フランス、ファストフード店で使い捨て容器使用を禁止。拡大生産者責任も強化

さすがフランス。ついにファストフード店で使い捨て容器や皿、カップを禁止するそうだ。

2023年1月1日からということで、既にマクドナルドではポテトの容器がセラミックに、飲み物を注ぐコップがガラスになったとのこと。

店内飲食で使用できるのは、再利用が可能なものだけなので、紙コップや紙皿も禁止だ。

「ハンバーガーやサンドイッチなどを包む包装紙は例外として紙の使用が認められていますが、それでもリサイクル率の高い素材しか認められていない」という。

https://gigazine.net/news/20221220-france-bans-disposable-packaging/

JETROによると、フランスでは2023年1月1日からリサイクル素材の利用率などの情報提供を義務付けるとのこと。この手の包装紙も対象になるのだろうか?

利用率などの情報提供対象となる製品は「家庭用包装、印刷紙、電気・電子機器、建設資材、電気・蓄電池、健康や環境に重大なリスクのある家庭用化学品、家具、衣類、靴など」は2023年1月1日から。

「建設資材、玩具、自動車、小型トラック、二輪車、三輪車、四輪車は2024年1月1日から適用対象となる」そうだ。

拡大生産者責任の枠組みの中で行うということで、目的は「廃棄物の少ない製品への消費を促すこと」。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/11/147a98cead18376d.html

なんでも税金で回収し「大半焼却、一部リサイクル」でOKとする日本とは、制度設計がそもそも違うようだ。

<関連記事>

3R + リニューアブル:リニューアブルって何?3Rのどこに入るの?

「3R + renewable」がプラスチック資源循環戦略で提唱され、プラスチック資源循環法でもそのまま基本方針として使われている。

おかげで私程度の語学力でもリニューアブルの意味がわかるようになった・・。あ、リニューアブルってrenewable energy(再生可能エネルギー)以外の時にも使うんだ、という程度には。

しかし、いまだにわからないのは、これが正しく何を指すのか、ということと、3Rの一体どこに入るのか、ということだ。

一般に紙や木などのようにまた生えてくるような資源を指すことは確かなようだ。

では、マテリアルリサイクルのことを再生利用というから、マテリアルリサイクルできるものでもよいのか、というとそうではなさそうだ。ペットボトルはマテリアルリサイクルできるが、ここには決して入れてはならない。

じゃあ他に何かというと、バイオマスプラスチックが入れられていることが多い。原料がバイオマスならば再生可能だというのがその理由だろう。しかし、バイオマスプラの大半はバイオマス100%ではない。5%とか10%とか25%などのように部分的にしか使わない。

仮に原料が100%バイオマスだと言われるポリ乳酸だとしても、化石燃料由来の添加剤を使う上、製造段階で再生可能エネルギー以外のエネルギーを大量に使用する。

これが果たしてリニューアブルといえるだろうか?

しかしここまでこだわると、紙や木も本当にリニューアブルか怪しくなるので、こだわらないことにして、じゃあ3Rのどこにリニューアブルが入るのかと考えると、これまたわからない。

リサイクルの後ろに入れて、4Rという人もいるが、これは少し違う気がする。

一方、コンビニなどの取り組みを見ると、あたかもリデュースの前に入るかのように、ちゃっかり「バイオマスプラ使用」を宣伝するケースが見受けられる。でも、これも違うだろう。

リデュースやリユースより先に来ることなどはあり得ない。

そうであれば、収まりは悪いけれど、リユースの後ろ、リサイクルより前が良いのだろうか?とも思うが、どうなのだろう。それならばそのように環境省は説明すべきだが、そのような説明は聞いたことがない。

わざと玉虫色にして、モノによりけり、ケースバイケースで考えろ、ということか。

気になって仕方がない。

ジュビロ磐田、紙コップをわざわざプラ使用の使い捨てカップに変更?

ジュビロ磐田が、スタジアム内で使用する紙コップをLIMEX製に変更するそうだ。

https://www.jubilo-iwata.co.jp/newslist/detail/?nw_seq=8561

リユースカップに変更するならばわかるが、なぜプラスチックに石灰石を混ぜ込んだライメックスに変更する必要があるのか?さっぱりわからない。リユースでもなければ、生分解性でもないし、バイオマスでもない。つまり、最近よく聞く「3R+Renewable」の最後のRenewable(再生可能)でさえないのだ。

紙は木から作られるバイオマス製品だから、当然木を使う。ライメックスはプラスチックと石灰石の複合品だから、木を使わない。そんな当然のことを、さも変更したことがエコであるかのように宣伝する理由が理解できない。

日本にも、リユースカップを利用しているサッカースタジアムはある↓

https://www.reuse-network.jp/case/soccer/

変更するならばリユースカップに変更してほしかった。残念。

紙 vs プラ 配送パッケージのリユース化はうれしいけれど

世界で宅配の配送パッケージのリユース化がふえてきた。

欧米では複数の企業が数年前から採用し、韓国でも政府が検討している。(参考「韓国政府が環境保護のため、2024年から多回用宅配箱の普及事業を本格推進することにした」)http://www.tbnews.co.kr/news/view.php?idx=2297&mcode=m22q90v

日本でもメルカリがテスト中だ。

https://about.mercari.com/sustainability/creating-a-circular-economy/eco-pack/

それはとてもうれしいけれど、どのリユースパッケージをみてもプラスチック製。

ダンボールがどんなに頑張っても数回しかリユースできないけれど、プラスチックは何十回もリユースできるのだから、やむを得ないのだろうか・・。

ごみを減らそうと思ってプラスチックを使うのは、やむを得ないが気に食わない。

我が家の浴室で床洗い用に使っているエコショップで買った自然素材のブラシも、そろそろ寿命だ。高かったのに、寿命は結構早くきた。エコは結構高くつく。

今度はブラシではなく、シュロ製の大型亀の子だわしにしようと思う。

パーム製の大型亀の子だわしならば100円ショップでも販売されているからパームでもよいが、シュロ製に比べ少し硬いのでキズが心配だ(我が家の浴室の床は少し柔らかい感触のタイル)。

シュロ製はさすがに100円ショップで売られていないが、ネットで検索すると800円ほどで販売されている。今度はこれを試してみたい。

メディアは是々非々でなければならないはずなのに

メディアは、客観的に物事をみて、よいことはよい、悪いことは悪い、というものだと思っていた。もちろん、スポンサーに対しては一定の配慮というか忖度することもあるだろうが、それでもわざと誤った報道をするはずがない、と信じていた。

しかし、違ったようだ。

TBM訴訟について、こんな記事があった↓

https://sustainablejapan.jp/2022/10/03/tbm-alterna/77757

明らかにおかしな記事で、検査機関であるCERIが「容器包装リサイクル法上では、オルタナが実施した方式とは異なる熱重量測定方法を⽤いるのが⼀般的」だと表明し、まるでCERIが他の方法でも検査したら石灰石成分が最大であったかのような、あり得ない記載がなされている。

Sustainable Japanはまともなメディアだと思って、時々読んでいただけに・・・残念。

一体こことTBMは、どういう関係があるのだろうかと思い、ググってみたところ、Sustainable Japanの夫馬氏はTBMのファンとのこと。

https://fan.tb-m.com/fanvoice/79/

いくらファンでも、この記事はあり得ない。

トイレットペーパー訴訟 日本製紙が大王を提訴

日本製紙クレシアが大王製紙を提訴した。特許侵害とのこと。どの特許?と思って、記事を読んだところ、「3倍巻」とのこと。

写真を見たら、日本製紙のスコッティの3倍巻の写真を見たら、300mと書かれている。てっきり1ロールが300mだと思ったら、75mx4ロール・・。

たった75m巻でなんで3倍巻?1ロール25m巻で計算されているようだ。確かにダブルだからシングルの半分の長さしかないのはわかるが、1ロール25mでは短すぎてすぐになくなる。だから75mあったらうれしい人もいるだろうが・・。

訴えられた大王製紙のエリエールの3.2倍巻を調べたところ、80m巻だ。長さでいえば、当然こちらの方が長持ちするに決まっているから、日本製紙は焦ったのだろう。

これがどういう特許侵害にあたるのかはわからないが、いつも「うれしいトレペ」の100m巻(シングル)を使っている身としては、75mや80mで3倍巻だの3.2倍巻だのといわれると、正直戸惑ってしまう。

もともと家庭用トイレットペーパーは65m巻(シングル)が主流だったはず。ダブルで32.5mだ。いつのまに25m巻が標準となったのだろうか?

ダブルで100m巻ならば「3倍巻」をうたってもよいが、75mや80mで3倍巻だといわれると、「勝手に短尺にしておいてちょっと長くしたからってイバルな」と思ってしまう。

25m巻のトイレットペーパーなど、交換の手間が面倒でならない。しかも、シングルの50m巻に比べても使用する原料の量はかなり少ないはず。にも関わらず、以前シングルとダブルを試しに比較したところ、交換までの日数はシングルの方が2日ほど長かった。ダブルだとつい使いすぎてしまうのだ。

それで同じ値段をとるのだから、ダブルは財布に優しくない。シングルの方が経済的で、パッケージや物流のことを考えても環境的にも優れている。

この訴訟とは直接の関係はないけれど、ダブル派の方はこれを機に、シングルに転向したらよいのでは?使用感など慣れの問題だ。

<訴訟についての参考記事>

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092600684&g=eco

ティーバッグをポリ乳酸に変えたら脱プラになる?

今年からフランスではプラスチック製のティーバッグを禁止した。

代わりに、フランスでどんなものが出回るようになったか気になるが、有名なマリアージュ フレールのティーバッグは以前からコットン製だったようだ。

日本では、伊藤園がお茶のティーバッグをポリ乳酸に変えたというニュースがあった↓

https://www.itoen.co.jp/whatsnew/detail.php?id=25492

たった1個の紅茶のティーバッグから100億個以上のマイクロプラスチックがでることが、広く知れ渡ったため、素材を見直したのだろう。

ポリ乳酸なので、体内でポリ乳酸のマイクロプラスチックが本当に分解するかは疑問だが、変えないよりはマシか。

普通のポリ乳酸は、60度くらいまで温度が上がるように管理された産業用堆肥化施設でならばゆっくり分解する。体内では60度にならないが、改質剤で分解しやすいように作られているならば分解するのだろうか?

今度、我が家のコンポストにこのティーバッグを埋めて、何ヶ月で分解するか試してみたい。

パッケージの外箱にはFSC認証紙を採用したそうだから、一定の環境配慮はしているようだ。

しかし、このポリ乳酸は、おそらく遺伝子組み換えのトウモロコシが原料ではないかと少々不安になる。

イギリスのCLIPPER(クリッパー)は、遺伝子組み換えでない原料を使ってティーバッグを作っているそうなので、それが本当ならばその方が安心だ。

また、日東紅茶はティーバッグではなく、プラ製のパッケージだけ変えたようだ。

これはこれで「減プラ」の見地からは素晴らしいが、ティーバッグの素材も早急に見直してほしい。

日東紅茶↓

アメリカ、大規模森林破壊を止める法案

先ほどこんな署名が回ってきたので、早速署名した。

「米国:大規模森林破壊をストップ」↓

https://secure.avaaz.org/campaign/jp/usa_deforestation_loc/?czgERsb

「牛肉やカカオ、パーム油、木材、紙などを生産するため」の大規模森林破壊につながるような商品を流通させないようにするための法案を可決させるための署名とのこと。

具体的にどんな法案なのだろうかと思い、調べたところ、アメリカの記事が見つかった↓

https://www.globalwitness.org/en/press-releases/us-congress-must-pass-new-bill-help-end-deforestation-around-world/

「ワシントンDC、2021年10月6日:グローバル・ウィットネスは、森林破壊は気候危機の主要な原因であるため、議会に対し、気候に影響を与える森林を維持するためにこの法案を迅速に可決するよう求めている」という。

具体的には以下の法案のようだ。

・森林破壊に関連する商品の輸入について、サプライチェーンのトレーサビリティを含むリスクベースのデューデリジェンスを実施し、報告することを企業に要求。
・米国の金融システムが、違法な森林伐採による資金洗浄に使用されるのを防ぐ。
・ガバナンスを改善し、森林破壊を減らすために有意義な措置を講じている国々に対する米国の関与と支援を強化。
・森林破壊関連の腐敗に取り組むためのツールを強化。
・森林を破壊しない製品に対する連邦政府の優先調達を確立。

ニューヨーク州でも「州と取引をしている企業が森林破壊の対象となる土地から製品を調達しないようにする」法案を検討中のようだ。

https://www.nysenate.gov/newsroom/press-releases/liz-krueger/international-day-forests-legislators-advocates-launch-renewed

確かEUでも、以前このような話があったので、既に成立しているのではないかと思う。

国内外の森林破壊を止めるため、日本にもこのような法律がほしい。

男前豆腐、過剰包装では?

名前が気に入らないので滅多に買わないが、気になっていた「男前豆腐」を購入した。

味は確かに豆の味がする。昔懐かしい味でおいしいが、気になるのは豆腐容器の構造だ。

豆腐がガーゼ状のものに包まれているが、引っ張ると破れやすいから布ではなさそう。パッケージの表示を見ると「吸水紙」と書かれている部分があるので、この吸水紙だろうか?

吸水紙というのは、100%紙なのか?気になる。

この布状のもので包まれた豆腐の下にはプラスチック板が敷かれていて、その下に水がたまるようになっている。全体は普通のプラスチック容器なので、このプラ板と吸水紙が容器の特徴のようで、豆の味の秘訣はこの包装にあるらしい。

パッケージに書かれた表示によると、プラマークの隣には「容器、中板、フィルム」とあり、その隣に紙マークがついている。紙マークの隣には「吸水紙」とある。

美味しくしようと工夫したことはわかるが、やはり過剰包装だ。

豆腐を持参した鍋で買って、それを布巾に包んで好きな具合に水切りし、好みの堅さで食べられるようになればうれしいが、そんな時代にはもう戻れないとしたら残念だ。

韓国:使い捨てカップの店内使用4月から禁止に、テイクアウト時は6月からデポジット制に

韓国では、カフェやファストフード店内で提供する使い捨てカップの使用を、4月1日から禁止する。以前にも一度禁止されたが、コロナ感染症を理由に許されていた。それが再び、禁止となる。

さらに、6月10日からは、カフェやファストフード店でテークアウト用に提供されるプラスチック製または紙製の使い捨てカップは、保証金制度(デポジット制度)の対象になる。

日本も早くそうなればよいと思う。

(補筆2023.11.15)店内で提供する使い捨てカップの禁止は禁止が11月まで適用が延長されていたが、また延長されたようだ。いつまで延長するかは未定で、禁止路線が変更されたようだ。また、テイクアウト時のデポジット制度も2025年まで延長されている。

<出典>

聯合ニュース(2022.1.18)「カフェで使い捨てカップの利用時に保証金 6月から=韓国」↓

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220118001500882

聯合ニュース(2022.1.6)「4月から使い捨てカップ使用禁止に」↓

https://jp.yna.co.kr/view/PYH20220106144800882