井戸から指針840倍のPFAS検出 千葉県内最大級

千葉日報によると、「同市軽井沢地区の井戸40本の水質調査の結果、指針値の840倍に当たる4万2千ナノグラム(1リットル当たり)が検出」されたそうだ。

8月19~21日に軽井沢地区の井戸を対象に実施した。同地区北西部の15本から指針値を上回る1リットル当たり180~4万2千ナノグラムの数値が検出されたという。

いずれも海上自衛隊下総航空基地にごく近いエリアだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/08a551f520ff1616612db5f2219d1a00351ead3d

井戸を利用していたのは事業所が6割、住宅が4割だということなので、国の予算でその利用住民の血液検査をすべきだ。

食品包装に乳がん原因物質が約200種類

食品包装に乳がんと関連する化学物質のいずれかが約 200 種類含まれているそうだ。

「一般的に使用される食品包装材には、乳がんを引き起こす可能性のある189の化学物質が含まれている」と研究者が報告したそうだ。

PFASやビスフェノール、フタル酸エステル類などの危険な化学物質は「米国、欧州連合、中国、南米、その他の場所で、使用制限することを目的とした規制にもかかわらず、食品包装に含まれている」とのこと。

これはプラスチック製の包装に限らず、紙で販売されているものも対象のようで、「乳がんに関連するプラスチック包装材料に使用されている143の化学物質を特定し、そのうち89は紙や段ボールで見つかった」。

研究者らは、人間が食事を通じて少なくとも76の発がん性化学物質に日常的に曝露されているという強力な証拠がある」と話している。

「がんを引き起こす化学物質上位76種のうち約40種は、すでにさまざまな国際規制当局によって何らかの形で有害物質として分類されているが、依然として食品包装に使用されている」と研究者らは指摘している。

Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiologyに掲載されたレポートによると、そのうち79の化学物質が、がんや遺伝子変異、内分泌および生殖問題を引き起こすことが知られているそうだ。

<出典>

https://www.usnews.com/news/health-news/articles/2024-09-24/almost-200-chemicals-linked-to-breast-cancer-are-found-in-food-packaging

PFASが原因?日本人の腎臓がんは7割が特殊なタイプ 国立がん研究センターを含む国際共同研究結果

今日のPFASセミナーで、講師から標記の報告があり驚いた。

日本の国立がん研究センターなど国際共同研究による研究で、日本人の腎がん(腎臓がん)の7割以上に、他国ではまれな遺伝子変異が存在することが判明したそうだ。

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/0514/index.html#:~:text=解析の結果、日本人,ことが分かりました%E3%80%82

世界11ヶ国で腎がん(ccRCC)を全ゲノム解析し、ネイチャーに発表された研究論文だ。何らかの環境要因である可能性が高いとのこと。

リスク因子には、「年齢、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、PFASへの環境曝露」などが考えられるとネイチャーに書かれているそうだ。しかし、特殊なタイプは日本だけということで、消去法でPFASが原因である可能性が高い。発表した先生はPFNAを疑っている。PFNAは日本で作られているPFASで、他国ではあまり使われていないためだ。

恐ろしいことに、PFOAやPFOSが規制されるなか、日本ではPFNAの使用が増えている。

やはりPFASは徹底的な規制が必要だ。

そういえば、以前読んだニュースで、胎児期のフッ素への曝露で、7歳児のIQがわずかに低下するとの報告があった。

母胎が汚染されていれば、当然胎児も汚染される。PFASから逃れられない胎児は本当に可哀想だ。

(付記)

ネイチャーを確認したところ、確かに「年齢、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、PFAS化合物への環境曝露など」と書かれていた。国立がんセンターには早急に危険因子を解明してほしい。

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カリフォルニア州がプラ汚染でエクソンを提訴「リサイクルで解決できない」 フィラデルフィアは人工芝で訴訟

米カリフォルニア州が9月23日、世界的なプラスチック汚染を引き起こしたとして、エクソンモービルを提訴した。

同社は数十年間にわたり、人々にプラスチックの廃棄問題はリサイクルで解決できると人々に信じ込ませてきたことが詐欺や迷惑行為にあたるというものだ。

アメリカのことは好きではないが、プラスチックやPFASなどのメーカーを提訴し、責任を追及する国民性は素晴らしい。

日本人もここまでやれば、多少はマシな社会になるのだろうか?

そういえば、米フィラデルフィア市では今春、住民が市を提訴した。市が自然溢れる大きな公園に人工芝を敷くなどしていることが原因だ。

フィラデルフィア市が一体何を考えて、こんなによい自然公園を破壊しようとしているのかわからないが、この訴訟がどうなろうと、ペンシルベニア州の州議会で現在、PFAS規制の審議が進められている。

人工芝も規制対象になり可決される可能性が高いと聞く。可決されれば2027年からPFASを含む人工芝は使用できなくなるだろう。

米国内の基地は浄化が進むのに、日本の基地は進まない理由は?

米国防省が、米軍施設の浄化を強化すると発表した。PFAS汚染地である米軍施設の浄化が既に55カ所で進んでいるそうだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/357333

しかし、日本国内では、在日米軍施設が汚染源と疑われる地域の汚染は放置されたままで、浄化どころか認めているかも怪しい。「米軍が浄化を強化する新指針は米国外は適用外な上、日米地位協定や日本の規制の緩さが「交渉の壁となっている」」とのこと。

日米地位協定は、日本だけですぐにどうこうできる問題ではないが、日本国内の規制を強化することはすぐにでもできるはずだ。

しかし、日本政府にPFAS規制を強化しようという気はまったく感じられない。そんな日本政府のあいまいな姿勢を見ているため、米軍施設を有する地方自治体も及び腰だ。

米軍施設に対してだけでなく、3M社のような企業に対しても自治体は及び腰に見える。

このまま各地で外資による半導体工場などが増加し、PFASを垂れ流しても、多くの自治体は黙っているのだろう。

外資系企業にとって、現在、日本は格好の餌食だろう。「円安」「おとなしい国民性」「几帳面にいわれた仕事はやる」「訴訟を好まない」など、外資が喜ぶ条件がすべて日本に揃っている。

PFAS:妊婦の血中濃度が2倍になると、子の染色体異常は2倍超

これまでのエコチル調査では、PFASと子どもの健康問題への関連はなぜか見られなかった。しかし、ようやく妊婦のPFAS血中濃度が倍増すると、生まれた子どもの染色体異常の割合が関係することがわかった。

妊婦のPFOS(ピーフォス)の血中濃度が2倍になると、生まれた子どもの染色体異常が2.08倍になると推定できるそうだ。また、PFNA(ピーエフエヌエー)では1.81倍、7種類のPFAS合計では2.25倍になるとのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/358233?rct=PFAS

染色体異常は、流産やダウン症と関連があるという。日本産婦人科医会によると、異常がある場合の流産は、80%は妊娠12週までに起きるそうだ。

https://www.jaog.or.jp/note/2%EF%BC%8E染色体異常/

しかし、エコチル調査では妊娠12週までのデータがないため、染色体異常と関連する流産の8割は見逃されたことになる

PFASが原因の染色体異常は、もっと多い可能性が高い。

最近多い「不育症」の一因に、PFASもあるのではないだろうか。

人工芝:共産党都議団が都へ申し入れ

今月2日に、共産党都議団が人工芝について、都へ申し入れを行ったそうだ。

「炎天下で周辺環境より高温になる人工芝の都有施設への敷設を見直すよう小池百合子知事、浜佳葉子都教育長宛てに申し入れ」たとのこと。

https://www.jcp-tokyo.net/2024/1003/97212

受け取った都建設局は、「人工芝を敷設した箇所が何度以上になるかを認識していなかったことを認め」たそうだ。

人工芝は夏に60度以上の高温になる。そのため、設置している23区の小中学校では子どもへのやけどを防ぐため、スプリンクラーを設置している学校もある。

本当に知らなかったのだろうか?

人工芝の営業担当は、聞かれなければいわないかもしれないが、教育委員会は当然知っていたはずだ。

これ以上ヒートアイランドを促進しないために、人工芝を早く剥がすべきだと思う。

人工芝の問題はヒートアイランドだけではなく、マイクロプラスチックや、PFASなどの有害化学物質も問題だ。

吉備中央町が活性炭を放置したPFAS汚染企業に1億円超えの損害賠償請求 しかし活性炭使用企業はまだ不明

PFASで水源が汚染された岡山県吉備中央町は、財産区に使用済み活性炭を放置した地元企業「満栄工業株式会社」に1億円以上の損害賠償請求をしたようだ。

住民に返還した過去3年分の水道料金のほか、原因調査にかかった費用や住民に対して給水車を使った費用などから試算した。

https://www.ohk.co.jp/data/26-20240717-00000003/pages/#

しかし、ダムを使用できなくなったため損害額は1億円で済むはずはない。今後、PFOAを含んだ活性炭をこの会社に渡した企業にも賠償請求をすることになるだろう。

どこの会社だろうか?

クラレの名前が挙がっているが、クラレの社長は否定している。

今後、汚染企業を追求することになるだろうが、多地域ではどうするのだろうか。沖縄や東京・多摩地域のように米軍基地由来の場合はどこに請求できるのか?

自衛隊施設が汚染源の場合は、日本政府に請求できるのか?

摂津市はダイキンに、相模原市はスリーエムに、静岡市はデュポン系企業に賠償請求ができるのか?と考えると、相手が大きいほど請求しても勝ち目がないような気がしてくる。

PFAS問題で最後に嗤うのは、ペットボトルメーカーや浄水器のメーカーだとしたら、情けない話だ。

米軍基地内のPFAS汚染、対策費用を日本政府が肩代わり

東京新聞によると、沖縄の米軍普天間(ふてんま)飛行場で、有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)の対策工事にかかった費用1億7600万円を、日本政府が負担していたそうだ。しかも、それとは別に、基地内のPFASを含んだ汚水の処理も日本側が引き受け、9400万円を負担していたとのこと。

補修工事は毎年のように実施されており、2013年度から2023年度までの間の工事費のうち217億円を日本側が負担していたそうだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/348407#:~:text=PFAS(ピーファス)%20泡消火剤,指針値を定めた%E3%80%82

しかし、ドイツでは米軍が対策費用を負担している。同じ敗戦国なのに、この違いは一体なぜだろう?

しかも、基地周辺の対策費用は沖縄県まかせ。そのため、沖縄では水道料金を値上げせざるを得なくなっている。

日本政府はもっと本腰を入れて、PFAS問題に取り組んでほしい。このままでは、PFAS汚染も対策費用も増える一方だ。

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人工芝:三菱地所が丸の内で危険な社会実験 都庁の都民広場でも

三菱地所は7月25日(木)~ 8月18日(日)まで、丸の内仲通りに人工芝を敷き、社会実験をおこなった。

都会に緑の空間を求めたい気持ちはわかるが、人工芝を敷き詰め、色だけ緑。これではオアシスどころか、ヒートアイランドを激化させるだけだ。人工芝は夏は連日60度を超えるので。

しかも、人工芝にはPFASが含まれているので、アメリカでは人工芝を禁止する自治体が相次いでいる。

2019年から実施とのことだが、来年からは絶対にやめてほしい。

https://www.mec.co.jp/news/detail/2024/07/10_mec240710_msp

また、都民広場でも人工芝を敷くのが恒例行事になっているらしい。

今年も人工芝を敷くと聞いているが、昨年と同じだろうか?

昨年の様子↓

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/09/22/02.html

東京都は、都庁周辺にテラス空間や都民広場などを整備する「都庁周辺の空間再編計画(素案)」を公表したとのことだが、もしかすると人工芝を恒久的に敷くつもりではなかろうか?

まさかとは思うが、神宮外苑再開発や葛西臨海水族園の整備事業などを押し進める都知事のことだから、何をするかわからない。

もし、人工芝を敷くならば、周辺地域のPFAS汚染とヒートアイランドはますます加速されてしまう。

最近の研究では、PFASは皮膚からも吸収されるそうだ↓

https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2024/07/post-105208.php

「最も広く使用されている17種類のPFASについて実験を行い、うち15種類が皮膚を通じて吸収されることを確かめた」ということは、人工芝に触れただけでも多くのPFASが体内に入るということだ。

街路樹などを伐りたいだけ伐って、色だけ緑にするため地面に人工芝を敷きつめるのは、本当にやめてほしい。