テフロンのフライパン、PFASは大丈夫?(補筆)

テフロンなどのフッ素樹脂加工のフライパンの安全性について、いろいろ噂が飛び交っている。

「以前のフライパンにはPFOAが使われていたけれど、今はPTFEだから安全だ」というものだ。

本当だろうか?

同じPFASグループの物質なのに、危険性にそれほど違いがあるのか、と疑問に思っていたところ、こんなサイトが見つかった。

「PTFEとPFOAは構造が似ており、PTFE製造時に一緒に出来てしまいます」とのこと。もし本当に製造時に一緒に出来てしまうものならば、使用中にPFOAに変化することは十分ありそうだ。

仮にPTFEの安全性がPFOAよりも高かったとしても、フッ素樹脂加工のフライパンは大量のマイクロプラスチックが使用時に出ることは、2022年に発表されたオーストラリアの研究で判明している。

しかも、食べ物がこびりつかないという機能は新しい時だけで、数年以内にはフッ素樹脂が剥がれ、くっつきやすくなる。危険な上に消耗が激しく、経済的でない。

やはり使わないに越したことはない。

<補筆(2024.3.8)>

原田浩二先生の『これでわかるPFAS汚染』(合同出版, 2023)によると、フライパンに「フッ素樹脂コーティング」と明示されていれば、PTFEが使われており、これ自体は人体に吸収されることはほとんどない。しかし、加工助剤としてPFOAが使われていた。PFAS問題を受け、国内のメーカーでは2013年までにPFOA使用を全廃したため、代わりに今は別のPFASが加工助剤として使用されているそうだ。

また、このようにも書かれている。「ピーフォアはフッ素樹脂の製造工程で助剤として使われてきたほか、ピーフォスを製造する際の副生成物として生成されます」(p.14)

要するに、PTFEは人体にはあまり吸収されないが、製造工程で何らかのPFASが助剤として使用され、かつ、何らかのPFASが副生成物として出ている可能性があるということか。

また、原田先生の別の説明によると「同じPFASでも、PFOAなどは体内に吸収されます。吸収されるかどうかは、物質の分子量(分子の質量の相対的な値)で決まります。PFOAは約400であるのに対し、PTFEは1万以上。分子量が大きいと、胃などの消化管を通り抜けることが難しく、体内に吸収されにくいそうです」とのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/263505

分子量が大きければ、体内に吸収されにくいという説明は理解しやすい。

フライパンや炊飯器、ホットプレートなどに使われているフッ素樹脂コーティング。今思えば、2013年頃に我が家で購入したホットプレートは安売りしていたからPFOAが使われていたかもしれない。

<関連記事>

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です