キリンのエコ包装は今一つ惜しい?! 

キリンがエコ包装をテーマに動画を作成した。今一つ惜しい内容だ。
国産最軽量のペットボトルや軽量びん。アルミ缶でも最軽量化を実現したとのこと。結構なことだ。
エコパンダも可愛い。

しかし、本当のエコは、まず自社製品を100%回収することではないか。
米国のコカコーラ社のように、自社が販売した容器、あるいは自社販売相当量を100%回収・リサイクルするという目標を打ち出して欲しい。
しかし、日本のコカコーラ社はいつから回収に乗り出すのだろうか?本当に日本でも回収するのか?その具体的な方法は?

コカコーラも気になるが、キリンにも早急に自社の回収・リサイクル目標を発表して欲しい。そうでなければ、ワインやビール容器をペットボトルにするべきではない。

キリン「環境への取り組み」↓

https://youtu.be/cCJM4cgtxc8

英国でストロー、マドラー、綿棒を禁止 今年後半にはさらなるプラスチック削減計画も

英国のマイケル・ゴーブ環境相が、レジ袋有料化や飲料容器のデポジット制に続いて、また新たな政策を発表した。
ストローと同様に、マドラーと綿棒(プラスチック製の柄)の販売も禁止するとのことである。早ければ、来年には施行される。

世界自然保護基金によると、英国では、年間132億本の綿棒と441億本のマドラー、そして420億本のストローを使用している。これらは他のEU諸国に比べ多いとのこと。
この動きは、英国の目標に沿ったものであるが、これらの品目が選ばれた理由は、これらは既に代替品があるからとのこと。またこれらは、カメの鼻孔をふさいだり、ペンギンの胃にせん孔したりするためだ。

また、ゴーブ氏は先月、小規模店のレジ袋も5ペンス課すこと(現在は大規模店のみ有料化)と、ペットボトルのデポジット制の計画を発表した。
さらに、財務省では持ち帰り用容器の削減を目的に、課税の動きも進行している。
ゴーブ氏は、企業がより多くのプラスチックを削減するため、今年後半にはもっと多くの政策を発表すると述べている。

これらの政策をメイ首相も強く支持しており、首相はイギリスは海洋汚染と闘う「世界のリーダーだ」と述べた。また、19日からロンドンで開かれる英連邦諸国との首脳会議で、英国や英連邦諸国のプラスチックごみ対策として、6140万ポンドの拠出も表明する。

英政府によると、海洋には1億5000万トン以上のプラスチックが存在し、毎年100万羽の鳥と10万頭以上の海洋哺乳類がプラスチックごみを食べたり、巻き込まれたりして死に至っている。

<出所>

THE TIMES(2018.4.19):Cotton buds and plastic stirrers will be banned from sale in UK;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/cotton-buds-and-plastic-stirrers-will-be-banned-from-sale-vm3pl5q3n

ペットボトルを分解する酵素 偶然発見

ペットボトルを高速で分解する酵素が、研究室内で偶然生み出された。これはプラスチックのリサイクル行程の改革につながる可能性があるという。
この酵素のもとは、日本のごみの中から科学者が発見したもので、ポーツマス大学のジョン・マギーハン教授の研究チームが、太陽光の100倍強いX線を当てることで、突然変異で作り出されたものとのこと。

この酵素は、何世紀もかかるプラスチックの分解スピードを何日という単位に短縮し、真のリサイクル(分子レベルにまで分解)ができる可能性がある。

(筆者補筆→しかし、この技術が将来実用化されたとしても、この酵素を自然界に放つわけにはいかない。施設内で100%リサイクルできるとしても、100%回収できない現状では、まず回収方法と販売方法を見直す必要がある。そうでなければこのような技術がいかに開発されようとも、海洋汚染はなくならないだろう。)

<出所>

THE TIMES(2018.4.17):Plastic-eating enzyme hailed as breakthrough in recycling;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/plastic-eating-enzyme-hailed-as-breakthrough-in-recycling-83696tg97?utm_source=newsletter&utm_campaign=newsletter_101&utm_medium=email&utm_content=101_17.04.18%20Best%20of%20Times%20Hack%20(1)&CMP=TNLEmail_118918_3165865_101

Gigazine(2018.4.17):「ペットボトルを分解できる酵素が実験施設で偶然に生み出されたことが判明」↓

https://gigazine.net/news/20180417-enzyme-eat-plastic-accidentally-created/

ごみは自治体へ、儲けはボトラーへ キリンのPETビール

キリンのペットボトル入り月額制宅配ビールが売れている。キリンにとっては喜ばしいことだ。しかし、空になった容器(ペットボトル)は自治体の資源回収に出すようにとのこと。こんな大きなペットボトルを1世帯毎月4本ずつ出される自治体はたまったものではない。回収費用はもちろん税金だ。宅配できるならば、容器回収もできるのではないか。

物流の発達でこのような売り方が可能になった。この販売方法は、これからもますます増えるだろう。しかし、ごみの処理方法は相変わらず自治体まかせである。

家庭ごみが自治体まかせになった理由は、昔のごみは生ごみや灰、し尿だったからで、今の廃棄物処理法はその時代の流れをくんでいるからだ。つまり、このようなプラスチックごみは全くの「想定外」。

そもそも事業活動によって排出されたごみは、事業者責任のはず。昔の酒屋は、酒の配達時に配達先の家のびんを、リターナブルびんだけでなくワンウェイびんも一緒に引取り、配達先にごみを残すことはなかった。

以前、飲料缶のポイ捨てが横行したとき、京都市にデポジット制度を導入しようと努力された方が、飲料缶メーカーの「空き缶はくずかごへ」を揶揄し「ごみは自治体へ、儲けはパッカーへ」とおっしゃった。今もまさに「ごみは自治体へ、儲けはボトラーへ」である。せっせと自治体がペットボトルを集めて売っても、回収費用は赤字だ。ペットボトルを売って儲けるボトラーは、自治体の赤字には眼をつむり、「容器包装リサイクル法に従っている」と主張する。

ペットボトルの散乱が各地で報告されている。ペットボトルリサイクル推進協議会は、毎年それらしいリサイクル率を報告し、その高さをアピールしているがその数字に一体どれだけの信憑性があるのだろうか。

プラスチックごみの海洋汚染問題をきっかけに、世界中でペットボトルの散乱量の多さに注目が集まった。そのため、デポジット制度の議論が盛り上がり、英国でも制度導入を決定した。

宅配ビールの容器でさえ自ら回収する気がないならば、メーカーはせめてデポジット制度の導入に賛成すべきだろう。日本でデポジット制度が議論され始めたのは1980年代。経団連をも巻き込んで、飲料メーカーがこぞって反対してここまで来たが、その結果が今のペットボトルの散乱状況である。飲料缶の散乱も決して少なくない。

日本の飲料メーカーは、いつまでデポジット制度を回避し続けるつもりだろうか?

<参考(PETビールについて)>

日経TREND(2018.4.12)「キリンが1万5000人待ちの月額制ビールを始めたワケ」↓

http://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/feature/00055/00001/

石灰石 x プラスチックはホントに紙よりエコ?

今日のテレビ朝日の番組「羽鳥慎一モーニングショー」でライメックス(ストーンペーパーの一種)を紹介していた。

石灰石とポリオレフィンを6対4の割合で混ぜ合わせ、水に強い「紙」を作ったそうだ。4割はプラスチックなのだから、水には強いだろうが、おそらく一般的なストーンペーパーと同様に紫外線には弱いだろう。

4割もポリオレフィンということは、野外で使用するとポリオレフィンが劣化し、すぐにボロボロになるのでは?と思われるが、その手のマイナス情報は一切なく、節水になるとか、木材を使わないとか、宮城県の雇用促進とか・・よいことずくしの紹介。挙げ句に、既にお花屋さんでフラワーボックスとして利用されており、鉢に植え替えなくともそのまま使って水やりもできるから人気とのこと。

しかし、そのフラワーボックスをもし野外に置くならば、マイクロプラスチックの発生源になりそうだ。

ライメックスの「紙」が流行ると、普通の紙にそっくりなので、間違って古紙回収に出す人が多い。再生紙工場はさぞ迷惑するだろう。もちろん、プラスチック製容器包装として出すこともできない。

せめてライメックスの「紙」製品には「古紙回収には出さないでください。野外での使用はご遠慮ください」などの文言を書く必要があるのではないか。

 

ユニリーバとサントリー ペットボトルリサイクルで新技術

RECYCLING TODAYによると、ヨーロッパではユニリーバがIoniqa Technologies(本社:オランダ)とPET樹脂製造会社Indorama Venturesと提携し、廃PETを食品包装用バージングレード材料に変換する新技術を開拓したとのこと。
着色されたものでも、透明な材質に変換できるとのことで、既に予備段階を通過し、工業的規模でのテストに移行しているそうだ。
着色剤や汚染物質を分離できるので、将来すべてのPETを食品用包装材として利用することが可能になる。無限に繰り返すことができるとのことで、「完全な循環型ソリューション」といえるそうだ。

一方、月刊廃棄物(2018.4)によると、日本ではサントリーホールディングスが協栄産業、イタリアSIPA社、オーストリアEREMA社と共同で、飲料用PETプリフォーム製造で「F to Pダイレクトリサイクル技術」を開発した。
開発した新技術は、回収したペットボトルを粉砕・洗浄してできたフレークを高温、減圧下で一定時間処理し、熔解・ろ過。その後、それを用いて直接プリフォームを製造する。
要するに、ペレットに加工せず、フレークから直接プリフォーム用原料となる。
同技術で製造したペットボトルは、サントリー食品インターナショナルのペットボトル商品の一部に2018年夏以降順次採用する予定だ。

ペットボトルは代表的な海洋汚染物質の1つ。ユニリーバもサントリーも、ここまで技術開発するならばデポジット制度による回収に尽力してはどうだろう。

<ユニリーバ情報の出所>
recycling today(2018.4.8):Unilever commits to PET recycling venture;
http://www.recyclingtoday.com/article/unilver-indorama-ioniqa-pet-plastic-packaging-recycling/

全米海ごみリスト ワースト20

米国全土の複数のデータ(ICC: 国際海岸クリーンアップ、NOAAのMarine Debris Tracker、Clean Ocean Action、Project Aware、Heal the Bay)を合わせた上位20までの海洋汚染物質リストが公開されている。

それを見ると、日本でも早急に手を打つべき品目がわかる。
1位 18.6% 包装材(キャンディやポテトチップスの袋など)
2位 16.7% ボトルのキャップ
3位 12.0% 飲料ボトル(ペットボトル)
4位  9.4% レジ袋
5位  7.5% ストロー・かき混ぜ棒
6位  5.1% フタ(Lids・・ポリスチレン製のコーヒーカップのフタなど)

上位6位までで全体の約7割を占めている。この下に、タバコ関連やテイクアウト用容器などが並ぶ。
少なくとも2位のボトルキャップに関しては、散乱させない技術は整っている。フタを開けてもペットボトル本体にフタが付いたままになる飲料ボトルは既に販売されている。
3位のペットボトルに関しても、デポジット制度にするだけで大半は解決できる。理想を追い求める方々は、ペットボトルを禁止してリターナブルびん(リユースびん)したらよい、などといってデポジット制度を嫌うが、少なくとも日本でリターナブルびんのみの社会は現実的ではない。
4位はさらに簡単だ。各店舗がレジ袋を有料化するだけでよい。複数のアンケート調査結果を見ても、回答者の7割以上が日本でも有料化を望んでいる。日本では、とりわけコンビニが遅れているので早急に国が規制すべきだろう。
5位は、フランスや台湾、インドなど既に禁止あるいは禁止予定の国・地域もあるが、過剰サービスを旨とする日本では、おそらく禁止よりも紙製ストローに移行するのではないかと思われる。紙製ストローは既に日本でも販売され、利用しているカフェもある。

英国のマクドナルドでも、5月から紙製ストローを試験導入するそうだ。

ファーストフード店などで提供されるストローや使い捨てマドラーは、6位のフタも同様だが、申告制(ほしい人は申し出る)あるいは有料化するだけでおそらく9割は減るのではないかと思われる。いずれにせよ、サービスという名でプラスチックごみを押しつけることは、日本でももう終わりにすべきだ。

BETTER ALTERNATIVES NOW B.A.N.LIST 2.0;
https://static1.squarespace.com/static/5522e85be4b0b65a7c78ac96/t/5ab9837c70a6adbe9b66957a/1522107283213/PPC_BannedList2-downloadable.pdf

HUFFPODT(2018.3.30)「マクドナルドが、ストローをを紙にしてみるんだって」↓

https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/28/mcdonald-2018-0329_a_23398083/

PLASTIC CHINAは終わったか?

今年から中国はプラスチックやミックス古紙などの輸入を禁止している。
輸入禁止のきっかけはドキュメンタリー映画PLASTIC CHINA (プラスチックチャイナ)だったと聞く。
中国では上映禁止になったという。なぜか日本でも上映されていない。映像に日本製のプラごみが目立つらしいから、そのためかもしれない。見たいと思っていたところ、動画で短い予告編だけ見られた。
マスクもしない現場で働く人々、11歳の少女が学校にも行かず、労働力として期待されている。日本やアメリカ、ヨーロッパなどから届くプラスチックごみは、彼らの生活の糧ではあるが、確実に健康を蝕んでいる。
中国政府の「世界のごみをもう引き受けない」という決断は正しかったと思う。
しかし、中国では出前などの利用増加で、プラスチック容器の消費量が増えているとのことである。それらの多くはリサイクルされずに捨てられている。その一部は海洋ごみにもなっているのではないか。
中国ではレジ袋を有料化したことで、レジ袋使用量を激減させたが、使い捨てプラスチック製品全般をレジ袋と同様に減らす必要がある。そうでなければ、外国のプラごみを遮断してもPLASTIC CHINAは終わらない。
とはいえ、レジ袋さえも有料化できない日本も、プラごみ大国だ。中国のプラごみ輸出禁止に戸惑い、産業廃棄物として回収された分は「熱源として利用する」という名目で、ひたすら焼却されていると考えられる。家庭からの回収分も、材料リサイクルされているのは、一部の容器包装プラスチックのみである。
使い捨てプラスチックの段階的廃止を、いち早く打ち出したフランスや台湾に比べると、日本は無策といえる。
アメリカ同様、環境より経済優先だろうと思っていたイギリスさえも、最近プラスチック削減に意欲的に取り組んでいる。マイケル・ゴーブ環境相は、レジ袋を有料化し、デポジット制度導入も決定したヒーローだ。
それに比べて、中川環境大臣は、先日のTBSでまるで他人事のようなレジ袋発言・・ヒーローになり損ねた。
中国も日本も、早急に使い捨てプラスチックを禁止する必要がある。

<関連記事>

中国のごみ輸入規制は日本へのモーニングコール

ドキュメンタリー「プラスチック・チャイナ」

ペットボトルはキャップとラベルを外さずに回収する方がよい

先日、栃木県内の景勝地を訪れたところ、意味不明の看板「ペットボトルはラベルとキャップをはずして燃えるゴミ箱へ!!」があった(写真)。

ペットボトルをごみ箱へ捨てろといっているように読み取れるが、おそらく、ペットボトルのキャップと外側のラベル(プラスチックフィルム)をごみ箱へ捨てろといっているのだろう。

他の人たちはどのように解釈しているのか?と辺りを見回したが、近くにごみ箱らしきものも、ペットボトル回収ボックスも見当たらないため、わからなかった。

夏になったら、ペットボトル回収箱とごみ箱が置かれ、観光客はおのおの分別して捨てるようになるのかもしれない。しかし、この大自然の中の風の強い場所で、ごみ箱に捨てたつもりのラベルが飛んでいかないか、ごみ箱からこぼれたキャップが散乱しないか、と気になった。

海外ではペットボトルをそのまま回収するのが一般的だ。

キャップを取る人もいるが、ラベルを剥がす人などはみたことがない。そもそも、デポジット制度でペットボトルを回収している国では、ラベルを剥がせばデポジット制度対象のペットボトルを購入したという証拠がなくなるため、支払ったデポジット(保証金)は戻らない。ラベル剥がしは厳禁なのだ。

日本では、容器包装リサイクル法上の品質基準が最近厳しくなったため、ペットボトルのラベルを剥がさないとランクの評価に影響が出るようになった。そのため、千葉市や奈良市など、それまでペットボトルを正しく分別するなどの理由で、ラベルを剥がさなくてよいと市民を指導していた自治体も、ラベルを剥がすようにと指導が変わった。容器包装リサイクル法では、油脂等の付いたペットボトルは回収対象の「PETボトル」ではないため、例えばノンオイルの青じそドレッシングはペットボトルとして回収されるが、フレンチドレッシングなどの入ったペットボトルは回収対象ではない。そのようなこともあり、自治体の中間処理施設でペットボトルを正しく選別しようと思うと、ラベルのPETマークが頼りであり、ラベルを剥がされてしまうと迷うものもある。このため、これまではラベルを剥がさないでほしいという自治体も存在したのだ。

容器包装リサイクル協会の品質基準を厳しくして、ラベル剥がしを住民に強要するようになった理由は、回収される廃ペットボトルの品質を向上させるためだと聞く。しかし、制度上ラベルを剥がさずに回収している台湾でも(注:台湾はデポジット制度ではない)、B to B(食品用ペットボトルから食品用ペットボトルへ)の高度リサイクルに対応する品質の原料を廃ペットボトルから生産している。

日本は住民にラベルやキャップを取らせ、その結果おそらく焼却ごみを増やしている可能性があるのではないか。その理由は以下である。

プラスチック製容器包装を分別回収している自治体ではラベルやキャップはリサイクルされるが、分別回収していない自治体ではそれらは可燃ごみになる。しかし、ペットボトルがそのまま分別回収されていれば、リサイクル工場でPET、PP、PE等機械的に選別され、ペットボトルはもちろんラベルもキャップもそれぞれリサイクルされる可能性が高い。

また、それらを別々に回収することで散乱リスクも高まる可能性がある。とりわけ、この写真のような屋外回収のケースでは、ラベルやキャップをペットボトルから外させることは、散乱の危険性を大きく高めるため、すべきではない。

キャップが落ちるペットボトルを禁止 カリフォルニアで検討

アメリカ・カリフォルニア州で、プラスチック製キャップがペットボトルから外れてしまうタイプのペットボトルを禁止する法案が検討されている。

この法案が通ると、これまでのような本体から離れるタイプのプラスチック製キャップ付きペットボトルはカリフォルニア州で販売できなくなるため、外れないタイプのペットボトルが米国のスタンダードになる可能性がある。

飲料容器をデポジット制度で回収しているカリフォルニア州では、キャップはデポジット制度の対象ではないため、第3位の散乱ごみである。

日本の場合、飲料ペットボトルのキャップは荒川で第8位の散乱ごみだ。日本はデポジット制度を導入していないため、散乱ごみの1位はペットボトル、5位は飲料缶、6位は飲料びんであり、キャップの順位はカリフォルニア州よりも低い(『NPO法人 荒川クリーンエイド・フォーラム 2017報告集』より)。

かつて、アメリカの複数の州で、飲料缶から外れるプルタブが禁止になった。その後、日本でも飲料缶のプルタブは外れないタイプに変わった。

カリフォルニア州の法案が無事通過するならば、日本のペットボトルもキャップが外れないタイプに変わる可能性が高い。キャップが生物に被害をもたらす海ごみとして問題になっている昨今、日本でも、JR東日本ウォータービジネスで販売しているような、キャップの落ちないペットボトルが一般的になってほしいものだ。

(もちろん、ペットボトルを買うよりも、マイボトルを持参するほうがよいことはいうまでもないし、駅や公共施設には自動販売機を置くより、給水器を設置すべきであることは大前提である。)

またカリフォルニア州では、プラスチック製ストローの規制も検討されている。

 

<参考>

CNBC(2018.3.7):California look to ban removable plastic bottle caps, restrict plastic straws;

https://www.cnbc.com/2018/03/07/california-targets-removable-plastic-bottle-caps-plastic-straws.html