「食の安全を守る人々」上映会と講演会のお知らせ

いま話題の映画「食の安全を守る人々」の上映会と講演会がある。オンラインで視聴することもできるし、直接会場参加も可能だ。オンライン参加の場合と会場参加の場合は申し込みが別なので、注意が必要。

主催者によると、「今回初の公表となるネオニコチノイド系農薬の人体残留検査の結果、そして今年度から始まる農薬再評価でネオニコやグリホサートの規制がどうなるか、など盛りだくさんの内容」とのこと。楽しみだ。

以下、転載↓

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 ◆「食の安全を守る人々」上映会&講演会◆
子ども達の未来のため農薬削減に向けていま何ができるか
~ネオニコ系農薬の体内暴露の実態と農薬再評価から考える~

人の健康や生態系への悪影響が報告されているグリホサートやネオニコチノイド系農薬は、世界各国で規制や禁止に舵を切る国が増えています。一方、日本は単位面積あたりの農薬使用量が世界トップクラス、農薬の残留基準値も緩い、いわゆる「農薬大国」です。私たちデトックス・プロジェクト・ジャパン(DPJ)の調査では、毛髪からグリホサートをはじめとする農薬が検出されたり、乳幼児用のお菓子からグリホサートが検出されたりしており、食べものを通して農薬を身体に取り込んでいることが明らかになっています。そのような中、改正農薬取締法の下、今年からグリホサートやネオニコ系農薬が優先的に再評価されることになりました。
まず、農薬やゲノム編集、種子の問題に取り組んだ話題のドキュメンタリー「食の安全を守る人々」を上映します。その後、DPJがグリホサートに続いて始めるネオニコ系農薬の尿検査で見えてきた予想以上の体内暴露実態、さらに農薬再評価で現状を変えられるかについて話をします。そして、どうしたら農薬使用を減らせるか、全国で進んでいるオーガニック給食の運動についても考えます。会場とオンラインの同時開催です。ぜひご参加ください。

【日 時】2021年10月17日(日)
<上映>
①オンライン参加⇒9:00~13:00、15:30~22:00 (Vimeoで配信)
 ※ご都合のよい時間にご視聴ください。
②会場参加⇒10:00~11:50(開場は9:30より)、11:50~12:10(会場のみ)山田
正彦プロデューサーのアフタートーク
<講演>
①②とも13:30~15:30(オンラインはZoomで生中継)

【会 場】日本社会連帯機構・会議室(東京都豊島区東池袋1-44-3 池袋ISPタマビル8階)

【参加方法】オンライン(zoom)と会場参加
【参加費】1,500円
【定員】オンライン500人、会場40人

【申込先】
※オンライン参加と会場参加は申込先が別ですのでお気を付けください。
①オンライン参加申込先:https://dpj-1.peatix.com
②会場参加申込先:https://dpj-2.peatix.com

9月9日以前にお申し込みで「①オンライン申込み」が「②会場申込み」にリンクされていたため、①オンライン参加を申し込まれたにもかかわらず②会場参加にお申し込みとなっている場合がございます。お心当たりのある方はお手数ですが、detoxprojectjapan2019@gmail.com までご連絡ください。

<講演会プログラム>
13:30~13:35 開会あいさつ
13:35~14:05 報告「事前調査で見えてきた日本人の尿に含まれるネオニコチノイド系農薬の状況」
         八田純人さん(農民連食品分析センター所長)
14:05~14:30 講演「農薬再評価でグリホサートやネオニコチノイドは規制できるか」
         木村―黒田純子さん(環境脳神経科学情報センター副代表)
14:30~14:35 休憩
14:35~15:25 トークセッション「どうしたら農薬を減らせるか」
         天笠啓祐さん(DPJ共同代表)、印鑰智哉さん(同)、八田純人さん、木村ー黒田純子さん
15:25~15:30 閉会あいさつ
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主催は、デトックス・プロジェクト・ジャパン(DPJ)です。

DPJの詳細は以下をご覧ください↓
https://detoxprojectjapan.jimdofree.com/dpj%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

米カリフォルニア沖、パイプラインから原油流出

カリフォルニア沖で石油採掘施設のパイプラインが破損し、これまでで約57万リットルもの原油が流出した。

航行中の船のいかりがあたったようだとのこと。

動画に、浜辺で清掃作業員が原油の塊を除去している様子などが映っている。海鳥にも被害がでて、何羽か救助したそうだ↓

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67255

ラウンドアップ裁判、初めて原告側の敗訴 ハチミツからグリホサート

アメリカのラウンドアップ裁判、これまでずっと被害者側が勝ってきたのに、今回初めてバイエル(モンサント)側が勝ってしまったようだ。まだ事情はよくわからないが、残念だ。告発した母親は、毎週庭にラウンドアップをまいていたらしい。その結果、10歳の息子がバーキットリンパ腫を発症したため、訴えた。

母親も脳に転移した子宮頸がんに苦しんでいるが、それは訴訟の対象ではないとのこと。

https://www.chemanager-online.com/en/news/bayer-wins-its-first-roundup-case

また、週刊新潮によると、日本で販売されているハチミツから残留基準値を超えるグリホサートが検出された。しかし、調べられた6種類とも0.02から0.03ppm程度のようなので、むしろ小麦やソバに混入しているグリホサートの方が心配になる。

なんといっても、小麦などの残留基準値は、2017年末から30ppmに緩和されている。

デイリー新潮(2021.10.6)「【独自】トップシェア「サクラ印ハチミツ」に基準値超えの発がん性疑惑農薬 役員らは隠蔽」↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/2e142cc5ca5cffb8dd8ba792f330d420866df33a

ラウンドアップの収穫前散布によって、穀物にはグリホサートが結構な濃度で残ってしまう。それでパンを作ったりうどんを作ったりする方が、少ししか食べないハチミツよりもよほど心配だ。

また、ドラッグストアやホームセンターにはグリホサート入りの除草剤が、ラウンドアップ以外にもところ狭しと並んでいる。これらが一体どこにまかれるのか、と考えただけでもゾッとする。子ども達の通学路や公園でなければまだよいのだが・・・。

このような化学物質の安易な使用が、子どもの身体や精神にどのような影響を与えるのか、心配だ。

映画『MINAMATA』から「香害」を考える

映画『MINAMATA』が話題だ。水俣病に注目が集まるのはうれしいが、これを機に他の公害病も思い出してほしい。水俣病、第2水俣病(新潟水俣病)、イタイイタイ病、四日市ぜんそく・・いずれも悲惨で、解決まで長い年月がかかった。まだ認定されない被害者も多いと聞く。カネミ油症事件も、公害と同じようなものだ。孫の代まで被害は続いている。

イタイイタイ病は今年、1971年の勝訴から50年ということで、地元紙(例えば、北日本新聞2021.9.26)では大きく取り上げられているが、毎日新聞を除く全国紙ではあまり取り上げられていないようだ。

1971年といえば、環境庁ができた年。この年を境に、公害は解決に向け、大きく前進したように見える。

環境庁はその後、環境省となり、仕事内容は公害についてよりも、他のことの方がはるかに多くなった。廃棄物事業も厚生省から環境省に移った。それはよいが、環境を守ることと、健康を守ることは「ベツモノ」になったようで、環境省は公害で苦しんでいる人を見ても、もはや他人事のように見えるのではないか。

「香害」は合成香料による大気汚染公害だが、環境省はいまだに真剣に香害対策取り組んでいるようには見えない。環境庁はもともと、公害対策のために生まれた省庁なのだから、もっと真剣に香り付き製品(柔軟剤など)の規制に向けて動くべきだ。

少なくとも、マイクロカプセルを使用した日用品は早急に禁止すべきだろう。

農薬を室内にまかずに済む「むしキャッチリー」が良さげ

時代は「逃虫」(とうちゅう)ということで、虫を捕獲し、外へ逃がすグッズを大学生4人と企業が共同で発売したそうだ。

確かに良いアイディア。

そもそも殺虫剤の成分は、ピレスロイド系やネオニコチノイド系などの農薬だ。こんなものを室内にまけば、吸い込んでしまい自分にも害がありそうだ。まいたあとの壁や床に成分が残っていたらと考えても恐ろしい。忌避剤では、既に自宅に入ってきてしまっている虫には手遅れだ。かといって、果敢に虫に立ち向かい、バシッと新聞紙で叩き潰す勇気はない・・。そういう人は多そうだ。

私もいつもクモを見つけると、古い大きめの紙封筒で捕獲し、外へ逃がしていた。紙封筒はゴワゴワしているので、隙間から逃げてしまい、捕獲に失敗することもある。

しかし、夜にクモを殺してはいけない、と子どもの頃に聞いたことがある。夜、クモを殺すと「ヨクモ殺したな」と、クモが仕返しにやってくるのだとか・・。おそらく益虫であるクモを殺させないために、昔の人が考えたダジャレだろうが、殺すのをためらうには十分だ。

時代は、殺虫ではなく、逃虫。確かに。

※プラスチック製というのが少々気になる。

<参考>

東京新聞(2021.9.15)↓

「殺虫、防虫ではなく「逃虫とうちゅう」 触らずに捕獲して家の外へ…日大生のアイデアがコンテストで優勝し商品化」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/131001?rct=national

「その香りで苦しんでいる人がいます!」佐賀県

佐賀県の「香害」ポスターがわかりやすくて、とても良い。

https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00377964/3_77964_213832_up_twuw5ul6.pdf

5省庁連名ポスターは、「その香り 困っている人がいるかも?」と「?」だが、佐賀県は「その香りで苦しんでいる人がいます!」と感嘆符。困っている人が大勢いるのは事実なのだから、「!」のように断定したポスターの方が正しい。

しかも、「困っている」人もいるだろうが、「苦しんでいる」人が実際に多いのだから、佐賀県の方がより正確だ。

また、5省庁連名ポスターはイラストだけで逃げているが、佐賀県ポスターは「洗濯洗剤」「芳香剤」「柔軟仕上げ剤」「制汗スプレー」「消臭スプレー」「香水」などと言葉でイラストを補っているので、わかりやすくて潔い。

せっかくポスターを作るのであれば、わかりやすくなければ意味がない。

「誰もが安心して暮らせるためにご協力をお願いします」という言葉と、その下の説明文にも、ホッとする。「使用量を守れ」などの言い訳がない。

香害は使用量を守れば済むという問題ではない。香り付き製品は「使わないこと」が肝心。少なくとも外に出るときや、人に接する時はNGだ。

佐賀県を見直した。

<関連記事>

5省庁が「香害」ポスターを作成、配布へ

消費者庁や文部科学省、環境省など5省庁が、香り自粛を求めるポスターを作った。教育委員会への電子版で送ったそうなので、受け取った教育委員会に良心があれば、各学校へ知らせてくれるのではないか、と期待している。

受け取った校長先生が保健の先生に相談してくれれば、保健の先生にもよるだろうけれど、学校は多少マシになり、子どもたちへの被害は減るかもしれない。

筆者も最近、窓を開けると室内に入り込んでくる近隣住宅の洗濯物からの匂いに閉口している。

以前はほとんどわからない程度だったが、今では「これでもか!」というほど強い匂いだ。おそらく洗濯物の主の一家は、鼻が慣れていて気にならないのだろう。

その洗濯物を干している家の住民が、香りの害に早く気づいてくれることを望んでいる。このままではこちらが先に発症しそうだ。

それにしても、なぜマイクロカプセルに人工香料を詰め込んだものを家庭用品に入れるなどという恐ろしいことを、メーカーは考えついたのだろうか。

そして、国はなぜこの程度のポスターでお茶を濁すのか。禁止してくれればよいものを・・。

5省庁連名ポスター↓

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/assets/consumer_safety_cms205_210804_01.pdf

レアメタルやダイヤモンドが生態系を滅ぼす

温暖化対策で電気自動車などの普及が進んでいる。リチウムイオン電池に使われるリチウムやコバルトの採取が各地で生態系を破壊している、という報告がある。

先日、FoEがおこなったセミナーによると、それら鉱山やアグリビジネスのせいで、2019年だけで200人以上の人々が殺されたそうだ。開発に反対した先住民や現地の住民達だ。

最近では、工業用ダイヤモンドを採掘しているアンゴラの工場から垂れ流された有害物質によって、コンゴの川が赤く変色。カバや魚の死骸が流れているという。

https://www.afpbb.com/articles/-/3361696

アフリカのダイヤというと、かつての映画「ブラッド・ダイヤモンド」や「コンゴ」を思い出すが、ダイヤモンドの被害は採掘現場だけでなく、工場から排出される化学物質により、カバまで殺されるようだ。

以前参加した大阪の市民団体・ウータンの学習会では、講師が「電気自動車が普及すると、コンゴの森がなくなる」と話していた。

レアメタル採掘により、生態系は破壊される。しかし、温暖化は待ったなしで迫っている。

解決策は、斎藤幸平氏のいう「脱成長」しかないのだろうか?

FoEではセミナーの動画を公開している↓

インターナショナル・ペレットウォッチの論文が公開、難燃剤のレガシー汚染

東京農工大の高田秀重先生たちのインターナショナル・ペレットウォッチの論文が公開された。

全文ダウンロードできる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/emcr/1/0/1_20210002/_html/-char/en

タイトルは、International pellet watch: Global monitoring of polybrominated diphenyl ethers (PBDEs) in plastic resin pellets(機械翻訳:国際ペレットウォッチ:プラスチック樹脂ペレット中のポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)のグローバルモニタリング)。

西ヨーロッパや日本も汚染濃度が高いが、アメリカはもっと高い。

他のアフリカ諸国はあまり汚染濃度が高くないのに、ガーナだけがなぜか特に高いようだ。

直接の関係はないとは思うが、ガーナでは今春、イルカや魚がナゾの大量死をしているという報道があったので気になる。

AFP(2021.4.6)「魚が謎の大量死、イルカ60頭の死骸も ガーナ」↓

https://www.afpbb.com/articles/-/3340616

香害の主原因、マイクロカプセルを使った家庭製品一覧

香害の原因はマイクロカプセルだけではないが、マイクロカプセルが大きな原因であることは確かだ。

そのマイクロカプセルを使った家庭製品の一覧がtwitterで公開されている。

多くのメーカーがマイクロカプセルを使っているが、一覧は大手3社のみ。一覧を作った人がお客様センターに電話して聞き出したということなので、漏れもあるだろうが、すばらしい行動力だ。

一覧ではP&Gの製品が一番多いようだ。

ドラッグストアのオリジナル商品でもマイクロカプセルを使った商品を見かけるから、これだけではないことは確かだが、とにかくこの手の製品を使っている人がこのまま使い続けたならば、早晩本人や周囲の人が「香害」か「化学物質過敏症」を発症しそうだ。

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