最近、少し風が強いと近所から強い異臭が漂ってくるようになった。
香り付きの合成洗剤か柔軟剤かわからないが、マイクロカプセルに香料が入った高残香性タイプのものだということはおそらく間違いない。
匂いだけでなく、プラスチック製のマイクロカプセルも一緒に飛来してきているのだろう。想像しただけで気分が悪い。
なぜこんなハタ迷惑なものが商品として認可されているのか、と不思議で仕方がない。
使用者はおそらく匂いになれてしまい、あまり感じないだろうが、高残香性タイプの洗剤や柔軟剤は本当に近所迷惑だ。
暑くなってきたが、うっかり窓も開けられない。
コロナ自粛の影響で、大気中のマイクロプラスチックが激減
昨年、福岡工業大学の屋上で、大気中のマイクロプラスチックを検出した研究者らによると、今年1月までは大気1リットルにつき10万から20万個のマイクロプラスチックが含まれていたが、2月には数万個に減ったとのこと。
また、大分県や宮城県で発生した樹氷の成分中の窒素酸化物と硫黄酸化物も激減し、大気が劇的に改善したそうだ。
新型コロナウイルスの感染対策のため、中国で工場や交通が止まったことが影響したという。
マイクロプラスチックは、上空を地球規模で移動していることを考えると、中国の工場だけが原因とも思えないが、2月に減ったということはやはり中国の影響が大きいのだろうか。
<参考>
西日本新聞(2020.5.20)「中国の都市封鎖で九州の大気が劇的改善 ピーク時の10分の1に」
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/609079/
ついに日本の水道水からもマイクロプラスチックを検出!
やはり日本の水道水からもマイクロプラスチックが検出された。
これまで海外の水道水からは、マイクロプラスチックが検出されていた。
最初は2017年のオーブ・メディアから依頼された米ミネソタ大学と米ニューヨーク州立大学の研究チームによる調査で、世界13ヵ国(欧州7ヵ国とインド、インドネシア、アメリカなど)の水道水の83%からマイクロプラスチックが見つかったというものだった。
これが、過大だ、コンタミ(実験室での汚染)だ、と批判され、評判は良くなかったものの、その後各国での調査が相次いだ。
日本では、厚労省が2018年度の委託調査で、水道水のマイクロプラスチック検出方法や各国の状況についての報告書をコンサルに発注してまとめさせた。
それを読むと、各国でのマイクロプラスチックの検出方法がバラバラで、検出できるマイクロプラスチックの最低サイズもバラバラ。当然、結果にも大きなバラツキがあった。
日本の水道水のマイクロプラスチックについては不明なままだったが、関係者の間ではその存在は周知の事実のようだった。
今回ようやく、千葉工業大学の亀田先生たちが、北海道と沖縄の水道水中のマイクロプラスチックについて結果を発表した。
これらの地域では海外の水道水に比べ、マイクロプラスチック量は少ないようだが、他地域ではまだわからない。
今後、他地域でも調査し、自治体は対策を進めて欲しいものだ。
<参考>
オルタナ「水道水からも検出:マイクロプラスチックを考える(上)」↓
http://www.alterna.co.jp/30911
オルタナ「水道水からも検出:マイクロプラスチックを考える(下)」↓
http://www.alterna.co.jp/30915
泡消火剤流出で、川の水から指標の6倍以上の発がん性物質が検出
普天間飛行場からの泡消火剤流出により、発がん性物質PFOSなどが、住宅地にまで飛散した。
付近の河川など5地点の水を採取し、分析したところ、多量の有機フッ素化合物が検出された。
宜野湾市の宇地泊川で採取した水からは、地下水汚染を判断する米国の暫定指標値PFOS・PFOA合計40ナノグラム(1リットル当たり)の6倍に当たる247・2ナノグラムが検出されたとのこと。
<参考>
琉球新報(2020.4.24)「普天間流出の泡消火剤に多量有害物 宇地泊川で米指標の6倍超 本紙・京大調査」↓
塩素系漂白剤で肺胞に炎症、過度なコロナ対策で
やはり塩素系漂白剤は怖い。
中国で新型コロナ対策として部屋に次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)をまいていた人が、アレルギー性肺胞炎になった。
次亜塩素酸ナトリウムは通常100倍に希釈すべきところを、少し水で薄めただけで撒いたため、肺胞に炎症が起きたそうだ。
日本でも塩素系漂白剤で布製マスクを洗うことなどが推奨されているが、感染者が使用したマスクでない限り、塩素系漂白剤を使うのは避けた方が無難だ。
以前読んだ雑誌にも、ペット(猫)のいる部屋で、塩素系漂白剤で消毒した加湿器を使用したところ、ペットが死亡したという記事が出ていた。もちろん、消毒後に水でよく洗ってから使用したのだろうが、それでもネコにはきつかったようだ。
<参照>
FNN(2020.4.21)「「肺に白い影」医師も驚愕…原因はまさかの“過剰コロナ対策”」↓
香害:香料成分をライオンが開示 花王はまだか
深刻になる一方の香害被害。
その主原因はマイクロカプセルだと思われるが、中身の香料成分も気になるところだった。
海外では0.01%以上の香料成分を開示するメーカーが多かったが、日本では、SCジョンソン以外は、開示に応じていなかった。
この3月、ようやく日本石鹸洗剤工業会が柔軟剤や洗濯用洗剤などに含まれる香料成分に関しての指針を発表。0.01%以上の香料成分の開示を求めた。
先ほど検索をかけてみたところ、ライオンが開示していた!
例えば、「アクロン フローラルブーケの香り 香料成分」↓
https://www.lion.co.jp/ja/products/pdf/PerfumeIngredients/289.pdf
「ライオン洗たく石けん 香料成分」↓
https://www.lion.co.jp/ja/products/pdf/PerfumeIngredients/288.pdf
花王やP&G、ユニリーバはヒットしないところを見ると、まだ開示に応じていないらしい。
P&Gやユニリーバは、北米などでは開示しているはず。日本人はおとなしいから開示しなくてもうるさくない、とでも思っているのだろうか?
あまりに開示が遅いと、余程ひどい香料を使っているのか、今頃慌てて変更しているのか、と疑いたくなる。
香料には毒性の強いものも多いから、企業秘密では済まされない。
消費者には選ぶ権利がある。成分開示は最低限のメーカーの義務だろう。
<参考>
日本石鹸洗剤工業会(2020.3.2)開示の指針↓
https://jsda.org/w/01_katud/jsda/JSDA_seibun_kaiji_20200302.pdf
ピリカ最新データ公表、日本の川のマイクロプラスチック量はメコン川の下流並みのひどさ
川や湾岸のマイクロプラスチックを調査しピリカの最新データが公開された。
https://opendata.plastic.research.pirika.org/
ピリカの先日の報告会の動画も公開されている。
動画はなかなか面白かった。
日本の川のマイクロプラスチック浮遊量は、メコン川の下流に匹敵する多さだそうだ。
メコン川は、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの順に流れているそうで、マイクロプラスチックの浮遊量もその順で増えている。しかし、日本の川の浮遊量は、下流であるカンボジアやベトナムに匹敵する量とのこと。
理由として、日本のプラスチック使用量が多いことや、昔から使っていたため既に劣化しているプラスチックが多いことなどが考えられるそうだ。
メコン川というと、大きなプラスチックごみがたくさん浮いているイメージがあるが、5ミリから0.3ミリ以上のマイクロプラスチック量は、少なくともタイやラオスでは日本よりずっと少ないようだ。
以前、磯部先生らの研究で、日本近海のマイクロプラスチック量は平均的な海と比べ27倍も多いという報告があった。今回のピリカの報告で、その原因が他のアジア諸国ではなく、日本にあるということがわかる結果だ。
また、日本の川に人口芝が多いということは以前の調査でも報告されていたが、今回も多かったそう。
人口芝を敷いている施設の管理者は自治体が多いので、住民が声を届けないと自治体も対策しにくい。声をあげることが大事だと言っているのも印象的だ。
やはり声をあげないと、何も変わらない。声をあげなければ、とあらためて思った。
香りのサービスは必要か、香害に配慮を
JR東日本は、高輪ゲートウェイ駅をコンセプトとした香りのオリジナルグッズを発売する。この発売に際し、「駅構内の一部エリアに芳香エリアを設ける」そうだ。
スギの木から抽出したエッセンシャルオイルをベースにしているとのことで、さぞ良い香りだろうと想像する。
しかし、昨今、様々な理由から化学物質過敏症患者が増加している。誰もが、いつ発症してもおかしくない。
好みで入浴剤などに利用するのはよいだろうが、駅構内のような公共スペースに香りをふりまくのはいかがなものか。
柔軟剤などによる「香害」被害が増えている現状を、JR東日本にはもう少し理解してほしい。
<参考>
TRAICY(2020.3.15)「JR東日本、「高輪ゲートウェイ駅の香り」のエッセンシャルオイルと入浴剤を発売」↓
廃プラや古紙の輸出はごみの押しつけか
最近、リサイクル批判をよく耳にする。「海外にごみを押しつけるな」とか「リサイクル幻想」などという言葉も飛び交っている。
要は、これまで海外や焼却に依存していた日本のリサイクル姿勢を批判しているので、これについてはその通りと思う部分も多い。
しかし、過度なリサイクル批判、資源輸出批判に、最近少し戸惑っている。
批判を聞いていると、資源ごみの輸出は、まるで日本が無理矢理海外へごみを押しつけ、海外ではそれらをリサイクルできずに、困って投棄しているかのように聞こえる。
もちろん、廃プラや古紙に故意にごみを混在させたり、ごみ混入を知りながら輸出する業者もいる。しかし、それは一部だ。
大半は、先方の注文に合わせ、フツウに回収し、フツウに梱包し、輸出している。
資源ごみの輸出全般を「ごみの押しつけ」などといわれ、多くの回収業者や輸出業者は、心外だと思っているのではないか。
とはいえ、相手国でリサイクルできないようなごみを廃プラと一緒に(あるいはリサイクル困難な廃プラを)輸出していたケースがあったことも事実。
現地では、安い人件費を使ってそれらを資源とごみに分け、ごみを野積みした結果、周囲に環境汚染を引き起こしたり、積んであったごみが海へ流れ出してしまったケースもあった。
バーゼル条約により、汚れた廃プラの輸出規制が、来年から強化されるようになったのは良かったと思う。
それにしても、これから困るのは古紙の余剰。中国は、古紙輸入を今年いっぱいで終わりにするそうだ。来年から中国へ古紙を輸出できなくなると、日本の古紙は一部焼却せざるを得ない。
そうならないように、今すべきことは、メーカーがもっと再生資源を使って製品を作るようになるための法整備(例えば、バージン原料使用への課税や、製品毎に再生資源の最低含有率の義務付け、など)と、消費者としては、必要以上の過度な品質を製品に求めないことなどだろう。
もちろんこれは紙製品だけでなく、プラスチックやガラス、金属などの製品にも当てはまることだ。
<バーゼル条約についての参考>
JETRO(2019.5.21)「汚れた廃プラスチック、バーゼル条約で規制対象に」↓
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/05/8b624be5eec14dad.html
ハワイの日焼け止めクリームの禁止成分が、日本の「無添加」商品にも入っていた
ハワイ州では、2021年1月から法律でオキシベンゾンとオクチノキサートの入った日焼け止めは禁止される。オクチノキサートは「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」という名称で、日本で販売されている日焼け止めにも広く使われているそうだ。
確かに、日本のドラッグストアーで売られている日焼け止めクリームを見てみたところ、その多くに、このメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが入っている。
ショックだったのは、「無添加」とか「食品成分」などと書かれていたため愛用していたマミーUVケアシリーズの日焼け止めにまで「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」が入っていたこと。よく読むと、無添加とは「無着色・無香料・防腐剤フリー・無鉱物油・アルコールフリー」の意味だった…。
ハワイでの禁止は、サンゴの赤ちゃんの育成を妨げるなどのためだが、人間への影響も懸念してのことかもしれない。
ヨーロッパでは、以前からこれらは環境ホルモンだと指摘されているし、アメリカでも日焼け止めの化学物質は、体内に吸収されてしまう、と専門機関が指摘している。
特にスプレータイプとローションタイプは、「血液中の化学物質のレヴェルは塗布をやめても実験終了まで上昇し続けた」とのことだから怖い。
少なくとも、紫外線吸収剤や香料は避けたい、と思っていたところ、ハワイ土産に日焼け止めクリームをもらった。
まずその大きさにビックリ!見ると、8FL OZ(236mL)もある。
普段通りの量を塗ると、若干白残りするため、少なめのほうがよいようだ。ノビが良いため少しだけでも十分。防水時間は80分とのこと。
紫外線吸収剤はもちろん、環境ホルモンだといわれているパラベン(防腐剤)や香料も入っていない。
日本ならば、自然食品店などにしか売られていないようなものが、一般の店で普通に安く買えるのがうらやましい。
<参考>
「日焼け止めの化学物質は体内に吸収され、血液中に流れ込んでいた:米当局の臨床試験から明らかに」↓
https://wired.jp/2019/05/08/sunscreen-chemicals-soak-all-the-way-into-your-bloodstream/