コロンビア、使い捨てプラスチック禁止法案を可決

コロンビア議会は6月1日、シングルユースプラスチック法案を可決したそう。このあと大統領承認手続きが完了すれば、2025年から施行されるとのこと。

2年後と8年後の2段階に分けて開始されるとのことで、「まず2年後にはレジ袋、プラスチック袋ロール、雑誌の包装袋、プラスチック製ストロー、持ち手がプラスチックの綿棒などが禁止になり、さらに8年後には食品の持ち帰りに使われるようなプラスチック製の容器や食品用ラップフィルム、誕生日パーティで使われる風船やプラスチック紙吹雪、デンタルフロスの容器、フルーツに貼付されるステッカーなども禁止対象」となるそうだ。

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/matsuo/2022/06/plastico-solo-uso.php

コロンビアの規制対象はEU規制と似ているが、デンタルフロスの容器とかフルーツに貼付されるステッカーなどはEU規制より具体的だ。

確かに、生ごみ処理器に入れた果物の皮は、皮が消えてもラベルだけいつまでも分解せずに残っていてつまみ出すことになる。

日本でも禁止してほしい。

南極の新雪にマイクロプラ、北極より少ない?

ニュージーランドのカンタベリー大学の研究チームが、南極の新雪からマイクロプラスチックを検出した。

これまでも、北極(ノルウェー領スヴァールバル諸島)の雪からマイクロプラスチックが検出されたとか、南極の海中から検出されたというニュースはあった。

だから驚くにはあたらないが、南極の新雪からというのは始めてだ。

チームは、西南極のロス棚氷に積もった雪の上部2cmから19サンプルを採取し、調べたところ全てのサンプルからマイクロプラスチックを見つけたという。

「観測基地の近くで採取されたサンプルからもっとも多くのマイクロプラスチックが見つかったことから、プラスチックは旗や調査機器、ジャケットのような合成衣料、あるいはごみに由来する可能性があると考えているそう。また、北極での調査結果のように、風に数千キロ運ばれたり、南極海で水しぶきに巻き上げられたりしたマイクロプラスチックが南極大陸に降下した可能性もある」そう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6286ab0f6283c862cfcecda4faf28b791b8f9af0

見つかったのは119個で、13種類のマイクロプラスチックだそう。雪解け水1リットル当たり、平均29.4個とのことで、一番多かった樹脂はPET。

PET樹脂は重いから、海底からも見つかっているが、富士山頂の大気からも見つかっている。PET樹脂のマイクロプラスチックが見つからない場所は、もはや地球上には存在しないようだ。

ペットボトルやポリエステル繊維は、リサイクルはしやすいけれど、もっと規制した方がよいのでは?

それにしても、以前発表された北極域での雪のマイクロプラスチックは1リットル当たり1万個以上あったということだったはず。南極は北極より少ないのだろうか。

それとも、検出方法が違うためか、それとも対象のサイズが違うためだろうか?

<参考:2017年の南極の海洋からマイクロプラスチック検出の研究(英ハル大学、他)>

Science of The Total Environment, 2017.11

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969717308148

米国「プラスチック汚染からの脱却法」

アメリカでプラスチック汚染からの脱却法の法案が現在、上院財務委員会に付託されているという。

どうなるか楽しみだ。もし、この法案が通過したら、アメリカは変わる。

もともとはジェフ・マークリー上院議員とアラン・ローウェンタール議員によってトランプ時代に提出された。しかし、通るはずもなく、2021年3月に再提出された。その後どうなったのかわからず、気になっていた。

この法案の画期的なところは、自治体レベルではなく、国全体での廃棄物規制が実現されること。しかも、画期的な規制だ。

主な骨子は次の通り。

1.プラスチック製容器包装の拡大生産者責任プログラム(EPR)

2.飲料容器のデポジット制度を全国10セント(容器1個当たりの保証金額)で導入(アメリカでは確か既に10州で実施されているが、まだ5セントの州もある。5セントでは効果が薄くなっている)

3.再生材利用の義務化。2040年までに再生プラスチックを最低80%含有させること

4.プラスチック製造施設の許可の発行に3年間のモラトリアムを導入することで、プラスチック生産を大幅に削減する

この法案は、化学工業会などから猛反対されているようだが、もしこれが通ればアメリカにも欧州並みの規制ができることになる。

<参考>

https://www.wasteinfo.com/news/wbj20220603A.htm?eType=EmailBlastContent&eId=429de508-61ac-4e8b-88de-f89b0db8c971

今日は香り警報発令。どうしよう?タマネギ

窓を開けた途端に、飛びきりひどい柔軟剤臭。香り警報を自ら発令して、今日は窓開けを諦めた。

これから暑くなると、窓を開けて匂いに耐えるか、それとも温暖化のことなど考えず、クーラーのスイッチをいれるか、の二択だ。

やれCO2削減だ、バイオマスだ、SDGsだという前に、香り付き製品の製造・販売を禁止してほしい。特に香りが持続するように設計された化学兵器のような柔軟剤や洗剤をすぐさま全廃すべき。

花王やライオン、P&Gは一体何を考えて、こんな健康を害すような製品を作っているのか。すぐさまやめないと、日本人はみな病気になってしまう。

こんなひどい製品を作っているメーカーや、それを認めている政治家は、きっと自分の家ではこのような製品を使っていないのだろうなぁ。そして窓を閉めきって、クーラーをガンガン使っているのでは?

昨日からベランダで箱買いした有機のタマネギを干している。近隣から漂ってきた香りのマイクロカプセルがタマネギに大量に付着しただろう。皮を厚くむけば、食べられるかな?心配だ。洗剤メーカーにタマネギ代を弁償してほしい。

仏コカコーラ、飲食店内はガラスびんに切り替え。英コカコーラ、ひも付きキャップに

欧州のコカ・コーラは環境に配慮し始めたようだ。

フランスのコカ・コーラユーロパシフィックパートナーズ(CCEP)は2022年末までに、フランス国内のホテルやレストラン、カフェで提供する容器に入ったすべての飲料を詰め替え可能なガラスビンに変更するそうだ。

https://www.packaginginsights.com/news/coca-cola-france-moves-all-packed-beverages-to-refillable-glass-bottles-in-hospitality-sector.html?utm_source=ActiveCampaign&utm_medium=email&utm_content=24+May+%7C+Behn+%2B+Bates++zero-hunger+concept+-+Coca-Cola+France+s+refillable+bottle+transition+-+IFFA+2022%3A+Amcor+bends+to+global+market+challenges&utm_campaign=2022-05-24+Daily+Newsletter+PI&eType=EmailBlastContent&eId=45c3773d-658e-490b-810b-244a82d384a4

また、EUでは2024年7月3日以降、3Lまでの飲料容器は開栓後もプラスチック製のキャップはボトルにしっかりと取り付けたままにする必要がある。キャップがペットボトル本体から離れてはならない。

そのため、EU域内で販売する各メーカーは対策しているが、コカ・コーラはイギリスでも同様に対策をとるようだ。英国全土で、テザーキャップに切り替えることを発表した。

https://www.packaginginsights.com/news/coca-cola-lightens-environmental-impact-with-new-neck-design-and-attached-caps-for-pet-bottles.html?utm_source=ActiveCampaign&utm_medium=email&utm_content=18+May+%7C+Coca-Cola+s+lightweighted+bottle+necks+and+attached+caps+-+EuPC+annual+meeting+preview+-+WPO+publishes+Waste+Stream+Mapping+Guides&utm_campaign=2022-05-18+Daily+Newsletter+PI+%28Aicomp+Webinar%29&eType=EmailBlastContent&eId=390b7250-4988-4648-b160-ed8a95c26565

マイクロプラは、人獣共通感染症の原因となる寄生虫の「運び屋」

以前から、マイクロプラスチックが病原菌や化学物質のイカダ(運び屋)になっていることが指摘されていた。大腸菌や化学物質などがマイクロプラスチックに付着(化学物質の場合は吸着)し、移動しているということだった。

今年4月、米カリフォルニア大学の研究者らがScientific Reportsに発表した研究によると、人間や動物の健康に危険性のある陸の寄生虫が、海を浮遊するマイクロプラスチックに付着し、移動している可能性があるそうだ。

原虫は、ビーズよりも繊維状のものの方に付着しやすいとのこと。つまり、合成繊維の衣類から漏れ出すファイバーは寄生されやすいということだ。

動物プランクトンや魚介類が、原虫付きのマイクロプラスチックを誤植すると、食物連鎖で人間にも影響がありそうだ。

詳しくは↓

「健康に危険をもたらす寄生虫がマイクロプラスチックに付着して海を移動している可能性、カリフォルニア大学研究チーム報告」(日本語)

https://dime.jp/genre/1386669/

scientific reports(英語)

https://www.nature.com/articles/s41598-022-10485-5

ティーバッグをポリ乳酸に変えたら脱プラになる?

今年からフランスではプラスチック製のティーバッグを禁止した。

代わりに、フランスでどんなものが出回るようになったか気になるが、有名なマリアージュ フレールのティーバッグは以前からコットン製だったようだ。

日本では、伊藤園がお茶のティーバッグをポリ乳酸に変えたというニュースがあった↓

https://www.itoen.co.jp/whatsnew/detail.php?id=25492

たった1個の紅茶のティーバッグから100億個以上のマイクロプラスチックがでることが、広く知れ渡ったため、素材を見直したのだろう。

ポリ乳酸なので、体内でポリ乳酸のマイクロプラスチックが本当に分解するかは疑問だが、変えないよりはマシか。

普通のポリ乳酸は、60度くらいまで温度が上がるように管理された産業用堆肥化施設でならばゆっくり分解する。体内では60度にならないが、改質剤で分解しやすいように作られているならば分解するのだろうか?

今度、我が家のコンポストにこのティーバッグを埋めて、何ヶ月で分解するか試してみたい。

パッケージの外箱にはFSC認証紙を採用したそうだから、一定の環境配慮はしているようだ。

しかし、このポリ乳酸は、おそらく遺伝子組み換えのトウモロコシが原料ではないかと少々不安になる。

イギリスのCLIPPER(クリッパー)は、遺伝子組み換えでない原料を使ってティーバッグを作っているそうなので、それが本当ならばその方が安心だ。

また、日東紅茶はティーバッグではなく、プラ製のパッケージだけ変えたようだ。

これはこれで「減プラ」の見地からは素晴らしいが、ティーバッグの素材も早急に見直してほしい。

日東紅茶↓

日本のプラスチックリサイクル率は4.5%、アメリカは5%

2021年に発表された『2020年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況』(一般社団法人プラスチック循環利用協会)を見ると、日本のプラスチック再生利用率(マテリアルリサイクル率)は20%だ。

このうちの42.7%(74万トン)はプラ屑として輸出され、35.8%(62万トン)は再生原料※として輸出されている。18.7%(32万トン)は国内で再生製品に循環利用されていて、残りの2.7%(5万トン)は廃ペットボトルが再生繊維などにリサイクルされているとのこと。

国内樹脂製品消費量は841万トン、廃プラ総排出量は822万トンだ。

つまり、国内でマテリアルリサイクルされている分は全体の4.4 or 4.5%しかないということだ。

少々ショッキングな数字だ、と思っていたところ、アメリカのプラスチックリサイクル率は5%という記事があった↓

https://grist.org/accountability/the-us-only-recycled-about-5-of-plastic-waste-last-year/?eType=EmailBlastContent&eId=3d9bde94-8de8-49cd-adae-26fc984f77fc

いずこも、プラスチックのリサイクルは大変そうだ。

やはり使わないのが一番!

※再生原料とは、ペレット、インゴット、フレーク等のこと。

子どもの比率が最下位、日本消滅?マスク氏「日本はいずれなくなる」

総務省が先日発表した統計によると、日本の15再未満の子どもの数が1465万人で過去最少だった。

年齢が下がるほど、少ないそうだ。総人口に占める子どもの比率は11.7%で、人口4000万人以上の国の中で最低だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA033A90T00C22A5000000/

多分この数字を見たのだろうか。米テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が7日のツイッターに

「当たり前のことをいうようかもしれないが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」

と投稿したそうだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN081QC0Y2A500C2000000/?n_cid=NMAIL007_20220509_A

人口減少理由は、いろいろあるだろう。経済的・社会的理由もあるだろうし、精子数の大幅な減少も指摘されている。

日本の農薬使用量が単位面積当たりで世界一多いことも一因ではないだろうか?プラスチック使用量の多さは関係ないだろうか?気になるものが多すぎる。

石井のミートボールの包装材

石井食品は以前、ミートボールなどの包装材を、2021年までにLIMEXに切り替えると発表していた。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000016815.html

先日、ふと気になって、スーパーで確認したところ、まだ普通のプラスチック包装だったので、少しホッとした。

どうもLIMEXは、どこがエコなのかよくわからない。

このLIMEXを使ったノートの宣伝にも

https://nolty.jp/notebook/

「LIMEXの主原料である石灰石は、地球上にほぼ無尽蔵にあり、森林を伐採せず、水をほぼ使わず紙を代替できます」

などと書かれているが、森林は伐採しないが、石灰石を使うということは山を破壊するということだ。

森林伐採どころではない。石灰岩採掘のため削り取られた山は、岩肌がむき出しになり植生が復元されるかもわからない。

埼玉の武甲山など爆破されて、無残な姿になっている↓

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68367?page=2

フツーのプラスチックの方が、まだマシな気がする。

石井食品の包装材はこのままがいい。