www.der.wa.gov.au/our-work/programs/111-wa-container-deposit-scheme

 

 

 

ユニクロとZARAも脱プラスチックを表明

ユニクロは、プラスチック製レジ袋を生分解性プラスチックや紙製などの代替素材に切り替えることを検討している。レジ袋だけでなく、ヒートテックなどの包装に使っていたプラスチック袋の材質見直しも検討するそうだ。

また、ZARAは、2019年以降順次、プラスチック製レジ袋を紙製に切り替える。靴やカバンなどを包んでいたプラスチック包装材も紙製に一本化するとのこと。

<出所>

日本経済新聞(2019.1.5)「ユニクロ、環境配慮素材の買い物袋導入 19年にも ZARAも紙製に切り替えへ 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3962966004012019TJC000/

 

プチ「脱プラ」宣言④テフロン加工のフライパンを使わない

これまでも健康の見地から、テフロン加工(フッ素樹脂加工)のフライパンを使わず、鉄製フライパンを愛用していた。

しかし、わけあって、3年前にテフロン加工のフライパンを購入してしまった。

以来、年に1〜2回だけ、来客などでどうしても料理を焦げ付かせたくない時はこっそり使っていた。「この剥がれ落ちたフッ素樹脂、マイクロプラスチックだよねぇ。お魚さんにも有害かもね?でもテレビの料理番組でもみんな使っているし、、、やっぱり調理には必要よ」と思いながら・・・。

今年はフッ素樹脂を卒業し、鉄製フライパンだけで乗り切ろう、と思っている。成功したら、この年末、思い切ってこの便利で魅力的だけれどキケンなフライパンを処分しよう。卒・テフロン加工!

参考までに、『家庭にひそむ有害化学物質』カレン・アシュトン/エリザベス・ソルター・グリーン著(時事通信社0の第3章「身近な有害化学物質 とくに注意すべき10の物質」の中に掲載されている「有機フッ素化合物 便利だけれど、疑わしい」に対策として書かれていることを以下に転載する。

◆台所用品には、プロの料理人が使うようなステンレス製のほか、鋳鉄、セラミックチタン、ほうろう引きの製品を選ぶこと。

◆フッ素樹脂加工の調理器具を使う場合は、なるべく低めに温度にすること。さらに、台所の換気を十分に行い、用心のために小鳥や赤ちゃん、子どもを近寄らせないこと。

◆子どもが着る学校の制服にフッ素樹脂のような化学物質が使われていないかどうかを、製品ラベルを点検して確認すること、そして、可能な限り天然素材の代替品を選ぶこと。学校の規則で特定の業者から購入するように指定されている場合には、学校側に苦情を言うこと。

◆「ノー・アイロン」や「しわにならない」タイプの衣服は避けること。

◆ファーストフードの包装容器を避けること。とりわけ中身が高脂肪食品の場合は要注意です(ファーストフードの大半がこれに該当しますが)。

◆新しい家具を買うときに、店で防汚加工のサービスを勧められても断ること。

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