5月25日からイオンがLOOPを開始する。
近隣のイオンはまだ対象外のようだが、8月末までには関東の多くのイオンが対象になるようだ。
気になるのは商品の種類。LOOPは使ってみたいがほしい商品があるだろうか?
もっと多くの商品がリユース容器入りか、量り売りになってくれると助かるのだが、世論を操作しているのは普段ごみの始末をほとんどしない人達ではないだろうか?
一般の消費者の声など、店にも政治にも届いた試しがないような気がしている。
旧「環境にやさしい暮らしを考える」のブログです。持続可能な暮らしに関連するニュースや、気になった環境情報を紹介します。専門は環境経済学です。
5月25日からイオンがLOOPを開始する。
近隣のイオンはまだ対象外のようだが、8月末までには関東の多くのイオンが対象になるようだ。
気になるのは商品の種類。LOOPは使ってみたいがほしい商品があるだろうか?
もっと多くの商品がリユース容器入りか、量り売りになってくれると助かるのだが、世論を操作しているのは普段ごみの始末をほとんどしない人達ではないだろうか?
一般の消費者の声など、店にも政治にも届いた試しがないような気がしている。
3月に閣議決定された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が昨日(5/21)衆議院で可決された。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/meisai/m204080204061.htm
このまま進むと6月上旬には参院を通過、成立する。来年には施行される。
法案を読んでいると、日本がいかにプラスチックを減らしたくないかがよくわかる。「合理化」を求めているのは、あくまでも無料で大量に配布されるものだけなので、具体例としてあげられているのは「ストロー、スプーン、フォーク」のみ。それも禁止ではなく、ポイント還元などによって少しでも減ればよいらしい。
しかし、ポイント還元では減らないことは、レジ袋のときでわかっているはずだ。にも関わらず、以前の説明で、小泉環境相が「有料化など」と発言した途端に反対意見で盛り上がったものだから、その後からは「ポイント還元」がイチオシになったらしく、環境委員会での説明でも「ポイント還元など」といっていた。
また、代替材に替えてもよい、という。しかし、代替材に転換してもごみは減らない。この手のものは代替材ではなく、やはり「使わない」ことを前提に議論すべきだ。
しかも、拡大生産者責任(EPR)のことは、まったくといってよいほど考慮されていない。
立憲から対案も出ていて、立憲案にはさすがに「拡大生産者責任の徹底」と概要に書かれていたが、そのすぐあとに「市町村に対する支援」という文字も。
支援には「お手伝い」というニュアンスがある。共稼ぎの夫婦で、夫が家事を「支援する」といえば、多くの妻は激怒するだろう。まして、EPRを徹底するならば、あくまでも責任は100%事業者にあるはずだ。
100%の責任を負うべきものが、責任はないけれどその方がいろいろ都合がよいからという理由で、物理的な回収を肩代わりさせられている立場の市町村に対して、「手伝う」というのはおかしな話だ。
EPRのもと、物理的には市町村が収集を行うならば、事業者はその費用を支払う責任がある。それは、「支援」ではなく、「補償」や「補填」というべきだ。
しかもこの新法、収集だけでなく、再商品化の責任まで市町村に押しつけようとしているようだ。容器包装リサイクル法では、市町村は分別収集、再商品化は事業者となっていたから、プラスチック製容器包装は従来通りだが、製品プラスチックに関しては、分別収集はもとより再商品化までもが市町村の仕事となる。
市町村の責任ということは、税金が使われるということだ。つまり使わない人が使った人の処理費用までも負担するということ。つまり、何年も大事に使ってほとんどごみを出さずに生活している人に、頻繁にプラスチック製品を購入し、少し汚れるとすぐに捨てて買い換えている人の分のごみ処理費用まで負担せよ、といわれているのだ。
回収からリサイクルまでの費用を製品に上乗せて、それを購入者が支払うのが理想で、多くの国はその方向で進んでいる。しかしなぜか、日本だけが逆行している。
事業者に対しては、「自主回収できる会社はしてね、自主回収しやすい環境は整えるから」といっているように読み取れる。
その程度の責任しか負わなくてよいならば、一体どこの会社が真剣に自主回収するというのだろう?せいぜいが、ポーズとして一部の製品をするだけだ。
しかし、自主回収など真剣にされては消費者も困る。もし、歯ブラシは使い終わったらヨーカドーへ持って行ってね、チューブはイオンよ、などといわれたら、消費者はたまったものではない。市町村のごみにまとめて出すのが関の山だ。
プラスチックのリサイクルを推進するための法律だといわれているが、これで本当にリサイクル量は増えるのだろうか?
先日、ヨドバシカメラへ買い物にいくと、「環境にやさしいレジ袋を使っている」と店内放送が流れていた。
環境にやさしいレジ袋など、なんとなく概念矛盾ぽい。
プラスチック製レジ袋は確かに便利だ。丈夫で長持ち、安価で、素晴らしい。しかし、環境にやさしくはない。
レジ袋のせいで、たくさんの動物が死んでいることは有名だ。マイクロプラスチック化しやすこことも確実で、ボロボロになった場面もよく目にする。
先日行った海岸でもレジ袋らしきプラスチックが埋まりかけているのを見た。引っ張ればすぐにちぎれてボロボロだ。
ヨドバシカメラのレジ袋は、石灰石とプラスチックを混ぜ合わせて作ったLIMEX製だから、もっとボロボロになりやすいと思われる。環境中にでればプラスチック部分はすぐにマイクロプラスチックになるだろう。
なぜ無料で配布し続けるのか、レジ袋を少しでも減らそうという気はないのだろうか、ヨドバシカメラにはCSRを考える部署はないのか、と思い、「ヨドバシカメラ、CSR」でググってみた。
「低位」という欄がオレンジ色に光っていた。やっぱりなぁ・・・。
https://www.sustaina.org/ja/corp/yodobashi/
ヨドバシカメラさん、レジ袋の無料配布をやめませんか?
最近、アスファルト舗装道路の表面の骨材に廃プラを使うことが増えている。
石油由来のアスファルトとプラスチックはよく似ているので、アスファルトの代わりに廃プラを使うのは考えてみれば当然だ。
欧州やインド、ベトナムなどで多いようだ。
インドでは、「南部カルナタカ州政府は、道路舗装でプラスチックをアスファルトと混ぜて使用するよう義務化した」とのこと↓
http://thinkwaste.net/international/2396
道路からマイクロプラスチックが発生しないのだろうか?と思っていたところ、日本でも廃プラを利用したアスファルト改質剤に注目が集まっている。
https://www.chemicaldaily.co.jp/【社説】アスファルト改質に廃プラの利用を/
花王も廃プラを使ったアスファルト改質剤をウエルシアの駐車場に使った↓
https://www.kankyo-business.jp/news/027144.php
アスファルトは損傷しやすいため、道路補修工事現場もよく見かける。
廃プラを利用することでアスファルトのモチがよくなるというが、廃プラを入れればいずれ飛び散ってマイクロプラスチックになることも確かだろう。
考えみれば、アスファルトが石油由来ということを考えると、廃プラを使っても使わなくても、アスファルトの摩耗粉はマイクロプラスチックの仲間だ。
これまでアスファルトを無条件になくてはならないものとして考えてきた。しかし、タイヤやブレーキの摩耗粉(マイクロプラスチック)もよく話題になっているが、車社会は温暖化の見地からだけではなく、プラスチックの見地からも見直す時期が来ているように思う。
日経新聞(2021.3.9)によると、また新たな認定制度ができるらしい。
プラスチック使用量が少ない製品やリサイクルしやすい設計の製品などが対象とのこと。また新たな偽装エコ商品が生まれそうで心配だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG08AR50Y1A300C2000000/
国が新たに環境に配慮した商品設計の指針を作り、プラスチック使用量が少ない製品やリサイクルしやすい設計の製品などを認定する。認定した商品にロゴマークを付けて消費者が選びやすくする。(日経新聞2021.3.9)
なぜ、今ある認証制度を更新し、より使いやすいもの、もっとよいものに変えていかないのだろうか。これではマークの乱立で、ますますわけがわからなくなる。
最近エコマーク付き商品を見かけなくなった。
ドイツでは、小学生の親はブルーエンジェル付きの商品を選ぶと聞く。ブルーエンジェルは世界初のドイツの環境ラベルだ。エコマークとブルーエンジェルは相互認証協定も締結している。
ドイツの官公庁はもちろん、地方自治体もブルーエンジェル付きの商品を購入するが、一般消費者にもブルーエンジェルは浸透しているらしい。
日本の官公庁はグリーン購入法に適合している製品を購入するが、「努力義務」の地方自治体は必ずしもグリーン購入法に適合する商品を選んでいるわけではない。地方自治体でさえそうなのだから、一般消費者がグリーン購入法適合品やエコマーク付き商品を選ぶはずもない。
日本の小学生の親で、ベルマークを気にする人はまだたまに見かけるが、エコマークを気にしている人は見たことがない。
そもそもグリーン購入適合品とエコマークの区別もよくわからない。ほとんどが一致しているというが、一致していないものもある。さらにグリーン購入ネットワークの位置づけもよくわからない。
グリーン購入法が制定された際、なぜエコマークとグリーン購入を統一しなかったのだろうか。統一していれば、どちらももっと普及したはずで、さらに今また新たな認定制度を作ったとしても、普及するとは思えない。
次々と新しいマークやラベルを作られても、消費者は混乱するばかりだ。早急に統一し、幅広い製品を対象に、考えられるすべての基準を満たすものにだけエコマーク(あるいは統一された新たな環境ラベル)をつけてほしい。
先日(3月24日)テレビをつけたら、NHKアサイチでメラミンスポンジを使ったお掃除術の話をやっていた。
延々とやっていたところ、視聴者からマイクロプラスチックについての指摘がいった。
すると、京大の田中先生のフリップ(ウレタンスポンジやメラミンスポンジはマイクロプラスチックになるという)が出た。
フリップまで用意してあるなら、なぜメラミンスポンジの宣伝するのか、と思っていたら、そのあと友の会の井田さんがでて、ヘチマや絹製たわしの紹介をした。環境にいいからと。
はじめのメラミンスポンジを使ったお掃除術は一体何だったのだろうか?と疑問だ。
茶渋も落ちるだの、暖かい湯につけたメラミンスポンジはこびりついた油汚れも落ちるだの、とあれだけ紹介しておきながら・・。掃除の達人としてそういう技を紹介した人も気の毒だ。
メラミン樹脂製スポンジは、マイクロプラスチックの発生源になることは既に多くの人が知っている。こすった際に出るクズはマイクロプラスチックで、下水に流れ込む。下水処理施設でマイクロプラスチックを100%除去することは不可能だから、一部はきれいにされた排水と一緒に川へ放流される。
そのクズを魚介類が食べれば、私たちの食卓に戻ってくる可能性もある。
しかし、あれを見た人たちの多くは、やはり「そんなに汚れがよく落ちるならばメラミンスポンジを使おう」と思ったかもしれない。
よくわからない番組構成だった。
ワシントン州もニューヨーク市のように発砲スチロール製の食品容器やピーナッツ型の緩衝材を禁止するようだ。
ワシントン州上院が3月2日、飲料容器やごみ袋の原料の再生資源含有量を義務づける法案を承認した。そのなかに、2023年6月以降、発砲スチロール製の食品容器やピーナッツ型緩衝材の禁止も盛り込まれているとのこと。
ストローやカップのフタは、客からのリクエストがあったときのみ提供する。
2023年までに、製品の重量の少なくとも15%をリサイクルし、2026年までに25%、2031年までに50%と、段階的にリサイクル率を増やすとのこと。
また、プラスチック製ごみ袋の再生資源含有率は、2023年に10%、2025年に15%、2027年以降に20%から。
法案はこの後、下院での検討に移る。
このようなプラスチックや発砲スチロールを規制する法律は、プラスチックによる水質汚染などを気にするワシントン州の住民に評判がよいそうだ。
アンケートによると、回答者の76%以上が、プラスチック汚染を減らすため規制を強化することに賛成しているという。
テイクアウト用の発砲スチロール製容器については、回答者の57%が禁止を支持し、反対者はわずか26%だ。
日本も早く発砲スチロール製食品容器を禁止してほしい。仮に発砲スチロールの散乱がなかったとしても(現実にはかなり落ちている)、発砲スチロール容器に入った食品はどうも不安で仕方がない。
<出所>
ダスグプタレビューがイギリスで好評のようだ。
環境経済学者のパーサ・ダスグプタが英国政府の依頼でまとめたレポートで「生物多様性の経済学(生態系の経済学)」というタイトル。英国政府の財務省が発行元だ。
「推定によると、1992年から2014年の間に、一人当たりの生産資本は2倍になり、一人当たりの人的資本は世界全体で約13%増加した。しかし、一人当たりの自然資本のストックは40%近く減少」
「1992年から2014年の間に自然資本のストックが4割近くも減少」
などの言葉が並ぶ。
昨日、ヨドバシカメラへ行ったところ、「石灰石を使った環境にやさしいレジ袋を使っているから無料で配布している」という店内放送が流れていた。
石灰石のような自然資本(山)を削らなければ採れない資源を使って作ったものを垂れ流す(無料配布し続ける)ことの何がエコか、と困惑したら、買う気がすっかり失せてしまった。
レビューによると、人類がここ数十年で非常に繁栄したのは、自然に壊滅的な犠牲を払わせたことを示しているとのこと。
石灰石のように山を削って得られる資源で、何十年も使い続けるセメントを作るならばともかく、レジ袋のような使い捨ての消耗品を作るのは、あまりにももったいない。
しかもこのレジ袋、石灰石とプラスチックを混ぜ合わせて作られているから、もし環境中に出れば、プラスチック部分はすぐにマイクロプラスチックになるだろう。
ジョンソン英首相はこのレビューを歓迎しているそうだが、日本も早急にこのような勘違いをする店がなくなるように手を打つべきだ。
ダスグプタレビュー↓
プラスチックごみ削減の見地から、アクリルたわしはもう作られなくなったと思っていたが、まだ各地で行われているようだ。
川の水質改善やプラスチックごみ削減など、環境目的で行っているところが多い。
マイクロプラスチック問題が顕在化した今、まるで冗談のような話だと思うが、世田谷ではプラごみ削減、奈良県では自治体が主催し、水質改善目的で行っていた。
アクリルもプラスチックの仲間。毛糸くずはマイクロプラスチックファイバーとして下水に流れ込み、下水処理施設で100%除去することは不可能だ。
講習会で使うアクリル毛糸を、綿糸や麻糸に変えてやったら済むだけの話。なぜいつまでもアクリルに固執するのか、さっぱりわからない。
SDGsは素晴らしい概念だと思うが、あまりにもおかしな使われ方をされ、うさんくさくなってきている・・と思っていたら、最近はサーキュラーエコノミー(循環経済)までうさんくさくなってきた。
ペットボトルのキャップを回収しそれでごみ袋を作る・・、これのどこがサーキュラーエコノミーなのか。まったくわからないが、「サーキュラーエコノミー」として紹介されている。
ビオセボンには期待していたが、これは一体何だろう?
しかもビオセボンだけでなく、神戸市までもが開始したらしい。これでは自治体がペットボトルの使用を奨励しているようなものだ。
サーキュラーエコノミーは経済モデルで、サーキュラーとは循環だ。ごみ袋として燃やすことの、どこが循環なのか?そもそもペットボトルのキャップ回収自体、循環経済とは真逆にあるのではないか。
イギリスの大手スーパー・テスコは、数年前に自社製品の水のペットボトルを廃止し、開栓後また閉じられるアルミ缶に変えた。飲み終わった後また水を入れて水筒としても使えるらしい。このような企業の姿勢がサーキュラーエコノミーの第1歩だろうと思う。
ごみ袋は必要だから、それを再生樹脂で作るのはよいが、わざわざキャップを単独で回収して作る必要はない。単独回収することで回収車が余分に排出するCO2の元が取れるほど、ペットボトルのキャップに資源としての価値を認めているならば、ペットボトルのような使い捨て品は、とにかく使わないことが大事なはずだ。
本来、キャップはペットボトルにつけて回収し、飲料メーカーが責任もってボトルもキャップもリサイクルすべき。EUはその方向に舵を切りつつある。
日本は自治体が税金で多くのペットボトル本体を回収し、キャップについても容器包装プラスチックの一部として扱われるのでやはり自治体が税金をかけて回収する。そのキャップだけを別枠で集めて、燃やすことが前提のごみ袋を作る・・このような循環しない事業をサーキュラー エコノミーと呼んでよいのだろうか。
サーキュラーエコノミーにとって、リサイクルは必ず必要だ。しかし、それ以上にサーキュラーエコノミーに必要なことは、ペットボトルのような使い捨て製品の削減であるはずだ。
<参考>
神戸市:日本初!「市民みんなでペットボトルキャップを集めて作る指定ごみ袋」