ネオニコ系農薬の空中散布を続ける松本市

海外ではネオニコ系農薬の規制が強まっている。
しかし、日本は規制を強めるどころか、むしろ緩くした。
挙げ句に、松本市のように、空中散布する自治体まででる始末。
まるで、日本人が体をはって、ネオニコ系農薬の人体実験に協力しているかのよう。
農薬として使用されても怖いのに、頭の上からバラまかれてはたまらない。当然、空中散布に反対する松本市の住民たちが危険性を訴え、市に中止を申し入れた。
しかし、市長は聞く耳をもたなかったようで、昨年8月、ついに住民団体は、松本市長に公金支出差止等を求める裁判を起こした。
ということで、先日参加した化学物質学習会で、その訴状を拝見した。

松本市は全面的に争う姿勢とのこと。
市長は、チェルノブイリの原発事故で有名になった医師。甲状腺癌については専門家でも、化学物質のことはおそらく素人。
にも関わらず、専門家のように安全性を強弁し、ネオニコ系農薬をばらまいているようだ。
しかし空中散布では、松枯れを防止できないことは既にわかっているはず。
メリットよりも、子どもたちの健康被害のほうがはるかに大きいだろう。

観光するならば、松本よりも、トキのためにネオニコ系農薬を使わない米作りを推進している佐渡へ行く方が安全そうだ。

<参考>
IN YOU JOURNAL(2018.11.22)「あなたはどう思いますか?世界と逆行して次々進む日本のネオニコチノイド農薬規制緩和。」
https://macrobiotic-daisuki.jp/neo-nico-157377.html

「JA佐渡米はネオニコチノイド系農薬不使用で日本一安心安全美味しい理由」
https://itouyaryokan.com/blog/3658.html

「無香料方針」コロンや香水、ヘアスプレー、制汗剤はご遠慮を

日本では、柔軟剤などの香料入りグッズが流行っているが、カナダでは「無香料方針」が普及しているらしい。

きっかけは、ノバスコシア州ハリファックスの病院の看護師が、患者とスタッフの健康のため、院内を無香料にしたことだそうだ。
ノバスコシア州といえば、ゼロ・ウェイスト宣言で知られる州。ハリファックスはその州都で、その昔、ハリファックスのごみ問題を解決するため住民たちが話し合い、ゼロ・ウェイストを決め、市と州はそれをもとにいろいろ決めた。
その1つが「ハーフバック・デポジット制度」というデポジット制度で、リユースびんには10セントのデポジット(保証金)をつけ販売し、びんを返すと10セント戻ってくるが、ペットボトルや缶などのワンウェイ容器は10セントのデポジットを払っても5セントしか戻らず、残りの5セントはごみを減らすために使われる。
おかげで現在ノバスコシア州の埋立ごみ量は、カナダの平均的な量の半分ほどしかない。
そんなノバスコシア州だからこそ、「無香料方針」に先鞭をつけられたのだと思われる。
ノバスコシア交響楽団のサイトには「コロンや香水・ヘアスプレー、制汗剤は、家に置いてきてください」と書かれている。

日本もノバスコシア州くらい住民の健康を考えてくれればよいけれど、日本で香料規制は当分されそうにない。

Since several of our patrons have severe scent allergies, we ask that you please leave the cologne, perfume, hairspray, and deodorant at home!

<ノバスコシア交響楽団>

What about perfume and cologne?

プチ「脱プラ」宣言④テフロン加工のフライパンを使わない

これまでも健康の見地から、テフロン加工(フッ素樹脂加工)のフライパンを使わず、鉄製フライパンを愛用していた。

しかし、わけあって、3年前にテフロン加工のフライパンを購入してしまった。

以来、年に1〜2回だけ、来客などでどうしても料理を焦げ付かせたくない時はこっそり使っていた。「この剥がれ落ちたフッ素樹脂、マイクロプラスチックだよねぇ。お魚さんにも有害かもね?でもテレビの料理番組でもみんな使っているし、、、やっぱり調理には必要よ」と思いながら・・・。

今年はフッ素樹脂を卒業し、鉄製フライパンだけで乗り切ろう、と思っている。成功したら、この年末、思い切ってこの便利で魅力的だけれどキケンなフライパンを処分しよう。卒・テフロン加工!

参考までに、『家庭にひそむ有害化学物質』カレン・アシュトン/エリザベス・ソルター・グリーン著(時事通信社0の第3章「身近な有害化学物質 とくに注意すべき10の物質」の中に掲載されている「有機フッ素化合物 便利だけれど、疑わしい」に対策として書かれていることを以下に転載する。

◆台所用品には、プロの料理人が使うようなステンレス製のほか、鋳鉄、セラミックチタン、ほうろう引きの製品を選ぶこと。

◆フッ素樹脂加工の調理器具を使う場合は、なるべく低めに温度にすること。さらに、台所の換気を十分に行い、用心のために小鳥や赤ちゃん、子どもを近寄らせないこと。

◆子どもが着る学校の制服にフッ素樹脂のような化学物質が使われていないかどうかを、製品ラベルを点検して確認すること、そして、可能な限り天然素材の代替品を選ぶこと。学校の規則で特定の業者から購入するように指定されている場合には、学校側に苦情を言うこと。

◆「ノー・アイロン」や「しわにならない」タイプの衣服は避けること。

◆ファーストフードの包装容器を避けること。とりわけ中身が高脂肪食品の場合は要注意です(ファーストフードの大半がこれに該当しますが)。

◆新しい家具を買うときに、店で防汚加工のサービスを勧められても断ること。

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映画『香害110番』

日本消費者連盟が、映画を通して化学物質の問題を問い、香害をなくす運動に役立てることを目的に、映画『香害110番』を制作している。学習会などで使える内容だそうだ。

寄付をウェブ上で募集するクラウドファンディングを立ち上げている。

募集金額は50万円です。主要な使い道は、全国に広がる被害の実態や被害者・医師など専門家の証言の取材・撮影する取材経費です。また、撮影した映像を編集し、ナレーションや音入れなどの製作費に使わせていただきます。

例えば、3000円寄付すると、「感謝の気持ちを込めたお礼のメール」、「政策したDVDを1枚進呈(2019年3月にお届け予定)」、さらに「映画のエンドロールにサポーターとしてお名前を掲載」とのこと。

詳しくは↓

https://motion-gallery.net/projects/kougai110

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香りブームに異議あり

香り成分が大気汚染の原因に 健康に影響か

香害 -化学物質過敏症-

 

香りブームに異議あり

日本の香りブームは「香害」を生んだ。

職場で朝から香水を付けている人は少ないが、制汗剤や洗剤、柔軟剤、芳香剤などで香水同然の匂いを発散させている人は多い。

ケイト・グレンヴィル著『香りブームに異議あり』(2018年、緑風出版)を読んだ。香りの被害者(フレグランス製品で頭痛が起きる)である小説家が、医学論文や専門家の助言をもとに書いたものなので、読みやすく、内容は信頼できる。

この本によると、香り成分は化学物質過敏症やアレルギーの人々を苦しめるだけでなく、すぐに症状のでない人たちにも影響があるようだ。

特に胎児や子どもたちに危険が大きいという。

内分泌撹乱作用や発がん性のある香料もあるので、注意が必要だ。

「無香料という選択も、一種のリスク・マネージメントと考えることができます」という文章(p.175)に説得力があった。

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相次ぐ発火や水銀漏出事故、有害ごみの自治体回収は税金の無駄

自治体のごみ処理施設での有害ごみによる事故が多発しているという。

製品が複雑化し、消費者も処理方法がわからないものが多い。筆者もそうだが、分別方法がよくわからないごみは、つい「不燃ごみ」などに入れてしまう人は多いだろう。

そのため、全国的に見ても環境意識の高い東京都多摩地域のごみ処理施設でさえも、リチウムイオン電池による発火事故や、水銀式の血圧計や体温計による水銀漏出事故が相次いでいる。

全国の焼却炉で、水銀を含む製品を燃やすことなどは、おそらく日常茶飯事だろう。焼却炉から排出される水銀濃度の高い排ガスなども、そもそも水銀を検査している地域が少ないのだから、判明するケースは氷山の一角だ。

このような有害製品による事故を、税金を使って解決しようとしていては、税金などいくらあっても足りない。

自治体にも消費者にも、製品についての詳細な知識や情報は与えられていないのだから、全員が有害物質に対して適切に対応することなど困難だ。

筆者の住む自治体でも、乾電池(マンガン・アルカリ・オキシライド乾電池・コイン電池など)は自治体の回収へ、充電式電池は「リサイクル協力店」へ、ボタン電池は「回収協力店」へ、とのことだが、実際自分の捨てたい製品の中にどのタイプの電池が入っているのか、製品を開けてみてもわからないことが多い。コイン電池とボタン電池の違いもよくわからないし、リサイクル協力店と回収協力店の違いもわからない。販売店で回収していないケースも少なくない。

水銀含有製品にしても、果たしてどれが該当するのか?

結果として、自治体の回収にすべて出す人がいるせいで、火災や水銀漏出事故が起きたとしても、消費者の責任といえるだろうか。

なぜ日本は、有害物質の回収を、生産者責任で対応しようとしないのか。

電池を含むすべての有害物質は、販売時に回収方法を明示し、生産者が責任をもって回収すべきではないか。海外メーカーの製品は輸入事業者が責任をもつべきだろう。

今後、海外製品がますます出回るだろうことを考えると、今の日本の回収制度では有害物質がますます適正に処理されにくいのではないか。

自治体がいくら頑張って回収しても、日本の河川にはマイクロプラスチックが多い。有害物質も多いのでは?と心配になる。

廃掃法と各種リサイクル法は、既に時代遅れになっているのではないか。抜本的に見直す時期が来ているのではないかと考えている。

<事故についての出所>

日本経済新聞(2018.12.12)「リチウムイオン電池や水銀式血圧計、有害ごみ回収徹底  多摩の自治体、事故多発 武蔵野市はボックス設置拡大」↓

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181212&c=DM1&ng=DGKKZO3880622011122018L83000

 

 

日本近海のシャチ、30〜50年後半減、100年後にはほぼ絶滅か

デンマークのオーフス大の研究チームが科学誌サイエンスに発表したところによると、日本近海などで100年後にシャチがほぼ絶滅する恐れがあるとのこと。

体内のPCB濃度が1キロ当たり50ミリグラムを上回ることが原因。

今後もシャチに一定のPCBの蓄積が続くと仮定して、今後100年間で出産数や死亡率などがどう変化するかを海域ごとに予測した結果、30~50年後に日本やブラジル、英国の近海、北東太平洋などで生息数が半減すると推定。100年後には、日本や米ハワイ、西アフリカの沖で、ほぼ絶滅するそうだ。

PCB以外にも、過剰な捕獲や人間の活動に伴う騒音がシャチの脅威になっているとのことだが、おそらく人間が垂れ流しているプラスチックごみなどもシャチの健康を脅かしているのではなかろうか。

<出所>

日本経済新聞(2018.11.5)「日本近海のシャチ、PCB汚染で苦境 生息数半減も」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3735951005112018CR0000/

 

パラオでも日焼け止めを禁止

オキシベンゾンとオクチノキサートの入った日焼け止めを2021年から禁止することを今年7月に議会で可決したハワイに続き、パラオでも日焼け止めが禁止される。

パラオではハワイよりさらに禁止成分が多く、全部で10種類。2020年からの禁止となる予定だ。違反者には1000ドル(約11万円)の罰金が科される。

禁止される10種類の化学物質のうち、4種類は環境ホルモン様作用があるそうだ。

<関連記事>

ハワイ サンゴ礁に有害な日焼け止めを禁止

<出所>

BBC(2018.11.2)「パラオ、有害成分含む日焼け止めを全面禁止 世界初」↓

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46068299

<その他のパラオの環境についての記事>

注目を集めるパラオの環境対策 ユニークなデポジット制度と世界初の「環境誓約」

イルカも海鳥も有害化学物質を蓄積

9月5日付けの学術誌「GeoHealth」に発表された論文によると、プラスチックや化粧品、ペンキなどの身近な製品に添加されているフタル酸エステルという種類の化学物質が、米フロリダ州サラソタ湾のハンドウイルカの体内からみつかったとのこと。

フタル酸エステルは、生殖への影響も懸念される化学物質で、野生のイルカから発見されたのは初めて。調べたイルカ17頭中、12頭から少なくとも1種類のフタル酸エステルが見つかった。

普段フタル酸エステルに接する機会の多い人間と同程度の量が見つかったイルカもいたという。要するに、それだけ海水がフタル酸エステルに汚染されていたということだろう。

また、東京農工大と北海道大学の研究グループが、2008年から2016年にかけて、新潟県粟島のオオミズナギドリや小笠原諸島のクロアシアホウドリなど、世界15地域37種150羽の海鳥を調べたところ、調査した個体の43%から、フタル酸エステルや臭素系難燃剤、紫外線吸収剤など有害物質が検出されたそうだ。飲み込んだプラスチックから有害物質が体内に移行し、蓄積したものと見られるという。

フタル酸エステルは、プラスチックを柔らかくする可塑剤として広く利用されている。「可塑剤工業会によると、2016年の可塑剤の出荷量は25万5000tでそのうちフタル酸エステル系が8割を占め」「コード、ホース、パッキンなどの部品に使われている他、パソコンやテレビなどの機器内の配線や電源ケーブルなど、あらゆる製品に含まれている」とのこと(日経エコロジー, 2018, p.28)。

フタル酸エステル類の4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)は、2019年7月22日からEUの化学物質規制(RoHS指令)に加わる。企業は欧州域内に、このフタル酸エステル類が規制値を超えて含有した製品を輸出できるなくなる。これを機に、世界中で規制を進めてほしい。欧州ではねられた規制値越えの海外の製品が、日本のように規制の緩い国に、入ってくるのではないかと心配だ。

<出所:イルカについて>

ナショナルジオグラフィックNEWs(2018.9.12)「イルカに化学物質が蓄積、プラスチック添加剤 生殖への影響や発がん性も懸念されるフタル酸エステル、米国」↓

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/091100399/

<出所:海鳥について>

日本経済新聞(2018.10.1)「海鳥にプラごみの有害物質 体内蓄積、4割で確認 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35943340R01C18A0CR0000/

<出所:フタル酸エステルについて>

日経エコロジー 2018年3月号

 

有機農業映画祭で「海-消えたプラスチックの謎」も上映

「第12回国際有機農業映画祭」が法政大学で開催されるそうだ。

上映作品は「海-消えたプラスチックの謎」、「狂った蜂2」「たねと私の旅」、「トマト帝国」、「大平農園401年目の四季」。

どれも見たいが、特にこの「海-消えたプラスチックの謎」↓が気になる。https://green-image.jp/films/mystery-of-the-missing-plastic/

以下、転載↓

国際有機農業映画祭は、12回を数え、今年は11月18日(日)に法政大学市ヶ谷キャンパスで開催されます。今年のテーマは「世の中、えらいことになるでぇ」。単に有機農業や食の安全問題のみにとどまらず、自然と人との関係の在り方やそれを支える価値観、社会のつくり方まで視野を広げ、”思想としての有機農業“を考える構成をめざしています。

日時:11月18日(日)10:00~19:45
場所:法政大学市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート棟G201
交通:JR・地下鉄「飯田橋駅」「市ヶ谷駅」下車
地図はこちら http://www.yuki-eiga.com/access
上映作品:「海-消えたプラスチックの謎」、「狂った蜂2」(本邦初上映)
「たねと私の旅」(本邦初上映)、「トマト帝国」(本邦初上映)、
「大平農園401年目の四季」
若手有機農業者によるシンポジウムもあります。
参加費:一般 前売り2000円 / 当日2500円
25歳以下 前売り 500円 / 当日1000円(当日は身分証明書を提示)
中学生以下無料
前売り申込み期間は9月1日~10月31日

詳しくはこちら↓

http://www.yuki-eiga.com/