コンタクトレンズがマイクロプラスチックの一因に

米アリゾナ州立大の研究チームによると、アメリカの下水に流されているコンタクトレンズは、年間最大33億枚。それらが、細かく砕けて、マイクロプラスチックを増やしている可能性があるそうだ。

アメリカのコンタクトレンズ使用者は約4500万人でそのほとんどがプラスチック製ソフトコンタクトレンズを使用し、そのうち15〜20%の着用者が、流しやトイレに使用済みレンズを流しているとのこと。アメリカだけでも18億から33億6000万枚のレンズが下水に流されている。

下水に流されたコンタクトレンズは、下水処理場で、汚泥2ポンド(約900グラム当たり)2枚程度見つかる。一部は、小さく砕かれ、下水処理場の設備を通りぬけ、水環境に流出するか、汚泥に含まれて処分場の地中などで拡散している可能性があるそうだ。

日本のコンタクトレンズ着用者は、使用後どのように処理しているのだろうか?

<出所>

朝日新聞(2018.8.22)「コンタクト、プラごみの一因か 米の下水に年間33億枚」↓

https://www.asahi.com/articles/ASL8P4HN4L8PULBJ00B.html

北海道の外食チェーン プラ製ストローを廃止

北海道では、プラ製ストローを廃止する外食チェーンが相次いでいる。

外食チェーン「アイックス」は、8月末までに道内外の直営店75店舗でストローを原則廃止する(年間約100万本使用)。子どもや障がい者など必要な人にはメニューにより提供。

また札幌開発は、これまでアルコールと区別するためソフトドリンクにのみプラスチック製ストローをさして提供していたが、紙製に切り替える方針。将来的には、グラスを変更し、両者の区別がつくようにして、ストローを廃止する方針とのこと。

<出所>

日本経済新聞(2018.8.23)「北海道の外食、ストロー廃止 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34463300S8A820C1L71000/

日清食品 生分解性プラに切り替え、どのタイプの生分解性プラかはまだ不明?

日清食品ホールディングスが、即席麺の袋やカップに使うプラスチックを生分解性に切り替える考えを明らかにした。価格が高いなどの課題が解決され次第、置き換えに取組み、2〜3年後をメドに考えたい、とのこと。

よいことかもしれないが、しかし、どのようなタイプの生分解性プラスチックに切り替えるつもりかが不明だ。日清食品のホームページにも新聞各紙にも具体的なことは書かれていない。まだ未定で、環境省が打ち出した生分解性バイオプラへの補助金によりその生産コストが下がることを期待しての判断であろうか?

今、必要とされる生分解性プラスチックは、海中や海底でも分解するバイオマス由来のもので、好気性微生物の豊富な工業用(産業用)堆肥化施設などで分解が始まるような従来型のものではない。

しかも、単に海で分解されるだけではダメで、有害な添加剤などが含まれていないものでなければならない。そうでなければ、たとえプラスチック部分が分解されたとしても、海水に添加剤が残ってしまう。

例えば、これまで生分解性プラスチックのエースだったポリ乳酸などは、海中ではほとんど分解しない。しかし、今必要とされている生分解性プラスチックは、もっと確実かつスピーディに海中で(できれば海底でも)分解され、しかも添加剤などの安全性が担保されたものである。

日清食品の続報に期待している。

<参考>

毎日新聞(2018.8.24)「日清食品 カップ麺容器のプラスチックを生分解性に」↓

https://mainichi.jp/articles/20180825/k00/00m/020/091000c

時事通信(2018.8.24)「即席麺容器に生分解プラ使用へ 化学プラ全廃目指す 日清食品HD」↓

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082401046&g=eco

 

生分解性プラに補助金?! 環境省の役割はまず使い捨てプラの規制では?

環境省は、使い捨てプラスチック製ストローやレジ袋を自然界で分解する製品に切り替えるため、紙製や生分解性のバイオプラスチックを製造する企業に補助金を出すそうだ。

これにより、代替品の供給体制を整える。2019年度の概算要求に50億円を盛り込む。補助対象は、原料をバイオマスプラや紙にするための設備や、リサイクル行程にかかった費用の半額から3分の2を補助する。補助金で、コスト増を理由に慎重だった企業の切替を促すとのこと。

開発を進める企業にとっては、結構なことかもしれない。アメとムチでいえば、補助金は明らかにアメの政策だ。

しかし、昨今の日本の政策は、アメばかりに見える。生分解性のバイオプラスチックの開発などは、放っておいても今後大きく進む。従来のプラスチックのみを製造するメーカーも、それを容器包装などに利用する事業者も、いずれ融資を受けられなくなり、株主からも相手にされず、当然市場から落ちこぼれていくからだ。

今、環境省のすべきことは、アメをなめさせるような一過性の施策ではなく、まず従来のプラスチック製レジ袋やストローなど使い捨て製品を禁止することではなかろうか。生分解性のものでなければ市場に出回らないようにすることで、生分解性バイオプラスチックを製造するメーカーを後押しするのである。

日本の政策はこれまでも、国としては規制せず、業界の足並みが揃うまで待ち、足並みが揃った段階で業界が自主規制する・・のが一般的だ。しかし、これでは時間がかかりすぎ、被害が増える可能性が高い。

環境省は、有害性の高いもの(例えば、レジ袋など使い捨てプラスチック製品や、ネオニコ系農薬などの化学物質)に対し、まず「禁止」措置を鮮明にすべきだ。「アメ」を考えるのは、そのあとでいい。

<参考>

日本経済新聞(2018.8.24)「プラ製品 代替後押し 環境省、紙ストローなどに補助金」↓

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3451510023082018EA2000/

朝日新聞(2018.8.25)「袋やストロー 脱プラ補助」↓

https://www.asahi.com/articles/ASL8S559JL8SULBJ009.html

 

 

太平洋ごみベルトにごみ8万トン集積 日本からは3割

北太平洋のカリフォルニア州沖からハワイ沖にかけてのごみが集まる海域「太平洋ごみベルト」に、約7万9000トンのごみが集まっているという。

オランダのオーシャン・クリーンアップ基金やデンマーク・オールボー大などのグループが2015〜2016年、船を使った採取調査や飛行機による上空からの観察を実施した。ごみ重量は、2014年に別の手法で試算した量の16倍。

ごみベルトに集まった94%がマイクロプラスチックと見られる。数は2014年の試算の約10倍。汚染が進行している可能性が高いとのこと。

ごみの種類は包装用の容器や漁網が多い。また、確認されたごみのうち、最も古いごみは1977年の生産。

表示などから製造場所が分かった386個のうち、日本のものが115個(約30%)と最も多く、中国の113個が2番目に多かった。

<出所>

日本経済新聞(2018.8.20)「北太平洋にプラごみベルト 8万トン集積 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34360420Q8A820C1CR8000/

海底でも分解するプラスチック 開発進む

従来型の生分解性プラスチックは、土中に好気性の微生物がいて、酸素もたっぷりあり、適当な温度もある環境でなければなかなか分解しなかった。

しかし、現在開発が進む生分解性プラスチックは、海の中でも分解が進むタイプ。レジ袋や食品容器など日用品向けへの応用を目指すが、海中と一言でいっても海面に近い所と海底では酸素の量が異なるため、それぞれ別々に開発が進んでいるようだ。

以下、日経新聞(2018.8.20)より

群馬大学は酸素が少ない環境でも壊れるよう工夫し、海底でも分解できるようにした。東京大学は微生物にプラスチックを作らせ、化粧品や研磨剤にも使えるようにした。

群馬大学の粕谷教授らは、耐久性を向上して、嫌気性の条件で切れるつなぎ目をプラスチックの中に入れて、海底で分解を促す技術を開発した。5年以内の実用化を目指す。

またカネカは、植物の油から微生物が合成する「PHBH」と呼ぶ種類の生分解性プラスチックを開発。海水中でも酸素が多いところならば、12週間で分解する。今月に入って生産能力を5倍にすると発表。

<出所>

日経新聞(2018.8.20)「生分解性プラ、海中でも分解
群馬大、少ない酸素で機能 東大、微生物の合成利用」↓

https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=071&ng=DGKKZO34268720X10C18A8TJM000

自宅から出るマイクロファイバーを減らす洗濯法

自社の商品が環境に与える影響に配慮する企業は少ない。そんな中、パタゴニアの取組には頭が下がる。

同社は、カリフォルニア大学の環境微生物学者パトリシア・ホルデン博士の指導のもと、研究プロジェクトを委託。その結果「マイクロファイバー汚染とアパレル産業」がまとめられた。

その結果などをもとに、マイクロファイバーを減らす洗濯方法を考える手掛かりとなりそうなことをあげて見た。

1.縦型(トップローダー式)洗濯機はドラム式(フロントローダー式)に比べ、7倍以上のマイクロファイバーを発生させる。縦型洗濯機を使う人は特に注意が必要。

2.できるだけ目の細かいネットに入れる。できればマイクロファイバー対応のパタゴニア製洗濯袋「グッピーフレンド」がよい。筆者は目の細かい洗濯ネットを二重に使うなどしているが・・効果は不明。

3.安物の合成繊維の衣服は買わない。品質の低いフリースは、品質の高い製品(パタゴニア)に比べ、約170%多いマイクロファイバーが抜け落ちるそう。

4.コインランドリーの乾燥機をできるだけ使わない。ガーディアンの記事によると、アメリカの水道水にマイクロファイバーが多いのは、野外に直接排気する衣類乾燥機が普及しているためではないかとのこと。日本の家庭用衣類乾燥機は、その仕組みによりけりだが、繊維クズをフィルターである程度除去できるタイプも多いようだ。しかし、コインランドリーの乾燥機は排気用ダクトを外に出し、野外に直接排気しているため、アメリカの衣類乾燥機同様、マイクロファイバーを野外に放出している可能性が高い。

他にもいろいろあるだろうが、とりあえず合成繊維の衣類は上記4点を念頭に洗濯すれば多少はマイクロファイバーの発生を防げるかもしれない。

できるだけ自然素材の衣類を購入するに越したことはないが、すべてを自然素材にするのは結構難しい。特に冬用は、ウール100%の手入れが面倒で、つい自宅で洗えるポリエステルやアクリルなどとの混紡に手が伸びる。

せめて、問題の多いポリウレタン製は避けたいと思いつつ衣類を選ぶが、最近は避けようがないほど多くの衣服に入っている。友人はこれについて「劣化の早いポリウレタンを入れるのは、早く買い換えさせるためのメーカーの戦略ではないか」と言っているが・・・そう勘ぐりたくなるほど、最近多くの衣類にポリウレタンが数%入っている。

<参考>

patagonia「海の極小プラスチック繊維について私たちが知っていること」↓

https://www.patagonia.jp/blog/2016/07/what-do-we-know-about-tiny-plastic-fibers-in-the-ocean/

ガーディアンの記事(2107.9.6)Plastic fibres found in tap water around the world, study reveals;
https://www.theguardian.com/environment/2017/sep/06/plastic-fibres-found-tap-water-around-world-study-reveals

 

アディダス 社内でペットボトル禁止

アディダスは、海のプラスチックごみの削減活動に取り組むNGOと組んで、海から回収したプラスチックごみから糸を作り、それを生地にしたユニフォームやシューズの製品化に取り組んでいる。

海ごみに関心をもつ企業はペットボトル消費量にも関心を払うはず・・と思っていたら、やはりアディダスはドイツ本社をはじめ、日本を含む75カ所のオフィスでペットボトルを禁止しているそうだ。

もちろんレジ袋にも気を使い、2016年から直営店で段階的に廃止し、紙袋に切り替えているとのこと。

そういう企業が日本にも増えるといいなぁと思うが、あいにく会社訪問をしても、出てくるのはペットボトルと使い捨てカップの組合せ(プラスチック製の方が紙コップより安いそうで、プラスチック製カップが出るときのほうが多い)が多い。

CSRで環境を謳うなら「櫂より始めよ」で、自社で発生するプラスチックごみに気を使って欲しい。国や自治体も同じで、公共施設内でペットボトルやレジ袋使用を禁止するところがもっと増えてもよい。

環境省が入っている庁舎内のコンビニでは、未だに大量のレジ袋を無料配布しているし、ペットボトルも販売している。さらには、出入りの仕出し弁当屋が、使い捨てプラスチック製容器で毎日弁当を供給している。いかがなものだろうか。

<参考>

日経ビジネス(2018.7.6)「アディダス幹部「職場でペットボトルは禁止」」↓

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16eco/042500006/070500014/?P=1

期待がもてないプラスチック資源循環戦略会議

第1回目の中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会が開催された。

大きな期待は抱いていなかったものの、多少はまともに使い捨てプラスチックを減らす取組について話し合うのだろうと思っていた。

なぜならばこの会議は、カナダでのG7の「海洋プラスチック憲章」に署名しなかったことで、世界に知らしめた日本の海ごみに対する消極性を、G20で払拭するための会議、という位置付けだったはず。

ところが、まったく違ったようだ。

「東京23区のごみ問題を考える」に掲載されていた傍聴の感想を読むと、焼却炉を途上国に売り、プラスチックごみを焼却処理することが、日本のプラごみ戦略の目玉のようだ。

これでG20でリーダーシップが発揮できると本気で考えているならば、中川環境大臣もその取り巻きも「環境音痴」「外交音痴」と言わざるを得ない。環境省が、経産省や経済界に配慮した結果だとしても、これではやり過ぎで、会議の意味がない。

もちろん、経済効果を考えることは大事で、EUなどでも取組による経済効果を強調する。しかし、それはあくまでもプラスチックごみ削減という社会的に正しい取組をした上で、それにより発生する経済効果を謳っているのである。例えば、生分解性プラスチックを国内で生産した場合の効果やリサイクル促進で生じる雇用などによる経済効果を強調する。

それに比べ、昨日の会議は、日本の現状を反省し使い捨てプラスチック削減を検討する前に、何を売ったら儲かるか、の検討が先に立ったように見える(おそらく、そういう面しか考えない利益団体や御用有識者を正規の委員として加え、発言機会を与えることで、そういう方向に話が流れるように最初から仕組んでいた)。

このままでは、G20で日本はどこの国からも相手にされないだろう。

日経新聞によると、年内に7つの検討項目(使い捨てプラスチックの削減、使用済みプラスチックの回収とリサイクル、バイオマスプラスチックへの代替、プラごみの海洋流出の防止、など)に数値目標を盛り込んだ答申をまとめることになっている。

第2回目の会議では、利益団体の発言を封じ、他の委員のまともな意見を検討してほしい。

<参考>東京23区のごみ問題を考える「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会(第1回)傍聴しました~」↓

https://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/d060360f82d7581980fef1c6aa31c8af

日本経済新聞(2018.8.18)「廃プラ削減で数値目標 政府検討、実効性が課題」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3430850018082018MM8000/

<当日資料>環境省

http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-01b.html

ガスト 年内にプラ製ストロー廃止、その他のすかいらーくHDは2020年までに廃止

ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスは、2020年までに国内外3200店すべてでプラスチック製ストローを廃止する。日本の外食大手では初めてだ。

まず、年内に日本のファミレス「ガスト」の全1370店で廃止する。ガストの年間ストロー使用量は6000万本で、これまではドリンクバーにストローを置いていたが、それをやめる。ストローが必要な来店客や、スムージーなどストローを使うメニューでは提供するが、プラスチック製ではなく、代替品を検討しているそうだ。

すかいらーくグループの年間ストロー使用量は1億500万本。日本と台湾に店舗がある。

以上、日経新聞より。

明日はいよいよ第1回目のプラスチック資源循環戦略会議。今回のすかいらーくの決定は、国の動きのあまりの遅さに、企業が国を先導したということだろう。すかいらーくが日本以外で店舗をもつ台湾は、国としてプラスチック製ストロー禁止を決めている。明日の戦略会議では、ストロー以外の使い捨てプラスチックも「禁止」をベースに検討してほしい。

<出所>

日本経済新聞電子版(2018.8.16)「ガスト、プラ製ストロー全廃へ 外食大手初」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3422281016082018MM8000/